JPH0137190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は回転式圧縮機の吐出弁押え体に関す
るものである。

［従来の技術］ 近年、環境上の見地から騒音に対する問題が以
前よりも厳しく論じられ、空調機等に搭載される
回転式圧縮機に対しても騒音低下の要求が厳しく
なつてきている。

この種従来の回転式圧縮機としては、例えば特
開昭56−163692号公報に記載された第１図に示す
吐出弁として丸弁を用いたものが知られている。

第１図はその回転式圧縮機の要部断面図であ
り、図において、１は圧縮室を形成しているシリ
ンダ、２はこのシリンダの内周に沿つて偏心回転
するローリングピストンで、駆動軸の偏心部３に
篏挿されている。４はこのローリングピストン２
の外周面に一端を当椄させ上記シリンダ１に形成
される圧縮室を高圧室と低圧室に仕切るベーン
で、シリンダ１のラジアル方向に往復運動可能に
装着されている。５はこのベーン４をピストン２
側へ押圧するばねである。９はシリンダ１の高圧
側に開口した吐出ポートで、シリンダ軸線方向に
複数個並列に配設されている。１０は吐出ポート
９を介してシリンダ１に連通し、シリンダ１の軸
線方向に貫通形成した円筒状の弁室、６はこの弁
室１０に内接して装着され自由端で上記吐出ポー
ト９をそれぞれ開閉自在に開閉する断面Ｃ字状の
吐出弁で、複数個の腕部を有する。７はこの吐出
弁６の内側に位置し、吐出弁６の一端を挟持して
上記弁室１０にねじ８等により固定する弁押え
体、１３は圧縮室の低圧側に連通した吸入口であ
る。

従来回転式圧縮機は上記のように構成されてい
るので、図示矢印のように駆動軸の回転により１
３から入つてきた冷媒ガスは徐々に圧縮されて圧
力が高められ高圧室より吐出弁６を押し開き、吐
出ポート９から弁室１０を通り密閉容器（図示し
てない）内の空間に吐出される。このとき吐出弁
６は最大に弁押え体７の面まで押し下げられ高圧
ガスの通過後は吐出弁自身の弾性力で元の位置に
戻るようになつている。

［考案が解決しようとする課題］ そして、この種従来の回転式圧縮機は本体に備
えた吐出マフラーにより騒音の低下を計つてきた
が、吐出マフラーだけでは十分な騒音の低下が得
られず、特に圧縮機の弁室には300〜1500Hzの間
でピーク周波数をもつ機種があり騒音の一大要因
になつていた。

この考案は上記の問題点を解消するためになさ
れたもので、圧縮機の吐出弁の弁押え体を吸音マ
フラーとして利用することにより、上記の騒音を
低下させることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案に係る回転式圧縮機の弁押え体は、圧
縮室とシリンダ内に形成した弁室とを吐出ポート
によつて連結し、前記弁室に内接して設けられ、
その自由端で前記吐出ポートを開閉自在に開閉す
る吐出弁と、この吐出弁の内側に設置され吐出弁
の一端を挟持して前記シリンダに固定する弁押え
体とを備えた回転式圧縮機において、前記弁押え
体は、吸音マフラー用内部空間と小孔を有するも
のである。

［作用］ この考案に係る回転式圧縮機の弁押え体は、圧
縮機が発生するピーク周波数成分を吸音して、騒
音を低下させる。

［実施例］ 以下この考案の実施例を第１〜４図について説
明する。第１図は上記従来装置と共通故説明は省
略する。第２図において、弁押え体７は両端が開
口した中空の管状体であり、１１は弁押え体７の
両端を閉塞するカバーで、中央部に小孔１２を有
する。１４は内部空間である。このように構成さ
れた弁押え体７は、内部空間と小孔を有するの
で、吸音マフラーの機能をもつことになり、圧縮
機の弁室の300〜1500Hzの間でピーク周波数をも
つ騒音の低下に寄与する。

また、第３図はこの考案の他の実施例を示すも
ので、中空の管状体の弁押え体７の内部空間を小
孔１２を有するカバー１１で仕切るようにしたも
のであり、上記第１の実施例のものと同様の効果
を奏する。

そして、第４図はこの考案のさらに他の実施例
を示すもので、弁押え体７の外壁に複数の小孔１
２を配設したもので、孔の大きさ等を変化させる
ことにより問題となる周波数の音を音源近くでさ
せるもので、上記実施例と同様の効果を奏するも
のである。

［考案の効果］ 以上のように、この考案による回転式圧縮機の
弁押え体は、圧縮室とシリンダ内に形成した弁室
とを吐出ポートによつて連結し、前記弁室に内接
して設けられ、その自由端で前記吐出ポートを開
閉自在に開閉する吐出弁と、この吐出弁の内側に
設置され吐出弁の一端を挟持して前記シリンダに
固定する弁押え体とを備えた回転式圧縮機におい
て、前記弁押え体は、吸音マフラー用内部空間と
小孔を有する構成にしたので、吐出弁の弁押え体
を吸音マフラーに共用でき、別途に吸音マフラー
を設置することなく、騒音状の問題を改善できる
ので、圧縮機の小形化に寄与し、価格面でも有利
になるなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転式圧縮機の要部断面図、第２図は
この考案の一実施例を示す第１図の−線の断
面図、第３図はこの考案の他の実施例を示す第２
図相当の断面図、第４図はこの考案のさらに他の
実施例を示す第２図相当の断面図である。 図において、１はシリンダ、６は吐出弁、７は
弁押え体、９は吐出ポート、１０は弁室、１２は
小孔、１４は内部空間である。なお、各図中同一
符合は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 圧縮室とシリンダ内に形成した弁室とを吐出
   ポートによつて連結し、前記弁室に内接して設
   けられ、その自由端で前記吐出ポートを開閉自
   在に開閉する吐出弁と、この吐出弁の内側に設
   置され吐出弁の一端を挟持して前記シリンダに
   固定する弁押え体とを備えた回転式圧縮機にお
   いて、前記弁押え体は、吸音マフラー用内部空
   間と小孔を有することを特徴とする回転式圧縮
   機の弁押え体。 (2) 弁押え体の両端に小孔を有する仕切を設けた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の回転式圧縮機の弁押え体。 (3) 弁押え体の内部に小孔を有する仕切を設けた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の回転式圧縮機の弁押え体。 (4) 弁押え体の外壁に小孔を設けたことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の回転
   式圧縮機の弁押え体。