JPH0135660Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、容器内の種子等の植物の成長時の花
模様等を表現した筒状ラベルを装着したプラスチ
ツク製の植木鉢容器に関する。

〔従来の技術〕

最近室内栽培用の植木鉢容器で鉢容器本体外面
側に栽培する植物を表示したものが市場に現われ
ている。

植木鉢容器の外面側に絵模様等を表示する目的
は、栽培観賞中の美観を高めるためと、植木鉢容
器の中に培養土、種子、球根等の植物、肥料等を
収納し蓋をし栽培セツトとして販売する場合、植
物の種類、成長時の姿、色調等をアピールする必
要があり、色彩性豊かな装飾を表現するためであ
る。この種の植木鉢容器にはプラスチツク製で接
着剤を用いてラベルを貼付したものがある。一
方、透明なプラスチツク製鉢容器本体の外側面
に、着色された被覆板を取り付けて、この被覆板
を開閉又は取り除きを行なえるようにして、鉢に
植えた植物の根を観察できるようにしたプラスチ
ツク製植木鉢容器が、例えば実開昭55−20868号
公報に記載されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、かかる植木鉢容器のうち前者
は、同一植木鉢容器を繰返し使用すると接着剤の
耐水性及び耐候性の不足により概ねラベルの剥離
が起り易い問題がある。その他、同一の植木鉢容
器で別の植物を栽培する場合には、栽培する植物
の種類と植木鉢容器の図柄が相異するという不都
合が発生する欠点がある。

また、後者の場合は、固定側と開閉側の２つの
被覆板を取り付ける構成から成り、固定側の被覆
板の下縁は、容器本体の下方外側に設けた突部の
上に乗せて立ててあり、一方、開閉側の被覆板の
下縁は、突部の下方位置にある溝に回転自在には
め込んだリング上の掛け釘に合わせるように掛け
孔を設けたもので、固定側の被覆板の下縁よりも
下方に長くしているため、容器外側面に取り付け
ると、両被覆板の継目下縁に段差が生じてしま
い、外観上美的効果が劣る。さらに、各被覆板を
予め容器外側面の曲率に合せて湾曲にプレスしな
ければならず製作が面倒である。

本考案は上記問題を解決し、植木鉢容器の外面
に表示された絵模様が常に植木鉢容器内に栽培さ
れている植物と合致し且つ絵模様が清新で栽培さ
れている花等の美観を一層向上させるプラスチツ
ク製植木鉢容器を提供することを目的とするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、容器本体の上方に向つて拡がる外周
面の下部に外方へ突出する突出部を設け、該突出
部の上にラベルの下端部を契止させて該ラベルを
装着させたプラスチツク製植木鉢容器において、 装着される前記ラベルは、前記外周面と同一の
展開長さ及び展開形状を有し、伸縮性のある筒状
であり、 前記突出部は、少なくともラベル１枚分の厚み
を越えた段差を有する ことを特徴とする筒状ラベルを装着したプラスチ
ツク製植木鉢容器である。

〔作用〕

ラベルを、予め植木鉢のラベル装着部分と同形
同大、即ち容器本体外周面と同一の展開長さ及び
展開形状を有する伸縮性のある筒状ラベルにして
あることによつて、ラベルの広い側の口を先に容
器底部にかぶせて、上方に移動させ、ラベルの下
端部が突出部をのりこえさせた後は、一但拡げら
れたラベル下端部は元の寸法に縮み突出部の段差
で契止され、長期的に安定した装着が可能とな
る。また、その段差が少なくともラベル１枚分の
厚みを越えたものにすることによつて、上記同様
の操作をくり返せば、２枚以上の筒状ラベルを重
ねることが可能となる。

〔実施例〕

第１−第４図ａは本考案実施例を示すものであ
つて、第１図はラベル装着前の植木鉢容器本体正
面図、第２図は筒状ラベル斜視図、第３図は筒状
ラベル装着過程を示す正面図、第４図ａは筒状ラ
ベル装着後の正面図で一部断面図である。

図に於て、１は植木鉢容器本体であつて上方に
向つて拡がるポツト状をなしている。２はラベル
装着部である。３は下方突出部であり、植木鉢容
器本体の下方外周に亘つて形成している。４は上
方突出部であり、植木鉢容器本体の上方外周に亘
つて形成している。５は底部、６は筒状ラベルで
あり植木鉢容器本体のラベル装着部２の外周面と
展開長さと展開形状が同一の同形同大、即ち筒状
ラベルの上部内径（LUD）、下部内径（LLD）は
それぞれ本体のラベル装着部２の上部径（UD）
と下部径（LD）と同寸法のものである。７は下
端部、８は上端部、９はサイドシーム装着部、１
０は花模様Ａである。

植木鉢容器本体１に筒状ラベル６を装着する方
法は、植木鉢容器本体１の底部５に筒状ラベル６
の上方内径（第２図φLUD）部をかぶせ植木鉢容
器本体の上方に向け移動させ筒状ラベル６の下端
部７を植木鉢容器本体の下方突出部３をのりこえ
させる事で完了する。

本実施例では厚さ0.3mmのポリプロピレン製の
筒状ラベルで、植木鉢容器本体の下方突出部３が
容器本体の外周面から上記0.7mm（ラベル厚の２
倍強）突出する段差高さｈを有し、上記のように
してラベル装着部２に位置した筒状ラベル６はそ
の下端部７が下方突出部３の段差上面に契止され
ており、安定して維持される。また筒状ラベル６
の上端部８は容器本体の上方突出部４の段部に接
していて、ラベルは上、下突出部３，４間に安定
して維持される。

この際、筒状ラベルの上部内径（LUD）、下部
内径（LLD）はそれぞれ植木鉢容器本体のラベ
ル装着部の上部径（UD）、下部径（LD）と同寸
法であり、筒状ラベルの下端部７は本体下方の突
出部３で、一旦拡げられるが、装着後ラベルの下
端部７は元の内径に戻り、筒状ラベル６は植木鉢
容器本体のラベル装着部２に密着する。筒状ラベ
ルは伸縮できるプラスチツク材で製作してあり、
当該筒状ラベルの下端部７の寸法とラベルの伸縮
度とにより植木鉢容器本体の下方突出部３の段差
ｈ（第１図）の最大値が決るが、該段差は少なく
ともラベル１枚分の厚さを越えた寸法になるよう
に設定しておく。

上記のように筒状ラベルの装着は非常に容易に
いわゆる植木鉢容器本体外周面に底部からはめ込
むだけであり、装着したラベル表面を全面に亘つ
て遮るものがないためラベルのアピール効果を最
大限に発揮すると共に植木鉢容器本体及び筒状ラ
ベルが構造が簡素であり生産性、低価格性が満た
され栽培セツトとして総合的に卓越したものであ
る。

植木鉢容器本体は、射出成形法によつて成形し
材質は熱可塑性樹脂のうち成形性、耐久性、価格
等よりポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチ
レン等が好適である。ラベルの製造は、素材とし
て適度に伸縮性があつて、本体外側面にフイツト
する柔軟なもの、例えば肉厚0.1〜１mmの塩化ビ
ニール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイ
ロン、合成紙の単層フイルム又はこれ等材料から
なる複合フイルムを選び印刷を行う印刷方法は多
色オフセツト印刷、グラビア印刷、スクリーン印
刷、転写印刷等で色彩性豊かなラベルを製造する
ため３〜７色刷りとする。

ラベルの素材の種類によつては、印刷の前処理
としてコロナ、又はフレーム処理を行う必要があ
る。

ラベルの耐久性を上るため印刷層を中間層とす
る複合貼合せラベルの製造に於て、印刷適性及び
二重装着時の隠ぺい力を上るため耐水紙の表面に
印刷し印刷面をプラスチツクフイルムで被覆する
方法が得策である。

次に印刷原反を植木鉢容器本体ラベル装着部の
形状に合致しラベルのサイドシームを形成する巾
を持つ大きさに切断した後ポツト型植木鉢のラベ
ル装着部の形状に合う上拡がりの形状をサイドシ
ームを接着加工することで作り上る。

サイドシームの接着加工はラベルの材質に応じ
た方法、例えば塩化ビニールの場合は高周波を利
用した接着、ポリエチレンや複合貼合せの場合は
超音波接着やヒートシールが一般的である。

第４図ｂ〜第６図は、上記のように筒状ラベル
を装着した植木鉢容器に、他の筒状ラベルを二重
に装着する場合の１例を示すものであつて、第４
図ｂは筒状ラベル１枚を装着した植木鉢容器正面
図、第５図は２枚目に装着する筒状ラベルの斜視
図であつて絵柄部分以外は実施例１の第２図と同
じである。第６図は筒状ラベルを二重に装着した
後の植木鉢容器正面図で一部断面図である。

既に筒状ラベル６を装着してある植木鉢容器本
体をさらに他の筒状ラベル６′を装着するには、
最初の筒状ラベル６の装着と全く同様にすればよ
い。下方突出部３の段差はラベル厚さの２倍以上
あり２枚の筒状ラベルを重ねた状態で該段差に契
止でき、２枚のラベルは一緒に維持される。この
際第５図に示すラベル６′の下方内径及び上方内
径は１枚目装着ラベル６と同じ寸法のものでも差
支えなく１枚目装着ラベルの肉厚分の２枚目装着
ラベル内径の拡がりは、ラベル素材の伸縮性で吸
収できる。

上記実施例に於ける実施態様の変化を下記に補
足する。

植木鉢容器本体に形成する下方突出部及び上方
突出部は本体の外側面全周に亘るものでなくても
良く、外周の何ケ所かに設置する構成でも良い。

〔考案の効果〕

本考案によれば、予め筒状に形成されていて植
木鉢のラベル装着個所と同形同大のラベルを下方
突出部をのり越えさせて前記ラベル装着部に装着
させてある構成を有するから、装着されたラベル
は外周面に密接状態にあり外観がよく、又ラベル
は下方突出部段差上面に掛止しているから安定し
た装着を長期にわたり維持できる。さらに下方突
出部が少くともラベル１枚分の厚さを越えた寸法
の外周面から突出する段差を有するから、１枚目
のラベルを装着してある上に少くとも２枚目のラ
ベルを装着でき、植木鉢容器内の植物とラベルの
印刷とを合致させることができる。

ラベルの厚さの選定と下方突出部の段差寸法の
選定により、３枚以上のラベルを重ねて取り付け
ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図ａは１枚目の筒状ラベルを装着する
場合の１例を示すものであつて、第１図はラベル
装着前の植木鉢容器本体の正面図、第２図は１枚
目装着用筒状ラベル斜視図、第３図は筒状ラベル
装着過程を示す正面図、第４図ａは筒状ラベル装
着後の正面図で一部断面図、第４図ｂ〜第６図は
２枚目の筒状ラベルを装着する場合の１例を示す
ものであつて、第４図ｂは筒状ラベル１枚を装着
してある植木鉢容器正面図、第５図は２枚目に装
着する筒状ラベルの斜視図であつて絵柄部分以外
は第２図と同じである。第６図は筒状ラベルを二
重に装着した後の植木鉢容器正面図で一部断面図
である。 １：植木鉢容器本体、２：ラベル装着部、３：
下方突出部、４：上方突出部、５：底部、６，
６′：筒状ラベル、７：下端部、８：上端部、
９：サイドシーム装着部、１０：花模様Ａ、１
１：花模様Ｂ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器本体の上方に向つて拡がる外周面の下部に
   外方へ突出する突出部を設け、該突出部の上にラ
   ベルの下端部を契止させて該ラベルを装着させた
   プラスチツク製植木鉢容器において、 装着される前記ラベルは、前記外周面と同一の
   展開長さ及び展開形状を有し、伸縮性のある筒状
   であり、 前記突出部は、少なくともラベル１枚分の厚み
   を越えた段差を有する ことを特徴とする筒状ラベルを装着したプラスチ
   ツク製植木鉢容器。