JPH01317538A - 変異原性物質吸着担体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は喫煙時、煙中に混在する有害な変異原性物質除
去を目的とした、取扱い容易でかつ除去効果の優れた変
異原性物質の吸着担体に関する。

（従来の技術） 近年喫煙と肺ガンの因果関係が取沙汰されるようになっ
て以来、喫煙の害を緩和させるための種種の努力がなさ
れて来ている。特に、煙を直接吸入する喫煙者のために
、種々のタバコ用フィルターが開発され、かなりの効果
を示している。

現在量も多用されているフィルターは、セルロースアセ
テート繊維を束ねたものである。また、アセテー−トラ
イルター中に活性炭を含ませた物もかなり使用されてい
る。その他に起毛した紙をロール状に巻いたフィルター
等もある。また、特殊なものとしては、喫煙時の煙の流
れを利用して、衝突仮に煙流を当て、エアロゾルとなっ
たタール分微粒子を補集したりζ細孔を通した後広い部
屋に導き、断熱膨張させて煙温を低下させることにより
タール分を析出させて除去したり、もしくは水中をくぐ
らせて除去したりするものがあった。

さらに、最近の研究では変異原性物質除去に重点　。

を置き、ヘミン客演をくぐらせたり（特開昭５７−３９
７６７号公報、特開昭５８−１０７１６６号公報）、セ
ルロース物質が有する変異原性物質除去効果に着目した
ものもある（特開昭６２−１１１６７９号公報）。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、現在使用されているタバコ用フィルター
は、変異原性物質の量が緩和されているとは言え、その
効果としてはあまり期待できるものではない。その理由
はタバコの喫煙自体、嗜好品を摂る行動であるため、味
覚の要素が重大な意味を持つためである。即ち、例えば
、活性炭等により、変異原性物質を除去しようとすると
、その吸着能力を高めてやれば良いがそうすると無選択
的に、味覚物質まで吸着、除去してしまうからである。

セルロースアセテート繊維は、比較的、味覚の低下が少
なく、しかも変異原性物質をある程度除去すると言う意
味でバランスのとれた素材であるが、健康を守る意味か
らは不十分としか言いようがない。また、衝突板を用い
たり、断熱膨張させる方法も、完全とは言い難く、更に
変異原性物質除去効果の高い物が望まれているのが実状
である。また最近開発されたヘミン水溶液を用いる方法
はかなりの効果が期待できるものの、水溶液を使用する
ことで、味覚性物質が溶出してしまい、極端に軽いタバ
コになってしまうという欠陥があった。喫煙者に言わせ
ると空気を吸っているようで味がしないと言う評価であ
って、嗜好品として意味をなさない。また、セルロース
物質の変異原性物質除去効果が開示されているが、これ
は基本的な効果としては古くから知られている事実であ
って、この発明によっても特に変異原性物質除去効果に
著明な発展があったわけでなく、やはり、効果自体とし
ては不満足な部分が残っていた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は変異原性物質を除去し、しかもタバコの味覚を
低下させないと言う困難な問題を解決しようとするもの
で、変異原性物質に対し選択的吸着効果の高い、タバコ
フィルターに適した吸着担体を提供することで、喫煙者
の健康を守ることを目的としたものである。

我々は、ヘミンが変異原性物質を選択吸着するものの、
水溶液状態でなければ効果を発揮できないと言う欠点を
解消すべく鋭意検討した結果、三価の鉄を含むポルフィ
リン環化合物またはその錯塩をβ−１，４グルカンに担
持させることにより、高い変異原性物質除去効果を失う
ことなく、取扱い容易で、しかもタバコの味覚を変えな
いフィルター材料となることを見出し、本発明を完成し
た。

即ち、本発明は、三価の鉄を含むポルフィリン環化合物
またはその錯塩をβ−１，４グルカンに担持させて成る
変異原性物質吸着担体に関する。

本発明に用いる三価の鉄を含むポルフィリン環化合物ま
たはその錯塩とは、いわゆるヘミンと呼ばれる物質で、
単に塩酸、錯塩のみに限らず広（、その周辺化合物を指
す。

またβ−１，４グルカンは、主にセルロース類であって
、糸状、短繊維状、粉末状は問わないが、担持体の目的
からして、表面積が広く取れることが望ましい。微粉末
の形状はその意味から望ましい形状であって、平均粒子
径２０μ以下、中でも平均粒子径１５〜５μ程度の物が
最良の結果をもたらす。β−１，４グルカンに結晶セル
ロースを選んだ場合、細孔の発達が良いためか、更に効
果が良くなる傾向にある。結晶セルロースとしては、例
えば旭化成工業■製、商品名；アビセルＰＨ−１０１゜
ｐＨ−１０２，ＦＤ−１０１、ＴＧ−１０１，ＰＨ−１
０５、ｐＨ−Ｍ−２５，ｐＨ−Ｍ２Ｓ　。

ｐＨ−ＭＯ６，ＰＨ−３０１、ＰＨ−３０２，ｐＨ−Ｆ
等が使えるが、これ等を適宜粉砕、造粒して使う事も可
能である。

変異原性物質除去効果は、セルロース粉末それ自体も有
するが完全では無く、三価の鉄を含むポルフィリン環化
合物との組み合せによって、著しく助長される。

また、ヘミン物質が、水溶液以外のβ−１，４グルカン
との組み合せでも効果を発揮できる理由については、定
かでないが、β−１，４グル力ン分子表面が、多数の水
酸基を有しており、常にある程度の水分を吸着している
こと、また、喫煙に際し、燃焼した炭水化物より多量の
水が供給され、これが、β−１，４グルカンに吸収され
ること、また、β−１，４グルカンが、多量の水を吸収
してもベトつかず、形状もほとんど変化せず、煙道を塞
ぐことが無いこと等が、その−因ではないかと推測され
る。

（発明の効果） 本発明によりタバコの喫味に変化がなく、しかも、変異
原性物質除去効果の高いタバコフィルターが製造可能と
なった。

喫煙者の健康増進に大きく寄与出来ると思われる。

（実施例） 以下、実施例により本発明を詳述する。

実施例及び比較例 メタノール／クロロホルムの１：１８混合溶液にヘミン
０．２モルを溶解した溶液中に、平均粒径１２μの結晶
セルロース粉末（旭化成工業■製、商品名；アビセルＰ
Ｈ−１０５）を浸漬しヘミンをセルロース上に吸着させ
た後取り出し、乾燥、解砕して、ヘミン担持１１２ミリ
グラム分子／１００ｇ結晶セルロース、平均粒径１５μ
のヘミン担持結晶セルロース粉末を得た。

このヘミン担持結晶セルロース粉末をタバコフィルター
１ヶ当り５　ｍｇ採り、アセテート繊維中に分散してヘ
ミン含有フィルターを作成した。このフィルターを用い
、ケンブリッジフィルターを連結したスモーキングマシ
ンによる変異原活性物質の除去効果と、愛煙家１０人に
よる該フィルターを通した後のタバコの味覚テストを実
施した。その結果を表１に示す。

また、比較のため、ヘミンの３ミリモル溶液を２００成
含浸させたポリビニルアセクール・スポンジ柱状フィル
ター（特開昭５８−１０７１６６号公報）を作成して上
記と同様に変異原活性物質の除去効果及び味覚テストを
実施した。その結果を併せて表１に示す、なお、用いた
シガレットはマイルドセブン（日本たばこ製）、゛スモ
ーキング条件は、３０秒毎に２秒間、８回くり返して残
長２ｃｍとなるようにセットした。

表　　　１ 注：変異原活性は、Ａｗｅｓ法に準じて行ない、サルモ
ネラ菌のヒスチジン非要求性復帰変異コロニー数により
判定した。

特許出願人　　旭化成工業株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 三価の鉄を含むポルフィリン環化合物またはその錯塩を
   β−１，４グルカンに担持させてなる変異原性物質吸着
   担体