JPH0142792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、冷凍室内の冷凍食品載置収納用冷
凍室棚を使用者の好みや使い勝手によりいろいろ
変えることができる冷蔵庫の改良に関する。

［従来の技術］ 従来のこの種冷蔵庫として第６図に示すものが
あつた。図において、１は冷蔵庫本体、２は外
箱、３はABS樹脂等のプラスチツク材料にて真
空成形加工により成形された内箱、４は冷凍食品
を貯蔵する冷凍室、５は冷凍食品載置収納用網棚
である。

このように従来の冷蔵庫の冷凍室棚は載置面積
の固定された網棚であつたため、冷凍食品の大き
さに応じて取外したり取付位置を変えたりする必
要があり、冷凍室棚に収容物がある時にはその取
外し作業が煩雑であつた。又、背の高い冷凍食品
を立てて収容したい時半載置面積分の冷凍室棚を
除去したい場合でも一々冷凍室棚全体を取外さな
ければならなかつた。

以上の煩雑さを解消するために、第７図、第８
図に示すものが本件出願人の出願にかかる実願昭
58−151187号として提案された。図において６は
冷凍室４を上下に２分する冷凍室棚で、上面を左
右に分け片側に普通の網棚７、他側に前後方向へ
伸縮可能で、後端支軸８を中心に回動自在の伸縮
自在網棚９を備えている。この伸縮自在網棚９
は、□状の周囲枠１０に複数本の縦線材１１を溶
着し、前方に棚前飾り１２を複数の爪で縦線材１
１に弾性的に係合して装着した前棚１３と、前線
材１４と後線材１５間に縦線材１６を溶着してな
る後棚１７とにより構成されている。そして前棚
の周囲枠１０及び後棚１７の支軸８が左右のレー
ル１８，１９上に載置され、上記前棚１３を後方
にスライドさせることにより、前棚１３と後棚１
７を重ね合わせ伸縮自在網棚９を縮小し半幅の棚
とする。さらに支軸８を中心に前棚１３及び後棚
１７を上方に回動することにより冷凍室棚６を取
り外すことなく冷凍室床面上に大きな空間を形成
した。なお、前棚１３と後棚１７の各線材は溶着
後PEコーテイングが施されている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上述の従来の伸縮自在棚９は単に左右のレール
１８，１９上に載置するのみであるので外れやす
く、特に前棚を後方にスライドさせた時などに伸
縮自在棚９の下に収容してある食品を取り出そう
とした時、手又は食品が伸縮自在棚９にあたりこ
れが左右のレール１８，１９から外れ落ちること
があつた。それに加えて外れ落ちた場合、前棚１
３後棚１７が線材で構成されているため、たがい
にからみあつて簡単にもとの状態にもどしてセツ
トすることが困難であつた。さらに前棚１３は□
状の周囲枠１０に溶着された複数本の縦線材１１
に棚前飾１２の複数の爪を弾性的に係合してこれ
を装着している（実願昭58−148695号）ため、縦
線材に施されているPEコーテイングがはがれや
すく、そのため錆が発生するおそれがあつた。
又、部品点数が大いため組立工数を多くコスト的
にも不経済であつた。

この考案は以上の欠点を除去するためになされ
たもので非常に安定性がある操作性のよい伸縮自
在棚を備えた冷蔵庫を提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ この考案にかかる冷蔵庫は、上述の片側に普通
の網棚、他側に前後方向へ伸縮可能で後端支軸を
中心に回動自在な伸縮自在棚を備えたものにおい
て、上記伸縮自在棚を上記冷凍室棚の後方に固着
された枠にはめ込まれる爪部を後端に有し、この
爪部を中心に回動する上面が平板状の後棚とこの
後棚の下面に収納自在に前後方向へ収容可能な上
面が平板状の前棚とで構成したものである。

［作用］ この考案においては、伸縮自在棚の前棚及び後
棚を上面に平板状に構成したので食品を載置した
時安定性がよく、後棚の後端の爪部を冷凍室棚後
方に固着された枠にはめ込み、これを中心に回動
するようにしたので下から力が加わつても外れ落
ちる心配はない。

［実施例］ 以下、図面によりこの考案の実施例を説明す
る。第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を
示し、第１図は冷凍室の扉を除いて示す要部斜視
図、第２図は冷凍室棚斜視図、第３図はこの冷凍
室棚を構成する外周枠の斜視図、第４図は第２図
−より見た断面図、第５図は冷凍室棚の前棚
と後棚とを後方上方に回転したときの斜視図であ
る。

図において、１〜４は第６図と同様の冷蔵庫本
体、外箱、内箱及び冷凍室、２０は第７図、第８
図の６に相当するこの考案にかかる冷凍室棚で、
片側は従来と同様の普通の網棚７、他側に前後方
向へ伸縮可能で後端支軸を中心に回動自在な伸縮
自在棚２１を備えている。２２は上記冷凍室棚２
０を構成するところの、鉄線材を折り曲げ加工後
PEコーテイングを施してなる外周枠で内箱３に
収納載置される左枠２３及び右枠２４、後枠２
５、左前枠２６、右前枠２７、そして左右前枠２
６，２７より後方に折曲し後枠２５にスポツト溶
接等により溶着された左レール枠２８及び右レー
ル枠２９、それにこの左レール枠２８と右レール
枠２９間後方に溶着されたＵ字形の補強枠３０と
により構成されている。上記網棚７は上記外周枠
２２の左前枠２６及び後枠２５間に、適宜の間隔
を有した複数本の線材３１を溶着して形成されて
おり、この網棚７の先端部には棚前飾り３２が装
着されている。３３，３４は上記左右レール枠２
８，２９に装着されたABS樹脂等の材料に依り
射出成形加工で成形された左レール及び右レール
である。上記伸縮自在棚２１は後棚３５と前棚３
６とにより構成されておる。この後棚３５は
ABS樹脂等の材料での射出成形加工により、上
面が平板状で断面が〓状に成形されており、それ
の後端に爪部３７を有し、この爪部３７を上記補
強枠３０にはめ込み、これを中心に回動自在に支
持されている。前棚３６もABS等の樹脂での射
出成形加工により上面がフラツトに、左右にフラ
ンジ部３８，３９を有し、手前には下面に回動時
などに操作が容易になる様指挿入用溝４０を形成
した棚前飾り部４１が一体に成形されておる。
又、伸縮自在棚２１上に水分が附着しても滞るこ
となく落下させるために、前棚３６には後方に孔
４２が設けられている。前棚３６の左右フランジ
部３８，３９は上記左レール３３及び右レール３
４上に載置され、この前棚３６を後方にスライド
させることにより前棚３６は後棚３５下面に収納
され、それの後部４３が後棚３５の後端内面４４
に当接し、前棚２３の前後方向への動きは規制さ
れ、伸縮自在棚２１は前後方向半分に縮少され
る。更に上記後棚３５の爪部３７がはめ込んだ補
強枠３０を中心に前棚３６及び後棚３５は共に上
方に回動する。

［考案の効果］ 以上の様に構成された冷凍室棚ではそれの後端
に固着された支軸である補強枠に後棚の爪部をは
め込み固定したため、下から力が加わつても外れ
落ちる心配はなく、この爪部を嵌合した枠を回動
の中心としたため従来の様に大型の食品を収納し
た時にこの枠が邪魔になる事はない。しかも前棚
と後棚は上面がフラツトに成形されているため、
従来の様に食品が左右レール等との間に挟まる事
はなく食品を載置した時も大変安定性がいいもの
である。また、前棚に指挿入用溝を形成した棚前
飾りを一体に成形することにより、操作性のよい
不良率の低い冷凍室棚を少ない組立工数で安価に
得られる効果をも有している。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図はこの考案の一実施例を示すも
ので第１図は冷蔵庫の扉を除いたところの要部斜
視図、第２図は冷凍室棚斜視図、第３図は冷凍室
棚を構成する外周枠の斜視図、第４図は第２図
−より見た断面図、第５図は冷凍室棚の前棚と
後棚とを後ろ上方に回転した時の斜視図、第６
図、第７図は従来の冷蔵庫の扉を除いたところの
要部斜視図、第８図は従来の冷凍室棚斜視図であ
る。 図において、１は冷蔵庫本体、４は冷凍室、２
０は冷凍室棚、７は普通の網棚、２１は伸縮自在
棚、２２は外周枠、２３，２４は左右枠、２５は
後枠、２６，２７は左右前枠、２８，２９は左右
レール枠、３０は補強枠、３３，３４は左右レー
ル、３５は後棚、３６は前棚、３７は後棚の爪
部、４０は指挿入用溝、４１は前棚の棚前飾り部
である。図中同一符号は同一又は相当部分を示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 冷凍室内部を上下に２分し冷凍食品を載置収
   納するよう設けられた冷凍室棚の上面を左右に
   分け片側を普通の網棚、他側に前後方向へ伸縮
   可能で後端支軸を中心に回動自在な伸縮自在棚
   を備えた冷蔵庫において、上記伸縮自在棚を、
   上記冷凍室棚の左右前枠より後方に折曲し後枠
   にスポツト溶接等により溶着された左右レール
   枠間後方下部に溶着された補強枠に嵌め込まれ
   る爪部を後端に有し、この爪部を中心に回動す
   る上面が平板状の後棚と、この後棚の下面に収
   納自在に前後方向へ摺動可能な上面が平板状の
   前棚とで構成し、これら前棚及び後棚を上記左
   右レール枠上にそれぞれ装着された左右レール
   上に摺動載置したことを特徴とする冷蔵庫。 (2) 上記伸縮自在棚の前棚の前端に下面に指挿入
   用溝を形成した飾り部を一体に設けた実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の冷蔵庫。