JPH0154295B2

JPH0154295B2 -

Info

Publication number: JPH0154295B2
Application number: JP59162516A
Authority: JP
Inventors: Fumio Nakayama; Hitoe Kawase; Masao Tooyama
Original assignee: Kikusui Kagaku Kogyo KK
Current assignee: Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority date: 1984-07-31
Filing date: 1984-07-31
Publication date: 1989-11-17
Also published as: JPS6140863A

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野）本発明はモルタル組成物に関するものであり、
詳しくは、特に、可撓性、弾性に優れたモルタル
組成物に関するものである。利用分野としては建造物の内壁、外壁あるいは
床、橋梁の路面、水槽、その他車輌、船舶などの
床材等が挙げられる。（従来の技術）従来におけるポリマーセメントコンクリートと
は、ポルトランドセメントにポリマーデイスパー
ジヨン及び適宜の骨材を配合してなるもので、こ
のモルタル及び適宜の骨材を配合してなるもの
で、このモルタル組成物は耐久性が良いことから
建造物の内壁あるいは外壁などに利用されてい
る。そのため、モルタルを基材となる金属板、発
泡コンクリート板、石膏板または合成樹脂板等に
スプレーすることにより、その表面に塗布される
が、硬化後のモルタルにクラツクが入りやすい欠
点がある。この原因はモルタル自体の収縮により
発生する場合と基板自身がたわみを生じた際に、
モルタルに弾性がないために発生する場合と二つ
が考えられる。「発明の目的」（発明が解決しようとする問題点）本発明者等が解決しようとする問題点は、従来
のポリマーセメントが持つ、収縮によるクラツク
発生とか、基材自身のたわみによるクラツク発生
である。従つて、本発明では上記実情に鑑み、従来のポ
リマーセメントコンクリートとしての特性を保ち
ながら、モルタルの可撓性、弾性を改善し、従来
の問題を解決しようとするものである。「発明の構成」（問題点を解決するための手段）そこで、本発明者等は、モルタルのクラツク発
生を防止する方法について種々検討した結果、あ
る特定の成分を特定の割合で配合し、得られるモ
ルタル組成物により問題を解決する手段を見い出
した。すなわち、本発明の要旨は、ポルトランドセ
メント、ポルトランドセメントに対して0.05〜
1.2重量倍のアルミナセメント、ポルトランド
セメントに対して0.05〜1.2重量倍の石膏及び
ポルトランドセメント、アルミナセメント、及び
石膏の和に対してポリマー成分として、0.1〜0.8
重量倍のポリマーデイスパージヨンと適宜の骨
材、適当量の水を配合してなることを特徴とす
るモルタル組成物にある。以下、本発明を詳細に
説明する。本発明においては、モルタル組成物として、ポ
ルトランドセメント、アルミナセメント、石膏、
ポリマーデイスパージヨン及び骨材、水の五成分
を含有することを必須要件とするものである。ポルトランドセメント及びアルミナセメントと
しては、通常の市販品が挙げられ、アルミナセメ
ントの含有量はポルトランドセメントに対して
0.05〜1.2重量倍、好ましくは0.1〜0.5重量倍であ
り、アルミナセメントの含有量が前記範囲よりも
少ない場合には、モルタルを塗布した際の硬化速
度が遅く、一方、前記範囲よりも多い場合には、
弾性の良好なモルタルが得られず、クラツクが発
生しやすく、長期にわたる強度が低いので好まし
くない。本発明では、このようにポルトランドセ
メントとアルミナセメントを特定の割合で併用し
て使用する点が特徴の一つである。また、本発明では更に、上述の両セメントとと
もに、石膏を存在させるが、石膏の含有量として
は、ポルトランドセメントに対して0.05〜1.2重
量倍、好ましくは0.1〜0.3重量倍である。この石
膏の存在によつて、より一層、可撓性、弾性に優
れ、しかも、強度も高く、クラツクなどの発生し
にくい良好なモルタル層を得ることができる。次に本発明で用いられるポリマーデイスパージ
ヨンとしては、水性のものであれば、特に限定さ
れるものではなく、従来、公知の種々のものが使
用できるが、通常、ポリアクリル酸エステル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン―ポリ塩化ビ
ニル、ポリプロピオン酸ビニル、ポリエチレン―
ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレンなどの熱可塑性
樹脂エマルジヨン；エポキシ樹脂などの熱可塑性
樹脂エマルジヨン；アスフアルト、ゴムアスフア
ルト、パラフインなどの瀝青質エマルジヨン；ク
ロロプレンゴム、スチレン―ブタジエンゴム、ア
クリロニトリル―ブタジエンゴム、メタクリル酸
メチル―ブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどの
合成ゴムラテツクス等及びこれらの混合物が挙げ
られる。これらのポリマーデイスパージヨンの含
有量は、ポルトランドセメント、アルミナセメン
ト及び石膏の和に対してポリマー成分として0.1
〜0.8重量倍、好ましくは0.2〜0.5重量倍であり、
この含有量が前記範囲よりも少ない場合には、モ
ルタルの耐水性が劣るとともに、弾性が著しく低
くなり、かつ、金属特に鉄、アルミなどへの付着
性が悪くなる。この付着性能の違いは時間がたつ
ほどより顕著に現われる。逆に、前記範囲よりも
多い場合には、モルタルの弾性は向上するもの
の、強度及び耐久性が悪くなると言う欠点がある
ので好ましくない。また、骨材の種類としては、通常、例えば５〜
７号の硅砂、川砂利、川砂、砕石、砕砂などが必
要に応じて用いられるが、硅砂を用いるのが最も
好ましい。骨材の含有量は通常、ポルトランドセ
メント、アルミナセメント及び石膏の和に対し
て、0.5〜５重量倍、好ましくは1.5〜３重量倍で
ある。本発明では上述の各成分の他に、本発明の特性
を失わない範囲において、例えば、顔料、分散
剤、消泡剤、増粘剤、凝結遅延剤、若填剤などを
適宜、加えても差し支えない。上述の各成分を用いてモルタル層を実際に形成
させるには、通常、各成分の組成物を常法に従つ
て、該混合物に対して０〜0.4重量倍の水ととも
に十分に混練し、次いで、これをモルタルスプレ
ーガンなどにスプレーすることにより、実施する
ことができる。以上、本発明によれば、モルタルの収縮又は基
材のたわみによるクラツク発生の著しく少ない良
好なモルタルが得られる。本発明において、この
ような可撓性、弾性の優れたモルタルが得られる
原因の一つは、本発明の特定の組成の場合には、
モルタルの調整工程（3CaO・Al₂O₃・6H₂O）と
（CaSO₄・2H₂O）とが生成し、更に、これによ
りエトリンガイト（3CaO・Al₂O₃・3CaSO₄・
32H₂O）が普通モルタルより多く生成するため
である。すなわち、エントリンガイトは針状結晶
であるため、この針状結晶の間隙に樹脂成分が入
り込み、そのため可撓性、弾性に優れ、クラツク
が入りにくい構造となるのである。また、同時
に、本発明のモルタル組成物はポルトランドセメ
ントのセメント水和物であるC₃S（エーライト；
3CaO・SiO₂）、 C₂S（ビーライト；2CaO・SiO₂）を生成し、モ
ルタル自身の強度発現に大きな役割をはたしてい
る。また、エトリンガイトは多量の結晶水を有す
るので、有機質を比較的に多く含むモルタルとし
ても、不燃性及び難燃性が優れているので好まし
い。更に、本発明では、アルミナセメントを含有
するため、短時間で内部まで硬化するので、モル
タルの初期強度が高く、作業性も良好である。特
に厚塗りをした場合でも、外部と内部とにより弾
性が異なると言うこともなく、均一なモルタルを
得ることができる。（本発明による作用）本発明のモルタル組成物は、可撓性を発現する
針状結晶のエトリンガイトとモルタル本来の強度
発現に寄与するセメント水和物と、これら結晶体
の長期安定性に寄与するポリマーデイスパージヨ
ンの複合作用によりイ可撓性、弾性に優れロ強度がありハ硬化が早くニ強度発現が早くホ長期的に可撓性が安定して持続するモルタルを得ることができる。（実施例）次に、本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例の記載に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とあるのは、「重量部」
を示す。実施例１〜３及び比較例１〜５ポルトランドセメント100部に対して、第１表
に示すアルミナセメント及び石膏を混合し、更
に、これに第１表に示すポリマーデイスパージヨ
ンと硅砂350部を混合したものをこれらに対して
0.05倍の水とともに、10分間混練し、次いで、混
練した混合物をモルタルスプレーガンにより７cm
×15cm角の亜鉛メツキ板２に、硬化後の厚さが４
mmまたは７mmとなるようにそれぞれ塗布した。 20℃、60％RHの条件下で２週間養生後、この
ようにして得たモルタル層１を有する板状物を直
径10mmの円柱物体３に沿つて60゜折り曲げること
によりモルタルの可撓性テストを行ない、モルタ
ル層のクラツク発生程度を調べたところ、厚さ４
mmの場合は第２表、そして、厚さ７mmの場合は第
３表に示す結果を得た。

【表】

〔発明の効果〕

本発明の効果として、従来のポリマーセメント
コンクリートを建造物等に使用した場合、たわ
み、振動、衝撃等の原因によつてヒビ割れたり、
剥離したりすることがあつたが、本発明のモルタ
ル組成物を使用することにより、前述の欠陥が発
生しなくなつた。従つて、従来はたわみの発生す
る場では使用不可能であつた不燃、もしくは難燃
性のモルタル組成物を使用することが可能となつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は実施例、比較例のモルタル組
成物を可撓性テストに供した場合の断面図を示す
もので、第１図は折り曲げ前、第２図は60゜折り
曲げた時の状態を示している。１……モルタル層、２……亜鉛メツキ板、３…
…円柱物体。

Claims

【特許請求の範囲】１ポルトランドセメント、ポルトランドセ
メントに対して0.05〜1.2重量倍のアルミナセメ
ント、ポルトランドセメントに対して0.05〜
1.2重量倍の石膏及びポルトランドセメント、
アルミナセメント、及び石膏の和に対してポリマ
ー成分として、0.1〜0.8重量倍のポリマーデイス
パージヨンと適宜の骨材、適当量の水を配合
してなることを特徴とするモルタル組成物。２骨材の含有量が、ポルトランドセメント、ア
ルミナセメント及び石膏の和に対して0.5〜５重
量倍である特許請求の範囲第１項記載のモルタル
組成物。３骨材が硅砂である特許請求の範囲第１項又は
第２項記載のモルタル組成物。