JPH0141534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、プレスのダイセツトに固定刃と可
動刃を設け、可動刃の前方に定寸ヘツドを備えて
いて、棒材を固定刃に差し通しその先端を定寸ヘ
ツドに突き当ててから、可動刃を下降して棒材を
所定寸法に切断する機械にあつて、棒材の回り止
めするためのダイセツトに設けられる装置に関す
る。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来のこの種切断機は、ダイセツトに円筒形の
固定刃と可動刃を設け、ダイセツトの前方に定寸
ヘツドを有し、またダイセツトの後方に棒材を挟
持するピンチローラーを備えているもので、棒材
はピンチローラーを通し固定刃を貫通して定寸ヘ
ツドに突き当て、可動刃を落下して切断する。し
かし棒材を順次定寸に切断する間に、棒材が短か
くなりピンチローラーで挟持できなくなり、後続
する棒材で押し付けられているのみであるため、
先行する短かくなつた棒材の拘束力が極端に弱ま
り、切断時及び可動刃が上方へ復動する際に、棒
材に可動刃が接触して棒材が回転される。棒材の
切断は両刃で剪断されるもので、切り口は側面か
ら見て斜めとなるものであるから、各切断ごとに
棒材が回転すると製品重量が一定にならずバラツ
キが生じ、その上拘束力の低下に伴ない切断面の
精度が低下する問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案は以上の問題点を解決することにあ
り、短かくなつた棒材に対しても強い拘束力が与
えられ、棒材の全長に亘り重量の一定した製品に
切断され、かつ切口の精度を向上し得ることにあ
る。

〔考案の概要〕

ダイセツトにおける固定刃をクランプするアー
ムにシリンダーを上下に駆動可能に設け、固定刃
に挟圧杆を固定刃の内空部にまで貫通して嵌装す
ると共に、スプリングで内空部より浮上可能に設
け、固定刃をクランプした際に前記シリンダーの
ピストンロツドが挟圧杆に対向すべく配設したも
のである。

〔考案の実施例〕

第２図に切断機に概要を示す如く、棒材ｍの送
り方向（図示矢印）に沿つて、ローラーコンベア
１、棒材を挟持するピンチローラー２、円筒形の
固定刃３、プレスのパンチ４で落下する可動刃５
及び定寸ヘツド６をモーター７で固定刃３に向つ
て前後に調節できるように配設したもので、固定
刃３を貫通した棒材ｍの先端を定ヘツド６に圧接
し、かつピンチローラー２で挟持して棒材を拘束
した後、可動刃５を落下することにより切断する
もので、定寸ヘツド６の固定された位置より固定
刃３までの長さが切断すべき長さとなるものであ
る。

更に詳細すると、固定刃３と可動刃５は一つの
ダイセツト８に個々に取換え出来るように組み込
んであつて、ダイセツト８は第１図図示の如く、
プレスのベツド９上に固着され、固定刃支持部と
可動刃支持部（図示せず）とを備えていて、固定
刃支持部には固定刃クランプ装置１０、固定刃交
換装置１１及び棒材回り止め装置１２が設けてあ
り、そのうち固定刃クランプ装置１０と棒材回り
止め装置１２について説明する。

固定刃クランプ装置１０は第１図図示の如く、
プレスのベツド９上に固定刃３の下部が嵌まる受
溝１３を備えている受台１４を固着し、ダイセツ
ト８の一側縁に起立した支持壁１５に固定刃３の
上端が嵌まる押溝１６を備えたアーム１７を、固
定刃３の長手方向軸芯と直交して上下に回動自在
に枢着し、その枢着部の反対の自由端をボルト１
８とナツト１９の締め付けにより下方に押圧し、
受台１４をアーム１７で固定刃３を挟持するもの
である。尚、前記ボルト１８は、ダイセツト８の
下部に棒材ｍの走行すべき軸芯と平行に設けた枢
軸２０に対して上下方向に回動自在に枢支し、ア
ーム１７の自由端にボルト１８が嵌まる切込み溝
２１が設けてある。更に、受台１４の受溝１３に
おける下端部に棒材ｍの走行方向に沿つた凸条２
２を有し、固定刃３に凸条２２が嵌まる凹条２３
を備えていて、その凹凸条２３，２２は逆であつ
ても良いが、凹凸条２３，２２の係合により固定
刃３の平行精度を正確に保持するようになつてい
る。

次に棒材回り止め装置１２は、第１図に示す如
く、アーム１７の中央部に空気圧による単動型シ
リンダー２４を上下方向に駆動するように設け、
一方固定刃３の凹条２３と対称する位置に軸芯に
向う貫通孔２５を穿設し、貫通孔２５内に挟圧杆
２６をスプリング２７により固定刃３の内空部に
落ち込まないように浮上した状態で嵌め、挟圧杆
２６の下端にゴムあるいは合成樹脂などの弾性材
２８を取換可能に設け、固定刃３をクランプした
際に、シリンダー２４のピストンロツド２９が挟
圧杆２６に対向するように配置してある。

上記の実施例によれば、切断軸芯にはシリンダ
ー２４を駆動して挟圧杆２６を下方に押圧し、固
定刃３内の棒材ｍを拘束する。切断して可動刃５
を上方へ復帰した後、シリンダー２４の圧縮空気
を抜き、スプリング２７の反発力によつてピスト
ンロツド２９及び挟圧杆２６を上昇し拘束を解除
する。以上の作動を繰返して切断されるものであ
る。

〔考案の効果〕

この考案による切断機の棒材回り止め装置によ
れば、固定刃内で棒材を拘束するものであるか
ら、棒材が短かくピンチローラーで挟持されなく
とも製品となる切断機が確実に拘束され、可動刃
によつて回転される恐れがなくなり、各製品の重
量が一定になると共に、精度よく切断することが
出来るものである。更に、シリンダーをアームに
設け、固定刃に挟圧杆を嵌装し、互いに相対向す
るように配設したものであるから、固定刃の取換
えに際し何んらの障害ともならず、簡単な構造で
ダイセツトに組み込むことが出来るものである。
また挟圧杆がスプリングで浮上するように設けて
あるため、固定刃内に棒材を支障なく差し通すこ
とが出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による切断機の棒材回り止め
装置を備えたダイセツトを示す断面図、第２図は
切断機の概要を示す側面図である。 ３……固定刃、５……可動刃、８……ダイセツ
ト、１７……アーム、２４……シリンダー、２５
……貫通孔、２６……挟圧杆、２７……スプリン
グ、２８……弾性材、２９……ピストンロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイセツト８に棒材ｍを貫通する固定刃３と上
   下動する可動刃５とを備え、可動刃５の前方に棒
   材の先端を位置決めする定寸ヘツド６を備えてお
   り、かつ固定刃３は受台１４と上下に開閉するア
   ーム１７とでクランプされる切断機であつて、前
   記アーム１７にシリンダー２４を上下に駆動可能
   に設け、固定刃３に挟圧杆２６を固定刃の内空部
   に貫通すると共にスプリング２７で内空部より浮
   上可能に設け、固定刃３のクランプ時に前記シリ
   ンダー２４のピストンロツド２９が挟圧杆２６に
   対向すべく配置している切断機の棒材回り止め装
   置。