JPH0137327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、昇降可能なテーブル上に二輪車用を
安定して固定させる二輪車用リフトに関する。

二輪車の点検、修理作業その他整備をする場
合、通例二輪車を床上に駐車させたまま中腰の状
態で行なうので、能率が悪いばかりか極度の疲労
を伴なう。よつてほぼ胸の高さあたりへ整備個所
を位置させることが望ましいが、従来はそのため
に掘込形成されたピツトや大型の据付けリフトを
利用しなければならず、しかも利用するためには
そこまで車輛を持込む必要がある。更にそのよう
な設備をするには、充分な広さを有する工場と膨
大な設備資金を必要とする。殊に二輪車の整備は
小規模工場で行なわれることが多く、該工場にお
いては上記のような設備をすることは非常にむず
かしく、少なくとも二輪車の高位置保持が、小ス
ペースで安定して行なえ、しかも安価で、できれ
ば出張修理にも対応できるものが望ましく、又そ
れで充分なのである。

そこで本考案は、上記小規模工場の要求に応え
るべく、小型且つ移動可能で、二輪車を安定して
高位置固定できる二輪車用整備リフトを提供せん
とするものであり、その構成は、昇降可能なテー
ブルを移動台車上に備え、該テーブルの一端縁に
は踏板を枢着し、他端に車輪案内溝を有する乗込
板を添設し、該乗込板に車輪固定具を取付けたこ
とにある。

次に本考案の実施一例を図面に従つて説明する
と次の通りである。

図面は本考案の二輪車用リフトを示したもの
で、底面四隅に車輪１ａを備えた移動可能な台車
１上に、油圧シリンダ２ａを用いたパンタグラフ
式の昇降装置２により昇降可能にテーブル３が設
けられている。該テーブル３の一端縁には、車輛
進入退出用の踏板４が着脱自在に枢着されてい
る。該踏板４の裏面には起伏可能な支持脚４ａが
枢着されていると共に、先端には小車輪４ｂが取
付けられている。一方該テーブル３の他端には、
乗込板５が基部をテーブル３に上載固定して外方
へ向け延設されている。該乗込板５は断面が〓形
に形成されていて、中央の谷部が車輪案内溝６と
なつている。又該乗込板５は二枚の板材５ａ，５
ｂを重合させたものとなつていて、板材５ａはテ
ーブル３端部上に固定されており、板材５ｂを摺
動することで乗込板５は伸縮可能に形成されてい
る。そして該乗込板５の板材５ｂ上には車輪固定
具７が取付けられている。該車輪固定具７は、Ｕ
字形アーム８の一側８ａを、乗込方向と交叉する
ようにして備えられた案内筒９に挿入して回動可
能に枢着されていて、該案内筒９内を摺動可能と
している。それによりＵ字形アーム８の他端８ｂ
を上下に動かしたり、Ｕ字形アームの中央部８ｃ
を握つて側方向へ引出し又は押込みをすることが
可能となつている。又Ｕ字形アームの他側８ｂに
は固定杆１０が吊設されていて、該固定杆１０は
固定部材１１の挿入孔１１ａに遊挿されている。
該固定部材１１は、側板１２に回動可能ならしめ
て支持されており、スプリング１３により固定部
材１１の挿入孔１１ａ位置には上方に向けて付勢
力が働いている。そのため固定杆１０は挿入孔１
１ａの偏心により噛み込まれた状態となつて固定
されるのである。尚固定部材１１をスプリング１
３の張力に抗して押下げ、噛み込みを解くことに
より、Ｕ字形アーム８は自由に操作できる。又Ｕ
字形アーム８には、図示はしないが引出した際の
抜落防止ピンが装着されていると共に、他側８ａ
先端にはゴムキヤツプ１４が取付けられている。

以上のように構成した二輪車用リフトへ、先ず
Ｕ字形アーム８を側方へ引出しておいて二輪車Ｍ
を後輪Ｍ１より乗込ませ、該後輪Ｍ１を乗込板５
上の車輪固定具７位置にしてスタンドを掛け安定
させる。そしてＵ字形アーム８を後輪Ｍ１のスポ
ーク間に挿入し、そのまま強く押下げる。該押下
げにより固定部材１１はスプリング力に抗して固
定杆１０が挿入孔11aを挿入できるように微動
し、Ｕ字形アーム８の他端８ｂに取付けられてい
るゴムキヤツプ１４が後輪Ｍ１リムに当接する。
該状態でＵ字形アーム８の押圧を解くと、固定部
材１１はスプリング力によつて固定杆１０と再び
噛み合つてＵ字形アーム８を固定する。このよう
にして車輪固定具７で後輪Ｍ１を固定すれば、二
輪車Ｍはテーブル３上に安定固定され転倒の虞れ
はない。最後に昇降装置２によつてテーブル３を
所望高さまで上昇させて作業を行なうのである。
該昇降装置２は手動式でも差支えない。

当該実施例の二輪車用リフトは、Ｕ字形アーム
によつて車輪のサイズに関係なく簡易且つ効果的
に車輪固定が行なえるので素早く整備に取りかか
ることができる。又ゴムキヤツプによつてリムに
傷を付ける虞れがなく、Ｕ字形アームを離した瞬
間、固定されるまでにわずかに該Ｕ字形アームが
戻る現象は、該ゴムキヤツプとタイヤの弾力性に
よつて、吸収されるので問題はない。更に乗込板
が伸縮可能に形成されているので、二輪車のホイ
ールベースが異なつていても適用しうるのであ
る。収納、運搬時には、踏板を取りはずすかテー
ブル側へ倒状させれば小型化でき、該踏板は支持
脚を立ててテーブルと連続した水平面とすること
も可能である。

尚車輛の乗入れは前輪から行なうことも可能で
あつて、その場合は前輪固定となる。

以上の如く本考案に依れば、二輪車を所望高さ
で安定保持できるので、能率的に作業が行なえ、
該保持は車輪固定具により作業中転倒の虞れはな
い。又移動が可能であることから出張修理にも利
用ができ、広い工場敷地の必要もないので小規模
工場にとつては非常に重宝されることとなり、本
考案による実益は多大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の二輪車用リフトの実施例を示し
たもので、第１図はテーブルを降下させた収納、
運搬時の状態を表わした斜視図、第２図はテーブ
ルを上昇させた状態の斜視図、第３図は踏板を水
平にした使用状態例の正面図、第４図は乗込板に
取付けられた車輪固定具の斜視図、第５図はＵ字
形アームによる車輪の固定状態説明図である。 １……台車、１ａ……車輪、２……昇降装置、
２ａ……油圧シリンダ、３……テーブル、４……
踏板、４ａ……支持脚、４ｂ……小車輪、５……
乗込板、５ａ，５ｂ……板材、６……車輪案内
溝、７……車輪固定具、８……Ｕ字形アーム、８
ａ……Ｕ字形アームの一側、８ｂ……Ｕ字形アー
ムの他端、８ｃ……Ｕ字形アームの中央部、９…
…案内筒、１０……固定杆、１１……固定部材、
１１ａ……挿入孔、１２……側板、１３……スプ
リング、１４……ゴムキヤツプ、Ｍ……二輪車、
Ｍ１……後輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 移動台車上に備えた昇降可能なテーブルの一
   端縁に踏板を着脱自在に枢着し、該テーブルの
   他端に車輪案内溝の形成された乗込板を延設し
   て、該乗込板に車輪固定具を取付けたことを特
   徴とする二輪車用リフト。 (2) 前記車輪固定具が、一側を軸として回動する
   Ｕ字形アームを乗込方向と直交する方向へ該軸
   心に沿い進退可能に装備し、該Ｕ字形アームの
   他側を案内溝上に位置された車輪内へ挿通して
   下方へ押付け固定するものとなつている実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の二輪車用リフ
   ト。