JPH0127226B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、建築物の屋根等に積もる雪を安全容
易に除去するようにした屋根の除雪装置に関する
ものである。

（従来の技術） 積雪地域の雪による被害は莫大である。中で
も、家屋等の建築物上の雪害は大きく、積雪によ
り建築物が倒壊したり、雪降ろしのために屋根の
上に登つた人が滑り落ちたり、また落ちてきた雪
により通行人が怪我をするといつた事故が相次い
で起こつている。しかも住民達にとつて冬の間、
屋根の上に登り雪を降ろす作業は、手間と時間の
かかる作業となり、このため経済的、時間的損失
は莫大なものとなつている。このような現状と背
景として、安全かつ簡便な方法で雪降ろしのでき
る除雪装置が求められていた。

従来の除雪装置としては、屋根に電熱ヒータや
温水パイプ等の雪を加熱する装置を設置して、雪
を溶かして流し落すもの、屋根の上から水又は温
水を流下させ、それと一緒に雪を流すもの、ある
いは雪を掃き落す装置を屋根に設置して機械的に
除雪するもの等があるが、雪を流し落すものは、
傾斜した屋根にしか用いることができず、また雪
を溶かすために大きなエネルギーを必要とし、あ
まり経済的でなかつた。また、雪を掃き落すもの
は、機構が大掛かりになつたり、また簡単な機構
のものは信頼性に問題があつた。さらに、雪の降
らない夏には、従来の除雪装置は何の役にもたた
ず、しかも屋根の外観を損なつていた。

（発明の目的） 本発明は、上記従来技術の問題点を解決するこ
とを目的とし、積雪時には雪を安全容易に除去す
ることができ、不必要な時は簡便に収納すること
ができ、さらに夏等の日照りの強い季節には日除
けとしても使用することができ、装着時にも外観
が見苦しくなく、しかも構成が簡単で、経済的な
屋根の除雪装置を提供するものである。

（発明の構成） 上記目的を達成するために、本発明の除雪装置
は、屋根の両端部に、一方の軒先から棟部を通つ
て他方の軒先まで連続して設置された一対の端部
支持部と、前記一対の端部支持部の中間に配置さ
れた少なくとも一組の中間支持部材と、前記一対
の端部支持部に両端が摺動自在に支持され、端部
支持部間の屋根部全体を覆うように一方の軒先か
ら棟部を通つて他方の軒先まで連続して設置され
た屈曲可能な可動面部材と、この可動面部材を一
方の軒先から他方の軒先方向へ、またはその逆方
向へ移動させるための駆動手段と、両軒下部に設
けられ、移動してきた可動面部材を収納するため
の収納部とから構成され、可動面部材上に雪が積
もつた場合、その可動面部材を軒下収納部へ移動
させて雪を除去する。

（実施例） 以下図面を参照して実施例を詳細に説明する。
第１図は、本発明の一実施例を示したもので、第
２図は、第１図の断面を示している。１は切妻屋
根を有する家屋、２はその屋根の両端部に、一方
の軒先から棟部を通つて他方の軒先まで連続して
設置された一対の端部支持部で、例えばレール等
からなつている。３は一対の端部支持部２の中
間、即ち、屋根の中程に設けられた、例えば一連
のローラからなる中間支持部材、４は一対の端部
支持部２に両端が摺動自在に支持され、また、中
程は前記中間支持部材３で支持され、端部支持部
間の屋根部全体を覆うように一方の軒先から棟部
を通つて他方の軒先まで連続して設置された、例
えばシヤツター様の折り曲げ可能な可動面部材、
５は両軒下部に配置された収納部で、移動してき
た可動面部材４を丸めて収納する。なお、図示し
ていないが、収納部５の巻芯を回転駆動し、可動
面部材４を一方の軒先から他方の軒先方向へ、ま
たはその逆方向へ移動させる駆動手段を備えてい
る。

このような構成において、降雪が可動面部材４
上に積もつた場合、適宜駆動手段を動作させて可
動面部材４を一方の軒先から他方の軒先方向へ、
またはその逆方向へ移動させることにより、収納
部５へ巻き込まれた可動面部材４の上の雪は除雪
されることになる。

特に、屋根全体を連続した可動面部材４で覆つ
ているから、片面ずつ覆つて除雪時に個々に開閉
する従来構成のもののようにその開閉時に屋根面
が露出して雪が降り込むということがなく、除雪
作業中の故障が少なくなる利点がある。

この可動面部材４を移動させることによる除雪
を自動的に行なうために、可動面部材４上の一部
に圧力センサまたは超音波センサ等による積雪セ
ンサを設け、この積雪センサによりその上の積雪
量を検出し、一定の積雪量に達する毎に可動面部
材４を移動させて除雪するように構成することも
できる。

なお、可動面部材４は途中で２つに分離できる
ようにしておき、除雪の必要がないときは、それ
ぞれ軒下の収納部５に収納しておくようにする。
また、可動面部材４は、実施例のようなシヤツタ
ー構造のものに限らず、可撓性のある丈夫なシー
トで構成してもよい。さらに、夏場等の日照りの
強いときは、屋根面を可動面部材で覆つて日除け
として利用することもできる。

実施例では、切妻屋根を有する家屋に設置した
例を示したが、屋根面が水平な陸屋根にも適用で
きることは言うまでもない。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、屋根上
の積雪を安全容易に除去することができ、また、
不必要なときは、軒下に簡便に収納でき、さらに
は日照りの強い季節の日除けとしても利用でき、
外観上も見苦しくなく、しかも構成が簡単で経済
的な屋根の除雪装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の斜視図、第２図
は、同断面図である。 １……家屋、２……端部支持部、３……中間支
持部材、４……可動面部材、５……収納部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 屋根の両端部に、一方の軒先から棟部を通つ
   て他方の軒先まで連続して設置された一対の端部
   支持部２と、 前記一対の端部支持部２の中間に配置された少
   なくとも一組の中間支持部材３と、 前記一対の端部支持部２に両端が摺動自在に支
   持され、端部支持部間の屋根部全体を覆うように
   一方の軒先から棟部を通つて他方の軒先まで連続
   して設置された屈曲可能な可動面部材４と、 前記可動面部材４を一方の軒先から他方の軒先
   方向へ、またはその逆方向へ移動させるための駆
   動手段と、 両軒下部に設けられ、移動してきた前記可動面
   部材４を収納するための収納部５と、 からなり、前記可動面部材４を軒下収納部へ移動
   させることにより、その上に積もつた雪を除去す
   ることを特徴とする屋根の除雪装置。