JPH0135235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は脱部の籾タンク上方に、周面に多数
の選別孔を有する選別筒を回動可能に横架しこの
選別筒の入口側から出口側に向けて原籾を流動さ
せ原籾中に混入する不要物を除去する不要物除去
装置に関する。

特に本考案による不要物除去装置は原籾中に例
えば稲糀籾のような通常の籾よりも大粒であるも
のが混入している場合と粃のような通常の籾より
も小粒であるものが混入している場合に応じて適
時選別筒の交換と脱部に連通せしめる選別筒か
らの漏出路と流出路とを互に切換えて１つのもの
でこれらの稲糀籾や粃などの不要物を除去し通常
の籾即ち精籾を常に脱部に供給せしめる籾摺機
用不要物除去装置を提供するにある。

従来の技術 上記のように脱部の籾タンク上方に不要物を
除去する装置を設けるものとしては従来の技術と
して実開昭58−112479号公報に示される構成のも
のはあるが、この構成のものは脱部によつて脱
した後の穀粒を選別するもので、籾摺機を構成
する壷穴式回転選別胴で玄米と籾に選別する前に
脱後の穀粒中から未熟米を選別して取出すと同
時に未脱籾を極力選出して脱部に還元しよう
とするものである。

このように従来のものにあつては脱前に籾中
に混入する例えば稲糀籾や粃などの不要物を除去
する装置を備えるものではなくすべて脱部に供
給され不要物までも一諸に脱していたのであ
る。

考案が解決しようとする問題点 それ故に従来のものは稲糀籾や粃等の不要物ま
でも脱していたのであるから、脱能力を低下
させ且つ脱効率を阻害していたのである。

本考案はこのような従来のものにおける問題点
を一掃するとともに原籾中に通常の籾よりも大粒
であるものが混入している場合と小粒であるもの
が混入している場合に応じて適時１つのものでそ
れらの不要物を除去せんとするにある。

問題点を解決するための手段 そこで本考案は、脱部の籾タンク上方に、周
面に多数の選別孔を有する選別筒を回動可能に横
架しこの選別筒の入口側から出口側に向けて原籾
を流動させ原籾中に混入する不要物を除去する不
要物除去装置を設け、該不要物除去装置の選別筒
を大小異なる選別孔を有するものと交換自在に構
成し、且つ上記籾タンクに連通せしめる選別筒周
面の選別孔からの漏出物を案内する漏出路と出口
側端部からの流出物を案内する流出路とを互に切
換自在に構成するものである。

作 用 このように構成すれば脱部の籾タンク上方に
設ける不要物除去装置は、原籾中に例えば稲糀籾
のような通常の籾よりも大粒のものが混入してい
る場合は大なる選別孔を有する選別筒に交換して
選別孔からの漏出物を案内する漏出路を籾タンク
に連通することができて稲糀籾は選別孔から漏出
せず選別筒の出口側端部から流出路を経て除去さ
れ、通常の籾は選別孔から漏出し漏出路を経て籾
タンクに落入して脱される。また、原籾中に粃
のような通常の籾よりも小粒のものが混入してい
る場合は小なる選別孔を有する選別筒に交換して
上記流出路を籾タンクに連通させれば粃は選別孔
から漏出し漏出路を経て除去されるが通常の籾は
選別孔から漏出せず出口側端部から流出路を経て
籾タンクに落入し脱されるのである。

実施例 以下、本考案について実施例図を参照して説明
するが先ず籾摺機そのものの概要について述べて
おく、 Ａは脱部、Ｂは風選部、Ｃは回転選別部であ
り、風選部Ｂ上の前後に脱部Ａと回転選別部Ｃ
が配設される。

脱部Ａは籾タンク１と一対の脱ロール２等
から成り、籾タンク１内の精籾を順次脱する。
風選部Ｂは前部においては主として脱部Ａから
の脱物を風選し籾殻等の塵埃や後述する不要物
除去装置Ｄで原籾中より選別し除去されるも尚残
存する粃等を排出して玄米と籾の混合物を得、後
部においては回転選別部Ｃによつて選別された玄
米を風選して屑米を除去する。回転選別部Ｃは内
周面に多数のくぼみを形設した選別胴３，４内に
それぞれ受樋を挿通した粗選別部Ｃ１と精選別部
Ｃ２とを上下２段に配設し上記風選部Ｂによつて
得られた混合物を粗選別部Ｃ１と精選別部Ｃ２で
順次選別する構成である。

従つて、籾タンク１内に不要物除去装置Ｄから
落入してくる精籾は脱部Ａ、風選部Ｂ、回転選
別部Ｃの各部によつて籾から玄米を得る構成にな
つている。

次に本考案の要部である不要物除去装置Ｄにつ
いて述べる。５，５ａは多角形状のものの周面に
多数の選別孔６，６ａを形設して回動可能に横架
し高い側の入口側Ｘから原籾を供給し低い側の出
口側Ｙに向う流動と撹拌作用によつて選別孔６，
６ａから漏出するものとそうでないものとに原籾
を選別する選別筒で、選別筒５の選別孔６は通常
の籾が通過する程度の稍々広幅に形設し別の選別
筒５ａの選別孔６ａは粃が通過し通常の籾が通過
しない程度の細幅に形設してあつてその他の構成
は同一である。

この選別筒５，５ａは別々に箱体７に収蔵され
るもので蓋板７ａを取外して箱体７外に取出可能
に構成し選別筒５と５ａを交換自在にしてある。

箱体７は入口側Ｘを籾摺機の右側にして風選部
Ｂ前部両側から相前後して籾タンク１を挾むよう
に立設せる支杆８，８ａと９，９ａ〔９ａは図示
省略〕の上端をそれぞれ溶着により連結する断面
コ形のガイド用横杆１０，１０ａによつて左右横
方向に移動固定自在にして籾タンク１上方に位置
している。

即ち、箱体７の前後壁にはそれぞれ断面Ｌ形の
支持用横杆１１，１１ａを接着し、この支持用横
杆１１，１１ａを上記断面コ形のガイド用横杆１
０，１０ａにそつて移動自在にすると共に、ガイ
ド用横杆１０，１０ａの適所には支持用横杆１
１，１１ａを圧着する固定ボルト１２，１２ａが
それぞれ螺合している。またガイド用横杆１０，
１０ａの右側端部には上部を切り取つた切欠部１
３を設けてある。

上記の選別筒５，５ａの入口側Ｘは丸孔のボス
部１４で支承し出口側Ｙは角孔のボス部１５で支
持し、ボス部１４は支持軸１６に遊合し、ボス部
１５は箱体７の出口側Ｙに取付けたモーターＭの
駆動軸１７に挿脱自在に嵌合している。

尚、上記の支持軸１６は供給漏斗１８側から抜
差自在に構成しておくと選別筒５，５ａの交換に
都合がよい。

１９は選別孔６，６ａを形設する選別筒５，５
ａの下側にあつて選別孔６，６ａから漏出物を案
内する漏出路、２０は選別筒５，５ａの出口側Ｙ
端部からの流出物を案内する流出路である。

したがつて、原籾中に稲糀籾のような通常の籾
よりも大粒であるものが混入している場合は固定
ボルト１２，１２ａを弛めて箱体７を第７図に示
す位置に移動させ固定ボルト１２，１２ａを締付
けて漏出路１９の下端を籾タンク１の上側に位置
させれば流出路２０は籾タンク１の外側に位置し
選別筒５に交換する。

そうすると、供給漏斗１８から選別筒５内に流
入する原籾中の通常の籾は選別孔６から漏出して
漏出路１９を経て籾タンク１に落入し脱され、
稲糀籾のような大粒のものは選別孔６から漏出せ
ず出口側Ｙ端部から流出路２０を経て除去され
る。また、原籾中に粃のような通常の籾よりも小
粒であるものが混入している場合は固定ボルト１
２，１２ａを弛めて箱体７を第８図に示す位置に
移動させ固定ボルト１２，１２ａを締付ければ漏
出路１９は籾タンク１の外側に位置し、流出路２
０は籾タンク１の上側に位置する。そして選別筒
５を選別筒５ａに交換するのである。

そうすると、原籾中の粃のような小粒のものは
選別孔６ａから漏出して漏出路１９を経て除去さ
れ、通常の籾は選別孔６ａから漏出せず出口側Ｙ
端部から流出路２０を経て籾タンク１内に落入し
脱される。

尚、選別筒５，６を交換する際に不要物除去装
置Ｄを移動して籾タンク１の上方から低位に取外
せばその交換はし易く、交換後籾タンク１の上方
に取付けるには箱体７の前後壁に接着せる支持用
横杆１１，１１ａの端部を切欠部１３からガイド
用横杆１０，１０ａにのぞませておいて押し込め
ば容易に取付けられる。

考案の効果 このように本考案は、脱部の籾タンク上方に
周面に多数の選別孔を有する選別筒を回動可能に
横架しこの選別筒の入口側から出口側に向けて原
籾を流動させ原籾中に混入する不要物を除去する
不要物除去装置を設け、該不要物除去装置の選別
筒を大小異なる選別孔を有するものと交換自在に
構成し、且つ上記籾タンクに連通せしめる選別筒
周面の選別孔からの漏出物を案内する漏出路と出
口側端部からの流出物を案内する流出路とを互に
切換自在に構成したから、籾摺しようとする原籾
中に稲糀籾のような大粒のものが混入している場
合と粃のような小粒のものが混入している場合に
応じて適時選別孔の異なる選別筒との交換と選別
筒からの漏出路と流出路との切換によつて１つの
不要物除去装置でこれらの稲糀籾や粃などの通常
の籾よりも大粒又は小粒である不要物が除去され
常に精籾のみが脱部に供給されるから、原籾の
状態に応じて１つの不要物除去装置でもつて不要
物の除去ができ、これによつて精籾のみを脱す
るので脱能力と脱効率を向上させるのみなら
ず脱後の処理が具合よく行なわれるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による実施例図を示すものにして
第１図は本考案による不要物除去装置を備える籾
摺機を前側から見た要部の図であり、第２図は同
全体を示す左側面図、第３図は不要物除去装置を
構成する選別筒の縦断側面図、第４図は第３図の
−線における断面図、第５図と第６図は別の
選別筒を示したもので、第５図はその縦断側面
図、第６図は第５図の−線における断面図、
第７図と第８図は作用の説明図を示したものであ
る。 Ａ……脱部、Ｄ……不要物除去装置、１……
籾タンク、５，５ａ……選別筒、６，６ａ……選
別孔、１９……漏出路、２０……流出路、Ｘ……
入口側、Ｙ……出口側。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱部Ａの籾タンク１上方に、周面に多数の選
   別孔を有する選別筒を回動可能に横架しこの選別
   筒の入口側Ｘから出口側Ｙに向けて原籾を流動さ
   せ原籾中に混入する不要物を除去する不要物除去
   装置Ｄを設け、該不要物除去装置Ｄの選別筒５，
   ５ａを大小異なる選別孔６，６ａを有するものと
   交換自在に構成し、且つ上記籾タンク１に連通せ
   しめる選別筒周面の選別孔からの漏出物を案内す
   る漏出路１９と出口側Ｙ端部からの流出物を案内
   する流出路２０とを互に切換自在に構成してある
   ことを特徴とする籾摺機用不要物除去装置。