JPH0125389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、温感筒を調理用鍋等に挿込んで温度
調節を行なう温度調節器に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来、この種の温度調節器は、内部にバイメタ
ルを設けた温感筒と、この温感筒を支持するとと
もに、接点および前記バイメタルの動作に応じて
前記接点を開閉する開閉インシユレータを取付け
たフレームとを一直線上に設けた構成であつた。

このため、従来の温度調節器は温感筒の先端か
らフレームの末端までの寸法が長くなり、このた
め調理器等に直接組込む場合は寸法の長い取付空
間を必要とし、また、差込みプラグに組込んで調
理器等に着脱自在に取付ける構成とする場合も、
差込みプラグの形状が細長くなる。

しかしながら、調理器等であればその種類によ
り寸法の長い取付空間を設けることはできず、ま
た、差込みプラグであればその差込み位置により
細長い形状では邪魔になる場合がある。

そこで、温度調節器のフレームをＬ字状に形成
し、温感筒の先端からフレームの末端までの寸法
を短くすることが考えられるが、このような形状
とすると、温度調節器の幅が広くなるため、寸法
は長いが幅の狭い取付空間を有する調理器には使
用できないとともに、細長い形状の挿込みプラグ
も形成できない。

すなわち、フレームを一直線上に形成しても、
Ｌ字状に形成しても汎用性がなく、調理器に応じ
て、または必要とする挿込みプラグの形状に応じ
て２種類の温度調節器を製造しなければならず、
手間がかかるという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記欠点に鑑みなされたもので、１種
類の温度調節器により、すべての調理器および挿
込みプラグに組込むことができ汎用性の広い温度
調節器を提供するものである。

〔考案の概要〕

本考案の温度調節器は、基端を開口した温感筒
と、この温感筒の基端側に一端を固定しこの温感
筒を支持する支持片と、この支持片の他端にこの
支持片に対して回動可能に取付けられた取付片
と、前記温感筒の内部に設けられ動作子を前記基
端開口より突出したバイメタルと、前記取付片に
取付けられ固定接点および可動接点をそれぞれ設
けた接点板と、前記可動接点を設けた接点板の先
端に取付けられかつ前記取付片の回動中心軸上に
位置し、前記動作子の動作により上下動する開閉
インシユレータとを備えたことを特徴とする構成
で、温感筒および支持片に対して取付片のなす角
度を変化させることができるものである。

〔考案の実施例〕

次に本考案の一実施例を第１図ないし第３図に
基づいて説明する。

１は温感筒で、先端が錐体状に膨出し、基端が
開口されている。

２はフレームで、支持片３と取付片４とにて形
成されている。支持片３は一端を断面半円状に形
成し、これにて温感筒１の基端側を覆い、この支
持片３の両側に設けられた固着部５を図示しない
挿込みプラグのケースなどにねじ止めなどにより
固着して温感筒１を支持している。

取付片４は一端を支持片３の他端に回動中心軸
６にて回動可能に軸支されている。この回動角度
は支持片３の他端および取付片４の一端の形状に
より、取付片４と支持片３とのなす角が最小90度
となる角度である。

７はバイメタルで、温感筒１の内部に設けら
れ、このバイメタル７の撓みにより上下動する動
作子８は温感筒１の基端開口より支持片３に沿つ
て突出されている。この動作子８の先端は回動中
心軸６の下方に位置している。

９は可動接点板、１０は固定接点板で、この両
接点板９，１０は上下方向に離間された状態で取
付片４に沿つて設けられており、一端が取付片４
の他端下方に固着されている。可動接点板９は固
定接点板１０より長く形成されており、先端は回
動中心軸６の下方で動作子８の上方に位置してい
る。固定接点板１０の先端には固定接点１１が設
けられ、可動接点板９には固定接点板１０の固定
接点１１に対応する位置に可動接点１２が、また
先端には開閉インシユレータ１３が設けられてい
る。

１４は摘みシヤフトで、取付片４に回動自在に
設けられており、このシヤフト１４の回動により
取付片４の下面に設けられた調節突起１５の進退
を調節する。このシヤフト１４の回動は、このシ
ヤフト１４に設けられた係止爪１６が、取付片４
に設けられた係止突部１７に係止されることによ
り規制される。

調節突起１５は、可動接点板９に設けられた図
示しない挿通孔に挿通し、下縁を固定接点板１０
の上面に当接し、進退によりこの固定接点板１０
を押圧し、設定温度の調節を行なう。

なお、固定接点板１０が調節突起１５により押
圧され、これにより下方へ移動しても、可動接点
１２も可動接点板９の自重により下方へ移動する
ため両接点１１，１２は接触状態を維持する。

次にこの実施例の作用を説明する。

第３図に示すように温感筒１、支持片３および
取付片４が一直線上に位置している場合には、バ
イメタル７の動作子８の先端は開閉インシユレー
タ１３の下方に位置している。このため接点１
１，１２間の閉成に基づく通電により雰囲気温度
が上昇し動作子８が上動すると、開閉インシユレ
ータ１３は押上げられ、これにより接点１１，１
２間は開放され、通電は停止される。

また、第１図および第２図に示すように、取付
片４を回動し、この取付片４と支持片３とのなす
角を例えば90度とした場合にも、開閉インシユレ
ータ１３と動作子８とは回動中心軸６上に位置し
ているため、この回動により開閉インシユレータ
１３が動作子８の上方から移動するということは
ない。このため、雰囲気温度に応じて前記と同様
の動作を行なう。

このように、取付片４を、温感筒１および支持
片３に対して一直線上に設けることも、角度を持
つて設けることもできるため、この温度調節器を
用いて差込みプラグ型温度調節器を構成する場
合、一直線上に設けることにより、第４図に示す
ように、細長い収納ケース２１に収納し、調理器
等の接続端子棒を挿入接続するために接続孔２２
を設けた一側面より温感筒１を突出し、対向する
他側面より電源コード２３を引出す従来と同様の
構成とすることもできる。

また、角度を持つて設けることにより、第５図
に示すように、収納ケース２１を略矩形状に形成
し、一側面に接続孔２２を設け温感筒１を突出す
るとともに、これに隣接する一側面から電源コー
ド２３を引出す構成とすることもできる。

なお、第４図および第５図において２４は設定
温度調節用の摘みで、シヤフト１４に嵌合固着さ
れ、この摘み２４の回動によりシヤフト１４を回
動し、調節突起１５を上下動する。

このように１つの温度調節器を用いて形状の異
なる挿込みプラグ形温度調節器を形成することが
できる。

また、第６図に示すように、調理用鍋２５など
に用いる場合、この調理用鍋２５の空間２６が短
く幅の広い形状であつても、空間の形状に合わ
せ、取付片４を支持片３に対して折曲してフレー
ム２を略Ｌ字状に形成して設けることができる。
また、細長い空間を有する調理器等であれば、取
付片４を支持片３に対して一直線上に位置する形
状として設けることもできる。

このように調理器等に組込む場合も、１つの温
度調節器を用いて、細長い空間にも、幅広い空間
にも組込むことができる。

なお、前記実施例では取付片４を支持片３に対
して90度の角度を持つまで回動して用いた場合に
ついてのみ説明したが、これに限られるものでは
なく、挿込みプラグの形状、または調理器等の空
間の形状に合わせ90度〜180度までならいずれの
角度を採ることも可能である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、取付片を、温感筒および支持
片に対して回動可能に設けたため、温度調節器の
形状を容易に変更でき、このため形の異なる挿込
みプラグ形温度調節器にも、細長い形状、または
幅広い形状のいずれの形状の組込み空間を有する
調理器等にも組込むことができ、汎用性があり、
挿込みプラグの形状または組込み空間の形状に合
わせて複数種類の温度調節器を製造する必要がな
く、製造が容易になるとともに経済性も向上でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の温度調節器の一実施例を示す
斜視図、第２図は第１図の側面図、第３図は第１
図において取付片を一直線上とした状態を示す側
面図、第４図および第５図はそれぞれ本考案の温
度調節器を組込んだ挿込みプラグ形温度調節器を
示す斜視図、第６図は調理器用鍋に温度調節器を
組込んだ状態を示す断面図である。 １……温感筒、３……支持片、４……取付片、
６……回動中心軸、７……バイメタル、８……動
作子、９，１０……接点板、１１……固定接点、
１２……可動接点、１３……開閉インシユレー
タ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基端を開口した温感筒と、この温感筒の基端側
   に一端を固定しこの温感筒を支持する支持片と、
   この支持片の他端にこの支持片に対して回動可能
   に取付けられた取付片と、前記温感筒の内部に設
   けられ動作子を前記基端開口より突出したバイメ
   タルと、前記取付片に取付けられ固定接点および
   可動接点をそれぞれ設けた接点板と、前記可動接
   点を設けた接点板の先端に取付けられかつ前記取
   付片の回動中心軸上に位置し、前記動作子により
   上下動する開閉インシユレータとを備えたことを
   特徴とする温度調節器。