JPH0132856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、観賞用植物を植えた植木鉢が、風
で不意に転倒するのを防止するために用いられる
転倒防止用保持具に関する。

従来の技術 観賞植物を植えた植木鉢は、ベランダとか窓の
外側の窓枠上等に置かれることが多いが、風の影
響とか何らかの外力を受けてしばしば倒れること
がある。このような植木鉢の転倒は、鉢を割つて
しまうおそれが大であるのみならず、特に高層住
宅のベランダとか窓枠上の置かれているような場
合には、落下による危険の発生のおそれも大であ
る。

従来、このような植木鉢の転倒を防止するため
の器具としては、上面に、植木鉢の少なくとも下
部を落し込み状態に嵌合しうるような１ないし複
数個の孔を形成した箱状の合成樹脂製あるいは陶
器製等の安定台が知られている。

考案が解決しようとする問題点 ところが、従来の斯る安定台は、鉢の大小の変
化に対する適合性に乏しいこと、安定台自体の占
める体積が大きく、運搬保管に不便であるのみな
らず、植木鉢の配列スペースを大きく制限してし
まうこと、更には比較的高価につくこと等の難点
があり、実際上あまり使われていないのが実情で
ある。

そこで、この考案は、上記のような諸欠点を排
除した至極簡便な植木鉢安定支持具の提供を意図
してなされたものである。

問題点を解決するための手段 この考案は、上記のような所期目的に鑑み、実
施例に対応する第１図ないし第４図の参酌により
明らかなように、樹脂被覆針金のような線材をも
つて形成された保持具であつて、該保持具Ａは、
弾性的に相対間隔を可変に対向配置された１対の
外方彎曲状の鉢挟持部２，２と、該鉢挟持部２，
２から下方にかつ外方拡開状にのびた左右各１対
の脚部３，３と、左右の各対応する脚部３，３ど
おしの下端をつないだ実質的に平行状に位置する
１対の接床杆部４，４とを具備する如く屈曲形成
されたものである。

作 用 この考案に係る植木鉢保持具は、第１図に示さ
れるように、両鉢挟持部２，２を弾力に抵抗して
必要量押し拡げた状態にしてそれらの間に植木鉢
Ｂを嵌め込み、両挟持部２，２をもつて植木鉢Ｂ
の上端部ないしは中間部胴周を両側から弾力的に
挟持せしめた状態にして、接床杆部４，４を接地
させることにより該植木鉢Ｂを安定的に保持する
ものである。

実施例 図示実施例に基づいて更に詳細に説明すると、
植木鉢保持具Ａは樹脂被覆針金製のものであり、
上端部に互いに反対方向に外向き円弧状に彎曲さ
れた１対の鉢挟持部２，２を有し、この両挟持部
の両端部がいつたん対向状に横Ｖ字状に折曲げら
れたのち、それぞれ左右１体の脚部３，３に連続
されたものとなされている。この両脚部３，３
は、開脚状に下端に至るに従つていずれも外方に
傾斜した拡開状のものとなされると共に、上端部
は内方に、即ち鉢挟持部２，２の真下の位置にお
いて横略Ｕ字状の彎入状に屈曲され、この彎入部
をもつて鉢の補助挟持部３ａ，３ａを形成したも
のとなされている。そして更に前記各１対の脚部
３，３の下端は、対応するものどおしが接床杆部
４，４でつながれており、これによつて保持具Ａ
は全体として一体的なものに形成されている。接
床杆部４，４は、第５図に示すように中央部で樹
脂被覆針金が分離しており、その針金からなる杆
端相互がコイルばねからなる弾性連結部材５を介
して連結接続されている。即ち、上記杆端をコイ
ルばね製の弾性連結部材５の両端から挿し込み、
連結部材５の両端部を締め付けることにより、上
記杆端相互を連結している。

従つて、対向状の上記鉢挟持部２，２は、脚部
３，３の保有する弾力、接床杆部４の保有する弾
力、更にはその中央部の弾性連結部材５の弾力を
もつて、弾性的に相対間隔を変化せしめうるよう
なものとなされている。

上記の植木鉢保持具Ａは、前述のように両挟持
部２，２間に植木鉢Ｂの上部胴周ないしは上端部
を両側から弾力的に挟み付けた状態にして植木鉢
と共に床面上に載置することにより、拡開状の脚
部３，３及び接床杆部４，４の協働作用をもつて
植木鉢Ｂを安定的に支持するものである。

なお、鉢の補助挟持部３ａは植木鉢Ｂの一層安
定的な保持に有効なものであるが、必ずしも必要
なものではなく、従つて鉢挟持部の両端から脚部
３，３を略Ｌ字状に曲成するものとしても良い。
また、接床杆部４の弾性連結部材５は、鉢挟持部
２，２の相対間隔の拡大許容量を増大し、植木鉢
の大小の変化に対する適応性を増大する点で有益
なものであるが必ずしも必要なものではなく、一
本の連続した線材部分によつて形成しても良い
し、あるいは分離した杆端相互を直接溶接等で接
続したものとしても良い。またコイルばねを用い
る代りに、細帯状等の板ばねを用いて、その両端
に杆端を溶接等で接続したものとすることも好適
な実施態様として許容される。

考案の効果 この考案は前述のような構成を有するものであ
ることに基づき、次のような効果を奏する。

先ず、前述のように植木鉢の安定保持能力に
優れており、その不慮の転倒を確実に防止しう
る。

また、対向する鉢挟持部の間隔を自由に変化
させうることにより、植木鉢の大小に拘りなく
適合使用でき、汎用性に優れている。ちなみ
に、高さが保持具より小であるような植木鉢の
場合であつても、これを吊持状態に保持せしめ
て床面上に安定載置せしめることも可能であ
る。

針金等の線材の屈曲成形品であるから、製造
が簡易であり、廉価に製作提供できるし、非常
に軽便であり、かつ植木鉢を大きく隠蔽してし
まうことがなく外観体裁も良好である。

第６図に示されるように使用時において複数
個の保持具を一部重なり状態に隣接配置するこ
とができるから、複数個の植木鉢を密な配列で
並べて置くことも支障なく可能なものとなしう
る。

第７図に示すように、不使用時には複数個の
保持具を上下に入れ子式に積重ねてコンパクト
化することが可能であり、運搬保管に好都合で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであり、第
１図は使用状態の斜視図、第２図は正面図、第３
図は側面図、第４図は平面図、第５図は第３図
−線の断面図、第６図は複数個の植木鉢を密接
配置して使用するときの状態を示す斜視図、第７
図は不使用時の入れ子式積重ね状態を示す斜視図
である。 Ａ……植木鉢保持具、Ｂ……植木鉢、２……鉢
挟持部、３……脚部、３ａ……補助挟持部、４…
…接床杆部、５……弾性連結部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 針金等の線材による屈曲成形品からなり、弾
   性的に相対間隔可変に対向配置された外方彎曲
   状の１対の鉢挟持部と、該鉢挟持部から下方か
   つ外方拡開状にのびた左右各１対の脚部と、左
   右の各対応する脚部どおしの下端をつないだ実
   質的に平行状に位置する１対の接床杆部とを具
   備する如く形成された植木鉢の転倒防止用保持
   具。 (2) 接床杆部が、中間部において分離状杆端相互
   を弾性連結部材を介して連結されたものとなさ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   植木鉢の転倒防止用保持具。 (3) 弾性連結部材がコイルばねからなる実用新案
   登録請求の範囲第２項記載の植木鉢の転倒防止
   用保持具。 (4) 左右脚部の上端部が内方に略横Ｕ字状に彎入
   せられ、該彎入部をもつて鉢の補助挟持部が形
   成されている実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の植木鉢の転倒防止用保持具。 (5) 線材が樹脂被覆針金からなる実用新案登録請
   求の範囲第１項または第４項記載の植木鉢の転
   倒防止用保持具。