JPH0135754Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の分野 この考案は、例えば、ブラウスやドレス等の婦
人用衣服のクリーニング作業に於いて、ギヤザー
やリボン等の飾付き袖部の皺伸し及び整形に用い
られるようなアイロン台に関する。

(ロ) 考案の背景 従来、上述例のような婦人用衣服の袖部にはギ
ヤザーやリボン等の飾りが付けられているので、
単に衣服をプレスするだけでは袖部分に付いた皺
を綺麗に伸すことが困難であり、ハンデイタイプ
の小型アイロンを用いて手作業で皺伸しする必要
があるので、手間が掛かり作業能率が悪いという
問題を有している。

また、上述のような小型アイロンを用いずに、
蒸気を噴出させて皺伸しする構造のアイロン台は
既に実用化されているが、このアイロン台は蒸気
供給路に介設した電磁バルブにより蒸気の供給、
停止を行うので、電磁バルブを閉鎖していると蒸
気供給路内で蒸気が冷えて水滴状となり、再び、
電磁バルブを開放して蒸気を噴出させると、蒸気
と共に蒸気供給路内に発生した水滴が噴出して、
アイロン台に被覆した衣服に付着するので、染み
や汚れ等の原因となる問題を有している。

(ハ) 考案の目的 この考案は、アイロン台に内設した加熱手段の
周面に蒸気供給管を周設する特異な構成とするこ
とで、蒸気供給管内に発生した水滴を蒸気化し
て、衣服に水滴が付着するのを確実に防止するこ
とができ、衣服の皺伸し及び整形等のアイロン仕
上げが綺麗に効率よく行えるアイロン台の提供を
目的とする。

(ニ) 考案の構成 この考案は、中空に形成したアイロン台を台本
体に立設し、該アイロン台の衣服被覆面に多数の
噴出孔を開口し、上記アイロン台の中空部に、該
アイロン台の内周面より所定間隔に隔てて加熱手
段を内設し、上記加熱手段の上に、上記アイロン
台の中空部に蒸気を供給する蒸気供給管を配設す
ると共に、前記アイロン台の中空部と連通して、
該アイロン台の中空部に熱風を供給する熱風供給
路を接続したアイロン台であることを特徴とす
る。

(ホ) 考案の作用 この考案は、衣服をアイロン台の衣服被覆面に
被覆した後、蒸気供給管よりアイロン台の内部に
蒸気を供給し、同時に、このアイロン台に内設し
た加熱手段により蒸気供給管を加熱して、蒸気供
給管内に発生した水滴を蒸気化させると共に、ア
イロン台の噴出孔より蒸気を噴出して衣服を蒸ら
し、衣服に付いた皺を伸して元の状態に整形す
る。この後、蒸気供給管からの蒸気供給を停止し
た後、熱風供給路を開放してアイロン台の内部に
熱風を供給し、アイロン台の噴出孔より熱風を噴
出して皺伸した状態に衣服を固定して仕上げる。

(ヘ) 考案の効果 この考案によれば、蒸気供給管を加熱手段で加
熱し、蒸気供給管内に発生した水滴を再び蒸気化
して水滴の存在を皆無にするので、衣服の皺伸し
作業時に水滴が噴出することがなく、水滴による
染や汚れ等が衣服に付くのを確実に防止すること
ができる。

しかも、上述の蒸気により衣服の皺を伸して元
の状態に整形した後、熱風を噴出させて皺伸した
状態に衣服を固定するので、従来例のような小型
アイロンを用いる必要がないため、例えば、特殊
なギヤザーやリボン等の飾付き袖部も短時間で綺
麗にアイロン仕上げすることができ、衣服の皺伸
し及び整形作業の能率アツプを図ることができ
る。

(ト) 考案の実施例 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は袖用のアイロン台を示し、第１図及び第
２図に於いて、このアイロン台１は、例えば、ス
テンレス等の金属で衣服２の袖部分と対応する楕
円中空形状に形成し、外周面の衣服被覆面１ａ
に、蒸気Ｓ又は熱風Ｈを噴出する多数の各噴出孔
１ｂ…を等間隔に開口すると共に、下面一側部に
円筒柱１ｃを連設して台本体３に立設している。

なお、上述のアイロン台１には通気性を備えた
布カバー等（図示省略）が被覆される。

上述のアイロン台１の中空部には、このアイロ
ン台１の内周面より外周面を所定間隔に隔てて、
例えば、アルミニウム又は銅等の金属で形成した
楕円中空形状の蒸気溜め部４を内設すると共に、
この蒸気溜め部４と連通した状態に、夫々各電磁
バルブ５，６を介設して、蒸気供給装置（図示省
略）と接続された蒸気供給路７と蒸気排出路８と
を接続すると共に、この蒸気供給路７と蒸気排出
路８は、円筒柱１ｃ上部に固定した中空部閉鎖板
１ｄに挿通して支持している。

上述の蒸気溜め部４の周面には、電磁バルブ９
を介設して、蒸気供給装置（図示省略）と接続さ
れた複数本の各蒸気供給管１０…を長手方向へ平
行に周設すると共に、この各蒸気供給管１０…
は、円筒柱１ｃ上部に固定した中空部閉鎖板１ｄ
に挿通して支持している。

上述の蒸気溜め部４上と対応する各蒸気供給管
１０…の周面長手方向には、蒸気噴射方向をアイ
ロン台１の内周面に設定して多数の各蒸気噴出孔
１０ａ…を等間隔に開口している。

前述のアイロン台１の内周面と、上述の蒸気溜
め部４の外周面とで形成される中空部と連通した
状態に、電磁バルブ１１を介設して、熱風供給装
置（図示省略）と接続された熱風供給路１２を中
空部閉鎖板１ｄに接続すると共に、且つ、この中
空部閉鎖板１ｄで熱風供給路１２を支持してい
る。

上述の熱風供給路１２より噴出される熱風Ｈ
は、噴出口前面に対設した蒸気溜め部４で拡散さ
れ、アイロン台１の衣服被覆面１ａに開口した各
噴出孔１ｂ…より均等に噴出される。

なお、前述の円筒柱１ｃ内に挿通した蒸気供給
路７と、蒸気排出路８と、蒸気供給管１０と、熱
風供給路１２とは、台本体３の開口部に固定した
支持板３ａに挿通した後、各供給装置（図示省
略）に夫々接続している。

図示実施例は上記の如く構成するものとして以
下作用を説明する。

第１図に示すように、蒸気排出路８に介設した
電磁バルブ６を開放した状態で、蒸気供給路７に
介設した電磁バルブ５を開放して、蒸気供給装置
（図示省略）より供給される蒸気Ｓを蒸気溜め部
４内に供給する。

この後、蒸気排出路８に介設した電磁バルブ６
を閉鎖して蒸気溜め部４内に蒸気Ｓを貯留し、こ
の蒸気Ｓによる加熱作用で、蒸気供給管１０内の
水滴が蒸気化する所定温度に蒸気溜め部４を加熱
する。

次に、アイロン台１の衣服被覆面１ａに衣服２
の袖部分を被せた後、プレス板等で袖部分をアイ
ロン台１の衣服被覆面１ａにプレスする。

このプレス状態で、各蒸気供給管１０…に介設
した各電磁バルブ９…を開放して、蒸気供給装置
（図示省略）より供給される蒸気Ｓを各蒸気噴出
孔１０ａ…より噴出させると共に、この時、各蒸
気供給管１０…の内周面や、各電磁バルブ９…の
弁部分に発生した水滴を蒸気溜め部４の加熱作用
により再び蒸気化し、水滴の存在を皆無の状態に
して蒸気Ｓを噴出する。

この各蒸気噴出孔１０ａ…より噴出された蒸気
Ｓは、アイロン台１に開口した各噴出孔１ｂ…よ
り外部へ噴出させて、被覆した衣服２の袖部分を
蒸らすと共に、袖部分に付いた皺を伸して元の状
態に整形する。

この後、第３図に示すように、各蒸気供給管１
０…の各電磁バルブ９…を閉鎖して、蒸気Ｓの供
給を停止した後、熱風供給路１２の電磁バルブ１
１を開放して、熱風供給装置（図示省略）より供
給される熱風Ｈをアイロン台１の中空部に供給
し、同時に、蒸気溜め部４の放熱作用で熱風Ｈを
所定温度に加温しつつ、アイロン台１に開口した
各噴出孔１ｂ…より熱風Ｈを均等に噴出して、皺
を伸した状態に衣服２を固定してアイロン仕上げ
する。

なお、上述の蒸気溜め部４の蒸気Ｓが所定温度
より低下すると、蒸気排出路８の電磁バルブ６を
開放して蒸気溜め部４内の旧い蒸気Ｓを排出し、
同時に、蒸気供給路７の電磁バルブ５を開放して
新しい高温の蒸気Ｓを供給する。

このように各蒸気供給管１０…を蒸気溜め部４
で加熱し、各蒸気供給管１０…内に発生した水滴
を再び蒸気化して水滴の存在を皆無にするので、
衣服２の皺伸し作業時に水滴が噴出することがな
く、水滴による染や汚れ等が衣服２に付くのを確
実に防止することができる。

しかも、上述の蒸気Ｓにより衣服２の皺を伸し
て元の状態に整形することができ、且つ、熱風Ｈ
を噴出させて皺伸した状態に衣服２を固定するの
で、従来例のような小型アイロンを用いる必要が
なく、例えば、特殊なギヤザーやリボン等の飾付
きの袖部分も短時間で綺麗にアイロン仕上げする
ことができ、衣服２の皺伸し及び整形作業の能率
アツプを図ることができる。

なお、この考案を構成する加熱手段は、上述の
実施例の蒸気溜め部４と、各電磁バルブ５，６
と、蒸気供給路７と、蒸気排出路８とに対応する
も、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定さ
れるものではない。

例えば、上述の実施例の加熱手段を電熱ヒータ
等で構成するもよく、 また、衣服２の肩部、襟部、胴部等と対応した
形状にアイロン台１を形成するもよい。

さらに、蒸気供給路７と蒸気供給管１０とを近
接して配管することで、蒸気供給路７の放熱作用
により蒸気供給管１０内の水滴を確実に蒸気化す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は蒸
気噴出状態を示すアイロン台の縦断側面図、第２
図はアイロン台の部分切欠き平面図、第３図は熱
風噴出状態を示すアイロン台の縦断側面図であ
る。 Ｓ……蒸気、Ｈ……熱風、１……アイロン台、
１ｂ……噴出孔、２……衣服、３……台本体、４
……蒸気溜め部、７……蒸気供給路、８……蒸気
排出路、１０……蒸気供給管、１０ａ……蒸気噴
出孔、１２……熱風供給路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中空に形成したアイロン台を台本体に立設し、
   該アイロン台の衣服被覆面に多数の噴出孔を開口
   し、 上記アイロン台の中空部に、該アイロン台の内
   周面より所定間隔に隔てて加熱手段を内設し、 上記加熱手段の上に、上記アイロン台の中空部
   に蒸気を供給する蒸気供給管を配設すると共に、 前記アイロン台の中空部と連通して、該アイロ
   ン台の中空部に熱風を供給する熱風供給路を接続
   した アイロン台。