JPH0144024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は肩に掛けるなどの形で携行して草類
を刈払う草刈機における刈払（刈刃）機構に関す
るもので、作業性の向上を主要な目的としてなし
たものである。

図面を参照して説明すると、この考案に係る刈
払機構は、基本的には、エンジンを介して高速回
転される刈払軸１０に、それぞれ長尺の刈払線２
２，２６を巻付けた複数の外周開放のリール２
０，２４と、リール２０，２４の外径よりも大き
い外径を有する一対のリール挟持デイスク３２，
３４および少なくとも一方のリール挟持デイスク
３２のリール２０，２４の外径を越える外周部に
軸周りに間隔をおいて取付けた、リール２０，２
４挟持状態の一対のリール挟持デイスク３０，３
２間に延在して、各刈払線の先端部を外方に突出
するように案内可能な複数の刈払線ガイド３６を
有するリールホルダ３０とを、リール２０，２４
における刈払線２２，２６の巻付け方向が刈払軸
１０の反回転方向に対応する状態において、着脱
自在のクランプ手段４０を介して嵌着した構成か
らなつている。ここでリールホルダ３０の各隣接
する刈払線ガイド３６の軸周りの間隔は、刈払線
ガイド３６を越えて外方に突出する各刈払線２
２，２４の先端部の長さが所定以下になつた際に
該先端部に作用する刈払軸１０の回転を介した遠
心力が、該先端部に隣接して刈払線ガイド３６間
に延在する刈払線２２，２４部に作用する刈払軸
１０の回転を介した遠心力よりも小さくなるよう
な大きさにする。

このような構成からなるこの考案の刈払機構
は、一般には、各リール２０，２４に巻付けた長
尺の刈払線２２，２６の先端（外部）部が、リー
ルホルダ３０のリール挟持デイスク３２，３４の
軸周りにおいて互いに異なる位置の刈払線ガイド
３６を通してリール挟持デイスク３２，３４外に
相当長突出する状態において、刈払軸１０、した
がつてリール挟持デイスク３２，３４およびリー
ル２０，２４の高速回転を介して、各刈払線２
２，２６のリール挟持デイスク３２，３４外に突
出する先端部を草類に衝突させるという形で草類
の刈払いを行う。

しかしてこの刈払機構によれば、草類の刈払い
の進行により、各リール２０，２４の刈払線２
２，２６のリール挟持デイスク３２，３４外に突
出する先端部の摩耗が進んで外方突出長が所定長
以下に短くなつた場合には、リール２０，２４の
高速回転に付随して作用する遠心力の大小関係の
逆転によつて、摩耗の進んだ刈払線２０，２４の
先端部に隣接する部分、すなわちこの先端部を案
内中の刈払線ガイド３６と、これにリール２０，
２４したがつてリール挟持デイスク３２，３４の
回転方向において隣接する刈払線ガイド３６に対
向する部位との間に延在する部分がリール挟持デ
イスク３２，３４外に引出され、これによつて刈
払線２２，２６の先端部を案内する刈払線ガイド
３６が隣りに移つた状態において、該先端部がリ
ール挟持デイスク３２，３４外に相当長突出する
状態になるので、草類の刈払いの可能な状態は継
続される。したがつてこの刈払機構は、各リール
２０，２４の刈払線２２，２６が実質上なくなる
までの長時間にかたつて連続的に使用が可能で、
作業性が良いという利点を持つている。

またこの刈払機構によれば、その構成上、各リ
ール２０，２４の刈払線２２，２６が実質上なく
なつた場合には、このリール２０，２４を取外し
て、刈払線が満量巻付けてある新しいリールと交
換するという形で、簡単に使用可能な状態にする
ことができるので、取扱い性も良いという効果も
得られる。

この考案の刈払機構においてリール２０，２４
に巻付ける刈払線２２，２６は、一般には、直径
が数mm前後の釣用の糸、特に天然てぐす、人造て
ぐす、合成繊維糸などで構成すると、刈払性、耐
摩耗性の点で好適であるが、この外の線材、たと
えば金属線などで構成することができることはも
ちろんである。

またこの刈払機構におけるクランプ手段４０
は、図示のように、刈払軸１０の軸端に設けたお
ねじ部１０ａにねじ係合するとともに、軸端に嵌
着するリール挟持デイスク３４の外面に当接する
クランプナツト４２で構成することができるほ
か、図示はしないが刈払軸１０の軸端に設けるね
じ穴にねじ係合するおねじ部と、軸端側のリール
挟持デイスク３４の外面に当接するヘツド部を有
するクランプボルトなどで構成することもでき
る。

なおこの考案の刈払機構におけるリールホルダ
３０の少なくとも一方のリール挟持デイスク３
２，３４における刈払線ガイド３６の取付け構成
とは、図示のように、一方のリール挟持デイスク
〔図示例では３４〕のみに一連の所定長のものを
取付ける場合と、図示はしないが、両リール挟持
デイスク３２，３４に、先端部相互の係合により
全体として所定長のガイドを形成可能な部分ガイ
ドを取付ける場合の両者を意味しているものであ
る。

この考案に係る刈払機構は、その作用の充実等
の点から、複数のリール２０，２４の間にリール
補強デイスク５０を介装する等の種々の構成を付
加することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る刈払機構の一実施例を示
したもので、第１図は一部を切欠いた正面図、第
２図は側断面図である。 １０……刈払軸、２０，２４……リール、２
２，２６……刈払線、３０……リールホルダ、３
２，３４……リール挟持デイスク、３６……刈払
線ガイド、４０……クランプ手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンを介して高速回転される刈払軸に、そ
   れぞれ長尺の刈払線を巻付けた複数の外周開放の
   リールと、リールの外径よりも大きい外径を有す
   る一対のリール挟持デイスクおよび少なくとも一
   方のリール挟持デイスクのリールの外径を越える
   外周部に軸周りに間隔をおいて取付けた、リール
   挟持状態の一対のリール挟持デイスク間に延在し
   て、各刈払線の先端部を外方に突出するように案
   内可能な複数の刈払線ガイドを有するリールホル
   ダとを、リールにおける刈払線の巻付け方向が刈
   払軸の反回転方向に対応する状態において、着脱
   自在のクランプ手段を介して嵌着し、かつリール
   ホルダの各隣接する刈払線ガイドの軸周りの間隔
   を、刈払線ガイドを越えて外方に突出する各刈払
   線の先端部の長さが所定以下になつた際に該先端
   部に作用する刈払軸の回転を介した遠心力が、該
   先端部に隣接して刈払線ガイド間に延在する刈払
   線部に作用する刈払軸の回転を介した遠心力より
   も小さくなるような大きさにしてなる、草刈機の
   刈払機構。