JPH0152714B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はガス冷却形原子炉の高温プレナムブ
ロツクの改良に関する。

頭記高温プレナムブロツクは、炉心を構成する
下部可動反射体の下方に位置して炉心重量を支え
るとともに、炉心を通つて流れて来た一次冷却材
のガスを集めて出口ダクトへ導く高温プレナム部
の上部境界を形成するものであり、炉容器内で同
一水平面上に多数並べて配置される。かかる高温
プレナムブロツクは、炉心の燃料要素を通流する
冷却ガスの流量を維持して高温の冷却ガスを得る
ために、入口ダクトを通じて炉容器内に流入した
冷却ガスが燃料要素に到達する以前の段階で高温
プレナムブロツク相互間の隙間を通じて高温プレ
ナム部へバイパスして流れることのない構造であ
ること、および高温プレナムブロツクの集合体の
耐震性が高いことが望まれる。

ところで従来における高温プレナムブロツクは
第１図および第２図に示すごとき構造である。図
において１が高温プレナムブロツクであり、該ブ
ロツク１は支柱２を介して炉心支持板上の断熱層
３の上に支持されている。そしてブロツクの上に
下部可動反射体４を積み重ねて炉心の重量を支え
ている。ここで高温プレナムブロツク１は、１個
で１燃料領域を構成する７体の下部可動反射体４
を支持するよう構成されており、その平面形状は
六角形状の下部可動反射体を７個を束にして配列
した外形形状に合わせた第２図のごとき星形であ
る。そして各可動反射体４のガス通路に応対させ
て、ブロツク内の７箇所に冷却ガス流路孔５があ
けられている。また１′は上記ブロツク１に隣接
する高温プレナムブロツクを示しており、ブロツ
ク１と１′との相互間の隙間を通じて高温プレナ
ム部へ流れ込む前述の冷却ガスのバイパスフロー
を抑制するために、ブロツク１と１′の相互間に
またがりブロツクの上部周縁に沿つて黒鉛製のシ
ール要素６が設置されている。

しかしながら上記のような星形形状の従来構造
では、次に述べる欠点がある。すなわち、まず高
温プレナムブロツク相互間の隙間を通じて流れる
冷却ガスのバイパスフロー量は、シール要素６と
各ブロツク１，１′間の細隙を全く無視すること
ができないことから、シール隙間の長さ、つまり
高温プレナムブロツクの外形の周辺長さに比例し
て増す。しかも従来構造は第２図のように平面星
形であるために、外形の周辺長さが長く、それだ
けバイパスフロー量の多くなることが避けられな
い。またブロツク１，１′の外周縁に沿つて配置
されるシール要素６の継ぎ目は冷却ガス洩れの原
因となるが、上記星形のブロツク１，１′では外
形の辺の数が“18”もあり、それだけシール要素
６の継ぎ目を通じて洩れる冷却ガスのバイパスフ
ロー量も増すなど、ブロツク相互間で十分なシー
ル性能を確保することが困難である。更に従来の
星形ブロツク構造のままでは、耐震性の向上に極
めて有効なラジアルキー結合方式を採用すること
ができない。すなわち第２図において、ブロツク
１と１′の中心を結ぶ仮想線ｌに対し、各ブロツ
クの向い合う側面は垂直とならずに傾いている。
このために仮にブロツク１と１′の側面にまたが
つてキーを介挿して結合した場合には、それはラ
ジアルキーとして有効に働かず、ブロツクの熱膨
張、収縮による熱変形がキーによつて拘束され、
隣接ブロツクに不当な応力をおよぼすなどの不具
合を生じる。この理由から従来構造ではラジアル
キー結合方式が採用されてないので、地震発生時
には地震荷重を各ブロツクへ分散させることがで
きず、高い耐震性が得られない。しかもブロツク
相互間のキー結合構造が採用されてないことか
ら、ブロツク間間隙が不均一になりがちになり、
シール性能の低下を来たす恐れもある。

この発明は上記従来構造の欠点を除去し、冷却
ガスのバイパスフローに対するシール性能、およ
び耐震性の向上が図れるようにした高温プレナム
ブロツクを提供することを目的としてなされたも
のである。

かかる目的はこの発明により、高温プレナムブ
ロツクを互に面と面を密着させて重ね合わせた上
下２段の分割ブロツクから構成し、かつ上段分割
ブロツクの外形を従来と同じ星形形状となすとと
もに、下段分割ブロツクの外形を正六角柱形状と
なし、しかも隣接ブロツク相互間のシール要素を
下段分割ブロツクの上部外周縁に沿つて、また隣
接ブロツク間結合用のキーを下段分割ブロツクの
外周面上における隣接し合うブロツクの中心と中
心を結ぶ仮想線と交わる箇所にそれぞれ設置した
ことにより達成される。

以下この発明を図示実施例に基づき詳述する。

第３図および第４図において、高温プレナムブ
ロツク１は互に面と面を密着させて重ね合わせた
上下２段の分割ブロツク１１と１２の組合わせ構
造体としてなる。このうち上段分割ブロツク１１
は第１図および第２図で述べたと同様に７体の下
部可動反射体４の配列形状に合わせた星形形状に
作られ、かつ各可動反射体４のガス通路に対応し
た冷却ガス流路孔５があけてある。これに対し、
下段分割ブロツク１２はその外形が上段分割ブロ
ツク１１の外形寸法と対応する正六角柱形状に定
めて作られており、該ブロツク１２が支柱２を介
して断熱層３に支持されている。また隣接し合う
ブロツク１と１′の相互間をシールするシール要
素６は下段分割ブロツク１２の上部外周縁に沿つ
て設置され、一方下段分割ブロツク１２の各周側
面上には、隣接ブロツク１′との間にまたがつて
ブロツク１と１′の中心を結ぶ線ｌとの交わる箇
所にキー溝を形成してここにキー７が介挿設置さ
れている。

上記構成によれば、まずシール要素６は正六角
柱形状の下段分割ブロツク１２の外周各辺に沿つ
て設置されている。しかも正六角柱の周辺長さ
は、第２図の星形の周辺長に較べて約12％短く、
かつ辺と辺の間の頂点の数も1/3に減少する。し
たがつてシール長さは短く、かつシール要素の継
ぎ目数も減少するので、隣接ブロツク相互間のシ
ール性能は従来構造のものと比較して大巾に向上
し、冷却ガスのバイパスフロー量を減少できる。
なお上下段の分割ブロツク１１と１２の間は面が
密着し合つているので、冷却ガスの洩れの恐れは
ない。更に下段分割ブロツク１２の周側面は隣接
し合うブロツク１と１′の中心を結ぶ仮想線ｌに
対して垂直となり、この箇所に介挿されたキー７
はラジアルキーとして有効に働く。すなわち、キ
ー７は各ブロツク１，１′の個々の熱膨張、収縮
に伴う外形寸法の変化はこれを拘束することなく
自由に許すとともに、地震によるブロツク相互間
の相対変位に対しては拘束機能を発揮し、地震荷
重を全ブロツクへ分散させることができるので耐
震性が向上する。加えて隣接し合うブロツク間が
キー結合されることにより、ブロツク間間隙を常
に一定に保つことができてより一層のシール性能
の向上が図れるなど、この発明により数々の利点
が得られる実益大なる高温プレナムブロツクを提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第３図はそれぞれ従来およびこの
発明の実施例に基づく高温プレナムブロツクの縦
断面図、第２図は第１図の平面図、第４図は第３
図における矢視−断面図である。 １，１′：高温プレナムブロツク、２：支柱、
４：下部可動反射体、６：シール要素、７：キ
ー、１１：上段分割ブロツク、１２：下段分割ブ
ロツク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炉心における下部可動反射体を支えて高温プ
   レナム部の上部境界を形成する高温プレナムブロ
   ツクであつて、互に面と面を密着させて重ね合わ
   せた上下２段の分割ブロツクからなり、かつ上段
   分割ブロツクの外形を可動反射体の配列形状に合
   わせて星形形状となすとともに、下段分割ブロツ
   クの外形を正六角柱形状となし、しかも隣接し合
   う高温プレナムブロツク相互間のシール要素を下
   段分割ブロツクの上部外周縁に沿つて、また隣接
   ブロツク間結合用のキーを下段分割ブロツクの周
   側面上における隣接し合うブロツクの中心と中心
   を結ぶ仮想線と交わる箇所にそれぞれ設置したこ
   とを特徴とするガス冷却形原子炉の高温プレナム
   ブロツク。