JPH0131007B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は２サイクル内燃機関に係り、更に詳細
にいえば、燃焼室に流入する装入物の渦巻きを増
大しそれにより燃焼室内での燃料の蒸気と空気と
の混合を促進し燃料混合物の燃焼中炎の伝播を促
進するようにしたピストンとシリンダヘツドとの
構造体に係るものである。

２サイクル内燃機関に使用する従来技術のピス
トンとシリンダとの構造体の例が1978年５月９日
付で許可された米国特許第4088098号および1970
年２月10日付で許可された米国特許第3494335号
明細書に記載されている。

また、1977年５月31日付で許可された米国特許
第4026250号、1942年１月６日付で許可された米
国特許第226084号、1936年12月８日付で許可され
た米国特許第2063374号、1941年２月11日で許可
された米国特許第2231392号、1938年７月５日付
で許可された米国特許第2123065号、1949年９月
27日付で許可された米国特許第2483288号および
1950年４月11日付で許可された米国特許第
2504036号明細書にも関連した技術が示されてい
る。

更にまた、1955年１月18日付で許可された米国
特許第2699765号、1977号８月10日付で許可され
た米国特許第4041923号、1969年３月13日付で許
可された米国特許第4143624号および1939年２月
７日付で許可された米国特許第2146032号明細書
にも関連した技術が示されている。

従来より、シリンダに供給される装入物をシリ
ンダ内において渦巻かせ燃料の分布の均一化を向
上させることが知られている。しかしながら、か
かる均一化はいまだ完全なものとは言い難く、さ
らに均一化を向上させる構成を提供することが望
まれている。

本発明の目的は、上述の必要性に鑑み、燃料の
分布の優れた均一性を与える渦巻き発生手段を備
えた２サイクル内燃機関を提供することにある。

この目的を達成するため、本発明による２サイ
クル内燃機関では、渦巻き発生手段を、シリンダ
のヘツドとピストンの頂部の内の一方に設けたデ
フレクタと、他方に設けられたスロツト及び突起
とより成るものとし、該デフレクタはシリンダを
横切る方向のシリンダの一方の壁から他方の壁に
向け延びかつ該他方の壁に達する前に終端となり
デフレクタとシリンダの壁との間に通路を形成す
る湾曲した壁の形態としてシリンダの出口壁部に
隣接してほぼ円筒形の室をまた入口壁部に隣接し
て三日月形の室をそれぞれ形成するようになし、
またスロツトはピストンが上死点に向け動くとき
デフレクタを受け入れるように位置決めされまた
突起はピストンが上死点に向け動くとき三日月形
の室の体積を前述したほぼ円筒形の室の体積より
大きく減少させるように三日月形の室を占め、こ
れにより三日月形の室内の新たな装入物の一部が
強制的に前述した通路を通りほぼ円筒形の室に渦
流として押し出されるように位置決めされたもの
とした。

上述の構成により、本発明ではほぼ円筒形の室
に周方向に装入物が流れて渦流を形成するため空
気と燃料の混合が均一になる度合が高くなるとい
う効果を有し、またかかる効果を得るのに必要と
されるデフレクタは全体として湾曲した形態であ
るため薄くてもその肉厚の割には強度の高いもの
とできるため、余分な空間がデフレクタの肉厚で
占められる度合が小さいという効果も有する。

以下図面を参照し本発明の実施例について述べ
る。

図面には２サイクル内燃機関用のエンジンブロ
ツク１０（部分的に示してある）が示してある。
エンジンブロツク１０は１つまたはそれ以上の数
のシリンダ１２と、点火プラグ１８（部分的に示
してある）を収容するねじ孔１６を有するシリン
ダヘツド１４と、シリンダ１２の片側に位置決め
されエンジンのクランク室に連通している適当な
移送通路２０とを含んでいる。

エンジンが従来技術の気化器を使用する場合に
は燃料と空気との混合物であり燃料を直接噴入す
る場合には空気のみである到来する新たな装入物
は移送通路２０から１つまたはそれ以上の数の入
口すなわち取入れ口孔を通りシリンダ１２に流入
する。図示した特定の構造では、この目的のため
にシリンダ１２の入口壁部３０に複数の円周方向
に間隔をあけた取入れ口孔２２，２４，２６，２
８が設けてある。取入れ口孔２２，２４，２６，
２８のすべての上縁部はほぼ同じ高さに位置決め
されている。

エンジンブロツク１０はまたシリンダ１２の移
送通路２０とは反対側に位置決めされシリンダ１
２からその出口壁部３０に設けた１つまたはそれ
以上の数の排気すなわち出口々孔３４を経て燃焼
生成物すなわち排気を受領する排気マニホルド
（図示せず）も含んでいる。

シリンダ１２内にはピストン３８（部分的に示
してある）が往復運動するよう装着され、このピ
ストンは適当な桿によりエンジンのクランク室
（図示せず）に接続されている。ピストン３８は
その運動通路をほぼ横切り燃焼室の１つの壁を形
成する作用面すなわち頂部４０と、取入れ口孔２
２，２４，２６，２８をおおつたり開いたりする
面部分４２と、エンジンの作動中ピストン３８が
往復運動するに従い出口々孔をおおつたり開いた
りする面部分４４とを含んでいる。取入れ口孔と
出口々孔とはシリンダ１２に新たな装入物が満た
されるに従いシリンダ１２から排気を適当に掃気
するに最も適した時点においてピストン３８によ
り開かれるよう相対的位置に位置決めされてい
る。図示した特定の構造では、出口々孔３４の上
縁部は取入れ口孔２２，２４，２６，２８の上縁
部よりもシリンダヘツドに接近して位置決めさ
れ、従つて、ピストンは下降ストローク中先づ出
口々孔３４を開き、それにより取入れ口孔が開か
れて新たな装入物を流入させる以前にシリンダ１
２内の圧力を解放する。

新気は一般に第１図に鎖線で示したシリンダの
長さ方向軸線に対しほぼ垂直な方向にして取入れ
口孔２６，２８を経てシリンダ１２に入り、シリ
ンダに入る新たな装入物は取入れ口孔から漸次に
シリンダ１２の上部を満たすよう上方に次いで出
口々孔３４に向け満たしそれにより新たな装入物
の比較的に均一な流れがシリンダを横切り出口々
孔３４に向け伝播して出口々孔を通る可燃物の損
失を極減してシリンダ１２から排気を有効に排除
するようにすることが好ましい。

また新たな装入物がシリンダ１２に入りまたピ
ストン３８が取入れ口孔が開いている位置から上
死点にまで運動するに従いシリンダ１２内で新た
な装入物を渦巻かせる手段も設けてあり、新たな
装入物がこのように渦巻くと新たな装入物におい
て燃料と空気との混合を促進しまた点火プラグ１
８により生じた火花が燃焼室内で燃料混合物に点
火したときに新たな装入物中の炎の伝播を促進す
るという利点を有する。

新たな装入物を燃焼室内で渦巻かせる手段は２
つの取入れ口孔２２，２４を水平に対してある角
度に上方にこれら取入れ口孔を通り入る新たな装
入物がシリンダヘツドに向け上方に傾斜してシリ
ンンダ壁に沿い接線をなす傾斜にして指向せしめ
られそれにより燃焼室内で装入物を渦巻かせるよ
う傾斜させることを含む。口孔２２，２４の傾斜
角度は重要ではないが、図示した構造ではこの角
度は45゜である。

燃料混合物すなわち新たな装入物を渦巻かせる
手段はまたピストン３８の平たい頂部４０から上
方に延びているわん曲したデフレクタ５０を含
み、このデフレクタ５０はピストン３８の頂部４
０の平面を横切るわん曲した壁か成り、このデフ
レクタ５０はピストン３８の頂部を横切り延びピ
ストンの表面をほぼ２分している。

第２図に示してあるように、デフレクタ５０の
片側は出口々孔３４を有するシリンダ壁３６の部
分に向かい合つている凹状のわん曲面５６により
形成され、凹状わん曲面５６とシリンダの向かい
合つている部分とはシリンダの片側に位置決めさ
れた浅いほぼ円筒形の室５４を形成する。デフレ
クタ５０の反対側は取入れ口孔２２，２４，２
６，２８を有するシリンダ１２の側部に向かい合
つている凹状にわん曲面した面５２により形成さ
れていて、これら２つの表面はほぼ三日月形の室
５５を形成している。

ピストン３８が燃料混合物がシリンダ１２に入
る第１図に示した位置にあると、デフレクタ５０
は取入れ口孔２６，２８を通り流れる装入物部分
を、シリンダを適当に満たし、可燃物を逃がすこ
となく排気を排出するため新たな装入物のこの部
分を上方に運動させるよう機構する。

デフレクタ５０はピストン３８の頂部を横切り
部分的にしか延びずデフレクタの端部がデフレク
タの端部６２とシリンダ壁との間にガス通路６０
を形成するようにピストンの縁部の手前で終つて
いる。図示した構造では、デフレクタ５０は円筒
形の室５４の中心に位置決めされた１個所を中心
として弧を形成し、この弧は90゜より大きいが
180゜より小さい。

新たな装入物を燃焼室内で渦巻かせる手段は更
にまたシリンダヘツド１４に形成された弧状のス
ロツト７０を含み、このスロツト７０はピストン
３８が上死点位置にあるとシリンダヘツドのスロ
ツト７０がデフレクタ５０とはまり合う関係にし
て収容するようデフレクタ５０の形状、幅および
深さと対応する形状、幅および深さを有してい
る。

シリンダヘツドはまた下向きの突起７２も含
み、この突起はピストンが上死点位置にある時三
日月形の室にはまり合う関係にして収容されるよ
うな形状を有している。

尚、ほぼ円筒形の室と三日月形の室の形成につ
いては、図示の配置とは逆にデフレクタをシリン
ダのヘツドに設け、スロツトと突起をピストンの
頂部に設けても全く同様に行なえることは容易に
理解できよう。但し、図示のような配置にした場
合には前述したように、取入れ口孔より入つてき
た装入物がデフレクタにより上方に変向させられ
るという点で、より望ましい。

図示した内燃機関の運転において、ピストン３
８が第１図に示した位置にあり、出口々孔３４が
開かれ取入れ口孔２２，２４，２６，２８が次い
で開かれると、新たな装入物が取入れ口孔を通り
入れる。取入れ口孔２６，２８を通り入る装入物
部分は一般にピストンの長さ方向軸線に対して垂
直に指向されデフレクタ５０によりシリンダヘツ
ド１４に向けそらされる。取入れ口孔２２，２４
を通り入る装入物部分はピストンの頂部４０に対
し約45゜の角度にして上方にまたこれら取入れ口
孔が周方向にもシリンダと約45゜の角度をなして
いるためシリンダのまわりを反時計方向に（第２
図から見て）円周方向に指向される。当業者に良
く知られているように、もしシリンダに入る新た
な装入物を燃焼室で渦巻かせることができれば、
液体燃料および燃料蒸気と新たな装入物内の空気
との混合の度合を増大できる。取入れ口孔が傾斜
していることによりそのように混合が増大すると
装入物の燃焼特性を向上し燃料を一層完全にまた
一層清浄に燃焼させる。

ピストンが上死点位置に向け上方に運動するに
従い、第３図に示してあるように、デフレクタ５
０の上部はシリンダヘツドの対応してわん曲した
スロツト７０内に移動し始め新たな装入物の一部
分は第３図に示した如く三日月形の室５５に封じ
込まれる。ピストンが上死点にまで上方に運動し
続けるに従い、三日月形の室５５の容積は減少し
この室内の燃料部分はデフレクタ５０の端部６２
とシリンダ壁との間の通路６０を通りシリンダ壁
のまわりをほぼ円周状にまわり反時計方向に押し
進められる。新たな装入物のこの部分が第５図に
矢印で示した如くこのようにデフレクタ５０の端
部６２を回り円周形の室５４内へ運動したものは
事実円筒形の室５４に円周方向に推し進められた
高速度パルスでありそれにより円筒形の室内で装
入物の更に渦巻きを生じる。浅い円筒形の室内で
このように装入物が渦巻くと装入物内の燃料と空
気との混合を更に向上させ点火プラグ１８が装入
燃料に点火するときにも持続する。円筒形の室５
４内で渦巻きが続くと装入燃料にわたる炎の伝播
速度を増すという効果を有する。

本発明では、デフレクタを取入れ口孔に向いて
いる凸状湾曲面と出口々孔に向いている凹状湾曲
面とを有しこれにより出口壁部に隣接してほぼ円
筒形の室をまた入口壁部に隣接して三日月形の室
をそれぞれ形成するようにし、この円筒形の室に
渦流を生じるようにしたが、かかる円筒形の形状
はその内部における空気と燃料の混合の度合いが
室全体で均一になるようにするのに最も適した形
状である。この室が不規則な形状になる程混合の
度合いを室全体で均一にすることが困難になるこ
とは容易に理解できよう。また三日月形の形状は
円筒形の室の隣に室を設けるとき、この室の有効
容積を最大にするため最も望ましい形状であり、
またこのような円筒形の室と三日月形の室とを設
ける結果デフレクタは全体的に湾曲したものとな
るがこの形状はデフレクタが薄くても十分な強度
を有するようになるという長所を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の種々の特徴を具体化する２サ
イクル内燃機関をピストンを新たな装入物がシリ
ンダに最初入れられる位置で示す垂直断面部分
図、第２図は第１図の２−２線に沿い切断して示
した水平断面部分図、第３図は第１図に似ている
が上死点に接近しているピストンを示す図、第４
図は第１図と第３図とに似ているが、上死点にあ
るピストンを示す図、第５図は第３図の５−５線
に沿い切断してピストンが第３図の位置から第４
図の位置に運動する際の装入燃料の渦巻きの方向
を示す断面図である。 １０：エンジンブロツク、１２：シリンダ、２
２，２４，２６，２８：取入れ口孔、３０，３
６：入口および出口壁、３４：出口々孔、３８：
ピストン、５０：デフレクタ、５２：凸状わん曲
面、５６：凹状わん曲面、６２：デフレクタの端
部、７０：スロツト、７２：突起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エンジンブロツクと、エンジンブロツク内に
   ありヘツドおよびほぼ向かい合つた入口ならびに
   出口壁部を有する円筒壁を有したシリンダであ
   り、各壁が新たな装入物をシリンダに流入させる
   前記ヘツドより軸線方向に離れた少なくとも１つ
   の取入れ口孔およびシリンダから排気を排出する
   前記ヘツドより軸線方向に離れた少なくとも１つ
   の出口口孔をそれぞれ含んでいるシリンダと、シ
   リンダ内を上死点および該上死点から離れた第２
   の位置をとるよう往復運動するように設けられた
   ピストンであり、頂部および該頂部より前記シリ
   ンダのヘツドから離れる方向に延びる側壁を有
   し、該側壁は取入れ口孔を周期的に覆つたり開い
   たりする入口面部分および出口口孔を周期的に覆
   つたり開いたりする出口面部分を有するピストン
   と、ピストンが前記第２の位置から上死点に運動
   するに従いシリンダ内の新たな挿入物を渦巻かせ
   る渦巻き発生手段とを備えてなり、該渦巻き発生
   手段は前記シリンダのヘツドと前記ピストンの頂
   部の内の一方に設けられたデフレクタと他方に設
   けられたスロツト及び突起とを有し、前記デフレ
   クタはシリンダを横切る方向にシリンダの一方の
   壁から他方の壁に向け延びかつ該他方の壁に達す
   る前に終端となりデフレクタとシリンダの壁との
   間に通路を形成する湾曲した壁を有し、またデフ
   レクタは取入れ口孔に向いている凸状湾曲面と出
   口々孔に向いている凹状湾曲面とを有しこれによ
   り前記出口壁部に隣接してほぼ円筒形の室をまた
   前記入口壁部に隣接して三日月形の室をそれぞれ
   形成し、また前記スロツトは前記ピストンが前記
   第２の位置から前記上死点に動くとき前記デフレ
   クタを受け入れるように位置決めされており、ま
   た前記突起はピストンが前記第２の位置から前記
   上死点に動くとき前記三日月形の室の体質を前記
   ほぼ円筒形の室の体質より大きく減少させるよう
   に前記三日月形の室を占め、これにより前記三日
   月形の室内の新たな装入物の一部が強制的に前記
   通路を通り前記ほぼ円筒形の室に渦流として押し
   出されるように位置決めされていることを特徴と
   する２サイクル内燃機関。 ２ 前記取入れ口孔が上方に傾斜し新たな装入部
   をヘツドに向けかつシリンダのまわりを円周方向
   に指向させる特許請求の範囲第１項の２サイクル
   内燃機関。 ３ 前記デフレクタはピストンの頂部に設けられ
   前記スロツトおよび突起はシリンダのヘツドに設
   けられている特許請求の範囲第１項に記載の２サ
   イクル内燃機関。