JPH0136925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パターンボードを利用して種々の組
識の織物を簡単に織れるようにした織機玩具に関
する。

織機玩具は、玩具を動かして遊ぶだけでなく、
遊びの中で実際にマフラーや敷物等の織物製品を
作り出せる楽しみがあるところから、少女から大
人の間まで幅広い人気がある。しかし、従来の織
機玩具によつて種々の織物を織れるようにしよう
とすると、そうこう部がきわめて複雑な機構とな
り、操作も面倒になることから、平織等の簡単な
組識の織物しか織れない構成となつていた。そこ
で本考案は、そうこう部に改良を加え、簡単な機
構且つ容易な操作で斜文織等の複雑な組識の織物
を織れるようにした織機玩具の提供を目的とす
る。

以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明
する。

第１図は織機玩具の全体斜視図、第２図は織機
玩具の要部縦断面図、第３図は織機玩具の要部横
断面図である。これら図面において、１は織機本
体で、前部と後部の横方向に保持部材２及び３が
架設してある。これら保持部材２，３は軸部の外
周にたて糸Ｔを引掛けるための爪２ａ，３ａを多
数個列設すると共に、両端に設けたダイアル２
ｂ，３ｂにより僅かな角度ずつ回動し、且つ固定
できるように構成してある。

４はそうこうで、上部にたて糸溝４ａを設け、
下部に当接部４ｂを設けると共に、中央両側部に
ガイド片４ｃとストツパ４ｄが形成してある。５
はそうこう４の保持枠で、断面コ字状の二個の枠
を、その開口部を対向させ、且つそうこう４の幅
だけ間隔をあけた状態で形成すると共に、上下縁
部にガイド溝５ａを設けてある。そして、そうこ
う４は、その中央部のガイド片４ｃがガイド溝５
ａに案内され、且つストツパ４ｄにより抜け出な
い状態で上下動自在に保持枠５に保持されてい
る。また、そうこう４の下端部は丸く形成してあ
る。

６は織物の組識をプログラムしてあるパターン
ボードで、その表面にはそうこう４の下端部に当
接してそうこう４を上昇させるための半円形に突
出するカム片７が、織物組識に応じた位置関係で
多数個配設されている。また、パターンボード６
の長手方向一側辺にはラツク８が形成してある。
９はパターンボード６のガイドであり、織機本体
１の両側の下部長手方向に形成されている。１０
の織機本体１の一側部に回転自在に設けられたハ
ンドルで、織機本体１の内側にピニオン１１を一
体的に設けている。このピニオン１１の一部はガ
イド９の内部に位置し、パターンボード６のラツ
ク８と噛合するよう構成されている。

このように構成された織機玩具は、次のように
作動させて遊ぶことができる。すなわち、パター
ンボード６をガイド９に挿し込んで、パターンボ
ード６のラツク８とハンドル１０のピニオン１１
とを噛合させる。次いで、ハンドル１０を所定の
角度回転させて、パターンボード６のカム片７群
の一列を送る。そうこう４の下方にカム片７が送
られてきて位置決めされると、そうこう４は下部
当接部４ｂを介して持ち上げられ上昇する。一
方、カム片７のない部分のそうこう４は自重によ
つて下降したままになつているので、各そうこう
４のたて糸溝４ａを通るたて糸Ｔ間に開口がで
き、ここによこ糸を通す。続いて、ハンドル１０
を、所定角度回転させて、カム片７の次の一列を
そうこう４の下方に送つて位置決めすることによ
り、たて糸Ｔの浮沈状態を変え、この開口によこ
糸を通す。この作業を繰り返すことによつて、パ
ターンボード６にプログラムされた組識の織物を
織り上げていく。

以上の如く本考案によれば、織物の組識をパタ
ーンボードにプログラムしておき、このプログラ
ムにしたがつてそうこうを浮沈させるので、斜文
織等の複雑な組識の織物も簡単に織ることができ
る。また、パターンボードによつて上下動するそ
うこう部の機構も簡潔に構成してあるので、操作
が非常に容易であり、しかも故障も少ないといつ
た効果を有する。

更に、上下動自在に設けたそうこうの下端部を
丸く形成し、そうこう下端部当接用のカム片を半
円形に形成することにより、そうこうとカム片の
当接をなめらかにしてスムーズな動作を得ること
ができる。

また、カム片は多数の半円形のものからなるた
め、種々のパターンに対応してカム片の数、位置
を調整するだけで種々のパターンに対応したパタ
ーンボードを容易に形成することができる。

そして更に、パターンボードをハンドル操作に
よるラツクとピニオンの噛合によつて織機本体の
下部を移動、通過可能としたため、たて糸を張つ
た織作業中においてもパターンボードの交換がで
き、一枚の布に種々のパターンを織込むことが可
能となるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案織機玩具の第１実施例の全体斜
視図、第２図は第１実施例の要部縦断面図、第３
図は第１実施例の要部横断面図である。 １……織機本体、２，３……保持部材、４……
そうこう、５……保持枠、６……パターンボー
ド、７……カム片、８……ラツク、９……ガイ
ド、１０……ハンドル、１１……ピニオン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記要件からなることを特徴とした織機玩具。 (1) 織機本体の前部及び後部に、たて糸を引掛け
   る保持部材を架設すること。 (2) 織機本体の前部及び後部の保持部材の中間に
   そうこうを上下動自在に設け、該そうこうの下
   端部を丸く形成すること。 (3) 織物組識に対応して所定位置にそうこうをセ
   ツトする半円形に突出したそうこう下端部当接
   用の多数のカム片を表面に備え、かつ一側に長
   手方向にわたるラツクを備えたパターンボード
   を有すること。 (4) 織機本体の下部に内側面にパターンボード両
   側辺を支持して移動、通過可能とするガイドを
   設け、かつ該ガイド内で上記パターンボードの
   ラツクに噛合するピニオンを設けると共に、該
   ピニオンを回転操作するハンドルを織機本体外
   側に設けること。