JPH0137640Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエアーブロツクを防止できる生体液等
の排出用導管に関するものである。

本考案は尿、腹水等の生体液やその他比較的少
量の液体を排出する際の導管に適用されるもので
あるが、以下主として導尿管について本考案を説
明する。尿を膀胱内カテーテル等を通じて導尿す
る際に、カテーテルに導管を接続し、尿バツグ、
尿量計等に導尿し尿量を正確に測定する手法が多
用されている。特に昨今尿路感染を防止するため
外気の空気を無菌的に導入したり、尿量計内の空
気を無菌的に排出する為エアーフイルターを用い
た閉鎖系の尿量計が多く用いられるようになつ
た。カテーテルと尿量計の接続には1.5〜１ｍの
チユーブが導尿管として使われるが、管に空気の
交換がない限り尿は空気を含んだ、いわゆるエア
ーブロツク現象を超し尿が流れにくくなる。エア
ーブロツク現象は、正確な尿量の測定を防げるば
かりでなく、膀胱内が陰圧になり、出血等の事故
を起す危険性がある。このエアーブロツクの防止
策として導尿管の内径を10mm以上にするか、導尿
管のカテーテルとの接続部の近くにフイルターを
装着して清浄空気を取り入れる方法が開発されて
いる。しかしながら径の太い導尿管は取扱いに不
便であり、フイルターを装着した場合は尿により
フイルターが漏れることがあり、空気の流通が遮
断され、さらには細菌の透過が起り感染の危険性
がある。

そこで本考案者らは実願昭56−52718号で、外
部空気による汚染の危険性のない導管として、主
導管とそれより小さい内径を有する補助管を一体
もしくは別々に有し、該補助管は上部で閉鎖し、
排出用導管の上部近傍の位置で補助管と主導管が
連通管により連通するとともに、下方では主導管
及び補助管が開放することを特徴とするエアーブ
ロツクを防止できる排出用導管を提案した。この
考案の導管により導尿を行なえば、通常の使用で
はエアーブロツク現象は起らないが、急に多量の
尿が出たり、導尿管が水平に置かれた場合、補助
管に尿が逆流してエアーブロツクを起すことがみ
られた。

本考案は、実願昭56−52718号において提案し
た導管を更にエアーブロツクを完全に防止できる
ように改良したものである。即ち本考案は、主導
管とそれより小さい内径を有する補助管の上部近
傍の位置の連通管による流体連結的な連通部にお
いて、疎水性のあるフイルターを連通部の間に設
けることにより、主導管を流れる液体が、補助管
内に入ることを防ぐと共に、補助管内の空気がス
ムースに主導管内に流れ込み、エアーブロツクを
防止できる排出用導管である。以下本考案につい
てその実施例を図面に従い更に詳細に説明する。

体内に留置したカテーテル１と尿量計８とを連
結するのが本考案の導尿管３であり、カテーテル
１との間は接続コネクター２によつて接続される
のが取扱い上望ましい。導尿管３は主導管４と補
助管５の２つの管より構成され、両者は第２図に
示すように一つの管に１体に構成されていてもよ
いし、又別々の二本の管より構成されてもよい
か、第２図に示した様に、軟芝プラスチツク、ゴ
ム類管のチユーブで１体に構成されている方が取
扱い上、組立て上も簡便であり精度も向上する。
補助管５の内径は主導管４の内径より小さく、例
えば0.5〜2.0mm程度が望ましい。補助管５の上部
は閉鎖されており、導尿管３の上部近傍の位置で
主導管４と補助管５は流体連結的に連通管６をも
つて、連通する。連通方法としては、第１図や第
３図に示すように細管を用いる方法や更には第３
図に示すように細管とインジエクシヨン成形品の
組合せにより連通してもよい。連通管６にはフイ
ルター７をセツトし、主導管４と補助管５の間は
このフイルターによつて通じる構成になつてい
る。フイルター７は、疎水性のものであればよ
く、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、テフ
ロン等の焼結タイプの成形品や膜状のものでもよ
いが、できれば焼結タイプの成形品が組立て加工
上望ましい。またフイルターの孔径は、水柱圧
500mmで水が通過しないものが好ましく、具体的
には焼結タイプの場合20μ以下の孔径のものが望
ましいが、あまり小さな径のものは圧力損失が大
きく、2μ以上のものが必要である。主導管４と
補助管５の下部は開放されており、尿導管の場合
には尿量計８の内部に挿入して開放されていれ
ば、補助管５より主導管４に通じる空気は尿量計
８内部が無菌的空気であり、体内への細菌の侵
入、感染の恐れがない。補助管５の下部開放端１
０は主導管４の下部開放端９よりも上方に位置さ
せれば、排出された尿が補助管５へ流入すること
がより防止されて望ましい。本考案の導尿管３を
用いて導尿を行うと、主導管４内の尿の落下に伴
い、尿量計８の空気は一部は尿量計のフイルター
１１を通じ外部へ、一部が補助管５を通じて主導
管４に流入し、いわゆるエアーブロツクを生じて
いる主導管４内の尿は速やかに流出する為、常に
正確な尿量の把握が可能である。そして、疎水性
フイルターにより尿が補助管内に入らない為によ
り確実な排出が可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による排出用導管の使用例の一
例で、本考案の導尿管とカテーテル及び尿量計を
接続した概略図、第２図は本考案の排出用導管の
一例の断面図、第３図は連通管接続部及び下部開
放端を示した概略図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 生体液等の排出用導管であつて、主導管とそれ
   より小さい内径を有する補助管を一体もしくは
   別々に有し、該補助管は上部で閉鎖し、排出用導
   管の上部近傍の位置で補助管と主導管が連通管に
   よつて連通されており、その連通部に疎水性のフ
   イルターが具備されていると共に、下方では主導
   管及び補助管が開放されていることを特徴とする
   エアーブロツクを防止できる排出用導管。