JPH01280012A - 耐熱性に優れたポリビニルアルコール系繊維およびその製造法 - Google Patents

耐熱性に優れたポリビニルアルコール系繊維およびその製造法

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JPH01280012A
JPH01280012A JP10583488A JP10583488A JPH01280012A JP H01280012 A JPH01280012 A JP H01280012A JP 10583488 A JP10583488 A JP 10583488A JP 10583488 A JP10583488 A JP 10583488A JP H01280012 A JPH01280012 A JP H01280012A
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zone
load
polyvinyl alcohol
fibers
heat treatment
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Toshio Kunugi
功刀 利夫
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は耐熱性に優れた高弾性率・高強度ボリビニルア
ルコール(以下PVAと略す)系繊維およびその製造法
に関するものであり、特に産業資材用および複合材の強
化用に適したPVAfR維を得ようとするものである。
〔従来の技術〕
近年、高弾性率・高強力繊維に関する研究は目覚ましく
、アラミド繊維やボリアリレート繊維に代表される新規
ポリマーに関する開発と、ポリエチレンやPVA等の汎
用ポリマーを用いた紡糸技術の開発に分類される。特に
検者のPVA系繊維に関しては、高分子i原料ポリマー
を用いたゲル紡糸法(特開昭59−130314号)お
よび乾湿式法による繊維(特開昭60−126311号
等)に関して多くの改良がなされてきているが、これら
の発明においては、特殊な高分子量原料ポリマーを用い
たり、有機溶剤系の特殊な紡糸方法により、必ずしも安
価で工業的に使用できる可能性のある材料とはいえなか
った。また耐熱性の点でも十分とはいえず、自ずとその
用途が限定されるものであった。
〔本発明が解決しようとする問題点〕 一般にPVA系繊維は主としてロープ、網、帆布、ゴム
補強等の産業資材に利用され、それらの分野では単に高
弾性率高強度だけでなく耐熱性も要求される。しかし、
一般にポリエチレン繊維やPVA系繊維はガラス転移温
度や融点が低く、たとえ弾性率や強度が向上してもアラ
ミド繊維やボリアリレート繊維に対しては耐熱性の点で
対抗しうるものではなかった。特に摩擦等によって局所
的に発熱するような魚網用等のロープや硬化時の発熱が
激しいFRPの補強材等の用途に使用されるには強度・
弾性率だけでなく耐熱性をも改良されることが強く要求
されていた。
以上のような現状に鑑み、本発明者は鋭意研究した結果
、PVA系繊維の高次構造を十分制御することにより本
目的を満足させることを見出し、本発明に到ったもので
ある。またそのような高次構造が制御された繊維は工業
的に製造可能なPVA系紡糸原糸を用い、特に延伸−熱
処理工程において特殊な工夫を行うことによって容易に
炸裂することが可能であることを見出した。該延伸−熱
処理工程とはゾーン延伸−ゾーン熱処理といわれるもの
であシ、広く熱可塑性樹脂一般に関する基本技術につい
ては本発明者がその製法の特ff侑を有するものである
(特公昭60−24852−1 ) 。PVA系高分子
材料に関して局所的な加熱延伸によって高弾性率高強度
の材料を得ようとする研究は、古くはZhurkovら
(S、N、Zhurkov et、 al、、 Dok
l、 Akad。
Nauk、 5SSR,186,132(1969) 
−)によって報告されているが、そこKはPVA系繊維
に関する記述はなく、またゾーン熱処理に関する思想も
見出されない。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、 「(1)  平均重合度1500以上のポリビニルアル
コール系ポリマーから成り、以下(イ)〜(ホ)の条件
を満足する耐熱性に優れたポリビニルアルコール系繊維
(イ)粘弾性測定より求めた損失圧切tanδの半価@
Btが70℃以上、 (ロ)  10KHzの音波の伝播速度Cが8.0KI
l/sec以上、 (ハ) X線回折より求めた結晶化度Xcが75φ以上
、 に)熱分析より求めた結晶の融解開始温度T1が235
℃以上、 (ホ)粘弾性測定より求めた200°Cと20゛Cの引
張弾性率の比E200/E20が0.30以上、(2)
  平均重合度1500以上のポリビニルアルコール系
紡糸原糸を、まず70〜140℃で0.5〜0.3kF
/−の荷重下で少なくとも1回周囲から局所的に加熱す
る方法でゾーン延伸を行い、その後該延伸糸を160〜
260℃で10〜50kf/−の荷重下で少なくとも1
回周囲から局所的に加熱する方法でゾーン熱処理を行う
ことを特徴とする耐熱性に優れたポリビニルアルコール
系繊維の製造法。
(8)平均重合度1500以上のポリビニルアルコール
系紡糸原糸を、200〜260℃の高温雰囲気下におい
てはじめに3呻/−以下の低荷重下で周囲から局所的に
加熱する方法でゾーン四屏にい 延伸した後同温度下で徐々に荷重を加えていき、最終的
には25〜50kg/mm2高荷重下で周囲から局所的
に刀口熱する方法でゾーン熱処理することを特徴とする
耐熱性に優れたポリビニルアルコール系繊維の製造法。
」 に関するものである。
以下本発明の内容をさらに詳細に説明する。
まず、不発明において目的とする新規なPVA系繊維は
室温において1.90pa(16,3y/d )以上の
高強度と5sGPa(500f/d)以上ノ高弾性率を
有すると同時に潰れた耐熱性を有することが特に具体的
には、本発明で目的とする繊維は、fJl、維本来の特
性を表現するのに最も適しているといわれている粘弾性
測定より求めた引張弾性率(ヤング率)の200°Cに
おける値E200が、室温(20℃)での値E20に対
して30%以上、好ましくは35チ以上の保持率を有す
るという従来0PVA系繊維にはない高温特性を有する
ものである。E200/E20が0.3に満たない場合
には前述の目的とする用途分野での使用が難しく、新規
性に乏しい。
かかる高性能のPVA系llt維を得るには特殊な加熱
延伸−熱処理等の方法により、高度に制御されたff1
IJ!の高次構造を形成せしめることが必須であり、非
晶と結晶とから形成される望ましい高次構造とは、概念
的には次に挙げるものである。
(1)  分子鎖は繊維軸方向に可能な限シ配向してい
ること。
(2)結晶の割合いが多り、シかもより完全な結晶に近
づいていること。
そして、これらの高次構造がどの程度制御されたもので
なければならないか、該高次構造を表現するのに最も適
した測定によって得られた代表的なパラメータで示され
る。
まず、繊維の分子配向に対しては、従来より偏光顕微鏡
による複屈折がパラメータとして使用されてきた。しか
し、本発明で得られるような高配向繊維では白化してい
る場合が多く、その測定は困難で誤差が含まれ易い。そ
れに対し、音波の伝播速度すなわち音速Cは分子鎖の配
向や弾性率と相関があることは理論的にもまた実験的に
も裏付けられており、いかなる繊維に対しても測定が容
易で、分子配向のパラメータとしては最適である。
本発明で目的とする繊維はtOK)(zの音速Cが8、
0 h / sec以上、好ましくは8.5 Kn /
 see以上の高配向のものでなければならず、一般の
製法で得られる従来の繊維の音速は8.0 h / s
ecよりはるかに低く、かかる繊維はガラス転移tiA
度以上の高温での弾性率等の低下が犬きくて、目的とす
る耐熱性が得られない。
また、本発明で目的とする耐熱性を得るには全体の分子
鎖の配向と同時に、特に非晶鎖が十分に配向し、その分
子運動性が拘束されている必要がある。非晶分子鎖の運
動性を表現するパラメータとして、動的粘弾性測定より
得られる損失圧切tanδがよく知られている。一般に
、合成繊維の製造において、延伸倍率を上げて分子配向
を進めることによって、ガラス転移温度における分子鎖
の運動に対応するtanδのピーク温度(Tα)は上昇
し、ピーク値は低下し、ピーク曲線は全体にブロードに
変化してくる。該ピーク曲線は非晶鎖の運動性の分布を
示していると考えられておυ、測定条件の影響を受は易
いtanδのピーク値よりもピーク曲線のブロードさの
目安としての半価幅Btで表現する方が適格である。本
発明で目的とする耐熱性および高弾性率・高強度を発現
せしめるにはBtが70℃以上、好ましくは80℃以上
の高度に非晶鎖の運動性が拘束され九状態になってい々
ければならず、Btが70℃より小さい、すなわち、よ
りシャープなtanδのピーク曲線を示す場合にはα転
移点(ガラス転移点)付近の温度以上で急激な弾性率の
低下が生じる。
つぎに、本発明で目的とするPVA系轍帷の高次構造の
必須の要件として、結晶の割合いが多いことが挙げられ
る。結晶の割合いに関しては結晶化度Xcというパラメ
ータがちシ、一般には広角X線回折より求められる。本
発明で目的とする愼雄はXcが75チ以上、好ましくは
78−以上という高度の結晶化度を達成している必要が
あり、通常の製法では65〜70%という低い値しか得
られず、本発明で目的とする高弾性率高強度で耐熱性に
優れ九繊維は得られない。一方、一般には密度測定より
繊維の結晶化度を測定することもよく行われているが、
本発明による繊維は白化し、ボイドが発生している可能
性のある場合もあり、適当な方法とはいえない。また赤
外吸収スペクトル法も水分の影響を受けやすく、不適当
である。
本発明による新規なPVA系繊維は、これまで述べてき
たような繊維の高次構造が十分に制御されたものである
必要がおり、その結晶に関しても量だけでなく質の制御
も重要である。特に耐熱性に直接関係するパラメータと
しては、X線回折による結晶サイズよりも熱分析におけ
る結晶融解挙動がi要であfi、DSC測定による吸熱
曲線のピーク温度Tmをもって特定されるPVAfi維
に関する発明(特開昭62−282015号)も知られ
ている。しかし、本発明者は、該融解曲線も繊維中の各
種結晶の融点の分布を示すものであり、特に本発明で目
的とする耐熱性に関してはTmではなくて融解開始温度
T1が重要であることを見出した。すなわち、II維中
の結晶には分子鎖末端や分岐やからみ等に起因すると考
えられる各種欠陥が存在し、結晶の完全度に対応した融
点を有していると考えられるが、高温におけるもdの性
能低下が激しく生じるのは、最も欠陥が多くて不完全な
結晶が最初に融解する温度からであり、かかる理由から
、TmよりもむしろT1が重要である。JIS K71
21には融解開始点として吸熱曲線の接線とベースライ
ンとの交点をTimとして定められているが、本発明に
おいては、あくまで融解が開始される温度がii要であ
るので、吸熱曲線とベースラインとの接点をT1と定め
、本発明で目的とする?jt熱性を満足するにはTlが
235℃以上、好ましくは237℃以上でなければなら
ないつ本榮件を満足できなければ、目的とする耐熱性が
期待できない理由は上述の通シである。
次に本発明による前記高次構造が十分に制御された新規
な高性能PVA系繊維を得るための製造方ff1Kつい
て、さらに具体的に説明する。
本発明において原料として用いられるPVA系ポリマー
は一般にポリ酢酸ビニルをケン化することによって得ら
れ、平均重合度1500以上であれば便用可能であるが
、目的とするゾーン延伸、ゾーン熱処理をよ)効果的に
行うには、からみの少ない低濃度原液から紡糸できると
いう点で好ましくは3500以上、さらに好ましくは5
000以上の平均重合度のPVAが使用されるべきであ
る。該PVAのケン化度は特に限定はないができる限シ
完全ケン化に近い方が好ましい。その他タクティシティ
、1,2グリコール結合量についても特に限定はないが
、特に高温でジメチルスルホキシド(以下DMSDと略
す)等の他性溶媒に溶解させる時の分解を防止する上で
は、1.2グリコ一ル結合量はできる限シ少ない方がよ
い。その他目的に応じて他のビニル化合物との共重合や
ブレンドを行うことも可能であり、ホウ酸などの酸等を
添加することも可能である。
PVA系繊維は一般に適当な溶剤に溶解され、口金より
押出されて、乾式、湿式、または乾湿式のいずれかの方
法によって紡糸されるが本発明によるPVA系繊維の紡
糸方法は特に限定されるものではない。また用いられる
溶剤としては水、グリセリン、エチレングリコール等の
ポリオール、DMSDおよびそれらの混合溶媒を挙げる
ことができる。原液の濃度は平均重合度および紡糸方法
によって制限され、湿式または乾湿式法においては平均
重合度1700で10〜20w峠、5000で6〜l 
5 wt%、15000で2〜10 wt慢が好ましい
。また湿式または乾湿式紡糸法においては口金から押出
された後通過する一浴の種類や温度によって固化した直
後の状態が異なる。工業的に生産されているPVA繊維
は高温の水溶液からボウ晶を含む水溶液に吐出された時
点で激しく凝固が生じるが、特開昭60−126311
号に示されているDMSO溶液からメタノールの一浴中
に落す方法は凝固反応がゆるやかで、均一で透明な糸が
得られ、本発明にとっては好ましい方法である。また特
開昭59−130314号に示されているグリセリン溶
液からパラフィンの一浴中に落す方法は温度低下による
ゲル化のみで凝固反応は併わず、さらにゆっくりとメタ
ノールで溶媒を抽出していく方法であり、本発明にとっ
てはさらに好ましい方法であるといえる。特開昭62−
223316号に示されるDMSO/水混合溶媒を用い
た原液からメタノール、アセトン等の一浴に落す方法は
ゲル化と凝固が同時に生じていると考えられ、前二者の
中間的な紡糸方法であるがいずれも本発明において採用
しうる紡糸方法である。その他原液にホウ酸を添加し、
PVAと弱い架橋反応を生じさせたり、−浴にアルカリ
浴を用いることによって吐出と同時にゲル化反応を生じ
させるととも行われているが、これらの方法も本発明に
おいて採用することができる。これらの紡糸工程におけ
る紡糸ドラフトは通常0.1〜3.0倍を採用すること
ができるが低ドラフトの方が好ましい。紡糸後溶媒抽出
・乾燥が行われるがその過程で必要に応じて湿延伸工程
を入れることも可能である。湿延伸倍率は1.0−10
.0倍が好ましく、特に湿延伸によって紡糸工程で生じ
た結晶核を破壊する点で有効となる場合もある。
本発明においてゾーン延伸・ゾーン熱処理によって有効
な高次構造を発現させるためには延伸に供する原糸の構
造もf[要であシ、特に原糸の段階では結晶化度はでき
る限り低い方が好ましく、乾燥温度が重要であり、13
0℃以下で処理されることが好ましい。また分子鎖のか
らみが少ない方が好ましく、七のためには前述の平均重
合度、濃度、紡糸方法を適当に選択する必要がある。
本発明において目的とする高次#4aを発現せしめるゾ
ーン延伸、ゾーン熱処理方法は基本的には特公昭60−
24852号に示されているが、特にPVA系繊維に応
用する上での条件は、まず70〜140℃で0.5〜3
.0吟/−の荷重下で必要に応じて複数回周囲から局所
的に加熱する方法でゾーン延伸を行い、その後160〜
260℃でlO〜so1w/−の荷重下で必要に応じて
複数回周囲から局所的に加熱するゾーン熱処理を行うか
、はじめから200〜260℃の高温雰曲気下において
で徐々に荷重を加えていき、最終的には25〜50kF
/−〇間荷重下で周囲から局所的に加熱する方法で熱処
理することである。ゾーン延伸・熱処理を行う装置は引
張試験機のクロスベットにリング状またはコ字型の加熱
炉を取付けたものであシ、その詳細は特公昭60−24
852号および高分子論文集、 Vol、38,45.
 pi)301−306(1981)等に条 述べられている。その特徴は極めて小さいエネルギーで
延伸・熱処理が行えることであり、・分子鎖の逆方向へ
のback folding  を阻止して伸び切シ鎖
結晶の割合いを増大させることができる。さらには、他
の浴延伸や熱風炉延伸に比べて高温にさらされる時間が
極めて少なく、繊維を形成するポリマー自体の熱分解を
防止する上で極めて有効である。さらに、延伸・熱処理
を窒素ガス等の雰囲気下で行い、酸化劣化を防止する等
の技術は必要に応じ採用することも可能である。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明による新規なゾーン延伸・ゾー
ン熱処理プロセスによって得られたPVA系繊維は、工
業材料用質材として好ましい、極めて特徴的な繊維の鳩
次構造金有しておシ、七の結果室温での引張強度が1.
9 GPa以上、弾性率が53GPa以上という高強度
高弾性率の0徴に加えて、200℃という高温での弾性
率の保持率が室温の値に比べて30チ以上という極めて
優れた耐熱性を有する新規な高性能繊維である。したが
って、広くロープ、網、帆布、ゴム補強用繊維、セメン
ト補強用fjlfa等の用途に利用できるだけでなく、
従来のPVA系繊維では応用できなかったFRP用補強
材、オートクレーブ養生セメント補強材や特に摩擦発熱
が生じfすいロープ等の新規分野にも利用できるもので
ある。
〔実施例〕
以下実施例を挙げて本発明の効果を具体的に説明する。
なお、本例中の6穏の物性値、パラメータは以下の方法
で測定されたものである。
ィ)PVAの重合度 JiS  K6726に準じ、30゛Cの水溶液の憔限
粘度〔η〕の測定愼よ9次式によって算出したlog 
 PA= 1.63 Jog ([η)XI  O’/
8.29 )口)引張強伸度、弾性率 、rls  L1013に準じ、予め調湿された#R雄
を試技4anで変形速度100饅/分、初張力0.25
7/dの条件で破断強伸度および初期弾性率を米め、5
点以上の平均値を採用した。デニールは重f法より求め
た。
ハ)粘弾性 ■オリエンチック製レオパイブロンDI)V−1fiを
用い、室温から230°Cまでの単繊維の動的粘弾性測
定より貯蔵弾性率および損失圧切tanδを求めた。繊
維の断面積は電子顕微鏡によって測定し、昇温過程の伸
長に伴う試料係数の補正を行った。昇温速度は3℃/m
in、測定周波数は110Hzであった。
二)熱分析 パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC−2C型を
用い、窒素ガス雰囲気下昇温速度り0℃/分で、室温か
ら280゛Cまでの測定を行い、得られた結晶融解に伴
う吸熱曲線とベースラインとの接点より融解開始温度T
1を求めた。温度および融解熱はインジワムにより較正
した。
ホ) 音速 ■オリエンチック製パルス式直読粘弾性測定器DDV−
5B型を用い、室温に16ける繊維軸に沿ったIQKH
zの音波の速度Cを測定した。
へ>  XH回折 理学1!磯■裂広角X線回折装置RAL)−γC型を用
イ、線mとり、て401(V、10QmAのCuKの線
を使用し、グラファイトモノクロメータ−とンンテレー
ションカウンターを使用した。スリット系はDS 2w
φ、 ss 0.5度、R80,15W (D 装2 
条gを採用した。試料を76rpm で回転させながら
、スキャン角変2θ=5〜35度に対し1.0度/分の
スキャン速度で透過法【より測定した。得られた回折曲
線をジョンノンの方法(A、M、H1nde leh、
 l) 。
J、Johnson、Polymer、 11.666
(1970) 、 )でコンピュータ解析し、結晶化度
Xcを算出し念。
実施例1.2および比較例1.2 平均重合度12000、ケン化度99,9%のPVAを
所定量グリセリンに200℃で溶解して8重量−の原液
を調整し、180℃に下げて脱泡した。
該原液をノズル径Q、 5 rmの単ホールノズルより
押出L、30mのエアギャップを通過後15℃ノメタノ
ール/グリセリン=7/3重量比からなる一浴中に落下
させ、乾湿式法にて紡糸した。その後順次メタノールの
組成を高めた浴を通過させ、最終的には定長で巻取った
ままメタノール浴に浸漬し、完全に溶剤を抽出さぞ&f
f1120℃の熱風乾燥語中で乾燥した。得られた原糸
は330デニールで、真円の透明な糸であり、溶媒残存
率はり、1重量%以下であった。つぎに該原糸を、引張
試験磯のクロスベントに取付けられた通過幅2雛のコの
字型加熱炉を炉速4鴎/分の速度で上昇させてゾーン延
伸・ゾーン熱処理した。まず該原糸を1.2kf/−の
荷重下で230℃でゾーン延伸した(比較例1)。つづ
いて該延伸糸を25kl/−の高荷重下で210℃でゾ
ーン熱処理した(実施例1)。さらに該熱処理系をもう
一度30kf/−の荷重をかけて230℃で熱処理した
(実施例2)。
得られ念繊維はいずれも20デニ一ル程度であり、特に
熱処理系は白化していた。これらの繊維の引張特性を第
1表に、また繊維の高次構造パラメーターを第2表に示
す。これらの表には現在市販されているPVA系繊維で
最も高強力といわれている銘柄を入手し、実施例と同様
の性能測定および高次構造パラメータの測定を行った結
果を比較例2として併せて示す。ただし、比較例2の引
張特性の値はヤーンのままの測定結果である。本発明に
よる高性能PVA愼維の製造プロセスでの中間製品とで
もいえるゾーン延伸のみを行った比較例1は、従来のP
VA系Ili雄である比較例2に比べてかなり高弾性率
・高強度を示す高性能なtRRではあるが、さらに本発
明の特徴とするゾーン熱処理を加えることによって強度
や弾性率は犬q−=に向上し、強度は従来の表示方法で
いうと2 Q y / d(2,33GPa)に匹適す
るようになった。さらには200℃という高温において
も弾性率の低下は少なく、従来の繊維では得られない優
れた耐熱性を有している。一方、市販の高強力P V 
A 繊維も高温における弾性率の低下は少なく、その保
持率E200/E20は0.3を越えるものであるが、
弾性率の、辿対値が低いので耐熱性繊維としての使用に
耐えるものではない。第1図には実施例2および比較例
1によって得られた線維の動的粘弾性の測定結果を示す
。本発9jにより、ゾーン延伸を行った置さらにゾーン
熱処理を施すことにより、弾性率が大幅に向上すると共
に高温における弾性率の低下が少なくなり、また損失上
!;rJtanδ のピークがブロードになって非晶の
分子運動性が拘束されていることを明確に示している。
第2図には実施例2で得られた繊維の広角X +蝕回折
図を示す。図中5は測定による全体のX線散乱強度であ
シ、6はコンピューター解析から求めら几た非晶部の散
乱強度である。両者の差である結晶部の散乱強度が多い
ことが明確である。第3図は熱分析測定による結晶M解
の吸熱曲線である。図中8で示される比較例2の市販高
強力カビロンに比べて、7で示される実施例2によって
得られた繊維の融点(ピークトップ)はわずかに上昇し
ているのみであるが、非常にシャープな融解曲線を示し
、内部に欠陥を含む不完全な低温で融解する結晶の割合
いが少なく、耐熱性に優れていることを示している。
実施例3および比較例3 平均ffi合ff 4500−  ’;r > 化ut
 99.9 fa op V Aを所定量ジメチルスル
ホキシドに100℃で9時間溶解して12重量−の原液
をd)4iiL、so℃にて紡糸した。使用ノズルは直
径0.12■で20ホールであ)、25諺のエアギャッ
プを通過後メタノール/ジメチルスルホキシド=75/
25重量比からなる一浴中に落下させる乾湿式法を採用
した。
その後順次メタノールの組成を高め念浴を通過させ、完
全に溶剤を抽出させた後90℃の熱風炉を通過させて乾
燥した。つぎに得られた真円で透明な原糸を実施例1と
同様の方法でゾーン延伸およびゾーン熱処理を行った(
実施例3)。ゾーン延伸の条件は炉ff1120℃荷重
1.7陽/−であり、ゾーン熱処理は炉温220℃荷’
!20kf/−で実施した後さらに240℃、30kf
/−で行い、22・10℃で2段の連続乾熱延伸を行っ
た(比較例3)。全延伸倍率は18倍であった。得られ
た延伸糸はいずれも白化しており、約4デニールの太さ
であった。これらの#J1!維の引張特性を第1表に、
また繊維の高次構造パラメータを第2表に示す。
本発明による実施例3で得られた繊維は、通常の延伸方
法である比1!12例3で得られた繊維に比べて旨強度
高弾性率であり、特に弾性率は理論弾性率(286GP
a)にかなり近づいた驚くべき値を示した。また高温に
おける弾性率の低下も少なく本発明で必須とする繊維の
高次構造が、十分制御されたものであって、優れた耐熱
性を有している。
以下余白
【図面の簡単な説明】
第1図は動的粘弾性測定より得られた貯蔵弾性率E′お
よび損失玉切tanδと温度の関係を示すグラフであり
、第1図中1および3は実施例2.2および4は比較例
1によって得られた繊維の測定値である。第2図は広角
X線測定より得られた回折図である。第2図中5は実施
例2によって得ら九た繊細の散乱強度、6はコンピュー
タ解析から求められた非晶の散乱強度である。第3図は
熱分析測定より得られた結晶融解による吸熱曲線である
。 第3図中7は実施例2.8は比較例2の繊維についての
測定結果である。 特吐出願人巧木利夫 第1図 0        100         フ00T
11:間P、(’c’) 第2図 e

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)平均重合度1500以上のポリビニルアルコール
    系ポリマーから成り、以下(イ)〜(ホ)の条件を満足
    する耐熱性に優れたポリビニルアルコール系繊維。 (イ)粘弾性測定より求めた損失正切tanδの半価幅
    Btが70℃以上、 (ロ)10KHzの音波の伝播速度Cが8.0Km/s
    ec以上、 (ハ)X線回折より求めた結晶化度Xcが75%以上、 (ニ)熱分析より求めた結晶の融解開始T_1が235
    ℃以上、 (ホ)粘弾性測定より求めた200℃と20℃の引張弾
    性率の比E200/E20が0.30以上、(2)平均
    重合度1500以上のポリビニルアルコール系紡糸原糸
    を、まず70〜140℃で0.5〜0.3kg/mm^
    2の荷重下で少なくとも1回周囲から局所的に加熱する
    方法でゾーン延伸を行い、その後該延伸糸を、160〜
    260℃で10〜50kg/mm^2荷重下で少なくと
    も1回周囲から局所的に加熱する方法でゾーン熱処理を
    行うことを特徴とする耐熱性に優れたポリビニルアルコ
    ール系繊織の製造法。 (8)平均重合度1500以上のポリビニルアルコール
    系紡糸原糸を、200〜260℃の高温雰囲気下におい
    てはじめに3kg/mm^2以下の低荷重下で周囲から
    局所的に加熱する方法でゾーン延伸した後200〜26
    0℃の温度で下で徐々に荷重を加えていき、最終的には
    25〜50kg/mm^2の高荷重下で周囲から局所的
    に加熱する方法でゾーン熱処理することを特徴とする耐
    熱性に優れたポリビニルアルコール系繊維の製造法。
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