JPH0125268B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はビデオカメラ等の信号処理回路に関す
るものである。

ビデオカメラの信号処理回路は、ガンマ回路、
セツトアツプ回路、白クリツプ回路、黒クリツプ
回路、ブランキング回路、AGCアンプ回路等よ
り成る。

AGCアンプ回路は、低照度において増幅利得
を増加し、照明光の照度変化にかかわらず一定出
力信号レベルを得る機能を待つ。このAGCアン
プ回路の動作設定についての考え方は、大別して
ピーク値制御と平均値制御の２つに分けられる。
この２つの考え方を第１図を用いて詳細に説明す
る。第１図において斜線部が映像情報であり、１
は走査期間、２は帰線期間であり、１，２は水平
期間、垂直期間のいずれで考えても良い。３は
AGCアンプ回路出力で得ようとする規定信号レ
ベル、４は映像信号の黒レベルである。また、第
１図イはAGCアンプ回路への入力信号およびピ
ーク値制御での検出信号、ロはピーク値制御での
AGCアンプ回路の出力信号、ハは平均値制御で
の検出信号、ニは平均値制御でのAGCアンプ回
路の出力信号を示す概念図である。ピーク値制御
とは、AGCアンプ回路の出力信号のピーク値を
検出して、そのピーク値がAGCアンプ回路の規
定出力レベルに達するようにAGCアンプ回路の
利得を制御しようとする考え方であり、第１図イ
のように高レベル信号が小さなデユーテイ比で存
在する映像信号の時は、ピーク値が規定レベルに
達しているためAGCアンプ回路での増幅は行な
われずAGCアンプ回路の出力は第１図ロのよう
になる。第１図ロのような映像信号では、その大
部分を示める低レベル部が撮影画面において黒く
沈んでしまい、デユーテイ比の小さな高レベル部
しか見えず、画質は劣化してしまうという欠点を
持つ。いつぽう、平均値制御では、AGCアンプ
回路の出力映像信号を積分して、その積分値が
AGCアンプ回路の規定出力レベルに達するよう
にAGCアンプ回路の利得を制御しようとする考
え方であり、第１図イの信号がAGCアンプ回路
の入力とすれば、その積分値は第１図ハのように
なり、この積分値が規定レベルに達するよう
AGCアンプ回路で増幅を行なうと、AGCアンプ
回路の出力信号は第１図ニのようになる。第１図
ニのような映像信号では低レベル部は充分な信号
レベルを持ち撮影画面において適切な画像となる
が、高レベル部の信号レベルが極めて大きくなる
ため画質の上で大きな問題となる。このように、
ピーク値制御と平均値制御は互いに欠点を持つた
め、この２方式を適切に組み合わせ両方式の欠点
が最も軽減される設定でAGCアンプ回路を動作
させている。

つぎに白クリツプ回路は、映像信号のうちでそ
れほど正確な再現を必要としない一定レベル以上
の白ピーク部をカツトし画像の重要な情報が含ま
れている部分の信号処理を容易にする機能を持
つ。この白クリツプ回路の設置場所としてAGC
アンプ回路の前段、あるいは後段の２つが考えら
れる。後段に設置した場合、AGCアンプ回路の
出力信号の黒レベルはAGCアンプ回路の利得変
化により若干変動し、白クリツプ処理における基
準レベルが変動してしまうため、AGCアンプ回
路の出力信号をクランプ処理しないと正確な白ク
リツプ処理ができない。このため回路規模が大き
くなつてしまう問題があり、白クリツプ回路は
AGC回路の前段に設置した方が良い場合がある。

白クリツプ回路をAGCアンプ回路の前段に設
置した場合、照明光の照度が下がり、AGCアン
プ回路の入力信号レベルが白クリツプ回路のクリ
ツプレベルよりも低くなると白クリツプ処理は行
なわれない。入力映像信号が第１図イのような場
合、AGCアンプ回路はピーク値制御と平均値制
御の組み合わせで動作しているため、純粋な平均
値制御の場合ほどではないが、AGCアンプ回路
の出力信号は第１図ニに近い形になり、設定した
白クリツプレベルを越える成分が存在する場合が
あり、以降の信号処理において過変調・飽和など
の原因となり、撮影画面の画質は劣化してしまい
信号処理の上で大きな欠点となる。

本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解
消し照度変化に関係なく、常にAGCアンプ回路
の出力信号が正しく白クリツプ処理される白クリ
ツプ特性を持つビデオカメラの信号処理回路を提
供するにある。

本発明の要点は、照度が変化した時のAGCア
ンプ回路の利得量（すなわち、白クリツプ回路の
入力レベル変化）に対応して、白クリツプ回路の
クリツプレベルを移動することにより照度変化に
関係なく常に正しい白クリツプ処理を行なうもの
である。

以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。

第２図に本発明の一実施例を示す。ここで、５
はガンマ回路及びセツトアツプ回路、６は白クリ
ツプ回路、７は黒クリツプ回路、８はブランキン
グ回路、９はAGCアンプ回路、１０はAGCアン
プ回路９の制御信号を発生するAGC検波回路、
１１はAGCアンプ回路９の利得変化量に対応し
て白クリツプレベルを制御する白クリツプコント
ロール回路である。

まず、本実施例においてはAGC検波回路１０
の出力信号が低下するとAGCアンプ回路９の利
得は増えるものとする。

この時、白クリツプ回路６においてはトランジ
スタ６２のベース電圧が白クリツプレベルを規定
しており、トランジスタ６１のベースに入つてく
る映像信号レベルが白クリツプレベルより低い場
合は、トランジスタ６１が導通しトランジスタ６
２はカツトオフするため白クリツプ回路６の出力
信号としては映像信号がそのまま得られる。逆に
トランジスタ６１のベースに入つてくる映像信号
レベルが白クリツプレベルより高くなるとトラン
ジスタ６１はカツトオフし、トランジスタ６２が
導通するため出力信号は所定の白クリツプレベル
でクリツプされる。以上の一連の動作により白ク
リツプ処理は実現される。

いつぽう、白クリツプコントロール回路１１に
おいてトランジスタ１１０１，１１０２、定電流
源１１０３、定電圧源１１０４により差動増幅器
を構成し、充分な照度がある時（すなわち、
AGC検波回路１０の出力レベルが大きい時）は、
定電圧源１０４の電圧値をトランジスタ１１０２
がカツトオフ状態になる値に設定する。この時、
トランジスタ１１０２のカツトオフにより、トラ
ンジスタ１１０５，１１０６，１１０７，１１０
８もカツトオフする。従つて白クリツプレベル
（トランジスタ６２のベース電位）は、定電圧源
１１０９の電位からトランジスタ１１１０のベー
ス・エミツタ間での電圧降下分だけ下がつた電位
となり、定電圧源１１０９の電位を適当に選べば
充分に照度がある時の白クリツプ処理は正しく行
なわれる。次に照度が下がりAGC検波回路１０
の出力電位が小さくなると（すなわち、AGCア
ンプ回路９の利得が大きくなると）トランジスタ
１１０２が導通を開始し、トランジスタ１１０
５，１１０６，１１０７，１１０８も動作しはじ
め、トランジスタ１１０２のコレクタ電流に対応
した電流がトランジスタ１１０５，１１０６，１
１０７，１１０８に流れる。この時、白クリツプ
レベル（トランジスタ６２のベース電圧）は、ト
ランジスタ１１１０のエミツタ電圧から、抵抗１
１１１での電圧降下分を差し引いたものとなり白
クリツプレベルは下がり、AGCアンプ回路９の
利得変化に対応した白クリツプレベルのコントロ
ールが実現できる。

以上の一連の動作により、充分な照度があり
AGCアンプ回路９で利得を稼がなくても一定出
力信号が得られる時は白クリツプコントロール回
路１１は動作せず、定電圧源１１０９により定ま
る白クリツプレベルを持つ。また、照度が下がり
AGCアンプ回路９で利得を稼がないと一定出力
信号が得られない時はAGCアンプ回路９の利得
の増加（すなわち、白クリツプ回路６の入力信号
レベルの低下）に対応して、白クリツプコントロ
ール回路１１が動作して白クリツプレベルを適切
な値に下げることにより、照度変化にかかわら
ず、常に正しい白クリツプ処理が行なわれること
がわかる。

本発明により照度変化にかかわらず常に所望の
白クリツプ処理が行なわれるため、従来方式の持
つ欠点が解消され、正確な信号処理が実現でき良
質な画質を持つ撮影画像が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はAGCアンプ回路動作の動作を説明す
る説明図、第２図は本発明の一実施例である。 １……映像信号の走査期間、２……映像信号の
帰線期間、３……AGCアンプ回路の規定出力レ
ベル、４……映像信号の黒レベル、５……ガンマ
回路及びセツトアツプ回路、６……白クリツプ回
路、７……黒クリツプ回路、８……ブランキング
回路、９……AGCアンプ回路、１０……AGC検
波回路、１１……白クリツプコントロール回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 白クリツプ回路と該白クリツプ回路の後段に
   設置されたAGCアンプ回路を具備し、該AGCア
   ンプ回路の利得変化に対応して該白クリツプ回路
   の白クリツプレベルを移動させることを特徴とす
   る信号処理回路。