JPH01308552A - 眼内レンズの位置姿勢確認装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、眼内レンズ（人工水晶体）の移植手術中、手
術用顕微鏡の対物レンズの前面に装着して使用され、移
植した眼内レンズが適正な中心位置に傾斜なく正しい姿
勢で配置されているか否かを容易に確認できる眼内レン
ズの位置姿勢確認装置に関する。

〈従来の技術〉 近年、白内障の手術療法として眼内レンズの移植手術が
数多く行われている。眼内レンズの移植手術は、水晶体
内から白内障を摘出した後、後房の水晶嚢内等に、直径
約６ミリのプラスチック製（例えばポリメチルメタクリ
レート）の眼内レンズを挿入するものである。

このような眼内レンズの移植手術は非常に細かい正確な
作業を必要とするため、手術用顕微鏡下で行われると共
に、高度な正確さと熟練さが要求され、眼球内の眼内レ
ンズは正確な中心位置に傾斜せずにセットされなければ
ならない。

〈発明が解決しようとする課題〉 即ち、移植された眼内レンズの位置が瞳孔中心からズし
て偏心していた場合、レンズのプリズム効果により視線
にズレが生じて眼位異常が発生し、偏位量が大ぎいと両
眼視機能が阻害されることもある。また、眼内レンズが
視線に対する垂直平面上から傾斜して配設された場合、
レンズの球面度数の変化と、非点収差（乱視）の発生を
ともなう他、レンズの偏心によってグレアを生じさせて
しまう。

このため、術者は、手術用顕微鏡を通して眼内レンズと
眼球内の各部を見ながら、レンズを水晶嚢内や後房内に
挿入し、その位置と姿勢を正確に合せるようにしている
が、その位置及び傾きは大部分その術者の感のみによっ
てセットされていたく課題を解決するための手段〉 本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので
、眼内レンズの移植手術中に、レンズの位置及び傾きを
正確に且つ容易に確認することができる位置姿勢確認装
置を提供することを目的とする。

このために、本発明の眼内レンズの位置姿勢確認装置は
、眼内レンズの８植手術を行う際、手術用双眼型頭＠鏡
の対物レンズの前面に装着され、移植する眼内レンズの
位置と傾きを確認するための装置であって、手術用顕微
鏡の対物レンズの前面における一方の光路の中心に、前
方を向けて配設された点光源と、手術用顕微鏡の他方の
光路を遮閉する遮閉手段と、を備えて構成される。

く作用〉 眼に入射した光は大部分透過して網膜に達するが、一部
は眼透光体の境界部分で反射される。このような眼透光
体の境界部分で反射されて現れる像をプルキンエ像と言
うが、角膜の表面での反射によりプルキンエ（Ｐｕｒｋ
ｉｎｊｅ）第１像が現れ、水晶体の表面と裏面での反射
によりプルキンエ第３像、第４像がそれぞれ発生する。

眼内レンズ容植眼においてもこのようなプルキンエ像は
発生し、特にプルキンエ第３像、第４像は有水晶体眼に
比へ極めて明るく観察され、また、眼内レンズの挿入位
置や傾きによりこのプルキンエ第３像、第４像の現れる
位置が変化する。

本発明の装置は、このような現象を利用して眼内レンズ
の位置と姿勢の確認を行うものであり、以下のように使
用される。

Ｂ硝子術中、眼内レンズの挿入が完了した状態で、手術
用双眼型顕微鏡の対物レンズの前方における一方の光路
中心に、点光源を位置させ、前方を向けて投光させ、他
方の光路を遮閉し、術者は片方の顕微鏡視界内の中心で
瞳孔の中心を捕えるすると、点光源によって投光された
光が角膜の前面で反射されてプルキンエ第１像（角膜反
射像）が観察され、同時に、眼内レンズの前面及び後面
で反射されたプルキンエ第３像、第４像が観察される。

プルキンエ第１像はほぼ瞳孔の中心位置で常に観察され
るが、眼内レンズが中心から偏位して位置したり、視線
の垂直平面に対し傾斜して配置されている場合、プルキ
ンエ第３像、第４像は瞳孔中心から外れた位置に観測さ
れる。

従って１、術者は、手術用顕微鏡を通してこれらのブル
キ・ンエ像が瞳孔中心で観察することができるか否かに
より、眼内レンズが正確な中心位置に傾斜なく挿入され
ているか否かを確認することができる。また、双眼型顕
微鏡の片方の光路を通して片眼でプルキンエ像を観察す
るため、その位置を正確に確認することができる。

〈実施例〉 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は手術用双眼型顕微鏡の対物レンズの前面に装着
して使用される眼内レンズの位置姿勢確認装置の正面図
を示している。この装置は、顕微鏡の対物レンズ前面の
外周に嵌込み固定される環状の固定部１と、この固定部
１の一部に枢軸２１を介して回動可能に取付けられた円
盤上の本体２とから構成される。環状の固定部１はねじ
等で顕微鏡の対物レンズ前面の外周に嵌合可能な内径を
有し、端部に枢軸２１が挿入される孔が穿設される。

円盤状の本体２は、対物レンズの前面を閉鎖する形状で
、端部に枢軸２１が突設され、この枢軸２１が固定部１
の端部の孔に挿入され、本体２は固定部！に対し回動可
能となる。第３図に示すように、適用される顕微鏡は双
眼型であり、対物レンズ筒３０内には、双眼用の２つの
光路を構成するために２本の筒３１．３２が並行に配設
される。また、対物レンズ筒３０の先端には同軸照明用
光源３３が取付けられている。

本装置の本体２には、この２木の光路のうち１木の光路
に対応した前面位置に円形の開口部２２が形成され、さ
らに、この円形の開口部２２の中心に、点光源をつくる
ために先端を開放した光ファイバー２３が取付けられて
いる。光ファイバー２３は枢軸部から本体２内を通って
開口部２２に達するように配設され、その先端部は前方
を向くように曲折される。また光ファイバー２３の末端
は枢軸２１内を貫通し、枢軸２１の末端に取着されたＬ
ＥＤ等の光源２４に接続される。なお、大形の光源を使
用する場合、光源を別の場所に設置することもできる。

このような構造とすることにより、固定部１に対し枢軸
２１を介して回動可能に軸支された本体２は、光ファイ
バー２３を定位置に固定した状態で回動でき、本体２は
、固定部１上に位置するとき、双眼型の顕微鏡の一方の
光路と同軸照明用光源３３を遮へいし、他方の光路のみ
をその開口部２２で開放すると共に、開放した片眼の光
路の中心位置に、光ファイバー２３による点光源を形成
する。

次に、上記構成の位置姿勢確認装置の使用態様を説明す
る。

白内障の手術を行う場合、先ず、眼球の強膜の一部を切
開し水晶体を露出させた状態で、水晶嚢内から白内障を
摘出する。そして、眼内レンズの移植が可能な状態であ
れば、眼内レンズを創口から後扉の水晶嚢内に挿入する
。

眼内レンズはポリメチルメタクリレート製のレンズの側
部にループを突設した構造で、術者は、手術用双眼型顕
微鏡下でせつ子を用いてこの眼内レンズを嚢内に挿入す
る。水晶嚢内のレンズはその側部に突設したループを嚢
内の端部に当てて支持されるが、その眼内レンズの位置
や傾き（視線の垂直平面からの傾き）は、挿入しただけ
の状態では必ずしも適正であるとは限らない。

そこで、術者は、位置姿勢確認装置を用いて次のように
眼内レンズの位置や傾きを確認する。

この段階で、上記の位置姿勢確認装置を顕微鏡の対物レ
ンズ筒３０の下端に取付けて使用することもできるが、
レンズ挿入までの手術を第５図のように、装置の本体２
を外方に回動させた状態つまり通常の顕微鏡観察が可能
な状態で行い、レンズの挿入が完了したとき、その本体
２を固定部１側に回動してレンズ位置の確認を行うこと
が便利である。

、即ち、本体２を第１図のように固定部１と合う位置ま
で回動させ、顕微鏡の対物レンズの前面を本体２で覆い
、片眼の光路のみが開口部２２によって開放されるよう
にし、その光路の中心位置に光ファイバー２３の先端を
位置させ、そこに点光源を点灯する。

そして、術者は、片眼の顕微鏡視界内の中心で瞳孔の中
心を捕え、眼の視軸と光路の中心軸を合せるよるにする
（第６図）。

すると、点光源によって投光された光が角膜の前面で反
射されてプルキンエ第１像Ｉ（角膜反射像）が観察され
、同時に、眼内レンズの前面及び後面で反射されたプル
キンエ第３像ＩＩＩ　’、第４像■が観察される。この
時、眼内レンズＬが瞳孔の中心に位置し、且つ眼の視線
（視軸）の垂直平面上に位置し傾きがない場合、第９図
のように、プルキンエ像Ｉ、ＩＩＩ、ｒＶは全てほぼ瞳
孔の中心で観測される。

従って、第９図のように、プルキンエ像！、ＩＩＩ、■
が全てほぼ瞳孔の中心で観測されれば、眼球内の眼内レ
ンズＬは適正な状態で位置していることが確認される。

これに対し、眼内レンズＬが、第７図のように、瞳孔中
心位置ではあるが、視軸の垂直平面上から傾いて位置し
ている場合、角膜表面で反射されたプルキンエ第１像Ｉ
はほぼ瞳孔中心に現れるが、眼内レンズＬの表面と裏面
で反射されたプルキンエ第３像ＩＩＩ、第４像ＩＶは瞳
孔中心から外れた位置に観測される。このプルキンエ第
３像ＩＩＩ　、第４像■は、角膜表面から反射されるプ
ルキンエ第１像に比べ、大きく現れるため、術者は容易
に像の位置を視認することができる。

このように、レンズＬが略中心位置にも拘らず、第７図
のようにプルキンエ第３像ＩＩＩと第４像■が偏位して
現れた場合、術者はぜっ子を用いて眼内レンズＬが視軸
の垂直平面上に位置するように傾きを修正する。

一方、眼内レンズＬが、瞳孔中心位置から偏位している
場合、又は偏位すると共に視軸の垂直平面上から傾いて
位置している場合、第８図のように、プルキンエ第１像
■はほぼ瞳孔中心に現れるが１．眼内レンズＬの表面と
裏面で反射されたプルキンエ第３像ＩＩＩ　、第４像Ｉ
Ｖは瞳孔中心から外れた位置に観測される。

そこで、術者は、せつ子を用いて眼内レンズＬを動かし
、瞳孔中心に位置させるようにするが、瞳孔中心に動か
しても第７図のようにプルキンエ像が偏位している場合
、上述のようにレンズＬの傾ぎを動かして、第９図のよ
うにプルキンエ第３像Ｉ１１と第４像ＩＶが第１像Ｉと
共に瞳孔中心に位置するように修正する。

このようにして、眼内レンズＬの中心位置が眼の視軸（
正確には眼の照準線）と一致し、視軸の垂直平面上にレ
ンズＬが傾斜なく位置していることが確認された場合、
創口の縫合を行って移植手術を終了する。

なお、上記の実施例では、光ファイバーによって点光源
を光路中心位置に点灯させたが、本体２の開口部２２に
透明ガラスを嵌め込み、その中央に小形のＬＥＤ等を固
着することもできる。また、固定部１に対し本体２を枢
支したが、本体を固定部の定位置に容易に脱着できる構
造とし、レンズ位置確認時に、その本体を顕微鏡の対物
レンズ筒の先端位置に取付けるようにしてもよい。

また、円盤状の本体２を回動させるのではなく、顕微鏡
の一方の筒３２の光路のみを遮閉する遮閉部材と光ファ
イバーのみを回動する構造としてもよい。

〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明の眼内レンズの位置姿勢確
認装置によれば、手術用双眼型顕微鏡の対物レンズの前
面における一方の光路の中心に、前方を向けて配設され
た点光源と、当該顕微鏡の他方の光路を遮閉する遮閉手
段と、を備えて構成したから、眼内レンズの移植手術中
、レンズの挿入が完了した状態で、手術用双眼型顕微鏡
の対物レンズの前方における一方の光路中心に、点光源
を位置させ、前方を向けて投光させ、他方の光路を遮閉
する。そして、術者は片方の顕微鏡視界内の中心で瞳孔
の中心を捕えながら、点光源によって投光された光が、
眼内レンズの前面及び後面で反射されることによって現
れるプルキンエ第３像、第４像を観察し、それらの像が
瞳孔中心にあるか否かにより、眼内レンズの位置と傾き
を簡単な装置により容易に確認することができる。つま
り、眼内レンズが中心から偏位して位置したり、視線の
垂直平面に対し傾斜して配置されている場合、プルキン
エ第３像、第４像は瞳孔中心から外れた位置に観測され
、術者は、手術用顕微鏡を通してこれらのプルキンエ像
が瞳孔中心で観察することができるか否かにより、眼内
レンズが正確な中心位置に傾斜なく挿入されているか否
かを確認することができる。また、双眼型顕微鏡の片方
の光路を通して片眼でプルキンエ像を観察するため、そ
の位置を正確に確認することができる。

また、このような装置の使用により、術者は眼内レンズ
を眼球内の正確な中心位置に傾斜せずに移植することが
でき、眼内レンズの偏位や傾きによって発生する各種の
視機能障害を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示し、 第１図は本装置の正面図、 第２図はその側面図、 第３図は第１図のＩＩＩ　−ＩＩＩ断面図、第４図は第
１図のｒＶ−ＩＶ断面図、 第５図は本体を回動した状態の正面図、第６図は使用状
態の側方からの概略斜視図、第７図、第８図、第９図は
眼球に映ったプルキンエ像を示す説明図である。 １・・・固定部、 ２・・・本体、 ２２・・・開口部、 ２３・・・光ファイバー（点光源）、 ２４・・・光源。 特　　許　　出　　願　　人 第１図　　　第２図 第３図 第４図　　第５図 第７　図 第８図 第９図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 　眼内レンズの移植手術を行う際、手術用双眼型顕微鏡
   の対物レンズの前面に装着され、移植する眼内レンズの
   位置と傾きを確認するための装置であつて、 手術用顕微鏡の対物レンズの前面における一方の光路の
   中心に、前方を向けて配設された点光源と、 該顕微鏡の他方の光路を遮閉する遮閉手段と、を備えた
   ことを特徴とする眼内レンズの位置姿勢確認装置。