JPH0139443B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0139443B2
JPH0139443B2 JP14722982A JP14722982A JPH0139443B2 JP H0139443 B2 JPH0139443 B2 JP H0139443B2 JP 14722982 A JP14722982 A JP 14722982A JP 14722982 A JP14722982 A JP 14722982A JP H0139443 B2 JPH0139443 B2 JP H0139443B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose
amorphous
solvent
licl
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP14722982A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5938203A (ja
Inventor
Atsushi Taguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP14722982A priority Critical patent/JPS5938203A/ja
Publication of JPS5938203A publication Critical patent/JPS5938203A/ja
Publication of JPH0139443B2 publication Critical patent/JPH0139443B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は天然セルロースおよび再生セルロース
から完全なアモルフアスセルロースを得る方法に
関するものである。更に詳しく言えば、本発明は
セルロースの結晶領域を全く持たないアモルフア
スセルロースに変換する方法である。
セルロースはアンヒドログルコース単位から成
る固体の天然炭化水素化物重合体であつて実験式
C6H10O5を有する。セルロースの物理的構造は結
晶領域と非晶領域との混合物である。化学的試薬
が反応したり浸透したりする場合、結晶領域より
も非晶領域の方がはるかに容易である。
しかしこれまで完全なアモルフアスセルロース
を得る好ましい方法はなかつた。というのはセル
ロースは本来結晶構造をとることにより安定化す
るからである。ボールミル粉砕または酢酸セルロ
ースの鹸化によりアモルフアスセルロースが得ら
れるとされているが、ボールミル粉砕では完全に
アモルフアスになるまでには到らない。また酢酸
セルロースの鹸化は平衡反応のため100%行なう
ことが困難であること、さらに乾燥工程でミクロ
ブラウン運動によりセルロースに再結晶化する
ため実用としては困難である。さらに酢酸セルロ
ースを製造してから鹸化するという工程をとるた
め非常にコスト高である。
セルロースはアモルフアス化する簡便な方法が
開発されればその用途は広い。
セルロースは酸又は酵素によつて生成されるグ
ルコースの供給源としてデンプンに匹敵し得る。
それはまた抗生物質、代謝物質、単細胞タンパク
質および工業用アルコールの微生物による生産の
ための基質としてもデンプンおよび可溶性糖に匹
敵し得る。
本発明者らはかかるアモルフアスセルロースの
簡便な製造方法を見い出すべく鋭意研究の結果セ
ルロースを特別の方法で再生することにより完全
にアモルフアス化する、即ちセルロースの結晶部
分をX線的にゼロ%にすることができることを見
い出し本発明に到達した。
即ち、本発明は活性化されたセルロースにN,
N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピ
ロリデイノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、1−メチル−2−ピペリデイノンおよ
びその混合物からなる群から選ばれたアミド及び
全量に対し5〜20重量%の塩化リチウムを加えて
溶解させたセルロース溶液を大量のセルロースの
非溶媒であつて前記アミドと相溶性のある溶媒中
に混合しセルロースを沈澱再生させることを特徴
とするアモルフアスセルロースの製造方法を提供
するものである。
溶解状態のセルロースを再生する場合、溶液中
でセルロース分子が分子分散していなければ理論
的にアモルフアスセルロースは得られない。本発
明に用いた溶媒組成(N,N−ジメチルアセトア
ミド/LiCl、1−メチル−2−ピロリデイノン/
LiCl、1,3−ジメチル2−イミダゾリジノン/
LiCl、1−メチル−2−ピペリデイノン/LiCl)
においてはセルロースを充分分子分散させた状態
で溶解させることができる。但しそのような溶解
状態を得るにはセルロースを活性化する必要があ
る。本発明においてセルロースを活性化する方法
としては水、アセトン等で還流させる方法、或い
はN,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−
2−ピロリデイノン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノンまたは1−メチル−2−ピペリデ
イノンおよびそれらの混合物により沸騰還流させ
る方法などが挙げられる。この活性化されたセル
ロースにLiClを全量に対して5〜20重量%添加し
一昼夜放置することによりセルロースを溶解する
ことができる。ここでLiClの量は5%未満ではセ
ルロースの溶解性が充分ではなく良好なアモルフ
アスセルロースが得られない。また水、アセトン
等で活性化した場合は上記アミド溶媒で置換して
からLiClを添加せねばならない。この均一に溶解
したセルロースの溶液を、セルロースの非溶媒で
あつて前記アミドと相溶性のある溶媒例えば水ま
たはメタノール、エタノール、アセトン、イソプ
ロパノール、アセトニトリル等の有機溶剤で再生
することにより完全なアモルフアスセルロースを
得ることができる。再生溶媒には必ずしもLiClが
溶解するものを用いる必要はない。それは再生さ
れたセルロース中にLiClが存在してもセルロース
系材料に対して有害な作用は持たないからであ
る。
かかる本発明の方法によるとX線回折から求め
た結晶化度が10%以下であり、平衡水分量が80%
以上、セルラーゼによる糖転化率が90%以上のア
モルフアスセルロースを容易に得ることができ
る。
本発明を以下の実施例および比較例により更に
詳細に説明する。なお再生したセルロースの性状
(1)結晶化度、(2)平衡水分量、(3)糖転化率の測定方
法及び評価方法は次の通りである。
(1) 結晶化度(%) 微粉砕したセルロースまたは再生セルロース
0.2gをアルミホルダーに押しつけX線回折の
回折角度を5〜30゜まで操作して測定する。第
1図に示すように結晶性セルロースはA1、A2
の結晶性散乱ピークがある。これに対し非晶部
分はバツクグラウンド散乱となりBの部分とな
る。
従つて結晶化度は次式 A1+A2/A1+A2+B×100(%) で表わされる。
A1、A2、Bの面積の求め方は5゜および30゜の
点1と2を直線で結び更に18.5゜での散乱点3
と1−3,2−3のように結んで求める。
(2) 平衡水分量 リンター、MCC等のセルロース10gをシヤ
ーレに入れ恒温25℃、恒湿70%室に放置し、経
時的に水分量を測定したところ、20日以上で一
定となつたため、これを平衡水分量とよぶ。水
分の測定方法は100℃、6時間での重量減少か
ら以下の式で計算する。
サンプルg数−乾燥後g数/サンプルg数×100(
%) (3) 糖転化率 100ml三角フラスコにPH=5でイオン強度μ
=0.14モル/の酢酸緩衝液30mlと0.3gのセ
ルロースおよび0.3gのセルラーゼを入れ40℃
に保ち経時的にグルコースの生成量を測定す
る。糖転化率は次式から求める。
グルコース生成量(mg/100ml)×30/100(ml/ml)
/セルロースg数 ×100(%) ここでグルコース生成量はサンプル2mlとグ
ルコースオキシダーゼと発色試薬(フエノール
+4−アミノアンチピリン)1:1混合物を6
ml加え505nmでの吸光度を測定し予じめ濃度
既知の標準液で得られた検量線から求める。
実施例 1 非結晶性部分が予じめ加水分解で除かれた結晶
性の高いミクロクリスタリンセルロース(MCC)
20gを丸底フラスコの中に入れ200gのN,N−
ジメチルアセトアミドを加えた。この混合物を還
流温度(165℃)で30分間撹拌しながら加熱活性
化した。活性化した後自然冷却で100℃になつた
時下記による量のLiClを添加し10時間放置溶解さ
せた。この均質に溶解したセルロースを5の水
浴中(50℃)に撹拌混合した。再生したフアイバ
ー状のセルロースを洗浄しプレス脱液後X線回折
を測定したところ第2図のようであつた。但し
LiClは重量で0%、2%、3%、4%、8%、15
%添加した。LiClの量が8%、15%のもので完全
にセルロースのピークが消失し結晶化度0%の
アモルフアスセルロースが得られた。
実施例 2 実施例1で溶解したMCCのLiCl8%のものを5
の水浴中(50℃)に混合したが、ここでは再生
濃度を変えた。濃度調節は溶解時セルロース濃度
が8.4%のものを順次N,N−ジメチルアセトア
ミドで5%、3%、1%、0.2%に希釈して行な
つた。第3図で明らかなように再生濃度によらず
アモルフアスセルロースが得られた。このアモル
フアスセルロース中LiClの残存量を原子吸光分析
で調べたところ、Liが1500ppmであつた。
実施例 3 ここでは水を再生溶媒とし温度を変化させた。
実施例1で溶解したMCCのLiCl15%のものを10
の水浴に撹拌混合し、再生温度を0、20、50、
100℃に変化させた。再生後プレス脱液しX線回
折を測定したところ、第4図に見られるようにこ
の温度範囲でアモルフアスセルロースが得られ
た。
実施例 4 この実験では、再生溶媒として有機溶媒を用い
た。実施例1で溶解したMCCのLiCl8%のものを
各々25℃メタノール、イソプロパノール、アセト
ン、アセトニトリル中に撹拌混合した。加熱乾燥
後X線回折を測定したところ、第5図に示すよう
に上記溶媒のすべてにおいてアモルフアスセルロ
ースが得られた。結晶化度はメタノールが最高8
%で他は0%であつた。
実施例 5 この実験では本発明方法と他のアモルフアスセ
ルロースの生成方法とを比較した。実施例1と同
様の手法でパルプを溶解し(LiCl6%)、50℃水浴
に撹拌混合した。これと同じパルプ10gをジメチ
ルスルホキシド200gに0.5%のパラホルムアルデ
ヒドを含む溶剤に分散させ95℃に加熱溶解させ
た。この均質に溶解した溶液を50℃水浴に撹拌混
合した。さらにこれと同様のパルプ200gを振動
ボールミルで5時間粉砕した。上記再生セルロー
スおよびボールミルにより粉砕したセルロースの
X線回折を測定した。第6図にその結果を示す。
図中1は本発明の方法によるセルロース、2はジ
メチルスルホキシド/パラホルムアルデヒド系か
ら再生したセルロース、3は粉砕セルロースであ
る。第6図からわかるように、ジメチルスルホキ
シド/パラホルムアルデヒドから再生したセルロ
ースは、セルロースの結晶構造をもつていた。
また、ボールミルによる粉砕は完全なセルロース
の構造破壊に到つておらず、本発明の方法のみ
によりアモルフアスセルロースが得られた。
実施例 6 ここでは実施例5の本発明方法により生成され
たアモルフアスセルロース及び比較のために
MCCとリンターとを用い、これらの平衡水分量
を測定した。温度25℃、湿度70%の室に90日間放
置したところ、第7図に示すようにMCC、リン
ターではわずかに10%程度の平衡水分量であつ
た。これに対しアモルフアスセルロースはヒドロ
キシル基(−OH)がフリーなため水を非常に保
持しやすく、平衡水分量は96%のままであつた。
これにより本発明によるアモルフアスセルロース
を得る方法がいかに優れているかわかる。
実施例 7 ここでは実施例5の本発明方法により生成した
アモルフアスセルロース及び比較のためにMCC
とリンターとを用い、これらのセルラーゼ分解に
よる糖転化率を比較した。第8図に示すように
MCCやリンターに比べ本発明で得られたアモル
フアスセルロースは糖転化率が2倍大きくしかも
数時間で95%以上が分解されるほど活性が高いこ
とから、完全なアモルフアスセルロースが得られ
ていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図はセルロースのX線回折図形、第2図は
セルロースの結晶構造に及ぼすLiClの影響を示す
X線回折図、第3図はセルロースの結晶構造に及
ぼすセルロースの再生濃度の影響を示すX線回折
図、第4図はセルロースの結晶構造に及ぼす再生
温度の影響を示すX線回折図、第5図はセルロー
スの結晶構造に及ぼす再生溶剤の影響を示すX線
回折図、第6図は本発明方法及び比較方法により
得られたセルロースのX線回折図、第7図は各種
セルロースの平衡水分量を示すグラフ、第8図は
各種セルロースの糖転化率を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 活性化されたセルロースにN,N−ジメチル
    アセトアミド、1−メチル−2−ピロリデイノ
    ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
    1−メチル−2−ピペリデイノンおよびその混合
    物からなる群から選ばれたアミド及び全量に対し
    5〜20重量%の塩化リチウムを加えて溶解させた
    セルロース溶液を大量のセルロースの非溶媒であ
    つて前記アミドと相溶性のある溶媒中に混合しセ
    ルロースを沈澱再生させることを特徴とするアモ
    ルフアスセルロースの製造方法。 2 セルロースの非溶媒が、水、メタノール、エ
    タノール、アセトニトリル、イソプロパノール又
    はアセトン又はそれらの混合物である特許請求の
    範囲第1項記載のアモルフアスセルロースの製造
    方法。
JP14722982A 1982-08-25 1982-08-25 アモルフアスセルロ−スの製造方法 Granted JPS5938203A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14722982A JPS5938203A (ja) 1982-08-25 1982-08-25 アモルフアスセルロ−スの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14722982A JPS5938203A (ja) 1982-08-25 1982-08-25 アモルフアスセルロ−スの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5938203A JPS5938203A (ja) 1984-03-02
JPH0139443B2 true JPH0139443B2 (ja) 1989-08-21

Family

ID=15425485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14722982A Granted JPS5938203A (ja) 1982-08-25 1982-08-25 アモルフアスセルロ−スの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5938203A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998017692A1 (en) * 1996-10-19 1998-04-30 University Of Wales, Bangor Preparation of chemically reactive polysaccharides
CN102875821B (zh) * 2012-10-10 2014-05-07 湖北天思科技股份有限公司 一种溶解纤维素的方法
JP6340317B2 (ja) 2012-10-18 2018-06-06 Jnc株式会社 抗体精製用陽イオン交換クロマトグラフィー担体および抗体医薬の製造過程で生産される抗体単量体とその重合体の分離方法
JP6319994B2 (ja) * 2013-11-11 2018-05-09 国立大学法人北見工業大学 グルコースの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5938203A (ja) 1984-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Heinze et al. Solvents applied in the field of cellulose chemistry: a mini review
Kostag et al. Twenty-five years of cellulose chemistry: Innovations in the dissolution of the biopolymer and its transformation into esters and ethers
Liebert Cellulose solvents–remarkable history, bright future
Gabrielii et al. Preparation and properties of hydrogels based on hemicellulose
EP2690132B1 (en) Solution of polysaccharide in solvent and method of producing formed article and polysaccharide derivative using this solution
Fischer et al. Inorganic molten salts as solvents for cellulose
Soares et al. Thermal behavior of alginic acid and its sodium salt
Sirvio et al. Periodate oxidation of cellulose at elevated temperatures using metal salts as cellulose activators
Lamarque et al. Comparative study of the first heterogeneous deacetylation of α-and β-chitins in a multistep process
Fox et al. Regioselective esterification and etherification of cellulose: a review
El Seoud et al. Organic esters of cellulose: new perspectives for old polymers
Falk et al. Studies on chitan (β-(1→ 4)-linked 2-acetamido-2-deoxy-d-glucan) fibers of the diatom thalassiosira fluviatilis hustedt: ii. Proton magnetic resonance, infrared, and x-ray studies
US4316982A (en) Process for reducing the viscosity of cellulose ethers by means of ozone and application thereof
Zhong et al. Choline hydroxide based deep eutectic solvent for dissolving cellulose
US4242506A (en) Cross-linking of cellulose sulfate esters with tetravalent metal ions
CA1062254A (en) Process for the production of water-adsorbing cellulose ethers
Li et al. Cold NaOH/urea aqueous dissolved cellulose for benzylation: synthesis and characterization
US20180282437A1 (en) Method for preparation of novel modified bio based materials
JPS5925802B2 (ja) 水吸着性だが、少なくとも部分的に水に不溶のセルロ−スエ−テルの製法
JPH0139443B2 (ja)
CN101300275A (zh) 用于制备聚葡糖醛酸酐和/或其盐的方法
Gert et al. The features of nitric acid ‘mercerization’of cellulose
JP3572213B2 (ja) 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
US2555446A (en) Production of carboxyalkyl cellulose ethers
WO2020235669A1 (ja) 新規なセルロースナノファイバーおよびその乾燥体の製造方法