JPH0126432B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、バルブに関し、特に、双方向性の流
体シール手段を有するバルブに関する。

〔従来技術〕

従来、バタフライバルブと称し、米国特許第
2987072号明細書に示されるように、バルブボデ
イと、流れの中に回転可能に配設された流体シー
ル部材とを備えたバルブは知られている。

更に、バルブボデイの内部流路を形成する管壁
内の環状溝内に配置された弾性シール部材がバル
ブデイスクが弁閉状態にあるとき、このデイスク
を取り囲んでその外周辺と係合して流体を閉止さ
せることも、前記特許明細書中に示されている。

他の例としては、米国特許第3771763号明細書
に流体圧力シールリング、ないしは、弾性手段を
備えたバタフライバルブが示されている。しかし
ながら、このような従来のバルブ閉止手段は、
「オイル・アンド・ガス・ジヤーナル」誌の1978
年７月17日版上に、ジエームス・アジナロによる
「フアイヤ・セーフ・バルブ概論」と題する項に
論究されている通り、「フアイヤ・セーフ」バル
ブとして用をなしていないときは、これらの従来
のシール構造はバルブの動作中を通じて弾性シー
ルの過度の変位を含んでおり、この弾性シールの
シール面の損傷を早めて、結局、このバルブを通
る流体の漏洩を引起こす原因となつていた。

したがつて、他のバルブ同様「フアイヤ・セー
フ」バルブに適用されるシール構造について望ま
しくは、シールの損傷を招くことを最小限にして
バルブの機能低下を早めないことである。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、改良されたバルブの流体シー
ル要素を提供することにある。

また、別の目的は、バタフライ弁に用いる流体
シール要素を提供することにある。

更に、他の目的は、バルブボデイ内に設けた断
面三角形状の環状溝に、反りを有するシールリン
グを一対嵌入したシール手段を提供するものであ
る。このシールリングは、上記三角形状の溝のそ
れぞれの内部隅部に面したリングの外端縁を持つ
と共に、一方、凹んだ面の側は上記溝の各隣接壁
と空間を有している。

〔実施例〕

第１図において、符号２で示すのは本発明バタ
フライバルブの側断面図を示し、バルブボデイ４
およびこのボデイの中央通孔５内に配設したバル
ブデイスク６とを具備している。

バルブボデイ４は、流路を形成する長手状パイ
プ１２，１４を各接続するためのありふれたフラ
ンジ８と１０との間にサンドイツチ状態とされ
る。上記バルブデイスク６は、バルブボデイ４の
シリンダ状の壁を貫いて設けたステム１６に取り
付けられている。このステム１６は、パツキンリ
ング１８およびステム１６を液密にシールするグ
ランドナツト（図示しない）と共に作動するよう
にしてもよい。バルブデイスク６は、固定手段と
してよく知られているピン２０のような適当な手
段でステム１６に取り付けられる。該ステム１６
の下端部２２は、バルブボデイ４の壁部内に延設
したピボツト２４に支持されている。

バタフライバルブ２の構造および動作のこれ以
上の説明は、本発明を十分理解する上で必要はな
いであろう。本発明の具体例として示したシール
リング２６は、バルブボデイ４の中央通孔５を画
成している壁３０内の環状溝２８の中に配設して
ある。

上記溝２８は上記壁３０内の溝とカバープレー
ト３４とにより形成され、断面が多角形状をな
す。上記溝２８の幾分変更した拡大断面図を第３
図〜第５図に示し、本発明により改良されたシー
ルリングの各実施例を説明する。

第３図を参照し、ここにはバルブシールと共
に、本発明の三角断面を有する溝２８を示すバル
ブボデイ４の部分図を示す。例えば、第３図にお
いて、反り返つた一対のシールリング４０，４２
が配されており、これらリングの外側各端部４
４，４６は三角断面の溝２８の内部各隅部４８，
５０に当接するよう調節されている。

また、リング４０，４２の内端縁５２，５４
は、バルブデイスク６の外周エツジ３２に接触す
るように、開口部５６を出て溝２８から突出して
いる。上記シールリング４０，４２はポリテトラ
フルオロエチレンのような弾性材料で形成しても
よい。シールのための予荷重手段５８は、ガータ
ースプリングまたはＯリングのようなもので、三
角断面の溝２８内の弓状シールリング４０，４２
の各凸面側６０，６２の間に挟まれて配置され
る。

この予荷重手段５８は、シールリング４０，４
２のそれぞれの凸面に予荷重圧を与えるように接
している。他方、シールリング４０，４２の各凹
面６４，６６は三角溝２８の隣り合つた各側壁６
８，７０との間に〓間を設けられ、スリツト開口
５６の各エツジに至つて接触している。

上記予荷重圧は、上記内端縁５２，５４がバル
ブデイスク６の外周エツジ３２に軽く触れる程度
にシールリング４０，４２を延伸、すなわち、平
坦にする。

〔動作〕

バルブ２の閉状態において、上記デイスク６の
エツジ３２の外周、すなわち、上記デイスク６と
上記バルブボデイ４の中央内孔を形成する壁３０
との間を通過する制御流体（図示しない）の流れ
は、上記開口５６より三角断面の溝２８部分へ流
入するに任されている。

この状態では、上記シールリング４０，４２の
うちの一方の、すなわち、上流側のリングの凹お
よび凸面に与えられる上記流入流体の圧力は、上
流側のリングの曲率を変えない。

しかし、上記流入流体の圧力は、上記リング４
０，４２のうちの他方の、すなわち、下流側のリ
ングの凸面側にのみ作用し、リングの曲率を減ら
す、つまり、リングは平坦になり、これによりリ
ングの内端縁と外端縁間の幅は増加、すなわち、
伸張する。シールリングのこの伸張作用は、バル
ブデイスク６の外周エツジ３２に対してシールリ
ングの内端縁にシール力を加える効果が得られ
る。また、三角形状に形成された溝２８の対応隅
部における上記シールリングの外端縁についても
同様となる。例えば、第３図において、左から右
へと流体が流れているとすると、シールリング４
０の方は流体による影響をほとんど受けないが、
シールリング４２は平らにされ、上記隅部５０に
当接する外端縁４６とデイスクエツジ３２の対す
る内端縁５４とに力を及ぼす。

このように、デイスクによる流体閉止は、上記
平らになつたシールリングの内端縁とバルブデイ
スク６との間で形成されるのである。

流体の流れ方向が逆の場合には、逆に、シール
リング４０が平坦にされ、バルブデイスク６の外
周エツジ３２に対してシール作用を及ぼす。

このように、シール作用は、流体の流れに対し
双方向性であり、バルブデイスク６の弁閉状態に
おける流体圧により増強される。

上記予荷重手段は、バルブデイスク６の外周エ
ツジ３２にリングの内端縁５２，５４による最小
のシール力を与えるように機能し、ポリテトラフ
ルオロエチレンのコールドフロー特性によつても
劣化せず、また、流体圧により与えられる自己シ
ール作用とは無関係である。

この最小シール力は、上記シールリング４０，
４２のシールエツジ５２，５４の過剰損耗を防止
すると共に、溝２８内におけるシールリング４
０，４２の位置をあん配する。

第４図は第２の実施例を示し、上記シールリン
グは、例えば、ばね鋼でできた金属リング７２，
７４で形成されており、このリングは、バルブボ
デイ４の壁部３０に設けた変形三角形の溝２８Ａ
に係止され、かつ、予荷重手段５８により予荷重
が係つている。この具体例では、シールリング７
２，７４の内端縁７６，７８はバルブデイスク６
の外周エツジ３２上に係合するように単純に突出
しているのではなく、両者の間に不等辺四辺形断
面の溝ないしは空間８０を形成している。

更に、シールリング７２，７４の端部７６，７
８に近い面同士は、各成形端部７６，７８の間に
上記不等辺四辺形の空間８０を置いて溶接されて
いる。スリツト開口５６Ａには、ここを通つて突
き出ているシールリング７２，７４の上記溶接面
がくるように調整されており、また、第２の溝７
９内には、上記シールリング７２，７４の内端縁
が実質的に内包されるよう該内端縁は形成され
る。シールリング弾性体８２は、上記シールリン
グ７２，７４の端部７６，７８により画成された
空間８０を埋めており、この空間８０から上記溝
７９の外に突出て上記バルブデイスク６の外周エ
ツジ３２に当接している。

このように、ポリテトラフルオロエチレンのご
とき弾性材料からなるシールリング８２の突出端
は、上記バルブ２の通常の動作中、バルブデイス
ク６に対して流体シール作用を与えるよう使われ
ている。

上記不等辺四辺形空間の形状２８に装填されて
いる円曲状金属リング７２，７４の弾力は、第３
図に関連して上記したのと似たような形で圧力流
体により発生するものである。

しかしながら、シールリング７２，７４の溶接
部分において、流体圧力は、第３図の具体例のよ
うにシールリングの一方が他方に対して摺動する
形式よりも、シールリング７２，７４の成形端部
７６，７８を傾げることによりバルブデイスク６
に対して弾力的にシールする効果が得られる。

しかし、このシール作用を得るための変形は、
流体圧力によつてシールリング７２，７４の一方
が平らになる点は同じである。

第４図においては、シールリング７２，７４に
端部７６，７８を持たせることにより、“フアイ
ヤ・セーフ”バルブを提供する。

このバルブ２は過剰なまでの高温に置かれる
と、弾性リング８２の破壊を生じ、その後は、バ
ルブデイスク６の外周エツジ３２を金属タツチで
シールすることとなる。

この条件の下で、弾性リング８２が上記の過剰
高温により溶解すると同時に、圧力流体は、デイ
スク６の外周エツジ３２に対して上記溝７９の外
方にシールリング７２，７４の内端縁７６，７８
を押し出すように働くのである。

このように、本シール構造は、シール手段８２
の欠落に備えて流体シール作用を及ぼす。

また、このシール作用は、“フアイヤ・セーフ”
作用をもたらすために金属タツチであるところに
特徴がある。

次に、第５図に示す第３の実施例について述べ
る。バルブシール手段として、第３図のシールリ
ングのごとき弾性材料からなる凹面側壁９２，９
４を有する“Ｙ”形状固体手段を用いる。

この“Ｙ”手段の腕部分９６，９８に挟まれて
配設した予荷重手段５８の機能は、第３，４図に
関連して同様に説明できるものであり、流体圧力
が三角断面溝２の各隣接壁６８，７０に対して凹
面９２，９４の一方を平らにするよう、“Ｙ”形
状シールリングを変形するととにより発揮され
る。この平らにする作用により、上記スリツト開
口５６の外方へシール手段９０の内端縁１００は
突出て、これにより、バルブデイスク６の外周エ
ツジ３２に対して流体シール作用を確実にする。

以上のごとく、本発明によれば、バタフライバ
ルブに示されるようなバルブ用の流体シール手段
を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のバルブシールの一実施例を
用いたバタフライバルブの部分側断面図、第２図
は、第１図のバタフライバルブの端面図、第３図
は、本発明の第１の実施例のシールリングを示す
第１図のバルブの部分拡大断面図、第４図は、第
２の実施例のシールリングの拡大断面図、第５図
は、第３の実施例のシールリングの拡大断面図で
ある。 ４……バルブボデイ、５……中央通孔、６……
バルブデイスク、１６……ステム、２６……シー
ルリング、２８……溝、３４……カバープレー
ト、４０，４２，７２，７４……シール手段、５
８……予荷重手段、９０……“Ｙ”形状シール手
段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流体に臨んで開口した狭いスリツトを有し、
   断面が多角形の環状溝を有する第１の部材と、 前記環状溝内に配置され、その外端縁は、それ
   ぞれ前記溝内の隅部に位置決めされ、その内端縁
   は、前記スリツトから外部に突き出し、前記外端
   縁と内端縁間の面は、凹面状に湾曲してそれぞれ
   前記溝の側壁面から離間してなるシール部材と、 前記流体の圧力に抗して弁閉位置にあるとき、
   前記シール部材の内端縁に当接する外周辺を有す
   る第２の部材とからなり、 前記弁閉位置においては、前記流体の圧力によ
   り前記シール部材の下流側の凹面状に湾曲した面
   は、前記側壁面に押圧されて延伸し、これに応じ
   て、前記内端縁が、前記スリツトから突き出る流
   体シール手段を有する密閉型バルブ。 ２ 特許請求の範囲第１項において、 シール部材は、一対の弓状シールリングからな
   り、シールリングの凸面側同士は、背中合わせ状
   態で内端縁とスリツトとの接触部から各隅部へと
   広がり、凹面側は、それぞれ側壁面から離間して
   なることを特徴とする密閉型バルブ。