JPH0132612B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 器具ケース５４内部へ進入する導電性液体に
対して応答する電子回路と、該電子回路によつて
開放され、かつ器具の電源配線に接続されている
安全スイツチ３，４とからなる、汎用電源で駆動
される電気器具の安全装置であつて、 (a) ケース開口部４２の周縁にある検知手段と二
重導体４４，４５；４６，４７の形状になつた
ケース接合部とが器具操作時に接触しないもの
であつて、該検知手段が導電性液体の侵入した
状態で電気的にインピーダンス値を変化するこ
と； (b) 半導体スイツチ１７を備えた放電回路１３−
２２であつて、該回路は器具の供給電源配線間
に接続されていて、かつ入力部７，８に検知手
段が設けられており、検知手段のインピーダン
ス値が予め定められた量だけ変化すると半導体
スイツチ１７が放電して、上記回路によつて出
力部に電流を流すこと； (c) 器具の電源配線に接続された自動開放機械式
安全スイツチであつて、該スイツチの接点３，
３ａおよび４，４ａ；３３，３４および４９，
５０が半導体スイツチ１７の放電時に発生する
電流による間接的あるいは直接的な加熱によつ
て溶融する材料１０，１２により閉じた状態に
保持されていること； によつて特徴づけられる汎用電源で駆動される電
気器具の安全装置。

２ ダイオードクアルテツト１３−１６が安全ス
イツチ３，４から器具の負荷につながる電源配線
間に接続され、その対角線部分に、安全スイツチ
に設けられた抵抗素子１０が半導体スイツチ１７
および保護コンデンサ１８の並列回路と直列に接
続されており、検知手段の二重導体の一方の入力
部７がダイオードクアルテツトの正極側、他の入
力部８がサイリスタの放電々極部分に接続してい
ることによつて特徴づけられる請求の範囲第１項
に記載の安全装置。

３ 初期電圧の加わつた接点バネ３４とフユーズ
線１０とを備えた少なくともひとつの接点部位３
３，３４を有し、接点部位を閉じた状態に保持
し、かつ接点部位およびフユーズ線の接続部を支
持したプラスチツク製ソケツト３２，４８を有す
る安全スイツチによつて特徴づけられる請求の範
囲第１項に記載の安全装置。

４ 初期電圧が加わつた接点バネ３，４と、接点
部位が閉じた状態で接点バネが溶融性の非電導物
質により接着された電気抵抗素子１０ａ，１０ｂ
とを備えた２セツトの接点部位を備え、かつ接点
部位および抵抗素子の接続部を支持するプリント
回路基板６０を備えている安全スイツチによつて
特徴づけられる請求の範囲第１項に記載の安全装
置。

５ 接点バネ３，４と自由端で接続している絶縁
性のヨーク１１であつて、該ヨークが溶融性接着
剤１２によつて抵抗素子１０ａ，１０ｂに接着さ
れていることによつて特徴づけられる請求の範囲
第４項に記載の安全装置。

６ プラスチツク製ソケツト３２，４８上あるい
はプリント基板６０上に放電回路の構成要素１
３，２２が設置されていることを特徴とする請求
の範囲第３項または第４項に記載の安全装置。

７ ガラス繊維製捲線コアおよび開放一層捲線の
ある線抵抗から成る抵抗素子１０ａによつて特徴
づけられる請求の範囲第４項または第５項に記載
の安全装置。

８ 抵抗素子１０ｂが厚膜抵抗であることによつ
て特徴づけられる請求の範囲第４項または第５項
に記載の安全装置。

９ 器具の電源回路にある放電回路が安全スイツ
チと負荷の間に配置されていることからスイツチ
が開放されると全構成要素１３，２２が電圧の
かヽらない状態になることと、放電回路が安全ス
イツチおよび電源ケーブル２３とともに分離でき
ない機械的なユニツトを形成することによつて特
徴づけられる請求の範囲第１項乃至第８項のいず
れか記載の安全装置。

明細書 この発明は、器具ケース内に進入する導電性の
液体に反応する電子回路、および器具利用者を電
気シヨツクから守るためにこの電子回路によつて
動作する安全スイツチからなる、汎用電源で駆動
される器具の安全装置に関するものである。

この種類の器具は、たとえば、携帯用ヘヤドラ
イヤ、携帯用温風フアン、照射ランプ、ひげそり
器などである。このような器具が水と接触する
と、利用時にとくに危険な状態が発生する。たと
えば、仮令駆動状態でなくても、ヘヤドライヤが
水中に沈むと、死亡事故を惹き起すこともある。

当業者間では、器具の導電部分が液体と接触す
ると、たゞちに電流供給を遮断し、電気シヨツク
を防止する多種多様な安全装置が知られている。

従来提案されている安全装置の第一グループで
は、この遮断作用が、外部、すなわち器具の外側
にある家屋の電源配線に設けた誤電流保護スイツ
チ、制御リレーあるいは簡単な電源フユーズによ
つて行なわれる。たとえばDE−OS2631785では、
器具ケース内部への液体の進入に応答して、ふた
つの動作接点によつて２極で器具に給電し、器具
ケースの外側の、たとえば電源プラグ内部に配置
された制御リレーが電流を遮断する空気ジエツト
マツサージ器が知られている。この公知の保護装
置では、特殊電源ケーブル、特殊電源プラグと、
制御リレーを電子制御するためのいちじるしい費
用、および事故が排除される前に制御リレーが状
態復帰することや電源電圧の通電を防止する特別
な対策が必要になる。

従来提案されている安全装置の第二グループで
は上記の事情を考慮して、安全装置が完全に保護
すべき器具内へ組み込まれている。

たとえば、電子器具の電源回路を経て、器具内
部の３本の電極に自由につながるトライアツクを
制御することが提案されている。すなわち器具が
水へ入ると、放電電極がその組み込み状態あるい
は電源の位相状態によつて大地あるいは主電極の
ひとつから放電々流を受け取り、トライアツクが
放電し、電源回路が短絡される。この状態で電源
フユーズが飛び、器具の電圧がかゝらなくなる。

しかし、これは器具回路に対する故意の短絡を
許可しない国際規定に違反する。装置が支障なく
動作するためには、適切な屋内配線工事とフユー
ズ保全さらに充分に低い電源インピーダンスが前
提条件になる。また、ふたつのフユーズが保全さ
れた外部配線を備え、一般にそのひとつだけがフ
ユーズの応答によつて遮断される220V電源もあ
る。いつでも電流遮断は事故と同時に行なわれ
る。すなわち、利用者の感電は電源特性に応じて
時間的に制約されるが、水と電流の直接結合が短
絡発生の前提条件なので、完全には危険が防止さ
れない。

また別の保護装置がDE−OS2725652により公
知である。この保護装置は電源の大きさおよび外
部配線に対比して人体の電気インピーダンスを測
定するものである。このため器具はたとえば握り
の部分に導電性の接触面を備えている。この接触
面は電子回路を経て電源電圧と結合され、この回
路の構成部品が故障しても危険発生が排除され
る。

さらに、器具が特定の取り替えができない要領
で電源と結合されることが前提条件になる。欧州
型プラグのようにたいていのプラグ装置は外部配
線と中性線の配置が共通になつていないので、利
用者がテストして正しい電源接続を探し出すとい
う手間がかゝる。

この回路の他の欠点は、安全機能が電源の大き
さに対し過少なインピーダンスに対して、またさ
らに保護クラスの器具では利用者にとつて全然
危険のない使用状態でも応答することである。さ
らに、最初に典型的な事故原因として挙げたよう
に、この装置を備えた器具が電源に極を間違えて
接続された状態で水に接触すると、この安全回路
は完全に役立たなくなる。このような状態では中
性線が遮断されているので、器具が使用できる状
態でなくても電気シヨツクが発生することにな
る。

この発明の目的は、電源の極や器具の使用状態
とは無関係にきわめて迅速に応答し、利用者を電
気シヨツクから保護し、かつ電子、機械的構造要
素の数および大きさが、従来の電気的に駆動され
る小型器具に設置できるようにコンパクトな構造
にミニアチユア化することが可能な、上記第二番
目のグループの安全装置を提供することである。
その利用にあたつて価格が高くなることは許され
ない。

本発明によれば、この課題はつぎの特徴を示す
構造部分の組み合わせによつて実現される。

(a) 液体が侵入した場合には電気インピーダンス
値が変化（低下）するが、器具を手に持つた状
態では接触しないように裸の電気的二重導体の
形状になつている、ケース開口部とケース接合
部の周囲に設けた検知手段。

(b) 入力部に検知手段があり、検知手段のインピ
ーダンス値があらかじめ定められた量だけ変化
すると半導体スイツチをトリガーさせる、半導
体スイツチを備えた放電回路。

(c) 接点が初期電圧のかゝつた状態にありトリガ
ー回路の出力回路にある半導体スイツチの導通
に伴つて発生する電流による間接的あるいは直
接的な加熱によつて溶融する材料で閉じた状態
に保たれる自動開放型機械的スイツチ。

二重導体の形状の検知手段は第一番目のグルー
プの安全装置から公知（DE−OS2631785）であ
るが、これとは配置が異なつている。接点が加熱
時に溶融する材料によつて閉じた状態に保たれて
いる自動開放型半導体スイツチは限界温度スイツ
チ（いわゆるサーモピレン）としてさまざまな仕
様のものが公知である。その目的は器具ケース内
部に許容できない高温度が発生すると、ただちに
電流供給を遮断することであるが、利用者を電気
シヨツクから守るものではない。

本発明による組み合わせによつて、器具ケース
内部へたとえば水が進入すると、利用者が進入し
た水によつて電圧のかゝつた裸の部分と接触する
以前に、きわめて短時間に器具内の電源電圧を自
動的に確実に全極遮断する安全装置が作られ、し
かも使用されるスイツチの構造形式による遮断は
非可逆的で、完全に湿つた器具はすぐに再利用す
ることはできない。

安い費用でとくに有利な放電回路の仕様が請求
の範囲第２項の特徴になつている。進入した水に
よつて二重導体のインピーダンス値が変化する
と、たゞちにサイリスタが放電し抵抗素子に数分
の１秒間に所要の溶融温度へ加熱する電流が流
れ、安全スイツチの初期電圧が印加された接点が
離間開放して、器具全体が無電圧状態になる。

器具の電流回路にある放電回路が、スイツチが
開いた状態で全構造部分が無電圧状態となるよう
に、安全スイツチと負荷の間に配置される場合、
とくに確実な構成になる。

電気的に良導体あるいは不良導体の溶融材料を
選択することによつて、安全スイツチの構造には
さまざまな可能性が生まれる。

請求の範囲第３項の特徴を有する第一番目の実
施態様では、溶融材料が放電回路の半導体スイツ
チが放電すると電流が流れるフユーズ線である。

公称消費電力の小さい器具では、電源配線のひ
とつにフユーズ線、他の電源配線に接点弾撥装置
を設け、かつ放電回路の半導体スイツチとして器
具側面に両電源配線を介して接続されたトライア
ツクを使用すると、単極の安全スイツチがえられ
る。公称消費電力の大きい器具では、望ましくは
各電源配線に２極安全スイツチ各１個の接点バネ
対が設けられる。

このような実施態様の欠点は、フユーズ線に流
れる電流が溶融積分値I²tに達するくらい大きい
値になるぼど、わずかな電源インピーダンスによ
つて給電されることである。この電流は消費負荷
電流に加算されるので、機械的なスイツチは比較
的大きい総合電流を遮断できねばならない。

この欠点を避けるため、特徴が請求の範囲４か
ら８に示されている第２番目の実施態様では、電
気不良導体材料、とくに接着剤が使用されてい
る。

以下この発明をいくつかの実施例について詳細
に説明する。

第１図は半導体スイツチであるサイリスタを備
えた放電回路を。

第２図はヘヤドライヤの内部から空気出口開口
部をみた、進入した水に対する検知手段になる電
気二重導体の配置透視図を。

第３図は接点バネ対のフユーズ線保持装置を備
えた単極安全スイツチを。

第４図は二極仕様になつた第３図による安全ス
イツチを。

第５図は円柱状の抵抗素子と接着部を持つた安
全スイツチを。

第６図は偏平な肉厚低抗体を備えた安全スイツ
チを。

第７図は電気器具のにぎり部にある安全装置の
配置夫々示している。

第１図に安全装置の電流回路図が示されてい
る。電源配線２３の心線が接続された端子１，２
から器具内部の電源配線は接点バネ３，４を経て
器具の消費負荷が接続される端子５，６へつなが
る。２極安全装置（第４図から第６図）の接点バ
ネ３，４は、サイリスタ１７と直列になつて、ダ
イオードクアルテツト１３，１４，１５，１６の
対角線を形成する抵抗素子１０と機械的に結合さ
れている。サイリスタ１７に対して並列に接続さ
れたコンデンサ１８は電源事故があつた場合のブ
リツジ放電の防止装置となる。Ｒ−Ｃ接続１９，
２０が、高オーム保護抵抗２１を経て検知手段
（第２図）の二重導体（図示されていない）の端
子８へ導びかれるサイリスタの制御電極を経る望
ましくない放電を阻止する。二重導体の他の結線
は対応する保護抵抗２２を経て、抵抗１０の自由
端へつながる。

水が進入して検知手段のインピーダンスがいち
じるしく低下するとサイリスタ１７がたゞちに放
電する。サイリスタとして、最高放電々流0.2ｍ
Ａの高感度制御電極を備えた、市販品のなかでも
つとも小さい0.5A／400Vの型式が利用できる。
たとえば120KΩの高オーム保護抵抗２１，２２
が放電時の漏洩電流をたとえば1.8ｍＡ程度の危
険のない値へ制限する。

第２図はたとえばヘヤドライヤの器具内部から
空気出口部をみて単純化して表現されたもので、
進入した水に対する検知手段の電気二重導体の配
置を示している。両方のケース殻４０，４１が接
触防止格子４３が組み込まれたケース接合部およ
び出口開口部４２を形成する。この開口部の周囲
および、ケース接合部に沿つて導電性テープ４
４，４５および４６，４７が設けられている。こ
れらテープは器具の通常の取り扱い状態では接触
せず、あらかじめ規定された空間、漏洩間隙を維
持できる程度にケースの縁部から引き離されてい
る。適切な配置によつて、テープを濡らすことな
く、開口部あるいはケースの隙間に進入した水に
よつて、電圧のかゝつた器具内部々品から外部へ
の電気接触が発生しないようにできる。進入した
水によつて、テープ間の導電率がいちじるしく大
きくなり、その結果、すでに述べたように、放電
回路のサイリスタが放電する。導電性テープ４４
−４７は導電性ラツカーの印刷あるいは二相射出
成形法による射出で両ケース殻４０，４１の内面
へ設けられる。

第３図は、フユーズ線によつて開放できる単極
自動開放機械式スイツチを示している。プラスチ
ツク製ソケツト３２に、剛直な接点バネ３３、お
よび可動性接点３４とハンガー３５が注型されて
いる。弾撥バネ３６とともにこれらの部品が公知
のいわゆる弾撥バネ接点を形成する。バネハンガ
ーが押し下げられると弾撥バネ接点は直ちに閉
じ、バネハンガーが上方へ開放されると直ちに開
放される。自動開放はバネハンガー３５に上部静
止位置を保つように初期電圧が加えられているこ
とを前提としている。バネハンガーの前端部にプ
ラスチツク製アンカー３７が射出成形され、この
上にフユーズ線１０が張られて捲線法によりふた
つのピン３８，３９に固定されている。

このスイツチでは、ひとつの電源配線が両方の
ピン３８，３９、他の電源配線が両方のバネ３
３，３４を経て接続されている。フユーズ線１０
は予期しない開放動作を起す危険なく、器具の公
称電流を流せる寸法のものでなければならない。
材料として、融点が比較的低くて引張強度の大き
い燐青銅が好適である。

この構造形式はコストがきわめて低く、かつ動
作が確実であるという利点を持つている。電磁開
放動作を行なう公知のスイツチに比較して、きわ
めて慣性の小さい迅速応答が利点である。つまり
衝撃による予期しない開放の危険が事実上排除さ
れる。衝撃開放に必要な加速度は1000ｇ程度であ
る。

安全スイツチの容量を、ひとつの寸法例で示
す。

公称電流が0.1A以下の器具、たとえば電気ひ
げそり器の場合、引張り強度が120Pの直径0.04mm
のフユーズ線を使用できる。開放電流は0.25Aで
あり、電源電圧のゼロトランジシヨンで放電する
不都合な状態でも約0.2マイクロ秒程度の溶融時
間を期待できる。２×120Pの引張強度があるた
め、アーチバネ３５は100Pの力でスイツチを開
放することになる。アーチバネによつて加速され
る質量は約0.3ｇであり、開口加速度は約330ｇで
ある。放電回路をスイツチが完全に解放するまで
に開放する時間はしたがつて約1.3ミリ秒になる。

検知手段の電気二重導体の適切な配置によつ
て、水が電気器具の電圧のかゝつた他の部分、た
とえばヘヤドライヤの加熱コイルに達する以前に
放電回路が応答するようにできる。ヘヤドライヤ
がたとえば浴槽へ落ちる場合その速度は１秒当り
数ｍを越えない、すなわち水の進入速度はたかだ
か１ミリ、秒当り数ミリである。安全スイツチの
開放速度が1.3ミリ秒とすると、電気二重導体と
器具の電圧のかゝつた部品の最小間隔として10mm
が要求されることになる。

別の自動スイツチ仕様、たとえば公知の電磁的
に開放されるスイツチでは、電磁システムにおけ
る可動質量に対する加速力の比は、純バネ力で動
作するシステムの値より常に小さいので、このよ
うに短かい開放時間はほとんど実現不可能であ
る。

第４図は両電気配線のそれぞれに対してひとつ
の弾撥バネ接点を備えた同じ構造の２極安全スイ
ツチを示している（第１図と比較されたい）。プ
ラスチツク製ソケツト４８の上に部品３３，３
４，３５および３６からなる第一番目のスイツチ
と、部品４９，５０，５１および５２からなる第
二番目のスイツチがある。両方のバネハンガー３
５と５２の前面部に、これらを結合するようにプ
ラスチツク製のアンカープレート５３が射出成形
されている。正規状態ではアンカープレート５３
はピン３８および３９の周りに巻き付けられたフ
ユーズ線１０によつて下側の位置へ保持され、両
方のスイツチは閉じられている。フユーズ線１０
は器具電流を流さないので自由に寸法を決定で
き、定常的に作用する熱負荷による劣化現象を防
止できる。この安全スイツチは容易に判るよう
に、第１図の放電回路に直接利用できる。

第５図は低抗体の上に接着された接点バネを備
えた２極安全スイツチの別の実施例を示してい
る。プリント基板６０の他の導電部へ、自由端を
プラスチツク製のヨーク１１でおたがいに結合さ
れたふたつの彎曲した接点バネ３および４が固定
されている。下方へ押し曲げられた状態でこれら
のバネはプリント基板６０の他の導電部へ挿入さ
れた接点ピン３ａ，４ａと接触し、ヨークは接着
剤１２で抵抗１０ａへ接着されている。検知手段
（図示されていない）が水の進入による危険を検
知すると、たゞちに抵抗１０ａが第１図について
説明したように、電源に接続される。抵抗１０ａ
の抵抗値と熱容量は、0.5ないし２ミリ秒（位相
位置によつて）以内に接着剤による接着力が効か
なくなる温度（約200℃）に達して、接点バネ３，
４が離間開放し、端子１，２から端子５，６への
電源配線（第１図）が切れるようにたがいに設定
される。接点バネ３，４の適切な力・質量比によ
つて、抵抗１０ａが焼損する以前にスイツチが開
放される。

ひとつの実験構成で、ガラス繊維製捲線コアと
外部一層捲線の寸法20.6mm、300オームの市販線
低抗体が使用された。捲線にはフユーズ接着剤た
とえば、シアン・アクリレート接着剤あるいはポ
リアミド接着剤が薄く塗付された。

ヨーク１１は接着剤の不均一度とはまつたく無
関係に開放すると、常に両方の接点バネを同時に
上方へ回動させて強制的に接点バネを開放する。
開放速度をできるだけ大きくするためにヨークは
できるだけ軽量化される。また材質と形状によつ
て、接点部位３／３ａ，４／４ａの大きい電流負
荷時に発生する損失熱量が接着部位１２へ伝達さ
れるのを防止しなければならない。接点バネ３，
４の先細形状も同じく質量の減少によつて大きい
開放速度を実現する。このサンプルで次のデータ
ーがえられた。すなわち半導体スイツチが放電す
ると、1500ワツトヘヤドライヤの公称電流6.8A
に比較して小さい、平均0.67Aの電流が記録され
た。線抵抗１０ａに加わる平均値146ワツト、ピ
ーク値290ワツトの電力が、開放開始時の位相位
置に応じて約１ないし３ミリ秒で抵抗体を約120
℃の溶融温度へ加熱して接着部位がはずれる。接
点バネは約1.2Nの初期荷重を受け、有効質量は
80mgであつた。したがつて、初期加速度は1500
ｇ、接点間隔３mmに対する開放時間は約１ミリ秒
になる。この時間内に捲線抵抗１０ａの温度はさ
らに上昇するが、焼損を惹き起すにはいたらな
い。焼損には数倍長い時間が必要である。

平坦なセラミツク板片上に設けた薄くて均一な
金属酸化物系統の抵抗層からなる厚膜抵抗体を使
用すると、遮断時間をさらに短縮できる。抵抗、
接着剤層の熱容量に対するパルス電力の関係がよ
くなるためである。

第６図は第５図に対応する安全スイツチの実施
例を示したもので、同じ部品に同じ番号が付され
ている。抵抗体１０ａは、薄くて均質な抵抗層６
２のある平坦なセラミツク板片６１と、接続部６
４を備えたふたつの金属質化された接触面６３を
備えている。このような抵抗素子はたとえばポテ
ンシヨンメーター技術から公知である。この実施
例は、ヨーク１１と抵抗層６２の間に平坦でほゞ
面平行な接着結合部が形成され、故に接着品質が
均一になるといつた製造ならびに動作の確実性の
面で特筆すべき利点を備えている。機械的な誤差
による、接着すべき部品間の水平方向のわずかな
ズレは性能上問題にならない。

第３−５図による安全スイツチはとくに小型化
できる。図の倍率はほゞ５：１である。導体プレ
ート６０（第５図）の下側に放電回路の電子構成
要素を設置できる。

これら部品が小さくまた電子部品点数が少ない
ので、安全装置全体を機械的なユニツトとして電
源ケーブルに組み込むことができる。

第７図は例として、電源ケーブル２３、案内ソ
ケツト５６、ケーブル端子５７、および第１図で
破線枠２４で示された安全スイツチをふくむ放電
回路用の気密シールされたケース２４からコネク
タクリツプ５９に双方の器具側面にわたり電源配
線５，６が通じ、ケース側面からは、たとえば第
５図に示されたプリント基板６０の突起になつた
接続部７，８が引き出されて、ケース２４に配置
された、たとえば印刷された二重導体４４，４５
とネジ止めによつて結合される。事故が発生して
安全装置が開放すると、ケース２４をふくめて電
源ケーブル２３を取り替えることによつて器具の
機能が回復される。大量生産で器具を安全装置付
きあるいは安全装置なしで製造しなければならな
い場合、電源ケーブル２３を直接コネクタークリ
ツプ５９に固定することもできる。

この発明に係る安全装置の利点は、製造コスト
がいちじるしく低いこと、機械的に複雑な機構が
なく、部品点数が少ないために動作確実性が高い
こと、抵抗体１０によつて半導体スイツチ１７の
結合を切つて、この時に生ずるコンデンサ１８の
予期しない開放動作（放電動作）が防止される。

さらに安全スイツチは質量に対する保持力（フ
ユーズ線および接着）の比がきわめて大きいの
で、さまざまな仕様で1000ｇ以上の衝撃や振動に
対しても影響を受けないものにできる。溶融物質
の選択によつて、100℃以上の温度不感度も実現
できる。スイツチの遮断特性は電源インピーダン
スや電源フユーズ保全の影響を受けない。

安全装置全体の寸法が小さく、たとえば20×20
×10mm程度であり、小型の電子器具にも組み込め
る。