JPH0128279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は気化器に関し、もつと詳しくは、気化
器本体内に形成された吸気道に、その吸気道にお
ける吸気流量を制御するための蝶型弁を配設した
気化器に関する。

このような気化器では、蝶型弁の回動軸と、そ
の回動軸を軸支する軸受孔との間隙から、吸気道
内に塵埃が侵入することを防止するために、従来
からフエルト等から成るパツキンを前記回動軸に
関連して設けるようにしている。しかしながらこ
のような先行技術では、前記パツキンと前記回動
軸との摩擦接触力が比較的大であつて、回動軸の
作動上不都合となる。また、軽量化を図るため
に、このような気化器が樹脂によつて形成される
場合、すなわち前記回動軸が樹脂によつて形成さ
れる場合には、前記摩擦接触力によつて前記回動
軸が摩耗損傷を受けるおそれがある。

本件考案は、前記回動軸に関連する軸受部分の
構造に特徴を有し、上述のようなパツキンを用い
なくとも確実な防塵を行うことができ、しかもそ
れによつて部品点数を減ずることができる気化器
を提供することである。

以下、図面によつて本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案の一実施例の正面図であり、第
２図は第１図の要部を切欠いて示す断面図であ
る。これらの図面で示される気化器１は、たとえ
ば芝刈り機用エンジンに用いられる気化器であつ
て、合成樹脂によつてそれぞれ軽量に形成された
気化器本体２とフロート室３とを含む。気化器本
体２は、合成樹脂によつてこの気化器本体２と一
体的に形成されたブラケツト４を有し、このブラ
ケツト４によつて、気化器１は取付け体５にねじ
止め固定される。なお、取付け体５は、気化器１
を前記エンジンに連結するための連結手段であ
る。また、フロート室３には、合成樹脂によつて
このフロート室３と一体的に形成され、このフロ
ート室３を気化器本体２に着脱自在に係止するた
めの爪部６が設けられている。

気化器本体２内には、吸気道７が形成されてお
り、その吸気道７の上流側および下流側には、そ
の吸気道７における吸気流量を制御するための蝶
型のチヨーク弁８及びスツトル弁９がそれぞれ配
設されている。チヨーク弁８およびスロツトル弁
９の各回動軸１０，１１において、気化器本体２
の外表面から突出する部分には、チヨーク弁８お
よびスロツトル弁９を開閉駆動するためのチヨー
クレバー１２およびスロツトルレバー１３がそれ
ぞれ形成されている。なお、これらのチヨーク弁
８、スロツトル弁９、回動軸１０，１１、チヨー
クレバー１２およびスロツトルレバー１３もま
た、気化器本体２およびフロート室３と同様合成
樹脂によつて軽量に形成されている。このように
して構成されるチヨーク弁８およびスロツトル弁
９によつて、吸気道７における吸気流量が制御さ
れ、その吸気流量に対応して吸気道７のベンチユ
リ部１４に開口された燃料ノズル１５から燃料が
吐出される。なお、燃料ノズル１５には、吸気道
７の上流側に開口された空気通路１６からの空気
を前記吐出燃料中に混合するためのエアブリード
管１７が接続されている。

第３図は第２図の切断面線−から見た断面
図であり、第４図は第３図の破線−で示され
る部分の拡大図である。チヨーク弁８の回動軸１
０は、吸気道７に連通して気化器本体外表面に開
口された軸受孔１８に、気化器本体外方から挿通
されて軸支されている。回動軸１０における前記
挿通方向の先端部１０ａは、吸気道の内面壁に形
成された凹部１９に遊嵌されて支承される。凹部
１９は、その底面１９ａが、吸気道７における凹
部１９よりも上流側の内面壁２０と面一、もしく
は吸気道７の内方に位置するように形成されてい
る。

軸受孔１８における気化器本体外方の開口部２
１のまわりには、環状の溝２２が形成される。す
なわち気化器本体外表面における開口部２１付近
は、内筒部分３０ａおよび外筒部分３０ｂから成
る二重円筒状に形成されている。回動軸１０にお
いて、開口部２１から気化器本体外方に突出する
部分には、溝２２に遊嵌される環状の突起２３が
形成される。すなわち突起２３は、回動軸１０と
同一軸線を有する短円筒状に形成されている。こ
のような突起２３は、前述のチヨークレバー１２
とともに、合成樹脂によつて回動軸１８と一体的
に形成されている。溝２２および突起２３間、な
らびに軸受孔１８および回動軸１０間の各間隙２
４ａ，２４ｂによつて、吸気道７から気化器本体
外方に連なつて形成される大気連通路２４は、吸
気道７から気化器本体外方に向けて、漸次拡開す
るように形成されている。また、前記大気連通路
２４の途中、すなわち突起２３の遊端部と溝２２
の底部との間には、後述するように気化器本体外
方から吸引された塵埃が、吸気道７内に侵入する
ことを抑制するための塵埃溜２５が形成されてい
る。

このようにして形成された気化器１において
は、前記大気連通路２４における軸受孔１８の開
口部２１付近が、環状の溝２２と環状の突起２３
とによつて迷路、すなわち間隙２４ａ付近が屈曲
した通路に形成されているので、塵埃がその間隙
２４ａを経て吸気道７内に侵入することはない。
また、大気連通路２４は、吸気道７から気化器本
体外方に向けて漸次拡開するよう形成されている
ので、吸気道７が負圧状態になることに起因して
大気連通路２４に発生する空気流の流速は、気化
器本体外方に向かうにつれて緩慢となり、応じて
塵埃が大気連通路２４を介して吸気道７内に吸引
されることは可及的に防止される。さらに大気連
通路２４の途中には塵埃溜２５が形成されている
ので、塵埃が仮りに大気連通路２４を介して吸引
されたとしても、その吸引された塵埃は塵埃溜２
５に貯留されることになり、塵埃が間隙２４ｂ内
に侵入して回動軸１０の作動に悪影響を及ぼすこ
ともない。

以上のような防塵構造は、上述の実施例ではチ
ヨーク弁８の回動軸１０に関連してのみ説明した
が、スロツトル弁の回動軸１１に関連しても実施
され、吸気道に蝶型弁を配設するようにした気化
器に関連して広く実施することが可能である。

以上のように本考案によれば、簡単な構造で確
実な防塵を行うことができ、さらに先行技術のよ
うにパツキン等を用いなくてもよいので、部品点
数を減らして簡単な構成とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は
第１図の要部を切欠いて示す断面図、第３図は第
２図の切断面線−から見た断面図、第４図は
第３図の破線−で示される部分の拡大図であ
る。 主要部分の符号の説明、１……気化器、２……
気化器本体、７……吸気道、８……チヨーク弁、
９…スロツトル弁、１０，１１……回動軸、１８
……軸受孔、２２……環状の溝、２３……環状の
突起、２４ａ，２４ｂ……間隙、２４……大気連
通路、２５……塵埃溜。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 気化器本体内に形成された吸気道に、その吸
   気道における吸気流量を制御するための蝶型弁
   を配設した気化器であつて、前記蝶型弁の回動
   軸は、前記吸気道に連通して気化器本体外表面
   に開口された軸受孔に挿通軸支され、その軸受
   孔の開口部周りには環状の溝が形成され、前記
   回動軸における気化器本体外方に突出する部分
   には前記環状の溝に遊嵌される環状の突起が形
   成されることを特徴とする気化器。 (2) 前記環状の溝および前記環状の突起間、なら
   びに前記軸受孔および回動軸間の各間隙によつ
   て、前記吸気道から気化器本体外方に連なつて
   形成される大気連通路は、前記吸気道から前記
   気化器本体外方に向けて漸次拡開するように形
   成されることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の気化器。 (3) 前記大気連通路の途中には、その大気連通路
   を介して気化器本体外方から吸引された塵埃が
   吸気道内に侵入することを抑制するための塵埃
   溜を形成したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第２項記載の気化器。