JPH01307437A - 安全でかつ高度な界面活性を有する脂質組成物 - Google Patents

安全でかつ高度な界面活性を有する脂質組成物

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JPH01307437A
JPH01307437A JP63138150A JP13815088A JPH01307437A JP H01307437 A JPH01307437 A JP H01307437A JP 63138150 A JP63138150 A JP 63138150A JP 13815088 A JP13815088 A JP 13815088A JP H01307437 A JPH01307437 A JP H01307437A
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fatty acid
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fatty acids
acid
carbon atoms
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JP63138150A
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Satoru Fujita
哲 藤田
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、極めて安全性が高く、かつ高度の浸透性及び
展着性等の界面活性作用を有する脂質系の組成物に関す
る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題]現在、
食品、飼料、化粧品、トイレタリー製品、医薬品及び農
薬等の分野で用いられる安全性の高い界面活性剤として
は、グリセロ燐脂質(レシチン)及びその分別物、水素
添加物又は部分的な酵素処理物や、天然又は合成された
、グリセリン脂肪酸モノエステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂
nN酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸モノエステルの酒石酸、リンゴ酸、酢酸、
乳酸、コハク酸の誘導体、ポリグリセリン縮合リシルン
酸エステル、脂肪酸塩、ステアロイル−2−ラクチル酸
塩、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ジオクチルスルフォ
コハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、モノ及
びアシルフォスファチジン酸塩等が挙げられ、これらの
界面活性剤は比較的安全性の高いものとして各国で用い
られている。しかし、グリセロ燐脂質(レンチン)と脂
肪酸のモノ及びジグリセリド以外の界面活性剤は、1日
当たりの許容摂取量が定められ、また使用対象物も制限
されているものが多く、無制限な使用が認められていな
いのが各国の実態である。
また、大豆燐脂質(レシチン)をフォスフォリバーゼA
で処理して得られるモノアシルグリ・上口燐脂質、特に
リゾフォスファチジルコリンや、高純度の蔗糖モノ脂肪
酸エステル等は、安全で優れた界面活性能を有するが、
これらの界面活性剤は、浸透、湿潤及び展着などの作用
を十分に有するとはいえない。
また、特公昭59−51241号公報、米国特許第3,
388,999号明細書、デンマーク特許第101,6
49号明細書、米国特許第3.661.795号明細書
及び同第3,549,3.82号明細書には、界面活性
作用を有する種々の組成物が記載されているが、いずれ
の組成物も効果が不十分なものである。
また、公表特許公報昭62−502891号には、(a
)少なくとも1種類の炭素数14〜18の脂肪酸、(b
)グリセリンと炭素数14〜18の脂肪酸の少なくとも
1種類のモノグリセド、(C)炭素数14〜1Bの脂肪
酸成分を含むリゾフォスファチジルコリン、及び任意成
分としテ(d)薬物を含む、経口投与した物質の体内へ
の吸収を促進するための組成物が記載されている。そし
て、上記公表特許公報には、上記成分(a)、(bl及
び(C)を構成する脂肪酸として、パルミトレイン酸、
オレイン酸、リノール酸、リルン酸及び炭素数14〜1
8の飽和脂肪酸が記載されている。
しかし、上記公表特許公報に記載の組成物は、後述の実
験例1に示す通り、界面活性作用が不十分なものである
従って、本発明の目的は、極めて安全性が高く、かつ高
度の浸透性及び展着性等の界面活性作用を有する脂質系
の組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、種々検討した結果、フォスフォリバー−t
iA−2によって部分分解されたグリセロ燐脂質と不飽
和脂肪酸のモノグリセリド及び/又は中鎖脂肪酸のモノ
グリセリドとからなる組成物が、安全性が高く、かつ強
力な界面活性作用を有し、しかも安価に得ることができ
ることを知見し、これらの組成物について先に出願を行
った(特願昭62−207093号及び同62−240
205号)。しかし、これらの組成物は、浸透作用及び
展着作用において必ずしも十分でなかった。
本発明者は、更に種々検討した結果、下記の脂質組成物
が本発明の前記目的を達成するものであることを見出し
、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記の脂質組成物を提供するものであ
る。
必須の構成成分として、 ■天然物に由来するグリセロフォスフォリピドを部分的
に脱アシル化した反応生成物であって、モノアシルグリ
セロフォスフォリピドを10重量%以上含有し、実質的
にモノ及びジアシルグリセロフォスフォリビドからなる
混合物であるアシルグリセロフォスフォリピド、 ■炭素原子数14〜22の不飽和脂肪酸のモノグリセリ
ド又は上記不飽和脂肪酸と炭素原子数14〜22の飽和
脂肪酸との混合脂肪酸のモノグリセリドであって、沃素
価30以上及びモノエステル含量40重世%以上の脂肪
酸モノグリセリド、並びに ■−(1)炭素原子数16〜22の不飽和脂肪酸又は上
記不飽和脂肪酸と炭素原子数14〜18の飽和脂肪酸と
の混合物であって、沃素価が50以上の脂肪酸及び■−
(2)炭素原子数10〜13の中鎖脂肪酸からなる群か
ら選ばれる一種以上の■脂肪酸を含有し、 上記成分[1]〜[3]の割合(重量比)は、■/■=
10/90〜90/10 ■/■−20/100〜250/100■/(■+■)
−10/100〜200/100であり、かつ (■+■)/■が4を超える場合は、 ■胆汁酸類及び/又は胆汁酸のアルカリ塩類を、成分(
■+■+■)の重量の5〜100%含有する ことを特徴とする安全でかつ高度な界面活性を有する脂
質組成物。
以下、本発明の安全でかつ高度な界面活性を有する脂質
組成物について詳述する。
本発明の組成物の必須の構成成分の一つである■アシル
グリセロフォスフォリピドは、天然物に由来するグリセ
ロフォスフォリピドを部分的に脱アシル化した反応生成
物であって、モノアシルグリセロフォスフォリピドを1
0重量%以上含有し、実質的にモノ及びジアシルグリセ
ロフォスフォリビドからなる混合物であれば特に制限は
ないが、実用的には、油1種子から油脂を搾油する場合
に副生ずる、例えば大豆燐脂質やナタネ燐脂質のごとき
もの、或いは、卵黄、ピーナンッやコーンの胚などから
得られるジアシルグリセロフォスフォリピドを、硫酸、
燐酸等の酸を用いて部分的に加水分解するか、更に好ま
しくは微生物由来のフォスフォリパーゼA−1若しくは
パンクレアチン由来やヘビ毒由来のフォスフォリバーゼ
A−2によって加水分解し、共存する脂肪酸及びトリグ
リセリド等の不純物をアセトン等で処理して除去するこ
とによって得られる、部分分解されたアシルグリセロフ
ォスフォリビド等が用いられる。
前記■アシルグリセロフォスフォリピドは、モノ又はジ
アシル基を持つ各種のフォスファチドの混合物であるこ
とが好ましい。即ち、フォスファチジルコリン、フォス
ファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシ
トール、フォスファチジン酸及びフォスファチジルセリ
ン等のモノアシル体及びそれらのジアシル体の混合物で
あることが好ましい。
また、前記■アシルグリセロフォスフォリピドは、燐酸
基に結合する基(コリン、エタノールアミン等)が同一
なものの割合が75重量%以下であるのが好ましい。含
水アルコール等の溶媒を用いたり、また他の常用される
手法によってこれらの脂質を分別し、燐酸基に結合する
基が同一なものの割合を75重量%以上としたもの、例
えば、主としてモノアシルフォスファチジルコリンから
なるものやモノアシルフォスファチジルコリンとジアシ
ルフォスファチジルコリンとの混合物からなるものでは
、十分な効果が得られない場合がある。
前記■アシルグリセロフォスフォリピド中のモノアシル
体の比率は、モノアシル体とジアシル体との合計量に対
して10重量%以上、好ましくは25重量%以上である
のが良い。10重量%未満では本発明の効果が得られ難
い。モノアシル体含量の上限は特にないが、80重量%
以上としても大きな効果の向上は見られず、しがもモノ
アシル体含量が多いものは高価であるから、80重里%
以上のものは不経済である。
本発明の前記■アシルグリセロフオスフォリピドの原料
として有用な燐脂質としては、例えば、大豆燐脂質、ナ
タネ燐脂質、卵黄燐脂質が挙げられるが、他の燐脂質等
も使用でき、又、フォスファチジルコリン以外の成分の
一部を欠くものであっても良い。
前記■アシルグリセロフォスフォリピドの分析法として
は多くの方法がある。即ち、シンレーヤークロマトグラ
フによって展開し各々のスボ、トに基づいて分析する方
法、TLC−F I D分析機(イヤトロスキャン法)
による方法、高速液体クロマトグラフを利用する方法、
及びこれらの方法の組合せがある。
本発明の組成物の必須の構成成分の一つである■脂肪酸
モノグリセリドとしては、天然のものでも、また油脂を
リパーゼによって分解又はグリセロリシスしたものでも
、また化学的に合成したものでも良く、通常は、天然の
油脂由来の脂肪酸、脂肪酸の部分的水素添加物、蒸留又
は溶剤によって分別された脂肪酸等とグリセリンとから
化学的に合成されたものが用いられる。
前記■脂肪酸モノグリセリドは、グリセリンを構成する
炭素の1.3位グリセリドであっても、2位グリセリド
であっても良い。
前記■脂肪酸モノグリセリドは、炭素原子数14〜22
の不飽和脂肪酸のモノグリセリド又は上記不飽和脂肪酸
と炭素原子数14〜22の飽和脂肪酸との混合脂肪酸の
モノグリセリドであって、沃素価30以上及びモノエス
テル含量40重量%以上の脂肪酸モノグリセリドである
。この範囲を外れると本発明の効果を得難く、特に沃素
価が30未満では浸透力が不足するので好ましくない。
前記■脂肪酸モノグリセリドとしては、モノエステル含
量が70重量%以上のものが、安定・した効果が得られ
るので好ましく、特に蒸留モノグリセリドが適している
また、本発明の組成物の必須の構成成分の一つである■
脂肪酸としては、■=(1)炭素原子数16〜22の不
飽和脂肪酸又は上記不飽和脂肪酸と炭素原子数14〜1
8の飽和脂肪酸との混合物であって、沃素価が50以上
の脂肪酸及び■−(2)炭素原子数10〜13の中鎖脂
肪酸からなる群から選ばれる一種以上が用いられる。
本発明の前記■脂肪酸として用いられる炭素原子数16
〜22の不飽和脂肪酸としては、パルミトレイン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リルン酸、アラキドン酸、エイ
コサペンクエン酸などが挙げられる。これら長鎖の不飽
和脂肪酸に炭素原子数14〜18の飽和脂肪酸を混合し
たものでもよいが、この場合、混合脂肪酸の沃素価は5
0以上であることが必要である。本発明の組成物中に長
鎖の飽和脂肪酸の量が多くなると、該組成物の水中への
ミセルとしての溶解性が悪化し、胆汁酸塩類等を添加し
ても溶解し難くなるので、好ましくない。
前記■−(1)脂肪酸の沃素価が大きい程、得られる本
発明の組成物の浸透力が増加し、沃素価が50未満のも
のでは十分な効果が得られない。炭素原子数14以下の
不飽和脂肪酸及び炭素原子数23以上の脂肪酸は天然に
殆ど存在しない。
前記■−(2)の炭素原子数10〜13の中鎖脂肪酸も
本発明の前記■脂肪酸として有効であるが、炭素原子数
14以上の飽和脂肪酸及び炭素原子数8以下の脂肪酸で
は本発明の目的である浸透力及び展着性能などの界面活
性が不十分となる。中鎖脂肪酸が主体である場合は、コ
コナツツヤシ油脂肪酸、パームカーネル油脂肪酸の様に
、炭素数14以上の脂肪酸を少量含んだものでも差し支
えない。
本発明の組成物は、前記■アシルグリセロフォスフォリ
ピド、前記■脂肪酸モノグリセリド及び前記■脂肪酸の
3者間の含有割合が、重量比で■/■=10/90〜9
0/10 ■/■−20/100〜25 Q/10 Q  ・■/
(■+■)=10/100〜200/100好ましくは
、 ■/■−30/70〜80/20 ■/■=30/100〜170/100■/(■+■)
−25/100〜160/100である。
前記■アシルグリセロフォスフォリビドに対する前記■
脂肪酸モノグリセリドの重量比(■/■)が10/90
未満であると本発明の効果は不十分であり、90/10
超であると組成物の水溶性が低下するので好ましくない
。また、前記■脂肪酸モノグリセリドに対する前記■脂
肪酸の重量比(■/■)が20/100未満であると本
発明の効果は不十分であり、250/100以上に脂肪
酸を加えても効果の向上は見られない上に、組放物の水
溶性が悪化するので好ましくない。また、前記■アンル
グリセロフォスフォリピドと前記■脂肪酸モノグリセリ
ドの合計量に対する前記■脂肪酸の重量比〔■/(■+
■)〕が10/100未満であると本発明の効果は不十
分であり、また200/100超であると効果が良化し
ないばかりでなく、組成物の水溶性が悪化するので好ま
しくない。
本発明の組成物には、■胆汁酸類及び/又は胆汁酸のア
ルカリ塩類(以下、胆汁酸類等という)を、前記■アシ
ルグリセロフォスフォリピド、前記■脂肪酸モノグリセ
リド及び前記■脂肪酸の合計重量以下含有させることが
できる。
この■胆汁酸類等としては、哺乳類の胆汁酸類であれば
良く、好ましいものとしては、コール酸、デオキシコー
ル酸、ケノデオキシコール酸及びリトコール酸等の胆汁
酸から選ばれた1種又は2種以上の混合物、特に好まし
くは、これらの胆汁酸にタウリン及び/又はグリシンを
反応させた抱合胆汁酸、或いはこれらの胆汁酸類のアル
カリ金属塩が挙げられる。
前記■胆汁酸類等を添加すると、前記■アシルグリセロ
フォスフォリピド中のモノアシルグリセロフォスフォリ
ビド含量が相対的に少ない場合でも、前記■脂肪酸モノ
グリセリド及び前記■脂肪酸を安定的に可溶化できる。
また、本発明の組成物において、前記■アシルグリセロ
フォスフォリピド中のモノアシルグリセロフォスフォリ
ピド含量が少ない場合及び前記■脂肪酸モノグリセリド
中のモノグリセリド含量が少ない場合には、前記■胆汁
酸類等を添加することが好ましい。
特に、前記■アシルグリセロフォスフォリビドに対する
前記■脂肪酸モノグリセリドと前記■脂肪酸の合計の重
量比〔(■±■)/■〕がある限度を超えると、前記■
胆汁酸類等の様な可溶化剤の添加が必須となる。その限
度は組成物の構成によって若干の差があるが、概ね(■
+■)/■で4以上である。
前記■胆汁酸類等を添加する場合、添加量の上限は特に
ないが、前記■アシルグリセロフォスフオリピド、前記
■脂肪酸モノグリセリド及び前記■脂肪酸の合計重量以
上添加しても効果が向上しないので、この程度が経済的
に見て上限である。
一方、下限は、前記■アシルグリセロフォスフォリビド
及び前記■脂肪酸の合計重量の5重量%以上で効果が認
められる。
前記■胆汁酸類等を添加することによる組成物の界面活
性作用の変化は、表面張力低下作用及び接触角について
は殆ど見られない、キャンパスディスク法による浸透時
間については短縮される傾向があるが、前記■胆汁酸類
等を前記の■、■及び■成分の合計重量の50重重量以
上添加してもその変化は僅かになる。
本発明の組成物は、例えば以下の如くして製造すること
ができる。
(1)脂肪酸モノグリセリド及び脂肪酸の量が比較的多
い場合は、脂肪酸モノグリセリ]゛と脂肪酸に、アシル
グリセロフォスフォリピドを加え、更に胆汁酸類等を用
いる場合にはこれをアシルクリセロフォスフォリピドと
共に加え、これらを加熱相溶して、本発明の組成物を得
る。
(2)アシルグリセロフォスフォリピドの量がI11対
的に多い場合、及びアシルグリセロフォスフォリピド中
のモノアシルグリセロフォスフォリピドの量が多い場合
は、各成分を少量のヘキサン又はエタノール等の溶媒を
用いて加熱相溶した後、溶媒を減圧下に除去し、得られ
た混合物をペースト状又は粒状等に加工して、本発明の
組成物を得てもよい。また、この混合物を水に溶解分散
して水溶液の形態で本発明の組成物を得ることもでき、
更に水中分散物を減圧下等に濃縮して水性ペーストの形
態で本発明の組成物を得ることもできる。
(3)アシルグリセロフォスフォリピド中のモノアシル
グリセロフォスフォリピドの量が比較的多く、脂肪酸の
含量が比較的少なく、また胆汁酸塩類等が比較的多い場
合には、各成分を水に溶解分散して水溶液の形態で本発
明の組成物を得ればよく、また、この水中分散物を減圧
下等に?a1iiLで水性ペーストの形態で本発明の組
成物を得ることもできる。尚、これらの場合に、組成物
が全体的に水溶性が良好であって全成分が常温で固体で
ある場合は、粉体又は小粒状乃至ペレント状に成型する
こともできる。
(4)本発明の組成物を最終的な使用濃度における水性
コロイド、ミセル溶液として得る場合には、各成分を水
に加え、加熱下にホモゲナイザーを用いるか、超音波処
理等を施せば良い。この方法によって本発明の組成物の
水性コロイド、ミセル溶液を容易に製造することができ
る。
(5)本発明の組成物を得る他の方法としては、油脂を
含む市販の燐脂質、例えば大豆燐脂質1重量部に水0.
1〜1重量部及び膵臓由来のフォスフォリバーゼA−2
を加えて50〜60°Cで加水分解した後、更に加水し
て、グリセリリドに対し位置特異性のある酸素(膵臓リ
パーゼ、ムコール、リゾープス、リパーゼ等)を加えて
40°C程度に保持し、モノグリセリドと脂肪酸に分解
を進めることによって、本発明の組成物を得る方法があ
る。
本発明の組成物は、目的を損なわない範囲で他の界面活
性剤を含有することができるが、他の界面活性剤を多用
すると、却って本発明の組成物による効果が川なねれる
場合があるので注意が必要である。また、本発明の組成
物にコレステロール、スフィンゴ脂質、糖脂質等の少量
が混在した・す、不純物として少量の脂肪酸のトリグリ
セリドやジグリセリドが混在してよいが、その場合は、
本発明の効果を損なわない範囲で含有される必要がある
尚、本発明の組成物は、微生物や酸化による変化をうけ
やすい性質があるので適当な滅菌処理、抗酸化剤の添加
等による安定化をはかることが好ましい。
本発明の組成物を水に溶解したミセル溶液は、高度の浸
透作用及び湿潤作用を示し、また表面張力低下作用も大
きい。
本発明の組成物の構成成分である前記■アシルグリセロ
フォスフォリピドは、それ単独ではかかる高度の界面活
性は存在しない。また、前記■脂肪酸モノグリセリドは
、水に難溶であって乳化以外の面での界面活性力は殆ど
期待できない。また、前記■脂肪酸は1.すべて実質的
に水に不溶で界面活性を示さない。このように、本発明
の組成物の構成成分はいずれも単独では不十分な活性を
有するものであるが、王者が併存すると高度な界面活性
が得られる。
また、前記■胆汁酸類等、特に胆汁酸のアルカリ塩類は
、組成物に添加することによって、界面活性の面ではさ
ほどの影響を与えないが、脂肪酸及び脂肪酸のモノグリ
セリドの様に元来水に不溶又はN溶の成分が多い場合、
これらの成分を可溶化する作用があるため、通常では水
に難溶である組成物系に用いるとそれらに界面活性を発
揮させる効果を有する。
本発明の組成物の他の特徴は、生体構成成分のみからな
る点であり極めて安全性が高い点である。
本発明の組成物は、浸透剤、湿潤剤、展着剤として使用
できる他に、不溶性微粒子用の分散剤、水中油型乳化剤
、油中水型乳化剤、油相中への油)容性の乏しい物質の
可溶化剤としても使用できる。
また、本発明の組成物中でモノアシルグリセロフォスフ
ォリビドや胆汁酸類等を比較的多く含むものは、水中に
ミセルを作り安定な分散液となる。
また、脂肪酸や脂肪酸のモノグリセリドを比較的多く含
むものは、その分tti液を放置すると水・中でそれら
の微細な結晶を析出さ一仕ることがあるが、加熱によっ
て容易に元の分散液にもどる。従って、本発明の組成物
は、パン生地、うどん、そば、マカロニ、スパゲツティ
等の穀物の生地を作る場合に該生地中に容易に練り込む
ことができる。
また、本発明の組成物は、極めて安全で且つ強力な界面
活性能を有するものであり、これらの特性を活かし、浸
透・湿潤剤として、粉体の食品、飼料、化粧品、医薬品
等の湿潤性の改良、毛髪や食器等のリンス剤、植物の葉
面や昆虫への農薬類の展着剤、紙や布等の繊維製品等の
濡れの改良等に用いる事ができる。具体的には、食用油
脂、植物精油、パラフィン類及びその他の油性物質の水
中油型及び油中水型の乳化や可溶化、ココアパウダー、
・インスタント食品粉末、香辛料第51末、パラオキン
安、ff1.香酸ブチル等の防黴剤及び各種顔料粉末等
の分散化、水中への?W潤や易分散化、成る程度の酸性
下での上記の?lI質の乳化ないし分散化、油脂中への
不溶物質の可溶化等への利用が挙げられる。
また、本発明の組成物は、動植物体の細胞膜等から酵素
等の蛋白質を溶脱する。この分野では強力な界面活性剤
としてポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルが
多用されているが、この界面活性剤は一部の蛋白質を変
性させる場合がある。
また、この目的にはリソ゛フォスファチジJレコリンを
用いることができ、その効力はマイルドであるが、極め
て高価である。これに対し、本発明の組成物は、安全且
つ強力であり、より安価である。
更に、本発明の組成物の重要な用途としては、その高度
の浸透性を活用して、経腸、経皮及び経粘膜による薬剤
の吸収を促進するために有効であると共に、本発明の組
成物自体に生理活性を有するエイコサベンクエン酸、T
−リルン酸等の多不飽和脂肪酸、ペンタデカン酸の様な
奇数酸を組み込むことによって本発明の&U成放物体を
薬剤として用いることもできる。また、本発明の組成物
は、油脂乳化液に使用し、他の栄養素と併用して易消化
性の経腸栄養剤として用いることができる。
薬剤吸収の促進は単に哺乳動物のみならず、広く昆虫等
の動物、農作物等の植物にも応用することができる。
向、本発明の組成物は、水中及び油脂等の非極性溶剤中
のいずれにもミセルを作って溶解しやすい両親媒性を示
す。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を、本発明で用いられるアシルグ
リセロフォスフォリピドの製造を示す参考例及び比較例
と共に示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は
下記の実施例に制限されるものではない。
尚、実施例、参考例及び比較例中r%」及び「部」は特
に断らない限り「重要%」及び「重量部」を意味するも
のである。
参考例1 市販大豆燐脂質(味の素製大豆レシチン)100部に水
14部を加え、更にノボ社製フォスフォリパーゼA−2
(レシターゼ1O−L)0.25部を加えて攪拌した後
、50°C〜55°Cに0.5時間、1時間、3時間、
15時間、及び36時間静置し、それぞれモノアシル化
反応を行わせた。反応物それぞれを減圧下に脱水し、−
旦遠心分離してトリグリセリドと脂肪酸の大部分を除い
た後、アセトン処理を行って残存する不純物を除き、不
溶物を減圧下に乾燥して、アシルグリセロフォスフォリ
ピド■〜■をそれぞれ得た。以下、アシルグリセロフォ
スフォリピドを単にフオスファチドという。
得られた各フォスファチドのモノアシル体のモノ及びジ
アシル体合計量に対する含有量(重量%)を下記表−1
に示す。
(以下、余白) 表−1 参考例2 市販卵黄燐脂?j(脂化成製の卵黄レシチン、純度96
%)を超音波を利用して水に分散し、参考例1と同様に
フォスフォリパーゼA−2を40時間作用させた後、ア
セトン処理を行って残存する不純物を除き精製して、フ
ォスファチド■を得た。
このフォスファチド■のモノアシル体のモノ及びジアシ
ル体合計量に対する含有量は86重量%であった。
参考例3 市販大豆燐脂質をアセトンで脱脂し、これに含水アルコ
ールによる分画を行ってフォスファチジルコリン70%
を含むフォスファチドを得た。このものにフォスフォリ
パーゼA−2(ノボ社製レシターゼ10L)を作用させ
た後、アセトン処理で脂肪酸を除き、更に含水アルコー
ル処理及び含水アルコールを用いたシリカゲルクロマト
処理を行い、リゾフォスファチジルコリン97%を含む
フォスファチド■を得た。
向、参考例1〜3で得られたフォスファチド■〜■の0
.5%溶液それぞれについて、37°Cで測定したキャ
ンパスディスク法(産業図書株、界面活性剤便覧860
頁、1960年参照)による浸透力(浸透時間)の測定
結果は、それぞれ次の通りであった。
06.3分 010.0分 ■6,1分 ■3,0分■
】、6分 01.5分 01.2分 また、参考例1〜3で得られたフォスファチド■〜■の
0.5%)容?夜それぞれについて、35°Cで測定し
た表面張力(協和科学製の表面張力計CBVP、A−3
に白金プレートを付けて測定した)の測定結果は、それ
ぞれ次の通りであった。
■35.7 ■33.4 ■31.8 ■31.4■3
1,1 ■29.7 ■37.2 更に、参考例1で得られたフォスファチド■〜■の0.
5%溶液それぞれについて、ニルマー社yの接触角測定
器(エルマー13型)によって、30°Cでの蜜蝋及び
木蝋に対する接触角を測定した結果は、それぞれ下記表
−2に示す通りであった。
表−2 また、下記実施例及び比較例で脂肪酸モノグリセリドと
して使用したものは以下の市販品である(何れも理研ビ
タミン■製である)。
エマルジーMU(不飽和脂肪酸モノグリセリド)リノー
ル酸モノグリセリド(016〜C3゜含有)モノエステ
ル45重量%、ジエステル1重量%、トリエステル無 沃素価116 エマルジーOL(不飽和脂肪酸モノグリセリド)オレイ
ン酸モノグリセリド(C14〜C2゜含有)モノエステ
ル93重量%、ジエステル1重量%、トリエステル無 沃素価67 エマルジーMTT (不飽和脂肪酸モノグリセリド) 牛脂脂肪酸モノグリセリド(C24〜C2゜含有)モノ
エステル90重量%、ジエステル7重量%、トリエステ
ル無 沃素価36 ボエムC5−200(不飽和脂肪酸モノグリセリド) 綿実油モノ、ジグリセリド(C74〜C2゜含有)モノ
エステル45重量%、ジエステル43重量86、トリエ
ステル12重盪% 沃素価100 エマルジーMS(飽和脂肪酸モノグリセリド)硬化牛脂
モノグリセリド(C1064%、C1630%含有) モノエステル98%含有、沃素(i[1i1.6また、
下記実施例で使用した脂肪酸は以下の市販品等である。
リノール酸    旭電化工業■製 蒸留高純度99%
以上 沃素価179 オレイン酸    同上      蒸留高純度99%
以上 沃素価89 ステアリン酸   日本油脂■製 NAA−180純度
96%以上 パルミチン酸   旭電化工業■製のPA−900から
蒸溜したもの。
純度99%以上 ミリスチン酸CI4  日本油脂■製 NAA−142
純度99% ヤシ油脂肪酸   日本油脂1勾製 ラウリン酸Clff1  日本油脂■製 NAA−12
2CI□酸99% カプリン酸C1゜  花王■製 ルナンク10−950
.。酸95% カプリル酸C3花王■製 ルナンク8−95C0酸95
% また、下記実施例で使用した胆汁酸類は以下の通りであ
る。
タウロコール酸ナトリウム デイフィコ・ラボラトリ−製、純度70%グリココール
酸 シグマ社製、結晶 グリココール酸ナトリウム シグマ社製、合成品 純度99% コール酸 和光純薬Q勾製 純度98%以上 コール酸ナトリウム 和光純薬■製 純度98.5%以上 また、本発明の実施例および比較例における界面活性試
験及び植物葉面への展着試験は、それぞれ下記の通り行
った。
〔界面活性試験] 組成物に水を加えて、胆汁酸類等を除く固形分の31度
が1.0%、0.8%、0.5%及び0.2%等のミセ
ル溶液を得た。これらの溶液について、参考例1〜3で
得られたフォスファチドと同様にして37°C及び一部
は25°Cにおいてキャンパスディスク法による浸透力
を測定した。また、協和科学■製の表面張力計CBVP
、A−3型による表面張力を35°Cで測定し、更に蜜
蝋及び木蝋に対する接触角をエマル光学■製の接触角測
定器エルマー13型により30°Cで測定した。
〔植物葉面への展着試験〕 組成物の胆汁酸類を除く部分の固形分で各々0゜1容量
%、キサンタンガム(メルク社a、エコーガム)0.0
6容量%、及び食用色素青色1号(ブリリアントブルー
FCF、三栄化学工業製)少量を含む各水溶液(展着液
)を用いて次のようにして展着試験を行った。
キャベツの外側から6〜8枚目の葉の葉柄以外の部分で
1010X6の試験片を作り、25°Cの展着液300
 mlに10秒間浸した後、濾紙上で風乾し、青色色素
の展着状態を観察した。
評価は、葉面が90%以上青色に着色したもの5点、7
0〜90%のもの;4点、50〜70%のもの83点、
30〜50%のもの;2点、10〜30%のもの;1点
とした。
実施例1 フォスファチド■7部、エマルジーM L+ 36 部
、リノール酸57部、およびタウロコール酸ナトリウム
36部を水2000部に加え加熱して分散し、これを、
60℃で三相機械製の高圧ホモゲナイザー3205−2
00LH型によりパルプ圧1段目150kg/cd、2
段目50kg/cdで均質化した。
得られたミセル溶液を濃縮して、水性ペーストの組成物
500部を得た。
この組成物10gに水390gを加えて、タウロコール
酸ナトリウムを除(固形分の濃度が0.5%のミセル溶
液を得た。このミセル溶液について、前記の界面活性試
験を行った。
試験の結果は、キャンパスディスク法による37°Cで
の浸透時間15.2秒、表面張力28. l dyne
/cm、及び蜜蝋に対する接触角33°であった。
実施例2 特殊機化工業■製のTKホモナイザー)IV−M型を用
い、フォスファチド■21g、タウロ゛コール酸ナトリ
ウム30g1エマルジーMU30g。
リノール酸49gの順で60°Cに加温した水370g
に溶解分散して、組成物500gを得た。
この組成物logに水を加えて400gとなし、タウロ
コール酸ナトリウムを除く固形分の濃度が0.5%の水
溶液を得た。この水溶液について、実施例1と同様の界
面活性試験を行った。
試験の結果は、浸透時間14.5秒、表面張力27、9
 dyne / cm、及び蜜蝋に対する接触角37°
であった。尚、タウロコール酸ナトリウムを除く固形分
の濃度が0.2%の水溶液の浸透時間は39.7秒であ
った。
実施例3 フォスファチド■280+mg、エアマルジーMU28
0mg、及びリノール酸440mgに水を加え全星を2
00gとし、これを50゛Cに加温し、■トミー精工製
のIJD−200型用音波発振機により溶解分散して、
白濁したミセル溶液を得た。
このミセル溶液について、実施例1と同様の界面活性試
験を行った。
試験の結果は、浸透時間19.4秒、表面張力27゜8
dyne/cm、及び蜜蝋に対する接触角37°であっ
た。
実施例4 実施例2と同様の方法で、フォスファチド■19g、エ
マルジーMU45g、リノール酸36g、タウロコール
酸ナトリウム13g、及び水387gを含む組成物を得
た。
この組成物7.8gを水に溶解して全量を200gとな
し、タウロコール酸ナトリウムを除く固形分の濃度が0
178%の水冷液を得た。この水溶液について、実施例
1と同様の界面活性試験を行った。
試験の結果は、浸透時間10.2秒、表面張力28、4
 dyne/cm、及び蜜蝋に対する接触角36°であ
った。
実施例5 フォスファチド■48部、エマルジー0L20部、オレ
イン酸32部、及びタウロコール酸ナトリウム10部の
重量比で全量を3.3gとなし、これに水を加え全量を
300gとし、これを50°Cに昇温し、0@トミー精
工製のUD−200型用音波発振機を用いて溶解分散し
て、水溶液を得た。
この水溶液(タウロコール酸ナトリウムを除く固形分の
濃度が1%の水溶液である)について、実施例1と同様
の界面活性試験を行った。
試験の結果は、浸透時間22.9秒、表面張力26、9
 dyne/ Cff1、及び蜜蝋に対する接触角34
°であった。また、上記水?B 液について、前記の植
物葉面への展着試験を行ったところ、評価は3点であっ
た。
実施例6 フオスフアチド■(卵黄リゾフォスファチド):エマル
ジーMU:リノール酸:タウロコール酸ナトリウムをそ
れぞれ16:32:52:60部の比、及びフォスファ
チド■:エマルジーMIJ:カブリン酸:タウロコール
酸ナトリウムをそれぞれ20:4CI:40:40部の
比で計量し、それぞれヘキサン200部及びアルコール
200部を加えて加熱相溶した後減圧下で溶媒を除いて
組成物をそれぞれ得た。前者を実施例6−1、後者を実
施例6−2とする。
これらの組成物を水に熔解してタウロコール酸ナトリウ
ムを除く固形分の濃度が0.2%の水溶液をそれぞれ得
た。これらの水溶液について、実施例5と同様の界面活
性試験及び植物葉面への展着試験を行った。
試験の結果は、下記表−3に示す通りであった。
表−3 実施例7 参考例1で得られたフォスファチド■〜■を用い、実施
例5と同様な方法で下記組成の溶液をそれぞれ得た。
フォスファチド:エマルジーMU:リノール酸:タウロ
コール酸ナトリウム=17=3150:67の重量比か
らなる組成物をそれぞれ作り、これらに水を加えてタウ
ロコール酸ナトリウムを除く固形分の濃度が0.5%及
び0.2%の水溶液をそれぞれ得た。これらの水溶液に
ついて、実施例5と同様の界面活性試験を行った。
試験の結果は、下記表−4に示した。
(以下、余白) 実施例8 実施例7と同様の方法で、フォスファチド■、エマルジ
ーMU、リノール酸、タウロコール酸す]・リウムを下
記表−5に示す配合で用いて、タウロコール酸ナトリウ
ムを除く固形分の濃度が0.5%の水溶液をそれぞれ得
た。これらの水溶液について、実施例5と同様の界面活
性試験及び植物葉面への展着試験を行った。
試験の結果は、下記表−5に示した。
下記表−5に示す結果から判るように、脂肪酸の比率を
モノグリセリドの2倍以上にすると溶解性が悪化すると
共に、界面活性も反って不良になる傾向がある。
(以下、余白) 実施例9 下記表−6に示す配合に従い、フォスファチド■、エマ
ルジーMTT、オレイン酸、及びタウロコール酸ナトリ
ウムをそれぞれ計量し、これにヘキサン300部を加え
て加熱相溶させた後、減圧下でヘキサンを除去して組成
物をそれぞれ得た。
これらの組成物を水に熔解し、タウロコール酸ナトリウ
ムを除く固形分の濃度が0.5%の水mtFtをそれぞ
れ得た。これらの水溶液について、実施例8と同様の界
面活性試験を行った。
試験の結果は、下記表−6に示した。
実施例10 下記表−7に示す配合に従い、フォスファチド■、エマ
ルジーOL、オレイン酸、及ヒタウロコール酸ナトリウ
ムを用い、実施例9と同様にしてタウロコール酸ナトリ
うムを除く固形分の濃度が0.5%の水溶液をそれぞれ
得た。これらの水溶液について、実施例9と同様の界面
活性試験を行った。
試験の結果は、下記表−7に示した。
実施例11及び実験例1 実施例11ではフォスファチド■を用い、実験例1では
フォスファチド■を用いた。
下記表−8に示す配合に従い、フォスファチド、脂肪酸
モノグリセリド、脂肪酸、及びタウロコール酸ナトリウ
ムを用い、実施例5と同様な方法によって、タウロコー
ル酸を除く固形分の濃度が0゜2%の水溶液をそれぞれ
得た。これらの水溶液について、前記の界面活性試験を
行った。試験の結果は、下記表−8に示した。尚、実施
例11及び実験例1で得られた組成物(水溶液)のフォ
スファチド:脂肪酸モノグリセリド:脂肪酸のモル比は
、大略1:3:6となっている。
実験例1は、公表特許公報昭62−502891号に記
載の組成物中で最も有効とされる範囲の例について、界
面活性作用を測定したものであるが、タウロコール酸ナ
トリウムの添加にもかかわらず、リノール酸及びオレイ
ン酸を使用したもの以外は、37゛Cにおいてミセル溶
液を形成し得す、脂肪酸の結晶が存在する。また、リノ
ール酸及びオレイン酸を使用したものでも本発明の組成
物の界面活性に比して劣る。
比較例11−1〜11−4は、本発明の範囲以外の場合
であり、脂肪酸として炭素原子数が8以下の脂肪酸を使
用した場合及び炭素原子数1・4〜18の飽和脂肪酸の
みを使用した場合を示す。また、比較例11−6は、脂
肪酸モノグリセリドとして飽和脂肪酸のモノグリセリド
のみを使用し、かつ脂肪酸としてリノール酸を使用した
場合を示す、また、比較例11−5は、フォスファチド
と脂肪酸モノグリセリドを含み脂肪酸を含まない組成物
の場合を示す。下記表−8に示す結果から判るように、
比較例11−1〜11−6は何れも、界面活性が不良で
あった。
(以下、余白) 実施例12 下記表−9に示す配合に従い、フォスファチド■、エマ
ルジーMU、リノール酸及び胆汁酸を用い、実施例5と
同様にして、胆汁酸類を除く固形分の濃度が0.2%の
水溶液をそれぞれ得た。これらの水溶液について、実施
例9と同様の界面活性試験を行った。
試験の結果は、下記表−9に示した。
(以下、余白) 実施例13 下記表−10に示す配合に従い、フォスファチド■をフ
ォスファチド■に代えた以外は実施例12とほぼ同様に
して、胆汁酸類を除く固形分の濃度が0.2%の水溶液
をそれぞれ得た。これらの水溶液について、実施例12
と同様の界面活性試験を行った。
試験の結果は、下記表−10に示した。
(以下、余白) く本発明の組成物の応用例〉 前記の実施例で得られた組成物のいくつかについて、応
用例として腸内での脂質系の物質の吸収促進作用、経皮
、経粘膜による物質吸収の促進作用、無機顔料の分散作
用、ココアの易分散化作用について試験した結果を以下
に示す。
応用例1 腸内での脂質系の物質の吸収促進作用 ラットによる試験を行った。試験方法は以下の通りであ
る。
体重200g前後の雄のウィスター系ラットを麻酔して
開腹し、輪胆管の結束手術を行った。
このラットをオリエンタル酵母製の飼料、MF粉末(水
分7.3%、粗蛋白25.1%、粗脂肪5.3%、粗灰
分6.0%、粗繊維2.3%、可溶性無窒素物54.0
%、ビタミンA3801U/loogを含有する)で飼
育し、術後6日後の回復状態の良いラット6匹を1群と
して試験対象とした。
MF粉末に本発明の組成物を添加し、水分含量7%に調
整した飼料を1匹当たり24g/日供与し、食べ残しを
減じた量を摂取飼料量とした。
供与開始後4日目から8日目の5日間に摂取された飼料
中の脂質の量(常法により粗脂肪として測定した)と、
同じ期間内に排泄された糞中の脂質の量の差を脂質の吸
収量とし、脂質の吸収量と摂取飼料中の脂質の量の比を
脂質の吸収率とした(腸内から微量に排出される脂質は
無視した)。
ビタミンAの吸収率は高速液体クロマトグラフィー法で
測定し、脂質と同様に計算した。
組成物として、実施例2及び実施例7−3の配合比のも
のを使用した。各組成物固形分の約3倍のヘキサンを加
え加熱相溶せしめた後、減圧下にヘキサンを溜去して組
成物を得た。
各組成物からタウロコール酸を除く部分に換算して20
部相当■をとり、水を加えて溶解した。
別に大豆サラダ油49部、乳化剤として花王■製ツウィ
ーン61 1部、ビタミンAアセテート(特級100万
IU/g)0.002部、水50部からなる水中油型乳
化液60部を組成物溶液と混合し、MF飼料粉末160
部に加え乾燥させて水分7%に調製した。
対照として、上記大豆サラダ油乳化液100部にタウロ
コール酸ナトリウム6部を加えたものをMF飼料に加え
たものを用いた。
ラットにこれら飼料を与えた結果を下記表−11に示し
た。
表−11 応用例2 経皮、経粘膜による物質吸収の促進作用インドメタシン
を使用した外用薬の試験とジクロツェナフナトリウムを
使用した坐剤の試験を行った。
外用薬の試験方法 雄の正常家兎の除毛した腹部皮膚1010X15にイン
ドメタシンが20mg含まれるように外用薬を塗布し、
1時間、3時間、6時間、10時間、及び24時間経過
時点で耳介静脈から採血して血清中のインドメタシン濃
度を高速液体クロマトグラフィーで測定して最高の血中
濃度で表示した。
組成物として、実施例2及び実施例7−3の配合比のも
のを使用した。フォスファチド、タウロコール酸ナトリ
ウム、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸の順で水中に加熱
溶解し、減圧下で濃縮して固形分40%の水性ペースト
とした組成物を得た。
この組成物20部、インドメタシン3部、エタノール2
7部及び水50部を混合して外用薬とした。また対照と
して、インドメタシン2部、ジメチルスルホキシド30
部、エタノール98部及び水70部を混合して外用薬と
した。
家兎に対して行った経皮吸収試験の結果、最高の血中濃
度は対照の18 Qng/mlに対し、実施例2の組成
: 1530日g/ml、実施例7−3の組成: 17
40 ng/ml 坐剤の試験方法 雄の正常家兎の肛門にジクロツェナフナトリウム15m
gを含む坐剤を投与し、10分、30分、及び60分経
過時点で耳介静脈から採血して血漿を分離し、ベンゼン
で抽出し、抽出物中のジクロツェナフナトリウムをエレ
クトロン・キャプチャー・ディテクター付きガスクロマ
トグラフィーで測定した。
応用例1で用いた本発明の組成物と同様にして、実施例
2及び実施例10−2の配合比のものを組成物として使
用した。これらの組成物8部をエタノール/ヘキサン(
122)混液25部に溶解し、ジクロツェナフナトリウ
ム5部及びカカオ脂87部を加熱下に混合し、減圧下に
溶媒を除去し、1ケ当たり0.3gの円筒形の坐剤に成
型した。対照として、ジクロツェナフナトリウム5部、
カカオ脂95部を加熱下に混合し同様に坐剤としたもの
を用いた。
家兎による投与試験の結果は、下記表−12に示す通り
であった。
表−12 応用例3 無機顔料チタンホワイトの分散作用 各組成物の0.25%(W/Vol)水溶液を作り、こ
の水溶液20a1と顔料用のチタンホワイト(帝国化工
業製JR−701)Igをネスラー管にとり、上下に激
しく振盪して分散させた後、室内に1日及び3日放置し
て粒子の沈降状態を観察した。
その結果を下記表−13に示した。
(以下、余白) 表−13 単なる水中への分散では1時間後に殆ど完全に粒子が沈
降するが、本発明の組成物を用いた場合は、2日目以後
に粒子の沈降があっても大量の粉体が上部に残っている
応用例4 ココアの湿潤試験 各組成物の胆汁酸類を除く部分の濃度が0.2%となる
様に水溶液を作り、ビーカーに100+mlあて分注す
る。各水溶液を20℃となしマグネチックスクーラー上
で上部にわずかに凹面ができる程度の一定速度の撹拌を
行いながら、1gのココア粉末(不二家■製、バーシー
ココア)を水面上に浮かべ粉末が実質的に水中に分散す
るまでの時間を測定した。各組成物での試験結果(3例
の平均)を下記表−14に示した。
表−14 応用例5 ココアの易分散化作用 実施例6−1及び実施例7−4の配合比のものを組成物
として使用した。これらの組成物を固形分で3gとり、
エチルアルコール40gに溶解し、これとココア粉末(
不二家■製、バーシーココア)147gをケンウッドミ
キサー中で冷却しながら強く撹拌混合し均一にする0次
いで、減圧下にアルコールを除いて乾燥し、混合物を乳
鉢中で粉砕し、インスタントココア■及び■を得た。
また、リジウトウエステルS−1670−3を用いて同
様にしてインスタントココア■を得た。
これらのインスタントココア■〜■それぞれ2gを、2
0℃の水50−1を入れた50−1容ビーカーの水面に
おだやかに移し、インスタントココアの全量が実質的に
水面から沈む時間を測定した。
同一サンプルについて4回測定しそれらの平均値をとっ
た。その結果は次の通りである。また、本発明の組成物
をmmいたインスタントココアは冷水中に加えて撹拌す
ると良好な分散を示した。
インスタントココア■ 2分17秒 インスタントココア■−2分09秒 インスタントココア■ 7分02秒 〔本発明の効果〕 本発明の組成物は、極めて安全性が高く、かつ高度の浸
透性及び展着性等の界面活性作用を有する脂質系の組成
物である。
即ち、本発明の組成物は、 ■すべて天然の脂質によって構成されるためにそれらの
水溶液は血中や細胞中に投与しないかぎり生体の内皮、
外皮では生体に対する作用ば温和で安全である上、 ■高度の浸透・湿潤作用を有し、 ■動植物の表面によく展着し、 ■微小な固体粒子の水中分散を良好となし、■油性物質
の乳化にも有効に用いられる等優れた界面活性能を有す
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 必須の構成成分として、 [1]天然物に由来するグリセロフォスフォリピドを部
    分的に脱アシル化した反応生成物であって、モノアシル
    グリセロフォスフォリピドを10重量%以上含有し、実
    質的にモノ及びジアシルグリセロフォスフォリピドから
    なる混合物であるアシルグリセロフオスフオリピド、 [2]炭素原子数14〜22の不飽和脂肪酸のモノグリ
    セリド又は上記不飽和脂肪酸と炭素原子数14〜22の
    飽和脂肪酸との混合脂肪酸のモノグリセリドであって、
    沃素価30以上及びモノエステル含量40重量%以上の
    脂肪酸モノグリセリド、並びに [3]−(1)炭素原子数16〜22の不飽和脂肪酸又
    は上記不飽和脂肪酸と炭素原子数14〜18の飽和脂肪
    酸との混合物であって、沃素価が50以上の脂肪酸及び
    [3]−(2)炭素原子数10〜13の中鎖脂肪酸から
    なる群から選ばれる一種以上の[3]脂肪酸を含有し、 上記成分[1]〜[3]の割合(重量比)は、[2]/
    [1]=10/90〜90/10[3]/[2]=20
    /100〜250/100[3]/([1]+[2])
    =10/100〜200/100であり、かつ ([2]+[3])/[1]が4を超える場合は、 [4]胆汁酸類及び/又は胆汁酸のアルカリ塩類を、成
    分([1]+[2]+[3])の重量の5〜100%含
    有する ことを特徴とする安全でかつ高度な界面活性を有する脂
    質組成物。
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