JPH0129120Y2

JPH0129120Y2 -

Info

Publication number: JPH0129120Y2
Application number: JP1981140124U
Authority: JP
Priority date: 1981-09-21
Filing date: 1981-09-21
Publication date: 1989-09-05
Also published as: JPS5845068U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、高度な意匠性を表現可能とする転写
紙に関るものである。

従来、転写紙としては、意匠性、装飾性等を高
めるべく種々のものが開発され、提案されてい
る。

例えば、金属光沢を現出するために転写層にア
ルミニウム蒸着膜を組み入れること、或は、基材
フイルムの表面にキズを入れることにより転写製
品の表面に変化を持たせること、更には又、基材
フイルムとしてマツト基材を使用して転写製品の
表面の艷や光沢を変化させること等の試みがなさ
れている。

しかしながらこれらの試みは、いずれも、表面
の状態を工夫したものであり、色彩の変化等を表
現する手段にはいたつていないものである。ま
た、例えば印刷等による色彩表現も行なわれてい
るが、微細な表現を行なう所までは到つていない
ものであり、末だ充分満足し得る転写製品を得る
ことができないものであるというのが実状であ
る。

本考案者は、新たな意匠性、装飾性等を有する
転写紙を作るべく鋭意研究の結果、あらかじめ印
刷された着色層を機械操作により一部をとりさ
り、その後、上記の着色層の色彩と異なる色彩の
着色層を印刷等の手段によつて設ける事により微
細でシヤープな色変化を有する転写製品を供給し
得る転写紙を見出して本考案を完成したものであ
る。

以下に上記の本考案について図面をあげて更に
詳しく説明する。

まず、本考案の転写紙の構成について説明する
と、本考案のの転写紙は、第１図乃至第３図に示
すように、基材フイルム１の片面に、該フイルム
１と剥離可能な透明離型層２、着色層３を順次に
設け（第１図）、更に、上記の着色層３をとおし
て透明離型層２まで達する条痕模様４を刻設して
該着色層３と透明離型層２の一部を除去し（第２
図）、かつ、条痕模様４を含む全面に上記の着色
層３の色彩と異なる色彩からなる熱接着性着色層
５を設けた構成からなるものである（第３図）。

而して、上記の構成からなる本考案の転写紙を
使用して転写製品を得る方法について説明する
と、第４図に示すように、被転写材料１０の表面
に上記の転写紙Ａの接着性着色層５の面を重ね合
わせ、しかる後その両者を加熱ロール或は加熱板
等を使用して加熱加圧し、次いで転写紙Ａの基材
フイルム１を剥離することによつて、転写紙Ａの
透明離型層２、着色層３および熱接着性着色層５
からなる転写部Ｐを被転写材料１上に転写して転
写製品を生成するものである。

而して、本考案に係る転写紙において、基材フ
イルムとしては、転写する時にかかる温度と圧に
耐えられるフイルムであれば、いずれでも良く、
例えば、紙、セロハン、ポリエステルフイルム、
ポリプロピレンフイルム、その他等が使用でき、
用途により任意に選ぶことができる。

尚、本考案において上記のフイルムは、その表
面がマツト化処理されているものでもよい。

次に又上記の本考案において上記のフイルムと
剥離可能な透明離型層としては、基材フイルムと
の剥離が良好な樹脂、例えば、各種のハードレジ
ン、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ア
クリル系樹脂、各種ゴム系樹脂、各種ビニル系樹
脂等の１種ないし２種以上をビヒクルとし、これ
に任意の添加剤を添加し、溶剤・希釈剤等で充分
混練してなる組成物をロールコート、グラビアコ
ート、その他等の通常のコーテイング方式でコー
トして形成することができる。

或は、上記にあげた樹脂のフイルムないしシー
トを接着剤、その他等で積層して形成することが
できる。

而して、本考案において、上記の透明離型層の
厚さとしては、約１ないし4μ位が好ましい。

次に又、上記の本考案において、着色層として
は、通常のインキないし塗料組成物を使用し、こ
れを印刷ないしコーテイングして形成することが
できる。

本考案において、着色層３と熱接着性着色層５
を形成する場合には、それぞれ色彩の異なる組成
物を使用することによつて形成することができ
る。

又、本考案において、熱接着性着色層５を形成
する場合には、インキないし塗料組成物を構成す
るビヒクルとして、例えば、被転写材料に対し熱
接着性に富むビヒクルを選択して使用することに
よつて形成することができる。

上記において、インキないし塗料組成物として
は、通常のインキないし塗料用ビヒクルに有機な
いし無機系の染料又は顔料等の着色剤を添加し、
更に、例えば、可塑性、安定性、ワツクス・グリ
ース、乾燥剤、補助乾燥剤、硬化剤、増粘剤、分
散剤、充填剤等の公知の添加剤を任意に添加し
て、溶剤・希釈剤等で充分混練してなるインキな
いし塗料組成物等を使用することができる。

上記のインキないし塗料組成物において、ビヒ
クルとしては、公知のもの例えば、アマニ油、大
豆油、合成乾性油等の各種の油脂類、ロジン、コ
パールダンマル、硬化ロジン、ロジンエステル又
は重合ロジン等の天然樹脂および加工樹脂類、ロ
ジン変性フエノール樹脂、100％フエノール樹脂、
マレイン酸樹脂、アルキツド樹脂、石油系樹脂、
ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキツド樹脂等の
合成樹脂類、ニトロセルロース、エチルセルロー
ス等の繊維素誘導体、塩化ゴム、環化ゴム等のゴ
ム誘導体、その他、膠、カゼイン、デキストリン
等を使用することができる。

尚、本考案において、熱接着性着色層５は、例
えば、下地着色層を形成すること等によつて、２
ないしそれ以上からなる層構成のものとしてもよ
い。

尚、上記着色層３，５の厚さとしては１ないし
10μ位が好ましい。

尚、本考案において熱接着性着色層の熱接着性
とは、被転写材料に対する熱接着性を意味するも
のである。

次に又、上記において条痕模様について説明す
ると、かかる条痕模様は、例えば、ヘアーライン
加工、スクラツチ加工、サンドプラスト加工等に
よつて形成することができる。

本考案において条痕模様の条痕の深さとして
は、例えば、２ないし12μで良く、この深さによ
り、転写紙の意匠性を変えることができる。

以上の説明で明らかなように、本考案において
は、着色層３を通しつ透明離型層２に達する条痕
模様４を刻設して、該着色層３と透明離型層２の
一部を除去し、その除去した部分に上記の着色層
３の色彩と異なる色彩の着色層を埋設するもので
ある。

従つて、本考案においては、２種の着色層の色
彩の相違によつて条痕模様を表現し、かつ、透明
離型層を介して透視するものであるから、極めて
意匠性、装飾性に富むものである。また、両着色
層の色の組合せを選択することによつて種々の色
彩模様を表現することができる。

さらに条痕模様の深さを種々変化させることに
よつて条痕模様内部に充填される着色層の厚みを
種々変化させ、それによつて濃淡のある条痕模様
を表現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図および第３図は、本考案の転写
紙の構成を示す概略的断面図、第４図は、本考案
の転写紙を使用して転写状態の転写紙の構成を示
す断面図である。１……基材フイルム、２……透明離型層、３…
…着色層、４……条痕模様、５……熱接着性着色
層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

基材フイルムの片面に、該フイルムと剥離可能
な透明離型層および着色層を順に設け、更に該着
色層をとおして上記の透明離型層まで達する条痕
模様を刻設し、かつ該条痕模様を含む全面に上記
の着色層の色彩と異なる色彩からなる印刷ないし
コーテイングによつて形成した熱接着性着色層を
設けてなる転写紙。