JPH0130665B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は空中ケーブル等の搬送装置、更に詳し
くは、夫々２個の空中ケーブル等の支承用ころを
有し、中央を軸で支承した振子を一連に連続した
振子列と、前記軸を中心とする振子の過度の枢転
を検出するための安全装置を備えた空中ケーブル
等の搬送装置に関する。

（従来の技術及びその問題点） 従来、上記安全装置としては、空中ケーブル等
の落下軌道及び振子枢転軌道に対して横方向に配
置された破断可能な棒状部材を有する脱線検出器
を備え、空中ケーブル等の脱線によつて生じる振
子の不平衡化に伴う該振子の枢転によつて、未だ
空中ケーブル等の脱線によつて棒状部材が破断さ
れていなければ、該棒状部材をこの振子の枢転に
よつて破断するようにしたものが一般に知られて
いる。

しかしこの安全装置においては、振子列の各空
中ケーブル等の支承用ころ全体の機能を監視する
ことができず、いずれか一個のみの支承用ころの
軸の剪断による落下しか検出することができない
という問題点があつた。なぜならば各振子に対し
て前記のような破断可能な棒状部材を有する脱線
検出器を備え、または何等かの電気接点を備える
ことは、悪天候の影響を受ける電気接点の数が増
大し、従つて搬送装置の無用な停止の危険性が増
大してしまうからである。

本発明は、この様な欠点を除去し、現存の搬送
装置に適合可能の簡単で信頼度の高い安全装置を
備えた空中ケーブル等の搬送装置を提供すること
を目的としている。

（発明の概要） 上記目的を達成するため、本発明における空中
ケーブル等の搬送装置は、夫々２個の支承用ころ
２０，２２を有し中央を軸２８，３０，３２で支
承した振子１０，１２，１４を一連に連続した振
子列を備えるとともに、一部の前記軸３０，３２
を中心とする一部の振子１２，１４の過度の枢転
を検出するための安全装置であつて、前記振子列
の長さ方向に沿つて配設され前記一部の振子１
２，１４の各々に結び付けられて該一部の振子１
２，１４の過度の枢転によつて切断され、切断さ
れた時に信号を送り搬送装置を停止させる導線４
６が電気的に直列に接続されている安全回路と、
この各一部の振子１２，１４が過度に枢転した時
に該導線４６を切断する一対の切断刃５２，５４
を有して各一部の振子１２，１４に夫々備えられ
た複数の切断装置４８，５０とを有する安全装置
を備え、上記安全装置の各切断装置４８，５０の
一方の切断刃５２は一部の振子１２，１４に固定
され、他方の切断刃５４はこの切断刃５２の一端
に連結され、一部の振子１２，１４の枢転が過度
になつた時に両切断刃５２，５４を相対的に移動
させて前記導線４６を切断して搬送装置を停止さ
せるよう構成したもの、及び夫々２個の支承用こ
ろ２０，２２を有し中央を軸２８，３０，３２で
支承した振子１０，１２，１４を一連に連続した
振子列を備えるとともに、一部の前記軸３０，３
２を中心とする一部の振子１２，１４の過度の枢
転を検出するための安全装置であつて、前記振子
列の長さ方向に沿つて配設され前記一部の振子１
２，１４の各々に結び付けられて該一部の振子１
２，１４の過度の枢転によつて切断され、切断さ
れた時に信号を送り搬送装置を停止させる導線４
６が電気的に直列に接続されている安全回路と、
エネルギー蓄積ばね１３８と、該ばねを待機位置
に保持するフツク機構１４８，１５０と、前記各
一部の振子１２，１４に１個づつ連結した複数の
切断装置とを有する安全装置を備え、前記フツク
機構１４８，１５０は、一部の振子１２，１４の
過度の揺動軌道内に位置するプレート１５８を有
し、前記一部の振子１２，１４が過度に枢転して
前記プレート１５８と衝突した際に、前記フツク
機構１４８，１５０の保持を解いて前記切断装置
を作動させて前記導線４６を切断して搬送装置を
停止させるするよう構成したものである。

（実施例） 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図乃至第４図において、三個の振子１０，
１２，１４から成る振子列は、鉄塔１８によつて
担持された支承軸１６に支持されている。各振子
１０，１２，１４は、ケーブル４２を支承するた
めの一対の支承用ころ２０，２２を夫々備え、こ
れらの各支承用ころ２０，２２は、各側板２４，
２６の中間に配置され、これらの各側板２４，２
６は、その中央部においてそれぞれの軸２８，３
０，３２に枢転自在に支承されている。これらの
うち２個の振子１０，１２は、軸３８に枢着され
た板側３４，３６によつて相互に連結され、この
軸３８は梁４０の末端に固着されているととも
に、この梁４０は上記支承軸１６に枢着され、ま
たこの梁４０の反対側末端には、振子１４の軸３
２が固着されている。

振子列の入口側にある振子１０に対して、ケー
ブル４２の脱線を検知する脱線検出器４４が取付
けられ、この検出器４４は、例えば破断棒型であ
つて、ケーブル４２の落下と振子１０の過度の枢
転とを検出するものである。この脱線検出器４４
は、安全装置の安全回路内に配設されて導線４６
の末端に接続されている。この安全回路は、前記
導線４６の切断によつて該回路が遮断された時に
信号を送る手段を備え、この信号によつて搬送装
置を停止させるよう構成されている。

破断棒型の上記脱線検出器４４によつて保護さ
れていない各振子１２，１４に対して、振子１
２，１４の過剰な枢転の際に上記導線４６を切断
することにより安全回路を遮断して、搬送装置を
停止させる切断装置４８，５０が備えられ、この
安全回路と切断装置４８，５０とによつて安全装
置が構成されているが、そのうちの切断装置４８
について、第３図と第４図に関連して下記に詳細
に説明するが、他の切断装置５０は同形である。
この切断装置４８は、一対の切断刃５２，５４を
備え、この一方の切断刃５２は、側板２４の一端
に隣接して、例えば締付けねじ（図示せず）によ
つて剛着され、この切断刃５２はケーブル４２に
対して平行に配置され、またこの切断刃５２には
枢軸５６を介して他方の切断刃５４が回転自在に
枢着されて切断装置４８が構成され、この他方の
切断刃５４は、その正常位置において、一方の切
断刃５２の延長線上に配置されている。安全回路
の導線４６が、切断刃５４の自由端のオリフイス
５８と、切断刃５２，５４に連続して備えられた
一対の整列オリフイス６０と、切断刃５４の折返
し脚部の中に備えられたオリフイス６２とを順次
に通過している。これにより、切断刃５２，５４
が互いに相対的に移動すれば、整列オリフイス６
０において導線４６が剪断されて安全回路が遮断
されるようなされている。同様に、導線４６は切
断装置５０の中に通されていて、この導線４６は
脱線検出器４４及び切断装置４８，５０の中間部
分において、側板３４と梁４０に対し、搬送装置
の正常運転に際しての限定的な振れ可能にする撓
み度をもつて固定されている。

上述の検出装置は下記の様に作動する。

搬送装置の正常動作に際して、振子１０，１
２，１４は僅しか枢転せず、導線４６の可撓性と
たわみ度によつてこの限定的な枢転が許される。
これに対して、例えば振子１２の支承用ころ２０
の軸３０が折損してこの支承用ころ２０が落下す
ると、他の支承用ころ２２に加えられる推力のも
とに、時計方向に、第４図において点線で示す位
置まで振子１２が枢転する。一方の切断刃５２
は、その揺動運動によつて側板２４を同伴する
が、導線４６によつて保持された他方の切断刃５
４は、この切断刃５２に対して相対的に枢転し
て、導線４６を整列オリフイス６０において切断
する。梃の腕の如き作用をなす切断刃５４の長さ
が切断力を決定するのであるから、これに応じて
その長さが選択される。

支承用ころ２２が落下する場合には、同様に振
子の上方への枢転を生じ、導線４６の切断によつ
て搬送装置の動作を停止する。切断装置４８，５
０は振子１２と１４の枢転を監視し、また振子１
０の枢転は脱線検出器４４によつて監視されるの
であるが、この振子１０も、上記の破断棒型検出
器４４の代わりに、上記のような切断装置４８を
備えるようにすることができる。この切断装置４
８，５０は、軸３０，３２の破断またはケーブル
の脱線による振子１２，１４の損失に反応して、
その振子１２，１４を枢転させて導線４６を切断
する。

第５図と第６図は、上述の破断棒型検出器４４
及び切断装置４８，５０に代わるべき本発明によ
る他の安全装置を図示する。側板３４に対して、
安全回路の導線４６の切断装置を支承する支承板
１２８が、例えば溶接によつて固着されている。
また、この支承板１２８には、切断刃１３４がそ
の上端において枢軸１３６を介して回転自在に支
承され、この切断刃１３４が支承板１２８の表面
を摺動することによつて導線４６を切断する切断
装置が構成されている。切断刃１３４は枢転自在
であつてオリフイス１３２の前面を移動して導線
４６を切断することができる。切断刃１３４はエ
ネルギー蓄積ばね１３８によつてその切断位置に
弾発される。このエネルギー蓄積ばね１３８は軸
１４０の未端に巻付けられ、この軸１４０は軸１
４２の上に枢着され、この軸１４２は刃１３４に
よつて担持され、また止め部材１４４の中を摺動
自在に貫通している。エネルギー蓄積ばね１３８
は、止め部材１４４と、軸１４０によつて担持さ
れたツメ１４６との間に介在させられている。切
断刃１３４はその自由端にフインガ１４８を備
え、このフインガ１４８とフツク部材１５０によ
りフツク機構が構成されている。このフツク部材
１５０は、起端を固定軸１５２に枢着され、これ
を中心として揺動する。フツク部材１５０の末端
は、フインガ１４８を収容する深さの凹部１５４
に形成されており、フツク部材１５０の安定位置
を決定する。この位置において、フツク部材１５
０は切断刃１３４に対して略垂直位置となる。フ
ツク部材１５０が上方または下方に揺動してフイ
ンガ１４８がフインガ用凹部１５４から離脱させ
ればフツク機構が解除される。フツク機構が解除
されると、切断刃１３４はエネルギー蓄積ばね１
３８の作用で急速に移動して、導線４６の切断位
置をとる。

フツク部材１５０に対して、軸１５６が連結さ
れ、この軸１５６はケーブル４２の下を延び、ま
た支承用ころ２０と２２の中間に配置されてい
る。またフツク部材１５０はプレート１５８を担
持し、このプレート１５８の下縁１６０は側板３
４の近傍に達している。軸１５６の上にケーブル
４２が落下すると、フツク部材１５０を下方に枢
転させ、切断刃１３４を解除する。同様にして、
振子１０の過大な枢転の結果、この振子１０の当
接部材がプレート１５８の下面１６０に当接し
て、フツク部材１５０を枢転させてフツクを解除
する。

導線４６の切断に充分な力のエネルギー蓄積ば
ね１３８を選ぶ必要がある。また安全装置の解除
に要する力は、エネルギー蓄積ばね１３８の力よ
り遥かに小さい。この解除に要する力は、主とし
てフツク部材１５０の先端の凹部１５４の深さに
依存しており、その深さは装置の正常運転に際し
て振動作用による偶然の解除を防止するのに充分
な深さとする。

第８図は、エネルギー蓄積ばね１３８が管１６
２の内部に配置され、この管１６２の末端を栓１
６４によつて閉塞した構造を示す。装置の作動に
際して、軸１４０は栓１６４を突き出し、このこ
とが安全装置の作動を表示する。栓１６４を紐１
６６によつて保持することが望ましい。これによ
つて安全装置の監視者は、突き出された栓を遠く
から見ることができる。

導線４６は第７図に示すように、輪１６８の形
を成してオリフイス１３２に通すことが望まし
い。これによつて導線４６の配設と取替が容易に
なる。

第７図においては、ヘヤピン型ばね１７０が図
示されている。これは導線４６の輪部１６８を導
線の他の部分及び支承板１２８から離した位置に
保持するためのものである。この輪部１６８を切
断すると、ヘアピン型ばね１７０が切断された輪
部を他の部分から分離して、安全回路を確実に遮
断するようにすることができる。

（発明の効果） 本発明は上記のような構成であるので、各振子
に対して夫々破断棒型脱線検出器や何らかの電気
接点装置等を備えることなく、すべての支承用こ
ろの軸の剪断による落下等を検出して、振子列全
体の機能を監視することができる。

しかも、電気接点の数が増大してしまうことが
ないので、悪天候の影響等によつて装置が無用に
停止してしまう危険性を防止することができると
いつた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す正面図、第２
図は第１図の平面図、第３図は第２図の部分拡大
図、第４図は第３図の背面図、第５図は他の実施
例の要部を示す斜視図、第６図は第５図の要部拡
大正面図、第７図と第８図は切断装置の細部を示
す詳細図である。 １０，１２，１４……振子、２０，２２……支
承用ころ、２８，３０，３２……軸、４４……脱
線検出器、４６……導線、４８，５０……切断装
置、５２，５４……切断刃、１２８……支承板、
１３２……オリフイス、１３４……切断刃、１３
８……エネルギー蓄積ばね、１４８……フインガ
（フツク機構）、１５０……フツク部材（フツク機
構）、１５６……軸、１５８……プレート、１６
０……下側面、１６８……導線の輪部、１７０…
…ヘアピン型ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 夫々２個の支承用ころ２０，２２を有し中央
   を軸２８，３０，３２で支承した振子１０，１
   ２，１４を一連に連続した振子列を備えるととも
   に、一部の前記軸３０，３２を中心とする一部の
   振子１２，１４の過度の枢転を検出するための安
   全装置であつて、前記振子列の長さ方向に沿つて
   配設され前記一部の振子１２，１４の各々に結び
   付けられて該一部の振子１２，１４の過度の枢転
   によつて切断され、切断された時に信号を送り搬
   送装置を停止させる導線４６が電気的に直列に接
   続されている安全回路と、この各一部の振子１
   ２，１４が過度に枢転した時に該導線４６を切断
   する一対の切断刃５２，５４を有して各一部の振
   子１２，１４に夫々備えられた複数の切断装置４
   ８，５０とを有する安全装置を備え、上記安全装
   置の各切断装置４８，５０の一方の切断刃５２は
   一部の振子１２，１４に固定され、他方の切断刃
   ５４はこの切断刃５２の一端に連結され、一部の
   振子１２，１４の枢転が過度になつた時に両切断
   刃５２，５４を相対的に移動させて前記導線４６
   を切断して搬送装置を停止させるよう構成したこ
   とを特徴とする空中ケーブル等の搬送装置。 ２ 夫々２個の支承用ころ２０，２２を有し中央
   を軸２８，３０，３２で支承した振子１０，１
   ２，１４を一連に連続した振子列を備えるととも
   に、一部の前記軸３０，３２を中心とする一部の
   振子１２，１４の過度の枢転を検出するための安
   全装置であつて、前記振子列の長さ方向に沿つて
   配設され前記一部の振子１２，１４の各々に結び
   付けられて該一部の振子１２，１４の過度の枢転
   によつて切断され、切断された時に信号を送り搬
   送装置を停止させる導線４６が電気的に直列に接
   続されている安全回路と、エネルギー蓄積ばね１
   ３８と、該ばねを待機位置に保持するフツク機構
   １４８，１５０と、前記各一部の振子１２，１４
   に１個づつ連結した複数の切断装置とを有する安
   全装置を備え、前記フツク機構１４８，１５０
   は、一部の振子１２，１４の過度の揺動軌道内に
   位置するプレート１５８を有し、前記一部の振子
   １２，１４が過度に枢転して前記プレート１５８
   と衝突した際に、前記フツク機構１４８，１５０
   の保持を解いて前記切断装置を作動させて前記導
   線４６を切断して搬送装置を停止させるよう構成
   したことを特徴とする空中ケーブル等の搬送装
   置。 ３ 前記切断装置は、導線４６が挿通するオリフ
   イス１３２と、該オリフイス１３２と協動する切
   断刃１３４とを備え、前記導線４６の輪１６８を
   前記オリフイス１３２内に挿通させて、この切断
   装置の作動の際に前記切断刃１３４を摺動させて
   前記導線４６の一部を切断するよう構成したこと
   を特徴とする特許請求の範囲第２項記載の空中ケ
   ーブル等の搬送装置。