JPH0129352Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液体クロマトグラフ用溶液供給管取
付装置に関する。

最近になつて、液体クロマトグラフに使用する
充填剤の発達により、少量の充填剤で充分使用す
ることができる充填剤が市販されるようになつて
きている。たとえば、充填剤の層高が２〜５cm程
度で充分必要を満すようになつてきた。ところ
が、従来使用されて来た充填塔は、充填剤の層高
が小くとも15cm以上あるいは、20cm以上のものが
多く使用されて来たため、このような層高の長い
充填剤を使用するように作成されたの充填塔を使
用して、層高の短い充填剤を使用してカラムクロ
マトを行うことは、不可能である。それは、充填
塔に取付けられる溶液供給管がその取付位置を移
動させることができないため、短い層高の充填剤
を充填した場合には、充填剤の上方に、充填塔の
溶液供給管まで、使用する溶液を満しておかなけ
ればならないためである。このような状態で、ク
ロマトグラフをおこなうと、試料溶液や展開溶
液、特に段階的に、あるいは連続的に変化する、
所謂グラジエント方式により展開溶液を供給する
等の場合に、前段の溶液と後続する溶液との間に
溶液の拡散が生じ、得られたクロマトグラフは、
テーリングの大きなものとなる。

本考案は、溶液供給管の取付位置を移動可能に
することにより、従来使用されている長尺の充填
塔を使用して、充填剤の層高の短い充填剤をも使
用できる溶液供給管取付装置の提供をその目的と
するものである。

すなわち、本考案は、上部がスパナ止めの形状
を有し、外側の略全体が雄ネジで形成され、該雄
ネジの下部にＯ−リングを装着するための少くと
も１個の凹部を有し、さらに該雄ネジの下部には
上方の雄ネジより外形が小さい下方雄ネジを形成
し、雄ネジの中心部には全体にわたつて溶液供給
管を挿入するための孔が形成されている溶液供給
管挿入雄ネジと、上記下方雄ネジに嵌合する雌ネ
ジを内壁に形成し、外部下方にはＯ−リングを装
着するための少くとも１個の凹部を有し、雌ネジ
の底部中心には上記雄ネジの中心と同心であつて
該雌ネジを貫通する小孔を有し、雌ネジの底部と
上記下方雄ネジの底部とが、溶液供給管の下端を
挾持するスペースを有する下方雌ネジとからなる
溶液供給管取付装置、をその要旨とするものであ
る。

以下、図面により本考案を説明する。

第１図は、本考案の溶液供給管取付装置を充填
塔に装着した断面図である。

１……Ｏ−リング装着用凹部およびＯ−リン
グ、２……溶液供給管挿入孔、３……溶液供給管
挿入雄ネジ、４……Ｏ−リング装着用凹部および
Ｏ−リング、５……下方雌ネジ、６……溶液供給
管挿入雄ネジを充填塔に固定するためのナツト、
７……ナツトと充填塔とを固定するための袋ナツ
ト、８……ナツトと充填塔とを固定するためのパ
ツキング、９……充填塔。

次に本考案の装置の使用方法について説明す
る。

まず溶液供給管挿入雄ネジ３の下部から、底部
をＴ字型に成型された溶液供給管を溶液供給管挿
入孔２に挿入し、該雄ネジの底部と下方雌ネジの
底部との間に、溶液供給の底部Ｔ字型を挟持する
ように該雄ネジ３と下方雌ネジ５を回転して固定
する。

なお、第１図は、上記雄ネジの底部および下方
雌ネジの底部とを、雄ネジ３に対して水平に作図
してあるが、これは、溶液供給管を固定するため
の一例であつて、たとえば、上記雄ネジ３、下方
雌ネジ５および溶液供給管底部の形状を第４図に
示したように円錐形等にすることも可能である。

このように、上記雄ネジと下方雌ネジとで固定
された本考案の溶液供給管取付装置は、第１図の
１および２等の適当位置にＯ−リングを装着した
のち、充填塔内壁にＯ−リングを摺動させなが
ら、充填塔内の適当位置に挿入する。

一方、充填塔９の上方部分は、パツキング８を
介して袋ナツト７が装着されるようになつてお
り、上記雄ネジを嵌合したナツト６を充填塔内の
適当部分まで挿入し、次いで、ナツト６を回転さ
せて上記雄ネジを充填塔に固定すればよい。

なお、充填塔内の上記下方雌ネジ５を嵌合した
上記雄ネジ３を、充填剤の上端に接するように微
調整するためには、上記雄ネジの上部を、たとえ
ば、スパナ等で押えて、上記ナツト６を回転させ
ればよい。また、第２図および第３図は、上記雄
ネジ３の上部Ａ−Ａ方向の切断図であり、上記雄
ネジ３の上部のスパナ止めの形状を説明する図で
あつて、該形状は、たとえば、第２図や第３図に
示したように、外側の形状が平行、あるいは、そ
の他の特定の形状を有していて、雄ネジ３が、固
定できるような形状を有していればよい。したが
つて、本考案においては、スパナ止めの形状と
は、第２図および第３図等の外側が平行となるご
とき形状にとどまらずナツト６を回転させる際
に、上記雄ネジ３が固定できるような形状をして
いるものを全て意味するものである。

このように構成することによつて、本考案の溶
液供給管取付装置は、充填塔の深部まで溶液供給
管を挿入することができる。

なお、上記雄ネジと下方雌ネジとの間に溶液供
給管の底部を固定する際に、溶液供給管の底部と
下方雌ネジの間に適当なパツキングを挿入ること
が可能である。

また、上記下方雌ネジ５の下部に適当な濾過装
置を設置することにより、充填剤への、各種溶液
からの不純物を除去することができる。

また、本考案の溶液供給管取付装置を、充填塔
の上下に２個設置することも勿論可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の溶液供給管取付装置の断面
図である。第２図および第３図は、Ａ−Ａ方向の
切断図である。第４図は、下方雌ネジおよび溶液
供給管挿入雄ネジの各底部の変形を表す断面図で
ある。 １……Ｏ−リング装着用凹部およびＯ−リン
グ、２……溶液供給管挿入孔、３……溶液供給管
挿入雄ネジ、４……Ｏ−リング装着用凹部および
Ｏ−リング、５……下方雌ネジ、６……溶液供給
管挿入雄ネジを充填塔に固定するためのナツト、
７……ナツトと充填塔とを固定するための袋ナツ
ト、８……ナツトと充填塔とを固定するためのパ
ツキング、９……充填塔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部がスパナ止めの形状を有し、外側の略全体
   が雄ネジで形成され、該雄ネジの下部にＯ−リン
   グを装着するための少くとも１個の凹部を有し、
   さらに該雄ネジの下部には上方の雄ネジより外形
   が小さい下方雄ネジを形成し、雄ネジの中心部に
   は全体にわたつて溶液供給管を挿入するための孔
   が形成されている溶液供給管挿入雄ネジと、上記
   下方雄ネジに嵌合する雌ネジを内壁に形成し、外
   部下方にはＯ−リングを装着するための少くとも
   １個の凹部を有し、雌ネジの底部中心には上記雄
   ネジの中心と同心であつて該雌ネジを貫通する小
   孔を有し、雌ネジの底部と上記下方雄ネジの底部
   とが、溶液供給管の下端を挾持するスペースを有
   する下方雌ネジとからなる溶液供給管取付装置。