JPH0128122B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は織物または他の材料に対するボタンの
装着を容易にする装置に関する。

昭和47年８月５日付A.O. Hoefleの米国特許第
2605943号記載のボタン装着装置、および昭和53
年９月５日付、Arnold R. Boneの米国特許第
4111347号に記載されているボタン装着装置は周
知である。しかしながらこれらボタン装着装置は
種々の点において不十分である。一般的に言つて
前記装置は糸通しが困難であり、作業の信頼性が
低く、非効率的であり、また著しく複雑でありか
つその製作費が高い。ボタン装着付属装置の最近
の改良は昭和55年３月２日付、Donald R.
Davidson他の米国特許第145939号（米国特許第
4316562号）、“ボタン装着工具”および同じく
Donald R. Davidson他の別のシンガー所有米国
特願“ボタン貯蔵室を有するボタン装着工具”
（米国特許第4296698号）に記載されている。前記
特願のボタン装着付属装置によれば在来装置の有
する欠陥はある程度除去され、さらにこのような
設計は在来のものに比して特に構造の簡単なかつ
安価なボタン縫付け装置を供することによつて改
良される。

本発明によればボタン装着装置は基礎と、該基
礎から突出する１対の針にして、使用時に一つの
材料層およびこの材料に装着すべきボタンの孔を
貫通する針とを有している。糸の輪は各孔のめど
を通つて延びかつその端部が針に対して固定され
るようになつている。前記各糸輪は材料およびボ
タン孔を通る時につぶされる。前記糸は単数また
は複数の天然繊維あるいは単数または複数のプラ
スチツク繊維によつて形成される。前記基礎の上
には針を囲繞するようにエラストマ材料が設けら
れ、このエラストマ材料はボタンを装着すべき材
料と係合するようになつている。前記エラストマ
材料は、ボタンを装着すべき材料に圧力を加える
ことによつて圧縮され、かつ膨張した時に前記材
料を上昇せしめ、かつボタンの上方において前記
糸がつぶれた糸輪を開き、ボタン装着用糸束を受
入れるようになつている。

次に添付図面によつて本発明の実施例を説明す
る。

第１図から第８図において参照数字10は本発明
によるボタン縫付け装置を表わし、この装置は基
礎１２と、止めねじ１８，１９または他の適当な
態様で基礎に装着された１対の針１４，１６とを
有している。前記針１４，１６は糸のゆるい輪を
担持し、該糸輪は針のめどを通つて延び、かつそ
の端部は装置の基礎の近くにおいて針に装着され
ている。図示の如く針１４は糸２０を担持し、こ
の糸はめど２２を通つて延びかつその端部２４，
２６はクリンプリング３０によつて針に装着され
ている。針１６は糸３２を担持し、この糸はめど
３４を通つて延びかつその端部は針１４に装着さ
れた糸２０の端部と同様に針に装着されている。
針１４の片側にはまつすぐな糸受入れ溝１５が形
成され、該溝はめど２２から針の底部１７に延び
ている。針１６も同様な糸受入れ溝を有してい
る。針１４，１６のまわりにはエラストマ材料３
６が配置され、かつ接着剤等によつて基礎１２に
装着されている。

各糸２０，３２は柔軟な材料よりなる単数また
は複数の繊維によつて形成され、それぞれ糸２
０，３２によつて形成された輪３８，４０が容易
につぶれるようにされている。前記繊維はプラス
チツクまたは天然繊維となすことができる。前記
エラストマ材料３６は指圧によつて圧縮すること
ができかつ釈放した時に原形に復帰し得るような
海綿状ゴム、ポリウレタン プラスチツクまたは
他の材料によつて形成することができる。

ボタン縫付け装置１０は作業員が先ず針１４，
１６を通して布４４を押圧し、かつ実質的にエラ
ストマ材料３６に対する位置にくるようになすこ
とによつてボタン４２を布４４の層に装着するた
めに使用される。針を通して布を押下げる時に糸
２０，３２は布を通る。糸は強く引かれかつ輪３
８，４０は閉じられる（第３図）。糸２０は針１
４の片側において溝１５に入り、かつ糸３２は針
１６の同様な溝に入る。針を通して布を押下げた
後、ボタン４２はその孔４６，４８が針１４，１
６と整合するように配置され、かつ針を通して布
に達するまで押下げられる。ボタンは指圧を加え
ることによつて布に対して押下げられ、エラスト
マ材料３６を圧縮するようにし（第４図）、かつ
次にこれを釈放する（第５図）。指圧を釈放すれ
ばエラストマ材料はその原形まで膨張し、かつ布
が上向きに移動することによつて糸２０，３２内
に輪３８，４０が開く。この糸輪は主として溝側
と相対する針の側部だけにおいて開く。その理由
は糸は溝の中に残る傾向があるからである。

糸輪３８，４０が開きかつボタン４２が布の上
にある間に、糸の束５０が糸輪に通され、かつこ
の糸輪の中に一時的に保持される（第６図）。次
に布４４およびボタン４２が片手によつて針１
４，１６から引離され、一方基礎１２が他の手に
よつて保持され、このプロセスが行われる時に糸
輪３８，４０を通つて延びる糸束５０がボタン４
２内の孔４６，４８および布４４を通して引かれ
る（第７図）。ボタンおよび布を装置１０から取
外した後、糸束の端部を結んで結び目５２を形成
し、ボタンが恒久的に布に装着されるようにし
（第８図）、次にゆるんだ懸垂糸の端部を切断す
る。

前述の如き装置の動作は第９図に示されたよう
な構造の取外しレバーを設けることによつて簡単
にすることができ、この場合今までに説明した部
分と対応する部分は同じ参照数字にダツシユを付
することによつて表わされている。第９図に示さ
れた構造においては装置１０′は糸輪形成糸２
０′，３２′を担持する針１４′，１６′と、エラス
トマ材料３６′に対する支持基礎５４とを有して
いる。支持基礎５４はトラニオン５６，５８を備
え、取外しレバー６０はピンン６２上に枢動自在
に装架されている。取外しレバーはその一端に設
けられたハンドル６４により、相対する端部を図
示の位置に動かすことができ、この位置において
は針１４′，１６′はレバー内の溝孔６８′を通つ
て延び、かつエラストマ材料３６がレバーと係合
する。この取外しレバーはなおハンドル６４によ
り、端部６６が針の上方に上昇する位置に動かす
ことができる。

第９図に示された構造は前述の装置１０と同じ
態様で使用される。しかしながらボタンを装着す
べき布およびボタンは、レバー６０の端部６６が
エラストマ材料３６′に対して位置している間に
針に通される。ボタンに圧力を加えればエラスト
マ材料が圧縮され、次いで圧力を釈放すれば糸２
０′，３２′にそれぞれ輪３８′，４０′が形成され
る。この糸輪に糸束を通しかつハンドルを作動し
てボタンおよび材料を針から持上げる。ボタンお
よび材料を手によつて装置から取外し、この時糸
輪から引出された糸束を結び、ボタンが布に恒久
的に装着されるようにする。

本発明の好適な実施例に関する上記の説明は例
証的なものであつて本発明を制限するものではな
い。以上に説明した構造は特許請求の範囲内にお
いて種々の変型を行い得ることは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるボタン縫付け装置の透視
図、第２図は本装置の針を通る面上における垂直
断面図；第３図は本装置の針に対する定位置にお
ける織物層を示す透視図；第４図は本装置の透視
図で、圧緒可能材料に対して織物をボタンと共に
押下げた状態を示す。第５図は第４図と同様な図
であるが、釈放されたボタンおよび織物を示す。
第６図は第５図と同様な図であるが、装置上の糸
輪に通した糸束を示す。第７図は装置から取外し
つつある織物およびボタンを示す。第８図は装置
から取外した後におけるボタンおよび織物を示す
拡大透視図；第９図は手動取外しレバーを備える
ように変型された装置の透視図である。 図において１０はボタン縫付け装置、１２は基
礎、１４，１６は針、２０は糸、３２は糸、３６
はエラストマ、４２はボタン、４４は布である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ボタン縫付け装置において、基礎と、該基礎
   から突出する１対の針にして、使用時に一つの材
   料層を貫通しかつ該材料に装着すべきボタンの孔
   を通つて延びる針と、各針のめどを通つて延びか
   つ前記針に対して固定された端部を有する糸のゆ
   るい輪にして、前記糸が前記材料によつて前記針
   に対する定位置に動かされ、該材料が針に対して
   下降する時に閉じられるようになつた糸輪と、前
   記基礎上に設けられたエラストマ材料にして、ボ
   タンが針に対して押下げられた後に、該ボタンに
   加えられる圧力により、前記材料の下に圧縮さ
   れ、かつ材料を上昇させるために圧力を除去した
   時に膨張し、それによつてボタン上の糸輪を開い
   て糸束を受入れるようにするエラストマ材料とを
   有することを特徴とするボタン縫付け装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け装
   置において、前記糸の端部が針の上に固定される
   ようになつているボタン縫付け装置。 ３ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け装
   置において、各針の上にリングが設けられ、該リ
   ングの中に前記糸の端部が装着されるようになつ
   ているボタン縫付け装置。 ４ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け装
   置において、前記圧縮可能エラストマ材料が海綿
   状ゴムであるボタン縫付け装置。 ５ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け装
   置において、前記圧縮可能エラストマ材料がポリ
   ウレタンプラスチツクであるボタン縫付け装置。 ６ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け装
   置において、前記糸がプラスチツク繊維であるボ
   タン縫付け装置。 ７ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け装
   置において、前記糸が複数のプラスチツク繊維よ
   りなつているボタン縫付け装置。 ８ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け装
   置において、前記糸が天然繊維であるボタン縫付
   け装置。 ９ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け装
   置において、前記糸が複数の天然繊維よりなつて
   いるボタン縫付け装置。 １０ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け
   装置において、各針の上にリングが設けられ、該
   リングが針のまわりと、この針の上の糸輪の端部
   の上とにクリンプされ、それによつて前記糸端を
   針に装着するようになつているボタン縫付け装
   置。 １１ 特許請求の範囲第１項記載のボタン縫付け
   装置において、各針の片側に縦方向に延びる溝が
   形成され、前記糸を保持すると共に、前記圧縮可
   能材料が膨張する時に、前記糸輪を主として針の
   相対する側において開くようになつているボタン
   縫付け装置。