JPH0149441B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車の前方部分に付加的機器を取
り付ける装置に係り、特に、農業用若しくは工業
用車輛の前方部分に機器を高さを調節できるよう
にして取付ける取付装置に関する。

近年、農業用や工業用の車輛において、大型で
幅があり重量のある付加的取付機器を使用する傾
向がでてきている。これらの機器は車輛の前方部
分及び後方部分の両方に取り付けられる。後方部
分に取り付けられる機器に関しては、それが適当
な幅の場合には車輛の走行のときに、当該車輛の
後方部分または上方に折りたたむように設計する
ことができる。車輛の前方部分に同様度の大きさ
の機器が取り付けられている場合には、それを上
方や側方に折りたたむことは通常不可能である。
それは、側方へ折りたたむと車輛の重量分布が変
り、そのステアリング操作に影響を与え、また、
上方に折りたたむとドライバーの視界を制限する
ことになる。

特に前方部分に取り付ける機器に関しては、そ
れをフラツドベツド（貨物登載台）トラツクに載
せるのに十分な高さまで持ち上げることができる
ようにする必要もある。また、その機器のトラツ
クへの積み降し及び当該車輛への連結及びその解
除をオペレータが自分で危険なく行えるようにす
ることが望まれる。更に、機器を車輛で輸送する
ために、それをトラツクに載せるのに十分なだけ
持ち上げるようにするためには、機器を目に見え
る程水平方向で揺動することなしに垂直方向で動
かす必要がある。このことは、作動位置にあるホ
ツパ型シード・ドリル（seed drill）、肥料スプレ
ツダ及び散布機器等においては特にそうである。
更に、取付機器の多くの部分を車輛のケーシング
やフ−ド（またはボンネツト）の内部に位置決め
することが一般に望まれる。そのようにすること
によつて、機器は汚れから保護され、車輛の外観
も良く、オペレータの視界も良くなる。

ドイツ特許第2758978号及び第2852773号に示さ
れているように、種々の前方取付タイプの機器取
付装置が知られている。ドイツ特許第2758978号
の第１図及び第２図には、トラクタの前方部分へ
取り付けられた一定の高さ調節手段を備える三点
ヒツチが示されている。ドイツ特許第2852773号
は、カツプリングプレート及びそれを設定位置に
ロツクするための手段の垂直方向運動を起すのに
使用する液圧シリンダーを示している。

本発明は、近年の産業界での要望に合う前方機
器取付装置を提供する。本発明に係る取付装置
は、車輛に垂直にされ且つ相互に平行にされて取
り付けられた一対の間隔をあけた支持部材を有し
ている。前端部で相互に連結された一対の上方揺
動アームがその後端部に於いて支持部材に枢着さ
れている。上方揺動アームにほぼ平行にされた一
対の下方揺動アームがその後方端部において支持
部材に枢着されている。上方及び下方揺動アーム
は車輛の前部を越えて前方に伸び、例えば地面係
合機器等を支持する。取付装置はまた液圧シリン
ダーを有しており、該シリンダーの一端は車輛フ
レームに、他端は上方揺動アームに接続されてい
る。液圧シリンダーの作動により上方及び下方揺
動アームの平行運動が行われるようにそれらのア
ームの前端が上記機器に枢着されている。この取
付装置は取付ける機器を輸送車輛に積み降しでき
る十分な高さに持ち上げるのに有利である。

本発明の基本的目的は、取付機器の高さを車輛
の前方部分に対して相対的に調節できる取付装置
を提供することにある。本発明の具体的目的は、
大部分を車輛のフートまたはケーシング内に収納
した状態で設定される機器取付装置を提供するこ
とにある。

本発明の他の目的は、取付機器をフラツトベツ
ド・トラツクのような貨物プラツトフオームに載
せることができるように持ち上げることができる
取付装置を提供することにある。

本発明の更に別の目的は、農業用トラクターの
前方部分に機器を取付けるための組立が簡単で経
済的にできる取付装置を提供することにある。

以下、本発明を添付図面に示した実施例に基づ
き詳細に説明する。

第１図乃至第６図には、フロントパネル１４で
終るフード１２を備える車輛１０の一部が示され
ている。取付装置１６が車輛１０の前方部分の前
輪車軸１７のほぼ前方部分に、当該装置の大部分
がフード１２内に収納されるようにして取り付け
られている。取付装置１６は車輛１０のフレーム
に取り付けられたＵ字型の一対のガイドトラツク
１８を有している。該ガイド内にはＵ字型ビーム
状の支持部材２０が可動状態に取り付けられてお
り、該部材は相互に平行に整合されＵ字型の解放
部分が相互に向い合うようにされている。

支持部材２０の内側縁部には、後方に伸びる第
１及び第２対のブラケツト２２，２４が溶接など
により取り付けられている。第１の対のブラケツ
ト２２は第２の対のブラケツト２４から垂直方向
上方位置に間隔をあけて設けられている。ブラケ
ツト２２には２５のところに一対の第１（若しく
は上方）揺動アーム２６が枢着されており、これ
らアームはその前端に於いて単一のタング部分２
７に収束して結合されている。叉骨状のアーム２
６のかわりに単一のリンクを使うこともできる。
タング部材２７は、アーム２６間の中心線上にあ
ることが望ましくその中に一つの開口２８が設け
られている。ブラケツト２４の２９のところには
一対の第２（若しくは下方）揺動アーム３０が枢
着されており、これらは車輛１０の縦方向軸線に
平行で、揺動アーム２６にほぼ平行とされてい
る。第２の揺動アーム３０は２９のところでブラ
ケツト２４に接続され、前輪車軸１７に近い位置
にある。各揺動アームはその前端部に開口３２を
有している。

第１及び第２の対の揺動アーム２６，３０はそ
れぞれ第１図に示す車輛のフロントパネル１４に
形成されたスロツト３４を通つて伸びている。第
１及び第２の対の揺動アーム２６，３０の前端部
はボルト等により連結フレーム３６に枢着され
（第２図乃至第６図参照）、これら揺動アーム２
６，３０が常に平行になるようにされている。連
結フレーム３６は種々の型式の地面係合機器また
は材料移動機器を支持して、これをその一定の向
きを保ちながら昇降することができる。例えば、
連結フレーム３６は土砂移動バケツト、フオーク
リフト機構、散布装置等を支持できる。但し、連
結プレートを用いなくとも、それらの機器を第１
及び第２の対の揺動アームの前端に直接取り付け
るようにすることもできる。

取付装置１６または一対の昇降エレメント３８
例えば液圧シリンダーや他の良く知られた昇降装
置を備える。昇降エレメント３８が液圧シリンダ
ーである場合、単一段（シングルステージ）若し
くは多段（マルチプルステージ）のいずれの液圧
シリンダーかについて述べる必要がある。多段液
圧シリンダーは第１図乃至第６図に示されてお
り、単一段液圧シリンダーは第７図乃至第１０図
に示されている。液圧シリンダーは液圧ライン３
９により制御手段４１に接続されており、この制
御手段は制御レバー４３によつて手動操作される
（第３図乃至第６図参照）。好ましくは、制御レバ
ー４３は車輛１０の操縦室内に設けられる。液圧
シリンダーが昇降エレメント３８として使用され
る場合には、これらレバーはその下端４０が車輛
フレームの一部に枢着されている。液圧シリンダ
ーの上端４２は水平コネクテイングロツド４４に
よつて連結され、両液圧シリンダーが一体的に動
くようにされている。コネクテイングロツド４４
は、揺動アームがブラケツト２４に枢着されてい
る箇所２５の前方で、第１の対の揺動アーム２６
に枢着されている。必要がある場合には、液圧シ
リンダーの上端４２は第１の対の揺動アーム２６
に直接枢着してコネクテイングロツド４４を用い
ないようにすることもできる。また、昇降エレメ
ント３８は第２（若しくは下方）の対の揺動アー
ム３０に接続することもできる。

第１及び第２の対の揺動アーム２６，３０はそ
れぞれ、液圧シリンダー３８がその中間位置に伸
びたとき、ほぼ水平になる（第３図）。揺動アー
ム２６，３０を降すためには、液圧シリンダー３
８のピストンを第４図に示す如く引き込める。揺
動アーム３０が下降される量の限度は、液圧シリ
ンダーのピストンの引込量及び揺動アーム３０に
前輪車軸１７に対する接触によつて決まる。揺動
アーム２６，３０を上昇させるには、シリンダー
３８内のピストンが第５図に示されるように伸ば
される。揺動アーム２６はそれらが停止部材４６
に当るまで液圧シリンダー３８によつて伸ばされ
る。停止部材４６は支持部材２０の少なくとも一
方の内面に固定されている（第５図）。揺動アー
ム２６が停止部材４６と当接する位置となり液圧
シリンダー３８内のピストンロツドが上昇され続
けると、支持部材２０がガイドトラツク１８内を
上方に持ち上げられる（第６図）。支持部材２０
がガイドトラツク１８内で上方に摺動することに
より、取付装置１６はかなりの高さに達し、一
方、揺動アーム２６，３０は垂直上方にシフトさ
れる。この高さは機器を輸送トラツクやトレーラ
に載せたりそれから降したりするための位置に持
ち上げるのに都合のよいものである。ガイドトラ
ツク１８や支持部材２０はフード１２内に収納さ
れているので、機器を所要の高さに持ち上げるの
にそれらがオペレータの視界を制限することはな
い。

第１図乃至第６図に示されるように、取付装置
１６はガイドトラツク１８の少なくとも１つの上
端に取り付けられたロツク機構４８を備えてい
る。ロツク機構４８は可動キヤツチ部材を有して
おり、該部材はばね５２によつてガイドトラツク
１８内での支持部材２０の上方への動きを阻止す
る阻止位置に偏倚されている。ロツク機構４８は
車輛の操縦室内に至るケーブル５４によつて手動
操作できる。キヤツチ部材５０はオペレータがケ
ーブル５４を引くと係合解除される。すなわち、
キヤツチ部材はばね５２が圧縮される方向に動
き、ガイドトラツク内での支持部材２０の上方へ
の動きを許容する。ロツク機構４８は図示のもの
に限る必要はなく、機械的、電気的なものまた液
圧作動のものとすることができる。

第７図乃至第１０図には、他の実施例に係る取
付装置６６が示されている。この装置６６は第１
図乃至第６図のものと比べ、一対の支持部材６８
が溶接などにより車輛フレーム１０に直接固定さ
れており、また、昇降エレメント７０が単一段液
圧シリンダーである点で異つている。取付装置６
６はまた上述した停止部材若しくはロツク機構を
含まないという点で簡易化されている。その他の
点では、装置６６は第１の実施例のものと類似し
ており、従つて類似の部品には同じ番号が付して
ある。装置６６におけるアーム２６，３０の上方
への動きは、液圧シリンダー７０からのピストン
ロツド７２の最大の動きによつて制限される。

本発明は上述の如く、機器を支持する第１及び
第２の揺動アームを支持部材に枢着すると共に、
該支持部材を垂直なガイドトラツク内に摺動自在
に配設し、車輛フレームと揺動アームとの間に昇
降手段を配設しているので、揺動アームを上方に
回動させた後支持部材を上昇させることにより、
アーム前端の機器を水平方向に殆ど移動させるこ
となく更に高い位置まで垂直移動させることがで
きる。このため機器をトラツクの荷台等に降ろし
てアーム前端から切り離す場合や、あるいはこの
反対に単独で荷台にある機器にアーム前端を近付
けて連結しその荷下ろしをする場合に、重量バラ
ンスが取りやすく、また作業スペースが少なくて
済むという点でも有利であるという効果を生ず
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る機器取付装置を備えた
車輛の前方部分の斜視図；第２図は、液圧ライン
を除去して示した第１図の平面図；第３図は、第
２図の３−３線図；第４図は、第３図と類似する
が揺動アームが下降位置にある状態を示す図；第
５図は、第３図と類似するが揺動アームが上昇位
置にある状態を示す図；第６図は、第３図と類似
するが取付装置が最上位置に持ち上げられた状態
を示す図；第７図は、第２の実施例に係る取付装
置を備えた車輛を液圧ラインを除いて示した平面
図；第８図は、第７図の８−８線図；第９図は、
第８図と類似するが揺動アームが下降位置にある
状態を示す図；第１０図は第９図に類似するが揺
動アームが上昇位置にある状態を示す図；であ
る。 １６……取付装置；１７……前輪車軸；１８…
…ガイドトラツク；２６……第１の揺動アーム；
３０，３２……第２の揺動アーム；３８……昇降
手段（液圧シリンダー）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車輛前部に機器を取り付けるための取付装置
   において、 車輛フレームにほぼ垂直にして且つ相互に平行
   にして間隔をあけて取り付けられたガイドトラツ
   ク内に摺動自在に配設された支持部材と； 支持部材に後端が枢着され前方に伸長する第１
   の揺動アームと； 該揺動アームにほぼ平行にされた対の第２の揺
   動アームで、それぞれの後端が第１の揺動アーム
   の枢着点より垂直方向下方に離れた位置で支持部
   材の１つに枢着され、且つ、機器を支持するため
   に車輛の前部を越えて前方に伸長するよう設定さ
   れた第２の揺動アームと； 車輛フレームと上記揺動アームの少なくとも１
   つとの間に配設され、上記機器の地面に対する高
   さを調節するための昇降手段と；を有し、 上記支持部材が、第１及び第２揺動アームを常
   時互いに平行にした状態で、上記昇降手段によつ
   てガイドトラツク内を垂直方向に動かされるよう
   にした取付装置。 ２ 上記第２の揺動アームの後端が第１の揺動ア
   ームの後端より下方の位置で支持部材に枢着され
   ている特許請求の範囲第１項記載の取付装置。 ３ 上記昇降手段が、その第１の端部を車輛フレ
   ームに、第２の端部を第１の揺動アームに枢着さ
   れた液圧シリンダーを含む特許請求の範囲第２項
   記載の取付装置。 ４ 上記昇降手段が車輛フレーム及び第２揺動ア
   ーム間に接続されている特許請求の範囲第２項記
   載の取付装置。 ５ 上記揺動アームが車輛の前輪車軸の垂直方向
   上方位置で支持部材に取り付けられている特許請
   求の範囲第２項記載の取付装置。 ６ 上記第１及び第２の揺動アームが、それらの
   後端の支持部材への枢着点間の間隔に相応する間
   隔をあけて、それらの前端を上記機器に枢着させ
   た特許請求の範囲第２項記載の取付装置。 ７ 上記支持部材を所定位置に固定するためのロ
   ツク装置を少なくとも１方のガイドトラツクに固
   定した特許請求の範囲第１項記載の取付装置。