JPH0148170B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シートクツシヨンの前後位置調整可
能なシート装置に関する。

車両の運転席等において、シートクツシヨンの
みをシートバツクとは別に前後方向に移動させ、
乗員の体形に合わせて着座位置を調整し得るもの
が望まれている。

本発明の目的は、シートクツシヨンの幅方向の
中間部分のみをシートバツクとは別に前後方向に
移動調整でき、かつスムーズに動作するシートク
ツシヨンの前後位置調整可能なシート装置を提供
するもので、以下図面を参照して詳述する。

第１図〜第４図は本発明の一実施例を示し、第
５図Ａ，Ｂ，Ｃに作用を示す。

これらの図に示す実施例のものは、第１図およ
び第４図に示すように、シートクツシヨンの幅方
向の両側に設置された固定レール１と、これに係
合された可動レール２とによりシートクツシヨン
のメーンレールが構成され、両可動レール２上に
第１のシートクツシヨンフレーム４がボルト、ナ
ツト３ａ，３ｂにより結合されている。

前記ボルト、ナツト３ａ，３ｂは、第３図に示
すごとく、各可動レール２と第１のシートクツシ
ヨンフレーム４の前後方向に設定間隔をおいて２
組ずつ取り付けられていて、後述の第２のシート
クツシヨンフレーム７のストツパとして機能する
ようになつている。

前記第１のシートクツシヨンフレーム４には、
第１図および第４図に示すように、幅方向の両側
にガイドレール５が一体に形成されており、一方
のガイドレール５の側壁には第１図に示すよう
に、後述のロツク機構１２を構成するロツク用穴
１４が形成されている。また、第１のシートクツ
シヨンフレーム４の後端部にはシートバツクフレ
ーム取付用のブラケツト６が付設されている。さ
らに、第１のシートクツシヨン４には、第２のシ
ートクツシヨンフレーム７が搭載されている。

前記第２のシートクツシヨンフレーム７には第
１図および第４図に示すごとく、幅方向の両側
に、ローラ８の取付部７ａが一体に形成され、こ
の取付部７ａにローラ８が設けられており、この
ローラ８は第２のシートクツシヨンフレーム７の
前後方向に間隔をおいて複数個設けられている。
そして、第２のシートクツシヨンフレーム７は、
ローラ８と前記第１のシートクツシヨンフレーム
４に設けられたガイドレール５との係合を介して
前後方向に移動可能に取り付けられている。ま
た、第２のシートクツシヨンフレーム７の中間部
には、第１図に示すように、Ｓばね９が配列され
ている。

前記第１のシートクツシヨンフレーム４の上面
には、第２図および第４図に示すように、幅方向
にシートクツシヨンの非移動部分１０が形成さ
れ、第２のシートクツシヨンフレーム７の上面に
は、同第２図、第４図に示すように、シートクツ
シヨンの移動部分１１が形成されており、この移
動部分１１は第２のシートクツシヨンフレーム７
を介してシートクツシヨンの幅方向の中間部に配
置され、前後方向に移動可能に組み込まれてい
る。

前記シートクツシヨンの幅方向の一方の非移動
部分１０の側部には、シートクツシヨンの移動部
分１１を前後方向の任意の位置にロツクするロツ
ク機構１２が設けられている。このロツク機構１
２は、第１図に示すごとく、前記第１のシートク
ツシヨンフレーム４のガイドレール５の側壁等の
固定側の部材に取り付けられたブラケツト１３
と、第１のシートクツシヨンフレーム４のガイド
レール５の側壁にローラ８の直径とほぼ同じ間隔
をおいて形成された３個のロツク用穴１４と、こ
のロツク用穴１４に出入し得るように平面から見
てヨ字形に形成されたロツク部材１５と、ブラケ
ツト１３に支持されかつ前記ロツク部材１５を操
作するロツド１６と、ロツク部材１５をロツグ方
向に押すコイルスプリング１７と、ロツド１６の
端部に設けられた円筒カム１８と、固定側の部材
に取り付けられかつ円筒カム１８のカム溝１８′
に係合されたガイドピン１９と、シートクツシヨ
ンの外側部で円筒カム１８を回転させるノブ２０
とを有している。そして、このロツク機構１２は
ノブ２０を第１図に示す矢印のｂ方向に回転さ
せ、円筒カム１８とガイドピン１９の作用により
ロツド１６を介してロツク部材１５をロツク用穴
１４から引き抜き、第２のシートクツシヨンフレ
ーム７のローラ８を解放し、第２のシートクツシ
ヨンフレーム７を介してシートクツシヨンの移動
部分１１の前後方向の位置を調整した後、ノブ２
０を第１図に示す矢印のａ方向に回転させ、円筒
カム１８とガイドピン１９の作用によりロツド１
６を介してロツク部材１５をロツク用穴１４内に
差し込み、平面からみてヨ字形のロツク部材１５
の前後方向のいずれかの空間部にローラ８を収容
しかつ保持することによつて、第２のシートクツ
シヨンフレーム７をロツクし、シートクツシヨン
の移動部分１１を調整された位置に固定し得るよ
うに構成されている。

前記実施例のシート装置は、次のように使用さ
れ、作用する。

第５図Ｂの標準状態から第５図ＡまたはＣに示
すように、シートクツシヨンの幅方向の中間部分
としての移動部分１１を前進または後退させる場
合には、ロツク機構１２のノブ２０を第１図に示
す矢印のｂ方向に回転させ、円筒カム１８とガイ
ドピン１９との作用によりロツド１６を引き出
し、ロツク部材１５をコイルスプリング１７のば
ね力に抗してロツク用穴１４から引き抜き、第２
のシートクツシヨンフレーム７に設けられたロー
ラ８を解放させる。

ついで、第２のシートクツシヨンフレーム７を
ガイドレールに沿つて前方または後方に移動さ
せ、第２のシートクツシヨンフレーム７の上面に
形成されたシートクツシヨンの移動部分１１の位
置を調整する。

次に、ロツク機構１２のノブ２０を第１図に示
す矢印のａ方向に回転させ、円筒カム１８とガイ
ドピン１９とコイルスプリング１７の作用により
ロツド１６を介してロツク部材１５をロツク用穴
１４からガイドレール５内に差し込み、このロツ
ク部材１５の前後に形成された空間部のいずれか
でローラ８を受け止め、ロツクする。これによ
り、第２のシートクツシヨンフレーム７がロツク
され、シートクツシヨンの移動部分１１を調整さ
れた位置に固定することができる。したがつて、
例えば自動車の運転席に適用した時は、乗員の体
形に合わせて、シートクツシヨンの幅方向の中間
部分のみ、最適位置に調整することができる。

第５図Ｂに示す通常の状態ではシートクツシヨ
ンのサイド部である非移動部分１０と、中央部の
移動部分１１が通常の一般的な体格を有する着座
者が着座した場合に最適な着座状態が得られるよ
うになされている。この場合、移動部分１１のヒ
ツプポイントHPに対して非移動部分１０に最適
位置Ｐが存在しているものである。

この第５図Ｂに示す通常の状態により第５図Ａ
に示す状態にシートクツシヨンの幅方向の中間部
に形成された移動部分１１を前進させた場合に
は、体格の大きい着座者が着座するのに最適な状
態となるものであり、この場合、両側部の非移動
部分１０の最適位置Ｐは固定されており移動しな
いが、移動部分１１を前方に移動させて体格の大
きい着座者が着座した場合には移動部分１１が前
方に移動している分だけ移動部分１１の後方に着
座者のヒツプポイントHPが位置するものであ
り、ヒツプポイントHPと非移動部分１０の最適
位置Ｐの関係は、第５図Ｂに示すと同様の位置関
係となり、最適な着座状態が得られるものであ
る。

また、第５図Ｃに示す状態に移動部分１１を後
退させた場合には体格の小さい着座者が着座する
のに最適な状態となるものであり、この場合、両
側部の非移動部分１０の最適位置Ｐは固定されて
おり移動しないが、移動部分１１を後方に移動さ
せて体格の小さい着座者が着座した場合には移動
部分１１が後方に移動している分だけ移動部分１
１の前方に着座者のヒツプポイントHPが位置
し、ヒツプポイントHPと非移動部分１０の最適
位置Ｐとが第５図Ｂに示すと同様の位置関係とな
り、最適な着座状態が得られるものである。

このように移動部分１１のどのような前後移動
調整によつても移動部分１１のヒツプポイント
HPに対して非移動部分１０の固定的な最適位置
Ｐを利用することができるものである。

なお、第２のシートクツシヨンフレーム７は、
前後方向に移動させた際、可動レール２と第１の
シートクツシヨンフレーム４とを結合しているボ
ルト、ナツト３ａ，３ｂに第２のシートクツシヨ
ンフレーム７に設けられたローラ８が当接し、前
後方向の限界位置で停止される。

また、シートクツシヨンとシートバツクとを含
むシート全体を前後方向に移動させる場合には、
シートクツシヨンのメーンレールを構成している
固定レール１に沿つて可動レール２を移動させ、
別に設けられたロツク機構（図示せず）により調
整された位置に固定するものとする。

なお、本発明においては第２のシートクツシヨ
ンフレーム７のロツク機構１２等の構造は図面に
示す実施例に限らない。

以上が本発明にかかるシートクツシヨンの前後
位置調整可能なシート装置の一実施例の構成であ
るが、かかる構成によれば、シートクツシヨンの
メーンレールに、幅方向の両側にガイドレールを
持つた第１のシートクツシヨンフレームを取り付
け、この第１のシートクツシヨンフレームの幅方
向の中間部に、幅方向の両側にそれぞれ複数個の
ローラを有する第２のシートクツシヨンフレーム
を、前記ガイドレールとローラの係合を介して前
後方向に移動可能に搭載し、前記第１のシートク
ツシヨンフレーム上の幅方向の両側にはシートク
ツシヨンの非移動部分を形成し、前記第２のシー
トクツシヨンフレーム上にはシートクツシヨンの
移動部分を形成し、さらにシートクツシヨンの固
定側の部材に、シートクツシヨンの移動部分を前
後方向の任意の位置に固定し得るロツク機構を設
けたことにより、シートクツシヨンの幅方向の中
間部分のみを前後方向に移動調整できるので、自
動車の運転席等において、乗員の体形に合わせて
最適の着座位置に調整し得る効果があり、またこ
の場合移動部分のどのような前後移動調整によつ
ても移動部分のヒツプポイントに対して非移動部
分の固定的な最適位置を利用することができるも
のである。

また、本発明によれば、シートクツシヨンの移
動部分が形成されている第２のシートクツシヨン
フレームを、第１のシートクツシヨンフレームに
設けられたガイドレールと、第２のシートクツシ
ヨンフレームに設けられたローラとを介してスム
ーズに作動させ得る効果がある。

なお、上述においては本発明の一実施例を示し
たに留まり、本発明の精神を脱することなしに
種々の変形、変更をなし得ること明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の要部の分解斜視図、第２図は
シートクツシヨンの幅方向の両側の非移動部分
と、幅方向の中間の移動部分との分解斜視図、第
３図はシートクツシヨンフレームの組立状態の縦
断側面図、第４図はシートクツシヨンの組立状態
の縦断正面図、第５図Ａ，Ｂ，Ｃはそれぞれシー
トクツシヨンの幅方向の中間部分の前進状態、標
準状態、後退状態を示す作用説明図である。 図中、１，２……主レールを構成している固
定、可動レール、４……第１のシートクツシヨン
フレーム、５……ガイドレール、７……第２のシ
ートクツシヨンフレーム、８……ローラ、１０…
…シートクツシヨンの幅方向の両側の非移動部
分、１１……同中間の移動部分、１２……シート
クツシヨンの移動部分の位置を固定するロツク機
構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シートクツシヨンのメーンレールに、幅方向
   の両側にガイドレールを一体に形成した第１のシ
   ートクツシヨンフレームを取り付け、この第１の
   シートクツシヨンフレームの幅方向の中間部に、
   幅方向の両側にそれぞれ複数個のローラを取付け
   る取付部を一体に形成した第２のシートクツシヨ
   ンフレームを、前記ガイドレールと取付部に取付
   けられたローラの係合を介して前後方向に移動可
   能に搭載し、前記第１のシートクツシヨンフレー
   ム上の幅方向の両側にはシートクツシヨンの非移
   動部分を形成し、前記第２のシートクツシヨンフ
   レーム上にはシートクツシヨンの移動部分を形成
   し、該移動部分は第１のシートクツシヨンフレー
   ムの前端及び後端より前方及び後方に移動可能に
   組み込まれ、さらにシートクツシヨンの固定側の
   部材に、シートクツシヨンの移動部分を前後方向
   の任意の位置に固定し得るロツク機構を設けたこ
   とを特徴とするシートクツシヨンの前後位置調整
   可能なシート装置。