JPH01261229A - 酸化物超電導体とその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体とその製造方法

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JPH01261229A
JPH01261229A JP63089442A JP8944288A JPH01261229A JP H01261229 A JPH01261229 A JP H01261229A JP 63089442 A JP63089442 A JP 63089442A JP 8944288 A JP8944288 A JP 8944288A JP H01261229 A JPH01261229 A JP H01261229A
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oxide superconductor
melt
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mol
alkali metal
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JP63089442A
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English (en)
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Tsuneyuki Kanai
恒行 金井
Teruo Kumagai
熊谷 輝夫
Atsuko Soeda
添田 厚子
Takaaki Suzuki
孝明 鈴木
Kunihiro Maeda
邦裕 前田
Yuichi Kamo
友一 加茂
Shinpei Matsuda
松田 臣平
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、化学量論組成の酸化物超電導体材料の融液か
ら作製した単結晶の酸化物超電導体とその製造方法に関
する。
〔従来の技術〕
従来、超電導材料としては、NbTi、Nb。
SnやN b、G e等の金属間化合物が知られている
。これら金属間化合物の超電導状態が得られる臨界温度
(Tc)は最も高いNb3Geでも23にであり、冷却
には液体ヘリウムを用いることが必要であった。ところ
が、1987年になってYBa2Cu、OX系酸化物は
Tcが約90にと、従来の金属間化合物に比べて飛躍的
に高いことが発見された。この臨界温度は、液体窒素の
沸点である77Kを大きく上まわっており、上記酸化物
超電導体は極めて高価な液体ヘリウムを用いなくても、
安価な液体窒素を用いて冷却し、超電導状態を得ること
ができる。
一般に、この酸化物超電導体は、Y2O3(酸化イツト
リウム)、BaCO2(炭酸バリウム)。
CaO(酸化銅)の粉末をモル比でY:Ba:Cuが1
:2:3の組成になるように配合混合したあと、900
℃前後の温度で数時間仮焼成したあと粉砕し、ペレット
に成形し、950℃前後の温度で数時間焼成することに
よって90に級の超電導体が得られる。このようにして
得られた超電導体は数μm程度の粒径を持ち、<110
>双晶を多数含んだ結晶粒からなる。これは、この材料
が650℃付近に高温和である正方品と低温和である斜
方晶との相変態を持つため、高温からこの温度領域を通
過するときに、両結晶の体積変化分を保障するため双晶
が導入されるのである。
この酸化物超電導体の線材等の実用化が進められている
が、最大の問題点は、■臨界の電流密度(Jc)、即ち
超電導状態を保つ上限の電流密度。
が低いこと、■臨界磁界(He)、即ち、超電導状態を
消すのに要する上限の磁界の強さ、の小さいことである
Jcの低い主な理由は、結晶粒界等不均質部に粒内に比
べて超電導特性(Tc)の低い領域があるためであり、
また、Hcの小さい理由は、Hcの結晶異方性が強く、
結晶の0面に垂直に磁場ヲ加えた場合には、平行に加え
た場合に比べ約115と小さく、ランダムルこ配向した
多結晶体では、磁場に対して0面が平行な向いた粒子の
Hcによって全体のHeが決まってしまうためである。
従って、これらJc、H’cの問題を解決するための手
段の1つとして、酸化物超電導体の単結晶化がある。
従来、この酸化物超電導体の単結晶を作製するために、
Cu Oをフラックスとして用いるフラックス法は、た
とえばジャパニーズジャーナルオブアプライドフィジク
ス26 1987L1645 (Japa−nese 
 Journalof  Applied  Phys
ics  261987  L1645)で検討されて
きた。この方法は、CuOとL n B a2Cu3O
x (ここでLnはYおよび希土類元素を示す)とをC
uO:LnBa2Cu、0x=3 : 1種度のモル比
に混合し、1000℃まで加熱し、約5℃/hの速度で
冷却することにより1mm角程度の大きさの単結晶が得
られることを報告している。このCuOをフラックスと
して用いて製造した単結晶(場合によってはフラックス
としてBaOも同時に用いられる)は、いずれも大きさ
が1mo+角程度と小さく、多くの(110>双晶を含
む単結晶であった。
この方法では、単結晶はCuOブラックス中に成長する
ため、単結晶を固化したフラックス中から取り出すこと
は困難である。更に、単結晶を得る一般的な方法である
ブリッジマン法あるいはフローティングゾーン法(FZ
法)は化学量論組成の原料を用いるため、このフラック
ス法は適用できないという欠点もあった。
一般に、化学量論組成LnBa2Cu3Oxを有する酸
化物超電導体原材料を、1200℃まで加熱して溶融さ
せていくと、液相とL n2B alCu3Ox組成の
固相とに分解し、この融液を5℃/hで冷却させても、
超電導相である酸素欠損型3層ペロブスカイト構造(1
23構造)を有するL n B a2C,u30x組成
の結晶を僅かしか得ることができず、絶縁相(211構
造)を主成分としたものとなり、いわゆる非コングルエ
ンド材料となる。このため、超電導組成が全体の1割程
度しか得られない。また結晶の大きさも50μm程度と
非常に小さい。
従って、単に化学量論組成のL n B a、Cu30
xを溶融冷却しただけでは、結晶も小さく、L n B
 a、、Cu3Ox結晶単相は得られず、フラックス法
と同様に欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、単結晶を得るためにCuOをフラック
スとして結晶を成長させているが、その大きさは1ml
11程度と小さいばかりか、0.2μm程度の間隔で(
110>双晶を無数に含んでおり、真の単結晶は得られ
ていない。また、化学量論組成からは、超電導組成は僅
かしか得られず、ブリッジマン法あるいはFZ法が適用
できないという問題点もあった。
本発明の目的は、化学量論組成の酸化物超電導体材料の
融液から形成した。双晶を含まない単結晶からなる酸化
物超電導体とその製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の酸化物超電導体は
、Yおよび希土類元素から選ばれた少なくとも一種の元
素、Ba、Cuおよび0で構成される化学量論組成L 
n B a、Cu30 xからなる酸化物超電導体原材
料に、アルカリ金属元素群から選ばれた少なくとも1種
の元素を含有させた酸化物超電導体材料の融液を直接凝
固して形成されたものである。
上記酸化物超電導体原材料の化学量論組成LnBa、C
u3Ox中のBaの一部が、0.01〜1モルのアルカ
リ金属元素で置換されたものとすることにより効果的と
なる。
また、上記化学量論組成LnBa、Cu3Oxからなる
酸化物超電導体原材料1モルに、0.01〜10モルの
アルカリ金属塩ABが添加されたものとすることにより
、さらに効果的となる。
そして、上記化学量論組成Ln、Ba2Cu3Ox中の
Baの一部を0.01〜1モルのアルカリ金属元素で置
換した組成比の酸化物超電導体原材料1モルに対し、C
uO/BaC0,の組成比が5/95〜10010モル
1モル範囲内の組成物が、0.01〜10モル添加され
たものとしてもよい。
さらに、上記化学量論組成L n B a2Cu3Ox
からなる酸化物超電導体原材料1モルに対し、CuO/
 B a CO3の組成比を5/95〜10010モル
1モル範囲内とする組成物とアルカリ金属塩ABとの組
成比が、(CuO/BaC0,)/ABに対し99.9
910.01〜50150モル1モル範囲内とする混合
物を、0.01〜10モル添加されたものとしてもよい
次に、本発明の酸化物超電導体の製造方法は、Yおよび
希土類元素から選ばれた少なくとも1種の元素、Ba、
Cuおよび0で構成される化学量論組成LnBa2Cu
3Oxからなる酸化物超電導体原材料に、アルカリ金属
元素群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有させて
酸化物超電導体材料を作製し、この材料を加熱して融液
とし、この融液を直接凝固させる方法である。
そして、上記融液を一方向凝固させるのが効果的である
また、上記融液を直接凝固して線材に加工してもよい。
そして、上記融液中に、この融液温度よりも高い融点を
もち、かつ融液との反応性の低い基板を浸漬し、この基
板面上に酸化物超電導体を成膜させてもよい。
さらに、上記酸化物超電導体材料を1050〜1500
℃の温度範囲内に加熱して融液とし、この融液を1〜b り効果的となる。
次に、本発明の酸化物超電導体を用いた部品としては、
化学!i論組成LnBa2Cu3Oxからなる酸化物超
電導体原材料に、アルカリ金属元素群から選ばれた少な
くとも1種の元素を含有させた酸化物超電導体材料の融
液を直接凝固して形成された酸化物超電導体からなる単
結晶ウェーハに、高密度熱ビームにより電気回路をパタ
ーニングして配線された配線基板がある。
また、上記酸化物超電導体からなる単結晶を大電流用の
スイッチング素子に加工した大電流スイッチング素子が
ある。
〔作用〕
上記のように構成された、本発明の酸化物超電導体にお
いて、Yおよび希土類元素から選ばれた少なくとも一種
の元素、Ba、Cuおよび0で構成される化学量論組成
L n B a、Cu3Oxからなる酸化物超電導体原
材料に、アルカリ金属元素群から選ばれた少なくとも1
種の元素の含有させてL n B az−xAxc u
30 x (Aはアルカリ金属元素を示す)の組成を有
する材料を溶融させて、その融液を直接凝固させると、
添加したアルカリ金属の一部が(123)構造のBaに
置換して、超電導特性を発現する低温相である斜方晶の
単結晶形成を安定化させるとともに結晶成長を著しく促
進させる。また直接凝固させることにより結晶の成長が
促進されたものとなる。
そして、上記化学量論組成LnBa2Cu30x中のB
aの一部が、0.01〜1モルのアルカリ金属で置換さ
れたものとするのがよい、アルカリ金属の置換量が、0
.01モル未満では超電導相である(123)構造が僅
かで、絶縁相(211構造)を主成分としたものとなり
、1モルを越えると超電導特性に移行する臨界温度(T
 c onset)が著しく低下し、さらに、単相では
なくなりアルカリ金属単独あるいは化合物として析出す
るようになる。
また、上記の化学量論組成LnBa、Cu3Oxからな
る酸化物超電導体原材料1モルに、0゜01〜10モル
のアルカリ金属液を添加したものとしてもよい。添加量
が0.01モル未満ではコングルエンド材料とならず、
超電導特性を有する単結晶は得られない。そして、10
モルを超えると融体中に占める(123)組成の割合が
少なすぎ、大きな結晶を得るために必要な溶融液を通し
ての超電導物質の拡散距離が長くなって、大きな結晶と
はなり得ないためである。
そして、上記化学量論組成L n B a、Cu、OX
中のBaの一部を0.01〜1モルのアルカリ金属元素
で置換した組成比の酸化物超電導体材料1モルに対し、
Cu○/ B a Co 3の構成比が5/95〜10
010モル1モル範囲内の組成物が、0.01〜10モ
ル添加されたものとしてよい。
CuO/BaC01の組成比が5/95〜10010モ
ル1モル範囲外では、上記の化学量論組成LnBa2C
u3OxのBaの一部をアルカリ金属に置換したものに
なりにくい。
また、上記化学量論組成L n B a2Cu30 x
からなる酸化物超電導体原材料1モルに対し、CuO/
BaC0,の組成比を5/95〜10゜10モル1モル
範囲内とする組成物とアルカリ金属塩ABとの組成比が
、(Cu O/B a Co3)/ABに対し99.9
910.01〜50150モル1モル範囲内とする混合
物を、0.01〜10モル添加したものとしてよい。上
記のCub/B a CO3の組成比が5/95〜10
010モル1モルの範囲外であっても、あるいは上記の
組成物とアルカリ金属塩ABとの混合物の組成比が(C
u O/ B a Co3) /ABに対し99.99
10.01〜50150モル1モルの範囲外であっても
、あるいは上記混合物の添加量が0.01〜10モルの
範囲外であっても、上記化学量論組成LnBa、Cu3
0x中のBaの一部がアルカリ金属元素に置換されにく
く、超電導特性を有する結晶構造の単結晶になりにくい
次に、本発明の酸化物超電導体の製造方法において、化
学量論組成LnBa、Cu3Oxからなる酸化物超電導
体原材料に、アルカリ金属元素群から選ばれた少なくと
も1種の元素を含有させて酸化物超電導体材料を作製し
、この材料を加熱して融液とすることにより、この融液
は、上記化学量論組成LnBa2Cu3Ox中のBaの
一部がアルカリ金属で置換される組成の融液となる。従
って、この融液を直接凝固させると、添加したアルカリ
金属の一部が(123)構造のBaに置換して、超電導
待遇を発現する単結晶の形成を安定化させるとともに、
直接凝固により結晶成長が促進される。
そして、上記融液を温度勾配をつけて一方向凝固させる
ことによって、方向性を持つ配向した結晶粒を形成させ
る。
また、上記融液を線状に融液を直接凝固することにより
、融液から線材に加工できる。
そして、上記融液中に、この融液温度よりも高い融点を
もち、かつ融液との反応性の低い基板を浸漬し、該基板
面上に酸化物超電導体を成膜させることにより、膜状に
酸化物超電導体を形成できる。
また、上記の酸化物超電導体材料を1050〜1500
℃の温度範囲内に加熱して融液として保持する必要があ
る。1050℃より低い温度では超電導組成の一部は溶
融するが、結晶成長に十分な融液量が得られないので不
適当である。また、1500℃を越えると構成成分であ
るCuO。
Bao等の分解、蒸発が激しくなり、超電導組成からず
れるため、良好な超電導特性を有する単結晶が得られな
い。そして、この融液を1〜300’C/hで冷却する
のが望ましい。この冷却温度が300℃/hより速いと
、結晶が数〜数十μm程度と小さくなり、大きな単結晶
が得られなくなり、また、1℃/hより小さいと長時間
過ぎて工業的生産上好ましくない。
次に、本発明の酸化物超電導体の用途として、請求項1
に記載した酸化物超電導体を用いて、その大径の単結晶
ウェーハに、高密度熱ビームを照射して超電導体を破壊
することによって電気回路をパターニングして配線され
る。
そして、請求項1に記載した酸化物超電導体を用いて、
その単結晶に磁場を加える等によって超電導、常電導間
遷移を励起させて、大電流に対するスイッチングが行え
る。
〔実施例〕
本実施例について、第1図、第2図を用いて説明する。
本発明は、化学量論組成の融液から双晶を含まない大径
の単結晶に育成した酸化物超電導体とその製造方法とそ
の用途に関するものであって、この酸化物超電導体の単
結晶は、Li、Na、K。
Rh、Cs等のアルカリ金属元素を含む融液を適当な冷
却速度で室温まで冷却することによって達成される。
LnBa、Cu3Ox原材料にアルカリ金属元素を含有
させた材料は■化学量論組成を融液とした直接凝固によ
ってLnBa、Cu3Oxの結晶が得られ、コングルエ
ンド材料になること、■融液中からの結晶は著しく大き
く成長し単結晶が容易に得られること、■得られる単結
晶は双晶を含まない結晶であること、がわかった。
アルカリ金属を添加しない通常のLnBa。
Cu 、 Ox組成の原材料を、まだ完全に融液とはな
らない1050’Cまで加熱して冷却した材料のX線回
折結果を第2図に示すが、この半溶融状態でも絶縁相(
211構造)であるY2B aCuO。
が多量に生成し、超電導相(123構造)であるY2B
aCu3Ox相は僅かしか存在しない。ところが、アル
カリ金属を含んだYBaよ、、’Nao、2Cu3Ox
組成の原材料を完全に溶融する1170℃まで加熱し6
°C/hで冷却した場合のX線回折結果が第1図である
が、第2図とは全く異なり、超電導相であるY2B a
 Cu3Oxの結晶(低温和である斜方晶)のみからで
きており、アルカリ金属を含有するものはコングルエン
ド材料になることを示している。また、この単結晶は育
成したままで、低温相である斜方晶となっており、また
双晶は含まれない単結晶であることがわかった。これは
、低温和である斜方晶がアルカリ金属により安定化させ
、融点直下まで斜方晶になっているためと考えられる。
なお、アルカリ金属の原料としては、准化物、塩化物、
フッ化物等の塩類を用いるのが望ましい。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例の詳細について説明する。本発
明はこれらの実施例に限定されない。
第1実施例 原料として、純度99.9%の酸化イツトリウム(Y2
O,) 、炭酸バリウム(B a Co、) 、酸化銅
(Cub)及び純度99.5%の炭酸ナトリウム(N 
a 2 Co、)の粉末を用いた。これらをYBa2−
xNaxcu3Oxなる表記でX=Oからx=1.2に
なるように秤量・混合し、第1表に示す試料番号Nα1
〜5とした。粉末の粉砕・混合はライカイ機で30分行
なった。次にこの混合粉末をアルミするつぼに入れ、酸
素雰囲気中で400℃/hの速度で昇温し、1200℃
で10時間保持したのち、900℃まで6℃/h、90
0 ’Cから室温までは100℃/hで冷却した。
電気炉から取り出したるつぼをハンマーで割り。
単結晶を取り出した。この単結晶の大きさ、双晶の有無
を微分干渉顕微鏡で、結晶相をX線回折から、更に超電
導特性を四端子法を用いて測定した。
その結果を第1表に示す。
第  1  表 x=o、01〜1.0の組成範囲のとき番二不純物相を
含まない大きな単結晶ができ、しかもその超電導特性が
良好であることがわかる。
一方、本発明の組成外の試料番号Nα1及び5は、単結
晶の大きさ、双晶の有無、超電導特性のうちのいずれか
が本発明材よりも劣ることがわかる。
なお、試料の結晶相の123構造はY:Ba:Cu=1
 : 2 : 3となったもので、超電導特性を発現さ
せる化学量論組成の結晶相である。211構造は、Y:
Ba:Cu=2:1:1となったもので、超電導特性を
発現しない結晶相である。
また、超電導特性T’cは、抵抗が零になる臨界温度で
、T c onsetは抵抗が零になりかけた時のTc
を表わす。
第2実施例 第1実施例と同じY、O,、BaC0,、CuO及び純
度99゜9%の炭酸カリウム(K2CO1)を用いて、
Y B a2Cu3Ox組成に対して、K(Co3)。
、、が0〜12モルになるように秤量、混合し、表2に
示す試料番号Nα6〜10とした。
これを第1実施例と同じ方法で、単結晶を育成したあと
、単結晶の大きさ、双晶の有無、超電導特性等について
調べた。その結果を第2表に示す。
第  2  表 YBa、Cu3Oxに0.01〜10モルK(Co、)
。、5を添加したときに、超電導特性の良好な大きな単
結晶が得られることがわかる。
一方、本発明の組成外である試料番号Nα6゜10は結
晶が小さく1本発明材よりも劣る。
第3実施例 原料として実施例1と同じ、Y2O,、BaC0、、C
uO及びNa、Co、を用いた。CuO/BaC0,の
割合を、モル比で5/95〜1O010とし、これをY
 B a、、IIN ao、2Cu3Oxなる組成に対
して0.o1モル〜1′2モル添加した組成物を作り試
料番号Nα11〜15とした。これを第1実施例と同じ
方法で単結晶を育成したあと、単結晶の大きさ、超電導
特性等について述べた。
その結果を第3表に示す。
第  3  表 本発明の組成外である試料番号Nα11,15は、結晶
が小さく、本発明材よりも劣る。
第4実施例 原料として、実施例2と同じY2O,、BaC0、、C
uO及びに2G O,を用いた。CuO/BaC0,の
割合をモル比で5/95〜10010とし、この組成物
に対して、更にK (Co3)。、5を(CuO/Ba
C03)/K (Co3) O−6なる表記に対して9
9.9910.01〜50150モル1モルの割合に配
合して、これをYBa2Cu3Ox組成に対して3〜1
2モル添加した試料を作り、試料番号Nn 16〜2o
とした。これを第1実施例と同じ方法で、単結晶育成し
た。得られた試料について単結晶の大きさ、超電導特性
等について調べた。その結果を第4表に示す。
第  4  表 本発明の組成外である試料番号Nα1.6.20は。
結晶が小さく、本発明材より劣る。
第5実施例 第1実施例と同じY、O,、BaC0,、CuOおよび
N a 2CO3を用いて、 Y B a、、、Ko、
2Cu3Oxとなるように第1実施例と同様の方法で秤
量・混合した。これをアルミするつぼに入れ、02ガス
雰囲気中で950℃、10時間仮焼して123構造とし
、更にライカイ機で30分粉砕した。この粉末をラバー
プレスを用いて、1ton/cm”の圧力で成形し約φ
5X100mmの円柱状成形体を製造した。これを、試
料台が定速で移動し。
更に赤外線を用いた集中加熱方式により、試料の円周部
の一部だけが溶融するように作られた単結晶製造装置の
試料台に取りつけ、単結晶の育成を行なった。育成条件
は次の通りである。雰囲気:02ガス5atm、溶解帯
@:約2mm、試料移動速度1mm/h、溶融部温度:
1200℃、これにより直径3mm、長さ30mmの棒
状試料を得た。この試料はX線的に単結晶であり、更に
四端子法によりTc onset= 95 kを有する
超電導体・材料であることが確認された。
なお、この化学量論組成の融液を温度勾配をつけて一方
向に凝固させることによって方向性を持つ配向した結晶
粒からなる材料も得ることができる。
第6実施例 第5実施例と同じ、組成、工程を経て123結晶構造を
有する粉末を製造した。これをラバープレスを用いて、
1 ton / 0m2の圧力で3X3Ox1mmの大
きさのブロックに成形した。CO2レーザ(出力150
W、スポット径3mm)を、上記試料の端部から1 a
rm / minの速度で走査した。このときの雰囲気
は02ガス中であり、レーザスポット直下の試料は溶融
状態になっていた。得られた試料は粒怪約2mmの結晶
粒からなる多結晶体で、レーザの移動方向に長く伸びた
形状をしていた。
この試料の長平方向に電流を流し、4端子法で臨界電流
密度を77にで測定したところ、1万A/cm”の値が
得られた。
第7実施例 化学量論組成、あるいはフラックス法的に用いたいずれ
の場合でも、この融液よりも高い融点をもち、かつ融液
とあまり、反応しない基板を使用することにより、この
融液中に浸漬し、所定時間保持後とり出すことにより、
酸化物超電導膜も容易に得られる。
更に、この化学量論組成の融液は、たとえばノズル等が
押出すことによって、融液から線材用ファイバを製造す
ることができる。この際、製造条件によって結晶粒径等
が異なってくるのはもちろんである。
以上のように、本発明によれば、化学量論組成の融液か
ら、直接超電導相を出現させることができるので、単結
晶を用いた物性研究は熱論のこと、実用化研究でも不可
欠なものとなる。
第8実施例 化学量論組成を融液とした場合には、ブリッジマン法、
FZ法等によっても単結晶が得られ大口径の単結晶の製
造が可能になる。この大口径単結晶を用いて、たとえば
、超電導体を破壊するようにイオン打込み、あるいはレ
ーザの照射等によって電子回路のパターニングをすれば
、電子回路基板となる。
また、この大口径単結晶は、たとえば磁場を加えること
等によって超電導9常電導遷移を励起させ、スイッチン
グ素子として用いることもできる。
〔発明の効果〕
本発明は、以上説明したように構成されているので、以
下に記載されるような効果を奏する。
化学量論組成LnBa2CuOxの酸化物超電導原材料
にアルカリ金属元素を含有させた材料を溶融させ、その
融液を直接凝固させると、アルカル金属が、超電導特性
を発現する斜方晶の単結晶形成を安定化させるとともに
、直接凝固により結晶成長を著しく促進させるので、粒
径が大きく、双晶のない単結晶の酸化物超電導′体とな
る。
また、上記の化学量論組成LnBa2Cu3Ox中のB
aの一部が0.01〜1モルのアルカリ金属で置換され
た材料とすることにより、超電導相(123構造)の組
成とすることが出来るので、双晶のない大きい単結晶の
酸化物超電導体となる。
そして、上記の化学量論組成LnBa、Cu。
Oxの原材料1モルに、0.01〜10モルのアルカリ
金属塩を添加した材料とすることにより、安定な超電導
相の組成とすることが出来るので、双晶のない大きい単
結晶の酸化物超電導体となる。
そして、上記の化学量論組成L n B a2Cu。
Ox中のBaの一部を0.01〜1モルのアルカリ金属
で置換した組成比の酸化物超電導体材料1モルに対し、
Cu O/ B a CO3の組成比が5/95〜10
010モル1モル範囲内の組成物が、0.01〜10モ
ル添加された材料とすることにより、アルカリ金属添加
の効果が増大し、双晶のない大きな単結晶の酸化物超電
導体が得られる。
さらに、上記の化学量論組成LnBa、Cu30xから
なる酸化物超電導体原材料1モルに対し、Cu O/ 
B a CO2の組成比を5/95〜10010モル1
モル範囲内とする組成物とアルカリ金属塩ABとの組成
比が(Cu○/ B a CO3) /ABに対し99
.9910.01〜50150モル1モル範囲内とする
混合物を、0.01〜10モル添加した組成の材料とす
ることにより、アルカリ金属添加の効果が増大し、双晶
のない大きな単結晶の酸化物超電導体となる。
次に、本発明の製造方法では、化学量論組成LnBa、
Cu3Oxの原材料に、アルカリ金属を含有させて酸化
物超電導体材料を作製し、この材料を融液として直接凝
固させることにより、超電導特性を発現する単結晶の形
成が安定化し、結晶成長が促進されるので、化学量論組
成の融液からも育成できることになり、双晶のない大径
の単結晶の酸化物超電導体を安定して容易に製造するこ
とができる。
そして、上記融液を、温度勾配をつけて一方向凝固させ
ることによって、方向性をもつ配向した結晶粒からなり
、双晶のない大径の単結晶の酸化物超電導体を得ること
が容易にできる。さらに、臨界電流密度の特に大きな酸
化物超電導体を容易に得ることができる。
また、上記融液を直接凝固することにより、融液から酸
化物超電導体の線材を容易に製造することができる。
そして、上記融液中に、この融液温度よりも高い融点を
もち、かつ融液との反応性の低い基板を浸漬し、この基
板面上に成膜させて膜状の酸化物超電導体を形成できる
ので、酸化物超電導体膜を容易に製造することができる
また5上記の酸化物超電導体材料を1050〜1500
”cの温度範囲内に加熱して融液としたものを、1〜b 十分な量の融液が得られ、その融液が十分成長して、双
晶のない大径の単結晶の酸化物超電導体を容易に能率よ
く製造することができる。
次に、本発明の酸化物超電導体の用途では、請求項1に
記載した酸化物超電導体を用いて、その大径の単結晶ウ
ェーハに電気回路をパターニングして配線基板として用
いることができる。
また、請求項1に記載した酸化物超電導体を用いて、そ
の単結晶に電流のスイッチングをさせる大電流スイッチ
ング素子として用いることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明材のX線回折のグラフ、第2図は従来の
X線回折のグラフを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、Yおよび希土類元素から選ばれた少なくとも一種の
    元素、Ba、CuおよびOで構成される化学量論組成L
    nBa_2Cu_3O_x(LnはY又は希土類元素、
    xは6.5〜7を示す)からなる酸化物超電導体原材料
    に、アルカリ金属元素群から選ばれた少なくとも1種の
    元素を含有させた酸化物超電導体材料の融液を直接凝固
    して形成された酸化物超電導体。 2、請求項1において、前記酸化物超電導体原材料の化
    学量論組成LnBa_2Cu_3O_x中のBaの一部
    が、0.01〜1モルのアルカリ金属で置換されたこと
    を特徴とする酸化物超電導体。 3、請求項1において、前記化学量論組成 LnBa_2Cu_3O_xからなる酸化物超電導体原
    材料1モルに、0.01〜10モルのアルカリ金属塩A
    B(Aはアルカリ金属、Bは塩を示す)が添加されたこ
    とを特徴とする酸化物超電導体。 4、請求項1において、前記化学量論組成LnBa_2
    Cu_3O_x中のBaの一部を0.01〜1モルのア
    ルカリ金属元素で置換した組成比の酸化物超電導体原材
    料1モルに対し、CuO/BaCO_3の組成比が5/
    95〜100/0モル/モル範囲内の組成物が、0.0
    1〜10モル添加されたことを特徴とする酸化物超電導
    体。 5、請求項1において、前記化学量論組成 LnBa_2Cu_3O_xからなる酸化物超電導体原
    材料1モルに対し、CuO/BaCO_3の組成比を5
    /95〜100/0モル/モル範囲内とする組成物とア
    ルカリ金属塩ABとの組成比が、(CuO/BaCO_
    3)/ABに対し99.99/0.01〜50/50モ
    ル/モル範囲内とする混合物を、0.01〜10モル添
    加されたことを特徴とする酸化物超電導体。 6、Yおよび希土類元素から選ばれた少なくとも1種の
    元素、Ba、CuおよびOで構成される化学量論組成L
    nBa_2Cu_3O_xからなる酸化物超電導体原材
    料に、アルカリ金属元素群から選ばれた少なくとも1種
    の元素を含有させて酸化物超電導体材料を作製し、該材
    料を加熱して融液とし、該融液を直接凝固させる酸化物
    超電導体の製造方法。 7、請求項6において、前記融液を一方向凝固させるこ
    とを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。 8、請求項6において、前記融液を直接凝固して線材に
    加工することを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。 9、請求項6において、前記融液中に、この融液温度よ
    りも高い融点をもち、かつ融液と反応性の低い基板を浸
    漬し、該基板面上に酸化物超電導体を成膜させることを
    特徴とする酸化物超電導体の製造方法。 10、請求項6において、前記酸化物超電導体材料を1
    050〜1500℃の温度範囲内に加熱して融液とし、
    該融液を1〜300℃/hの冷却速度で冷却させること
    を特徴とする酸化物超電導体の製造方法。 11、請求項1に記載の酸化物超電導体からなる単結晶
    ウェーハに、高密度熱ビームにより電気回路をパターニ
    ングして配線された酸化物超電導体を用いた配線基板。 12、請求項1に記載の酸化物超電導体からなる単結晶
    を大電流用のスイッチング素子に加工した酸化物超電導
    体を用いた大電流用スイッチング素子。
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