JPH0125495B2 - - Google Patents

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JPH0125495B2
JPH0125495B2 JP4719783A JP4719783A JPH0125495B2 JP H0125495 B2 JPH0125495 B2 JP H0125495B2 JP 4719783 A JP4719783 A JP 4719783A JP 4719783 A JP4719783 A JP 4719783A JP H0125495 B2 JPH0125495 B2 JP H0125495B2
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JP
Japan
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laminate
flame retardant
hydroxy
bis
flame
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JP4719783A
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Takeshi Yoshioka
Akira Toko
Akinobu Kusuhara
Naoji Takeda
Tetsuro Tomita
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、耐熱性の優れた熱硬化性樹脂積層板
を製造する方法に関するものであり、詳しくは 一般式 (式中Xはハロゲン原子を示し、mは1〜2、
nは1〜2の整数。R1は炭素数1〜4のアルキ
リデン基またはアルキレン基を示す。) であらわされるハロゲン化ジヒドロキシ化合物(A)
と 一般式 (式中Xはハロゲン原子を示し、lは1〜3の
整数。R2はHまたは炭素数1〜4のアルキル基
を示す。) であらわされるハロゲン化モノグリシジルエーテ
ル(B)とを、A1モルに対してB1〜3モルの割合で
反応させた分子量700〜1400の生成物に、グリコ
ール型ジグリシジルエーテル化合物(C)を、A1モ
ルに対してC0.1〜1.0モルの割合で更に反応させ
た合成樹脂用難燃剤を配合してなる熱硬化性樹脂
組成物を積層板用基材に含浸し、乾燥後加熱加圧
する事を特徴とする積層板の製造方法に関するも
のである。 その目的とするところは、従来公知の合成樹脂
用難燃剤を配合した積層板に見られる熱的に安定
で耐熱性が高いものは耐燃性が低く、逆に耐燃性
が優れるものは耐熱性が低くかつたり、たとえ熱
的に安定であつても製品を着色したり悪臭をつけ
たり、あるいは基材層間の接着力が低くて加工性
が悪かつたりするものが多いのに対し、耐熱性、
加工性が優れ、悪臭、着色性がなく、しかも著し
く耐燃性の優れた熱硬化性樹脂積層板を製造する
方法に関するものである。 石油化学の著しい発展により、これから誘導さ
れる合成樹脂の生産量は膨大なものとなつてきた
が、合成樹脂はその優れた特性を巧みに利用する
ことにより広い範囲に使用され、今後もますます
その用途は広められようとしているが、合成樹脂
は燃え易いという欠点のため厳しい規制がなされ
る様になつてきた。本明細書記載のUL規格もそ
の1つである。ULとは米国アンダーライター
ス・ラボラトリーズ・インコーポレーテツドとい
う公衆安全機関であり、その第94号にプラスチツ
ク材料の燃焼性規格(UL−94)がある。同規格
に定められた難燃性の評価は、難燃性の程度に応
じ94V−0、94V−1、94V−2、94HBの順で
格付けされている。試験方法は、所定寸法の試験
片を5片用意し、該試験片の上端をクランプで止
めて試験片を垂直にセツトし、下端に所定の長さ
のバーナー炎を10秒間あててはなし、試験片の燃
焼時間を測定する。消火したら直ちに再び10秒間
炎をあててはなし、燃焼時間を測定する。5片の
試験の燃焼時間の合計をTとし、最大値をMとす
ると、Tが50秒以下、Mが10秒以下でクランプま
で燃えず、炎のついた溶融物が落下し所定下の木
綿に着火しなければUL94V−0。 Tが250秒以下、Mが30秒以下で、その他はV
−0と同様な条件を満せばUL94V−1。T及び
MがV−1を同様な条件で炎のついた溶融物が落
下し木綿に着火すればUL94V−2。V−0、V
−1、V−2に不合格なものは水平燃焼試験を行
ない、所定の標線前で消火すればUL−94HBと
評価する。世の中の動向として難燃性に対する要
求は年毎に厳しくなり、現時点に於いては大半の
ものがUL94V−0を要求するようになつてきた。
これに対し合成樹脂の難燃化はハロゲン化合物、
リン化合物、窒素化合物あるいは金属酸化物など
の組合せによる相乗効果によりなされてきたが、
合成樹脂に難燃剤を添加すれば難燃性は向上する
が、逆に耐熱性、機械的性質、電気的性質あるい
は加工性などの諸特性が低下するのが必定であつ
た。そのためこれらの特性の低下を極力抑えた難
燃化方法及び難燃化された熱硬化性樹脂積層板が
強く要求される様になつてきた。 従来より、難燃効果が最も大きく、難燃剤成分
として必須とされるハロゲン化合物の改良は種々
行なわれてきた。 たとえば特公昭47−44537号公報では、式 (式中RはH又は低アルキル基) で表わされる化合物が、 また特開昭53−56290号公報では、式 で表わされる化合物が、 また特開昭56−118414号公報では、式 (式中Zは−CH2OHまたはハロゲン、Xはハ
ロゲン、RはHまたは炭化水素基、Y・Y′はH
またはCH3、T・T′は−CH2CH2O−など) で表わされる化合物が提案されている。 これらの難燃性化合物はいずれも多数の芳香環
を有している為に熱的にかなり安定で、これらを
配合した熱硬化性樹脂よりなる積層板の耐熱性は
かなり優れたものであつた。 しかしながら特公昭47−44537号公報で得られ
る難燃性化合物は、そのもの自体が非常に剛直な
ため、積層板が硬くなり加工性が低下した。また
特開昭53−56290号公報で得られる難燃性化合物
は、ブロム含有量が40%以下と少ない為に難燃効
果が十分でなかつた。また特開昭56−118414号公
報で得られる難燃性化合物は、そのもの自体は非
常に柔軟で積層板にしても軟らかかつたが、接着
力が低い為に打抜加工時に層間剥離を発生した。 本発明者らは、熱硬化性樹脂が優れた機械的特
性、電気的特性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、成
形性、加工性などを有するにも拘らず優れた難燃
剤が無い為に、その発展性が著しく阻害されてい
る事に着目し、従来公知の難燃剤を使用した積層
板の諸欠点を除く方法につき鋭意研究の結果、本
発明を完成するに至つたものである。 即ち本発明の利点は、従来公知の難燃剤に比べ
ハロゲン化合物を原料として多用しているため
に、得られた難燃剤のハロゲン含有量が多く、こ
のため難燃化したい熱硬化性樹脂に少量添加する
だけで十分に難燃化でき、しかも添加量が少ない
ので積層板としての機械的特性の低下、電気的特
性の低下、加工性の低下など他特性に及ぼす影響
が殆んどないことである。 本発明のもう1つの利点は、新しい難燃剤がそ
の分子構造中に芳香環を多数含んでいるため、熱
分解温度が高く、熱的に安定で、これを添加した
熱硬化性樹脂よりなる積層板の耐熱性を低下させ
るなどの悪影響を及ぼさないことである。また分
解温度が高いために変色も異臭も殆んどないこと
である。 本発明の方法は、 一般式 (式中Xはハロゲン原子を示し、mは1〜2、
nは1〜2の整数。R1は炭素数1〜4のアルキ
リデン基またはアルキレン基を示す。) であらわされるハロゲン化ジヒドロキシ化合物(A)
と 一般式 (式中Xはハロゲン原子を示し、lは1〜3の
整数。R2はHまたは炭素数1〜4のアルキル基
を示す。) であらわされるハロゲン化モノグリシジルエーテ
ル(B)とを、A1モルに対してB1〜3モルの割合で
反応させた分子量700〜1400の生成物に、グリコ
ール型ジグリシジルエーテル化合物(C)を、A1モ
ルに対して0.1〜1.0モルの割合で更に反応させた
合成樹脂用難燃剤を配合してなる熱硬化性樹脂組
成物を積層板用基材に含浸し、乾燥後加熱加圧す
る事を特徴とする積層板の製造方法に関するもの
である。 本発明に係る難燃剤は後述の実験例で具体的に
示されるが、理想的には下記の一般式で表わすこ
とができる。すなわち (式中Xはハロゲン原子を示し、lは1〜3、
mは1〜2、nは1〜2の整数。R1は炭素数1
〜4のアルキリデン基またはアルキレン基を示し
R2はHまたは炭素数1〜4のアルキル基を示
す。) 本発明におけるハロゲン化ジヒドロキシ化合物
とハロゲン化モノグリシジルエーテルとの反応の
割合は、理想的には前者1モルに対して後者2モ
ルであり、この場合が最も難燃効果が大きく耐熱
性も高かつた。これは前者の分子構成をなすOH
基が完全に処理され、熱的安定性が高まつたため
であると考えられる。しかしながら、実際にはハ
ロゲン化ジヒドロキシ化合物1モルに対して、ハ
ロゲン化モノグリシジルエーテル2モルないしは
2モル以上を反応させても、前者1モルに対して
後者1モルが付加した化合物がかなり生成し、前
者のOH基を完全に処理する事はできなかつた。
そこで、次に更にグリコール型ジグリシジルエー
テル化合物を少量添加し反応せしめてハロゲン化
ジヒドロキシ化合物に基因するOH基を完全に処
理するようにした。 本発明におけるハロゲン化ジヒドロキシ化合物
1モルに対するハロゲン化モノグリシジルエーテ
ルの反応仕込割合は2〜2.5モルが好ましいが、
実用的には1〜3モルの割合で仕込み反応した平
均分子量700〜1400のものでも従来公知の難燃剤
に比較しかなり優れたものであつた。1モルより
少ないと熱安定性が悪く、悪臭・変色があり、3
モルより多いと耐燃性が低下した。またこれに更
に反応せしめるグリコール型ジグリシジルエーテ
ル化合物の反応仕込割合は0.3〜0.7モルが好まし
いが、実用的には0.1〜1.0モルで反応したもので
も良い。0.1モルより少ないとOH基を処理するに
必要な量が不足し、1.0モルより多いとゲル化の
恐れがある。 本発明におけるジヒドロキシ化合物とグリシジ
ルエーテルとを反応させる方法としては、特公昭
48−6639号公報にも記載があるが、この方法は低
分子量のジグリシジルエーテルをジヒドロキシ化
合物1モルに2モル反応させて高分子量のジグリ
シジルエーテルを作るというものであり、生成物
は更に反応できる反応活性基を有している。 本発明における方法は、ジグリシジルエーテル
ではなく、モノグリシジルエーテルをジヒドロキ
シ化合物1モルに2モル反応させた低分子量化合
物であり、この化合物は反応活性基をもはや有し
ていない。勿論特公昭48−6639号公報の発明の詳
細な説明の中で、グリシジルエーテルとしてモノ
グリシジルエーテルを使用してもよいとされてい
るが、その目的は反応停止剤又は反応調整剤とし
ての副原料としてであり、実施例においてもその
添加量は全体のわずか5%以下でしかない。もし
も多量に使用すれば高分子量化の目的が達せられ
ないからであり、本発明の様にモノグリシジルエ
ーテルのみでは特公昭48−6639号公報に記載のあ
る発明は成立しない。 本発明におけるジヒドロキシ化合物、モノグリ
シジルエーテルとグリコール型ジグリシジルエー
テル化合物とを反応させる方法は、先ずジヒドロ
キシ化合物とモノグリシジルエーテルとの低分子
量化合物を作り、次にグリコール型ジグリシジル
エーテル化合物を該低分子量化合物中に残留する
ジヒドロキシ化合物の未反応OH基を、本発明に
なる難燃剤の熱安定性を更に向上せしめ、悪臭・
変色を防止する為に処理し完全に零にする為に、
添加し反応させる方法であり、この反応の順序が
重要なポイントの1つである。 本発明における一般式 で表わされるハロゲン化ジヒドロキシ化合物の例
としては、たとえばビス(4−ヒドロキシ−2−
ブロムフエニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
−3−ブロムフエニル)メタン、ビス(4−ヒド
ロキシ−3−クロロフエニル)メタン、ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフエニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフ
エニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−3−クロロフエニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシ−3−ブロムフエニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロ
ロフエニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロムフエニル)エタン、1,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフエニ
ル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−ブロムフエニル)エタン、1,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジクロロフエニル)エタ
ン、1,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
ブロムフエニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−2−ブロムフエニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフエニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−ブロムフエニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフエニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロムフエニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシ−3−クロロフエニル)ブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロムフエ
ニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフエニル)プタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフエニ
ル)プタンなどが挙げられる。 本発明における一般式 で表わされるハロゲン化モノグリシジルエーテル
例としては、たとえば モノクロロフエニルモノグリシジルエーテル、 ジクロロフエニルモノグリシジルエーテル、 トリクロロフエニルモノグリシジルエーテル、 モノブロムフエニルモグリシジルエーテル、 ジブロムフエニルモノグリシジルエーテル、 トリブロムフエニルモノグリシジルエーテル、 モノクロロクレジルモノグリシジルエーテル、 ジクロクレジルモノグリシジルエーテル、 モノブロムクレジルモノグリシジルエーテル、 ジプロムクレジルモノグリシジルエーテル、 などが挙げられる。 本発明におけるグリコール型ジグリシジルエー
テル化合物の例としては、たとえば エチレングリコールジグリシジルエーテル、 ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、 プロピレングリコールジグリシジルエーテル、 ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、 ブタンジオールジグリシジルエーテル、 ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、 ジブロネオペンチルグリコールジグリシジル エーテル などが挙げられる。 本発明におけるハロゲン化ジヒドロキシ化合物
とハロゲン化モノグリシジルエーテルとグリコー
ル型ジグリシジルエーテル化合物との反応の方法
は、ハロゲン化ジヒドロキシ化合物とハロゲン化
モノグリシジルエーテルを反応器に仕込んだあと
触媒を添加し、40℃〜120℃の温度で1時間〜8
時間撹拌し反応させ、次にグリコール型ジグリシ
ジルエーテル化合物を添加し、同温度で更に1時
間〜4時間撹拌し反応させ製造する。 触媒としてはアミン系のもの、たとえばエチレ
ンアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノ
ールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチル
アミノメチル)フエノール、メタフエニレンジア
ミン、ジアミノジフエニルメタン、ジアミノジフ
エニルスルホン、ジシアンジアミド、三ふつ化ほ
う素・モノエチルアミン、メンタンジアミン、キ
シレンジアミン、エチルメチルイミダゾール、
1,8−ジアザ−ビシクロ−(5,4,0)ウン
デセン−7などが挙げられる。 本発明における熱硬化性樹脂とは、フエノール
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹
脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、ア
ルキツド樹脂などの加熱により硬化する樹脂類で
ある。また本発明になる難燃剤を配合してなる熱
硬化性樹脂成物には、必要に応じて他の難燃剤、
可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、表面処理剤、界面
活性剤、保護コロイド、熱安定剤、光安定剤、着
色剤、充填材、滑剤、溶剤、水等の添加物を添加
することができる。 本発明における積層板用基材とは、各種セルロ
ーズ系繊維よりなる紙や布、合成繊維、ガラス繊
維や鉱物繊維よりなる布シート、マツト、不織布
などである。またこれらの基材を予め樹脂で処理
したものも用いることができる。 本発明によつて得られる新しい難燃剤を配合し
てなる熱硬化性樹脂組成物を積層板用基材に含浸
し、乾燥後加熱加圧することによつて得られる積
層板は、優れた耐燃性と耐熱性を有し、しかも機
械的特性、電気的特性、加工性も良好であり、変
色・異臭もない優れた積層板であつた。 以下実験例にて本発明を詳細に説明する。 実験例 1 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブ
ロムフエニル)プロパン1.0モルと触媒として三
ふつ化ほう素・モノエチルアミン6.3gを撹拌器、
冷却器、温度計、滴下漏斗をつけた3四つ口フ
ラスコに入れ、これに200mlのトルエンを加えて
撹拌し懸濁液を作つた。次にジプロムクレジルモ
ノグリシジルエーテル2.2モルを200mlのトルエン
に溶解したものを、滴下漏斗を用いて40℃で1時
間を要して徐々に加えた。滴下終了後100℃に達
するまで1時間をかけて徐々に温度を上昇しなが
ら撹拌を続け、その後更に100℃で4時間反応を
行なつた。(中間生成物の平均分子量は1100であ
つた。) 次に100℃に保つたまま、ジプロモネオペンチ
ルグリコールジグリシジルエーテル0.6モルを200
mlのトルエンに溶解したものを滴下漏斗を用いて
30分かけて徐々に加え、更に同温度で2時間反応
を行なつた。反応終了後600mlのトルエンで希釈
し、粘度(20℃)1.8ポイズ、最終生成物の平均
分子量1600の褐色透明難燃剤溶液2500gを得た。 本難燃剤及び第1表に示す様な公知の難燃剤
を、積層板用油変性フエノール樹脂100部(固形
分重量)に対しそれぞれ25部添加し、更にクレジ
ルジフエニルフオスフエート20部、メラミン樹脂
20部及び低分子量多メチロールフエノール樹脂10
部を混合して樹脂組成物を作つた。この組成物に
積層板用クラフト紙を浸漬して含浸せしめ、150
℃で乾燥してBステージの樹脂分52%、揮発分
1.5%のプリプレグを得た。このプリプレグを8
枚積層し、片面に35μ厚の着剤付き銅箔を重ねて
プレスにセツトし、170℃で90分間加熱加圧し、
1.6mm厚の銅張積層板を得た。この積層板の特性
を第1表に示した。 第1表に示す様に、本発明になる難燃剤を配合
した油変性フエノール樹脂で作成した積層板は、
UL−94・V−0に合格する優れた耐熱性積層板
であつた。しかも本発明品は半田耐熱性が高く、
絶縁抵抗が大きく、打抜加工性が良好であり、異
臭・変色もなかつた。これは本発明で使用した難
燃剤が樹脂及び基板とのなじみ性及び密着性がよ
い事と熱分解温度が高いためと考えられる。 これ対し難燃剤Aを配合して作成した積層板
は、耐燃性は良いものの熱分解温度が低い為にガ
スを発生し、半田耐熱性をはじめ全ての性能が不
良であつた。また難燃剤B及びCを配合して作成
した積層板は、半田耐熱性等優れた点はあるが、
最も重要な耐燃性が不良であつた。この様に本発
明になる難燃剤を配合して作成した積層板は、耐
燃性と半田耐熱性がいずれも優れた、他性能のバ
ランスもとれた優れた積層板であつた。
【表】 実験例 2 実験例1に於いて、ジブロムクレジルモノグリ
シジルエーテル2.2モルをジブロムフエニルモノ
グリシジルエーテル0.5〜3.5モルに変え、油変性
フエノール樹脂をポリブタジエン樹脂に変えた他
は、配合も試験も全く同様に行ない、第2表に示
す結果を得た。 第2表に示す様に、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロムフエニル)プロパンに対
するジブロムフエニルモノグリシジルエーテルの
反応仕込量が少ない難燃剤を配合したポリブタジ
エン樹脂で作成した積層板(No.2)は、熱分解ガ
スが多い為に半田耐熱性が悪く、異臭を発し、変
色する。またガスの為に剥離がおこり打抜加工性
も良くない。 逆にジブロムフエニルモノグリシジルエーテル
の反応仕込量が多い難燃剤を配合して作成した積
層板(No.7)は、基材とのなじみ性が良くない為
に、基材に十分含浸せずUL−94・V−0の耐燃
性に合格できず、また基材との密着性が良くない
為にすぐはがれ打抜加工性が不良であつた。本発
明における難燃剤の好ましい反応仕込割合は、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
ムフエニル)プロパン1モルに対し、ジブロムフ
エニルモノグリシジルエーテル1.5〜2.5モルであ
るが、実用上は1.0〜3.0モルでも使用できる。
【表】
【表】 実験例 3 実験例1に於いて、ジブロモネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル0.6モルをブロモプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル0.08〜
2.0モルに変え、油変形フエノール樹脂をエポキ
シ樹脂に変えた他は、配合も試験も全く同様に行
ない第3表に示す結果を得た。 第3表に示す様に、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロムフエニル)プロパンとジ
ブロムクレジルモノグリシジルエーテルとの反応
生成物に対するブロモプロピレングリコールジグ
リシジルエーテルの仕込量が少ない場合(No.1)、
該反応生成物中に残存するOH基も皆無に処理す
る事ができず、この難燃剤を配合したエポキシ樹
脂で作成した積層板は熱分解され易くて半田耐熱
性がやや低い。ブロモプロピレングリコールジグ
リシジルエーテルの仕込量を増やして行けば、
OH基は無くなり半田耐熱性は良くなるが、更に
増やして行けば(No.6,7)反応中にゲル化して
しまう。本発明における好ましい反応仕込割合
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
ブロムフエニル)プロパン1モルに対し、ブロモ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル0.3
〜0.7モルであるが、実用上は0.1〜1.0モルでも使
用できる。
【表】
【表】 以上の実験例で明らかな様に、本発明になる難
燃剤を配合してなる熱硬化性樹脂組成物で作成し
た積層板は、耐燃性が優れ、半田耐熱性も良く、
絶縁抵抗は高く、打抜加工性も良好で異臭も変色
もない優れた積層板であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中Xはハロゲン原子を示し、mは1〜2、
    nは1〜2の整数。R1は炭素数1〜4のアルキ
    リデン基またはアルキレン基を示す。) であらわされるハロゲン化ジヒドロキシ化合物(A)
    と 一般式 (式中Xはハロゲン原子を示し、lは1〜3の
    整数。R2はHまたは炭素数1〜4のアルキル基
    を示す。) であらわされるハロゲン化モノグリシジルエーテ
    ル(B)とを、A1モルに対して、B1〜3モルの割合
    で反応させた分子量700〜1400の生成物に、グリ
    コール型ジグリシジルエーテル化合物(C)を、A1
    モルに対してC0.1〜1.0モルの割合で更に反応さ
    せた合成樹脂難燃剤を配合してなる熱硬化性樹脂
    組成物を積層板用基材に含浸し、乾燥後加熱加圧
    する事を特徴とする積層板の製造方法。
JP4719783A 1983-03-23 1983-03-23 積層板の製造方法 Granted JPS59172544A (ja)

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JP4719783A JPS59172544A (ja) 1983-03-23 1983-03-23 積層板の製造方法

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JPS59172544A JPS59172544A (ja) 1984-09-29
JPH0125495B2 true JPH0125495B2 (ja) 1989-05-18

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ID=12768398

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JP4719783A Granted JPS59172544A (ja) 1983-03-23 1983-03-23 積層板の製造方法

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JP (1) JPS59172544A (ja)

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JPS59172544A (ja) 1984-09-29

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