JPH0135641B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は弾性的に傾動可能な脚部を具えるスキ
ー靴に関するものである。

スキー靴は一般に、プラスチツク材料を射出成
形して造つた硬い足部を具え、この足部は平担な
硬い靴底を有する。かかるスキー靴はスキーヤー
が脚を前屈しようとする時靴の脚部がこれを妨げ
る欠点があると共に、その後靴の脚部がゆつくり
しか自由位置へ弾性復帰し得ない欠点がある。

かかる欠点をなくすため従来、足部をその後部
において種々の強さのばね手段又はラバーカツプ
付の緩衝器を介し脚部に連結することが提案され
た。しかし、かかる解決策は他の欠点を誘起し、
特に以下の欠点を生じていた。

１ スキーヤーが脚を屈伸する時靴の脚部が確実
にそれに追従するという信頼性を欠く。

２ 上記附加手段の追加によるだけでなく、その
取付の困難さにより、高価になる。

３ 靴の後部に邪魔物が存在する。

４ 上記手段の破損時における交換が困難であ
る。

更に、上記のばね手段や緩衝器は一体成形靴、
即ち足部と脚部との間に関節手段を持たないスキ
ー靴には使用することができない。

本発明はこれら欠点を除去しようとしてなした
もので、本発明スキー靴は靴の前側面にこれとほ
ぼ同形状の弾性補強素子を設け、この弾強素子を
脚部及び足部に部分的に取付ける手段を設けたこ
とを特徴とする。好ましくは本発明スキー靴に、
少なくとも一対の相互に離間したスライドを設け
て補強素子をほぼ靴の幅方向中央面内に保持する
よう挾むのが良い。

補強素子は少なくともその一端を靴に固定する
のが良い。補強素子と靴との連結を行なう手段は
ねじ又はボルト手段とすることができる。

補強素子の取付部は靴の上縁に形成したスリツ
トに係合させるようにしてもよい。本発明の他の
例では、補強素子の一端を足部の対応する窪み内
に侵入させることもできる。

以下、図示の実施例に基づき本発明を詳細に説
明する。

図中同様部分は同一符号にて示すが、本発明ス
キー靴はプラスチツクで射出成形し、これを足部
１と脚部２とで構成し、脚部２を踝の近くで関節
手段３により足部１に連結する。

スキー靴の前側に補強素子４を設け、これをス
キー靴の前面形状に対応した形状となす。補強素
子４を好ましくはプラスチツク、又は金属、或い
はガラス繊維強化材料で造る。補強素子４をほぼ
Ｌ字状とし、その両端真直端部を互に湾曲部分で
連結する。そして該湾曲部分の曲率半径をスキー
靴前面形状のそれより大きくして、補強素子４を
その両端部においてのみスキー靴に連結し、補強
素子４の残部をスキー靴から幾分離間させる。特
に、補強素子の前端５をねじ６により足部１に結
合し、後端７に連結用の条片又はキー８を設け、
これを舌片１０の上部に形成したスリツト９に係
合させる。

足部１に一対の相互に離間した位置決め素子又
はスライド１１を設け、これらにより補強素子４
をスキー靴の幅方向中央面内に挾んで保持する。

本発明の変形例では、図示しなかつたが補強素
子４を足部１に固定するに当つては、該素子の前
端を足部１に設けた位置決め部分又は窪み内に侵
入させてこれを行なうことができる。

第２図に示すように、補強素子４は上述したと
異なり少なくとも２個の部分４′，４″で構成して
もよい。これら両部分は夫々の両端をフアスナ手
段により結合して合体させるが、補強素子の曲率
半径を変更し得るようにする。

上述した処から明らかなように、本発明スキー
靴は特に以下の利点を有する。

１ スキー靴の後部に邪魔物を附加することなく
スキー靴の脚部を休止位置へ弾性復帰させ得
る。

２ スキーヤーが脚を前屈させた時有効な反作用
があり、次にスキーヤーが脚を伸ばす時これを
弾性復帰力により迅速に行なうことができる。

３ 本発明の着想は現存のスキー靴にも、型の変
更をほとんど行なうことなく適用できる。

４ 補強素子をその破損時簡単且つ安価に交換で
きる。

上述した処は本発明の好適な一例を示したに過
ぎず、本発明においては部品の形状、大きさ及び
配置を種々変更できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明スキー靴の全体斜視図、第２図
は本発明の他の例を示す補強素子の斜視図であ
る。 １……足部、２……脚部、３……関節手段、４
……補強素子、４′，４″……補強素子構成部分、
５……補強素子前端、６……ねじ、７……補強素
子後端、８……連結用条片又はキー、９……スリ
ツト、１０……舌片、１１……スライド、１２…
…フアスナ手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 弾性的に傾動可能な脚部を具えるスキー靴に
   おいて、靴の前側面にこれとほぼ同形状の弾性補
   強素子を設け、該補強素子を靴の脚部及び足部に
   部分的に取付ける手段を設けたことを特徴とする
   スキー靴。 ２ 靴に少なくとも一対の相互に離間したスライ
   ドを設けて補強素子をほぼ靴の幅方向中央面内に
   保持するよう挾んだ特許請求の範囲第１項記載の
   スキー靴。 ３ 前記手段が補強素子の少なくとも一端を靴に
   取付けるものである特許請求の範囲第１項記載の
   スキー靴。 ４ 前記手段がねじである特許請求の範囲第１項
   又は第３項記載のスキー靴。 ５ 補強素子の後端連結部を脚部に形成したスリ
   ツトに係合可能にした特許請求の範囲第１項又は
   第３項記載のスキー靴。 ６ 補強素子が板ばね素子で造られ、脚部及び足
   部に隣接するほぼ真直な両端部と、これら両端部
   間の連結湾曲部とを有し、該湾曲部の曲率半径を
   脚部及び足部間の曲率半径より大きくしたもので
   ある特許請求の範囲第１項記載のスキー靴。 ７ 補強素子を少なくとも一対の相互に重ね合せ
   た細長板状素子と、これらを夫々の両端において
   調整可能に連結する手段とで構成し、これにより
   補強素子の曲率半径を変更可能とした特許請求の
   範囲第１項記載のスキー靴。