JPH0150412B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自分自身で歩くことの困難な身障
者の移送寝台に関する。詳しくは、ベツトに寝た
ままになつた人を一人の介添者でもつて寝台上に
移し替えができる移送寝台に係るものである。

従来技術 従来の移送寝台は、ベツト上に横たわつている
身障者を伸縮可能な回転移送ベルトによつて身障
者の頭部側から引き出して寝台上に乗せる構造の
ものであつた。

発明が解決しようとする問題点 従来の移送寝台は、身障者を乗せることができ
る回転移送ベルトの装備された枠が前後方向に伸
縮できる構造のものであつたために、ベツト上で
横たわつている身障者の上半身を起こして移送ベ
ルトを敷き込んだ後に寝させて移送ベルトを伝動
回転して寝台上へ移し替える面倒な操作が必要で
あり、しかも、移送ベルトの回転時に衣類が巻き
込まれて脱げる等の問題点があつた。

問題点を解決するための技術手段 この発明は、前記の問題点を解決するために次
の技術的手段を講じた。

即ち、この発明は、下部に転動輪４を有し、前
後方向が長くて左右横方行が短い平面視が略々長
方形状の寝台１の上面部に、手動操作ハンドル１
５による正逆回転自在な回転輪１４に巻き掛けら
れて左右に往復走行可能な走行帯１８を設け、こ
の走行帯１８に、身障者が寝た姿勢のままで載せ
得る前後方向に長い平面視が長方形状をした剛体
のフレームで規制されない全体が可撓性のシート
２０の左右方向一端側を連結し、該シート２０自
体が移動寝台１の横端から外方へ喰み出てベツト
上面に直接展開可能に構成してなる身障者用の移
送寝台とした。

発明の作用及び効果 この発明は、前記の技術的手段によつて、ベツ
ト上に寝ている自分自身で起き上がつたり歩くこ
との困難な人を、移送寝台を横付けしてハンドル
操作でシートをベツト側へ走行して寝台上からシ
ートをベツト上へ展開ならしめて、このシートを
ベツト上の寝ている人の下に敷き込んだ後、再び
ハンドル操作で寝台側へシートを移動ならしめて
当該寝台上にベツト上の人を簡単に一人の介添者
でもつて乗せ替えることができる。

このように、この発明では、寝台上で左右に走
行可能な走行帯に、自由にたわむことのできるシ
ートの左右一端側を取付けた簡単な構成によつ
て、このシートが寝台上から喰み出してベツト上
に展開でき、しかも、このシートが自由に屈曲で
きるから寝ている人の姿勢に馴染んでソフトな感
覚のもとに寝ている人の下側に敷き込むことがで
きて、寝ている姿勢のまま極めて容易にベツトか
ら寝台上に移し替えることができる作用効果を奏
する。

実施例 この発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明
すると、１は寝台で、平面視が前後方向に長い長
方形状をしていて、平面視がＨ型状あるいは長方
形状に枠組みされたフレーム２の四隅にキヤスタ
ー枠３を介して自由に回動できる転動輪４，４…
を取付け、このフレーム２から上方へ突出する支
柱５，５…上に支枠６を介して支架されている。

そして、この寝台１の中央部を下方へ凹ませて
この凹部にクツシヨンのあるマツト７を敷設して
いる。

尚、この寝台１は、支枠６上に直接マツト７を
敷設する構成であつてもよいことは勿論であり、
人が寝ることのできる大きさの前後方向に長い台
であればよい。

また、支柱５，５…は、第９図の通り二重筒に
して上下に伸縮でき、ピン８と係合孔９及び１
０，１０…とで上下高さが調節できるように構成
することが望ましい。

１１は巻取装置で、前記寝台１の左右方向一端
側の長辺部分に、前記支枠６からブラケツト１
２，１２を介して回転軸１３を支架し、この回転
軸１３に巻取回転輪１４を挿通して止着し、前記
回転軸１３にハンドル１５を取付けている。

１６は拡縮台で、第８図の通りに平面視が長方
形にパイプで枠組みされ、内側にマツト１７を張
設している。そして、この拡縮台１６は、その一
側長辺部を前記寝台１の反巻取装置１１側端部に
上下に回動できるように枢結して該寝台１に一体
的に設けられている。尚、この拡縮台１６は、第
１０図で示す通り、寝台１の下側に引き出し可能
に構成しても良い。３１は案内レール枠である。

１８及び１９は走行帯で、夫々前記寝台１の上
側と下側とにあつて何れも前記回転輪１４に巻き
掛けられていて反巻取装置１１側は両走行帯１
８，１９が後述のシート２０を介して一体の連続
体になつて寝台１及び拡縮台１６を巻き囲むよう
になつている。そして、この両走行帯１８，１９
は回転輪１４の軸心の方向に一定の間隔で３組に
設けられ、上側走行帯１８は回転輪１４を矢印イ
側へ回転のとき巻き取られて走行し、反矢印イ側
へ回転のとき下側走行帯１９が巻き取られるよう
になつている。

２０はシートで、屈曲自在な皮革や合成樹脂布
からできていて、平面視が前後方向に長い長方形
状に形成され、前記上側走行帯１８の自由端に一
側長辺部の裏面が止着され、また、前記下側走行
帯１９の自由端が前記拡縮台１６の外端枠部を迂
回するようにして前記上側走行帯１８が止着され
た側のシート２０の裏面に止着され、このシート
２０は前記回転輪１４の反矢印イ方向への回転で
反巻取装置１１側へ移動して拡縮台１６を含む寝
台１の外端から更に外方へ大きく喰み出す状態ま
で移動でき、矢印イ方向へ回転することによつて
寝台１上に戻されるように構成されている。

２１はテンシヨン軸で、前記下側走行帯１９の
裏面に位置して該走行帯１９のたるみを防止する
ように前記支柱５に前後の両端が止着されてい
る。

次に、上例の作用について説明する。

ベツト２２上に寝ている人を寝台上に移すに
は、先ず、第３図のように拡縮台１６を外方へ広
げるべく引き上げて第４図の状態にしながら移送
寝台１をベツト２２の側面に接近させ、拡縮台１
６をベツト２２の上面に載置してその外端側がベ
ツト２２に寝ている人の側面に近づける。

この状態で、ハンドル１５により回転軸１３を
介して回転輪１４を反矢印イ方向に回転し、シー
ト２０を拡縮台１６から喰み出るまで移動させ
る。このとき、シート２０は寝ている人に突き当
たるけれどもシート自体屈曲自在な布製でできて
いるから第５図の仮想線で示す通り反対側へ折り
返すことができる。

次に、ベツト２２の人を第５図の一点鎖線の通
り寝返りさせながらシート２０を背中側のベツト
上に展開して敷き、元の状態に戻して第５図の二
点鎖線の状態にして該シート２０上に載せる。

この状態でハンドル１５を回して回転輪１４を
矢印イ方向へ回転すると走行帯１８が該回転輪１
４で巻き取られてシート２０が人を載せたままゆ
つくりと拡縮台１６上を経て寝台１上に移動され
る。このようにして、ベツト２２上に寝ている人
を一人の介添者でもつて極めて容易に寝台１上に
移し替えることができ、しかも、シート２０が可
撓性であるためにベツト２２に寝ている人の下に
敷設するとき、該ベツト２２にシート２０が馴染
んで極く自然な状態で敷設できて寝ている人が痛
がらずにソフトな感触のもので受けることがで
き、この状態なまま寝台上に移せる。

そして、移送寝台１を移動してベツト２２の側
面から離すと第７図の通り拡縮台１６は自重で垂
れ下がる。

尚、ベツト２２の端側に人が寝ているような場
合には、拡縮台１６をベツト上に展開しないで、
移送寝台１を第３図の状態のままでベツト２２の
側面に接近させ、拡縮台１６が該寝台１とベツト
２２との間に折れ込む状態のままシート２０をベ
ツト２２の上面に喰み出させて前述と同じように
操作してシート２０上に人を載せて移送させて寝
台上に載せ替えることができる。

上例の場合は、高いベツト２２上に寝ている人
を移送寝台上に移し替える実施例について詳述し
たが、低いベツトで寝ているような場合には、前
述の第９図で示した伸縮可能な各支柱５の構成に
すれば、寝台を下げることで対応させることがで
きる。

更に、和室の畳みの上にマツトを敷いて寝てい
るような場合には、第１１図のように支柱５，５
…を除いた構成にするとよい。また、この第１１
図の寝台２４のように、脚受部２４ａ、腰受部２
４ｂ、背受部２４ｃのように３区分に分割して、
その腰受部２４ｂを支枠６ａに枢着し、この前端
に脚受部２４ａを後端に背受部２４ｃを夫々枢結
し、支枠６ａに取付けた角度調節ラツク板２５に
レバー２６で係脱操作できるピン２７を背受部２
４ｃに設けると寝台２４は仮想線で示したように
椅子状態にも操作できて一層至便である。尚、こ
の場合、回転輪１４は、各受部の枢結軸心線上で
ユニバーサルジヨイント２３で連結して屈折可能
に構成する。またハンドル１５は第１３図の通
り、一組のベベルギヤー２９，３０を介して上方
に位置させる。尚、２８は脚受部２４ａの支持ロ
ールを示す。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示したもので、第
１図は平面図、第２図はその正断面図、第３図〜
第７図は一連の作用状態を説明する簡略正断面
図、第８図は第５図の簡略平面図、第９図は別例
の要部の正断面図、第１０図は別例の要部の正断
面図、第１１図は別例の側断面図、第１２図はそ
の一部簡略の平面図、第１３図は要部の断面図で
ある。 図中記号、１は寝台、４は転動輪、１４は回転
輪、１５は操作ハンドル、１８は走行帯、２０は
シート、２２はベツトを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下部に転動輪を有し、前後方向が長くて左右
   横方向が短い平面視が略々長方形状の寝台の上面
   部に、手動操作ハンドルによる正逆転自在な回転
   輪に巻き掛けられて左右に往復走行可能な走行帯
   を設け、この走行帯に、身障者が寝た姿勢のまま
   で載せ得る前後方向に長い平面視が長方形状をし
   た剛体のフレームで規制されない全体が可撓性の
   シートの左右方向一端側を連結し、該シート自体
   が寝台の横端から外方へ喰み出てベツト上面に直
   接展開可能に構成してなる身障者用の移送寝台。