JPH0125225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、温室内の冷・暖房をするためのヒー
トポンプ型の空気調和装置に関する。

〈従来例および問題点〉 従来、この種の空気調和装置としてのヒートポ
ンプは、 水冷式の原動機 電動式駆動モータ を原動力として稼動せしめ、これらから発生する
熱を次のような処置をしている。

の場合には、シリンダやシリンダヘツドの周
囲に水ジヤケツトを設け、冷却水を循環させる。
そして、該冷却水を冷やすためのラジエターやク
ーリングタワー等の付帯設備を配設し、空気調和
装置の外部に放熱せしめている。

更に、冬期において暖められた冷却水等を暖房
に利用するためには、そのための配管やフアンコ
イルを別途配設している。

また、夏期においては、温室を利用する施設園
芸等においては暖められた冷却水を利用すること
はなく、この冷却水を再利用するために別途冷却
装置を配設している。

の場合にも、発生する熱を外部に放熱する機
構のものであり、冬期において暖房に採用しても
熱量が少なく有効利用ができないものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の欠点を解消するために提
案されたものであり、温室内暖房時には従来のよ
うに別途配管やフアンコイル等を設けることな
く、原動機構からの発生する熱を温室内に送り込
み有効利用し、また冷房する際における排熱処理
をきわめて簡易に行え、更に所望の室温を保持し
ながら除湿が行えると共に原動機構の加熱防止を
効率良く行えるような温室用空気調和装置を提供
することを目的としている。

上記目的は「ヒートポンプ型の温室用空気調和
装置において、室内空気導入の室内側吸入口、室
内へ吐出するための室内側吹出口、外気導入の室
外側吸入口、室外へ吐出するための室外側吹出
口、および内部において仕切により区分された少
なくとも３つのダクトを有する筐体と、上記ダク
トのうちの一部に収容されたヒートポンプの原動
機構と、上記ダクトのうち他部のダクトにおいて
別個に配設された第一・第二の熱交換コイルと、
該原動機構を収容したダクトに外気・室内空気を
選択して通過せしめるための第一の可変仕切体
と、該原動機構を収容したダクトを通過した空気
を室内側・室外側の吹出口に誘導するための第二
の可変仕切体と、外気取入れ用第一の送風フアン
と、室内空気取入れ用第二の送風フアンと、上記
第一および第二の熱交換コイルを相互に蒸発器と
凝縮器に切変えるために冷媒配管中に配設された
流路切換弁と、からなる温室用空気調和装置」に
より達成される。

〈実施例〉 以下、本考案を図面に示す実施例に基いて説明
することとする。

第１図には温室内を暖房する場合が示されてい
る。

図面において１は空気調和装置の筐体であり、
この筐体１は、上部に室内空気を導入するための
室内側吸入口２と、室外へ空気を吐出するための
室外側吹出口３とが設けられており、下部に室内
へ空気を吐出するための室内側吹出口４と、外気
を導入するための室外側吸入口５とが設けられて
いる。また、筐体１の内部は仕切６ａ，６ｂによ
り区分され３つのダクト７ａ，７ｂ，７ｃが形成
されている。

中央のダクト７ｂにはヒートポンプを駆動する
ための原動機構８が配設されており、その両側の
ダクト７ａ，７ｂには第一・第二の熱交換コイル
９ａ，９ｂが配設されている。

この熱交換コイル９ａ，９ｂは、ヒートポンプ
の蒸発器および凝縮器としての作用をし、第２図
に示すように蒸発器と凝縮器とが冷媒配管中に配
設された流路切換弁１０、例えば四方弁等により
相互に切変えられるように構成されている。

１１はダクト７ｂの上方に配設された第一の可
変仕切体であり、吸入口２から導入された空気を
ダクト７ｂに送り込んだり、該ダクト７ｂの下方
から送られて来る空気を吹出口３への通路を形成
したり回動可能になつている。

また、ダクト７ｂの下方には第二の可変仕切体
１２が配設されており、この可変仕切体１２はダ
クト７ｂの上方から送られて来る空気を吹出口４
への通路を形成したり、吸入口５からの空気をダ
クト７ｂへ導くための通路を形成すべく回動可能
に構成されている。

１３は吸入口２に配設された第一の送風フアン
であり、のこの送風フアン１３は温室内の空気を
筐体１内に吸入すると共に吹出口４から吐出せし
める作用をする。

１４は吹出口３に配設された第二の送風フアン
であり、筐体１内の空気を室外へ排出し、吸入口
５から外気を吸入する作用を行うように構成され
ている。

なお、この第一・第二の送風フアン１３，１４
は正逆可能なものとし必要に応じて空気の流れを
変更せしめるようにしても良いこと勿論である。

原動機構８にはエンジン本体は勿論のこと、水
冷式のものではラジエター等を含み、また、ヒー
トポンプにおける圧縮器１５等発熱するもの含む
ものとする。

而して、第１図において熱交換コイル９ａを蒸
発器、熱交換コイル９ｂを凝縮器として作用せし
め、原動機構が配設しているダクト７ｂを室内の
空気が循環するように可変仕切体１１，１２を設
定する。

送風フアン１３の稼動により、室内の空気はダ
クト７ｂ，７ｂを通り、凝縮器と原動機構８を通
過して暖められて再び室内へ放出され、室内が暖
房される。

第２図において１６は冷媒配管中に配設された
膨張弁である。

第３図には温室内を冷房するために設定した場
合がが示されている。

この場合は、吸入口５から吸入された外気がダ
クト７ｂを通過して吹出口１４から排気されるよ
うに可変仕切体１１，１２を設定し、熱交換コイ
ル９ａを凝縮器とし、熱交換コイル９ｂを蒸発器
として作用せしめるように流路切換弁１０を設定
する。そして、送風フアン１３，１４を稼動せし
める。

送風フアン１３により吸入された室内の空気
は、蒸発器としての熱交換コイル９ｂを通つて冷
やされ吹出口４から再び室内に放出され、室内が
冷房される。

一方、外気は凝縮器である熱交換コイル９ａと
原動機構８を通過して暖められて再び室外に排出
される。

温室内の除湿を目的として設定する場合には、
可変仕切体１１，１２を第１図と同様に設定する
と共に、熱交換コイル９ａ，９ｂは室内を冷房す
るときと同じに蒸発器および凝縮器の作用をせし
めるように設定する。

このように設定すると、室内の空気は蒸発器と
しての熱交換コイル９ｂと原動機構８を通つて、
再び室内へ放出される。

したがつて、熱交換コイル９ｂにおいて冷やさ
れ除湿される。一方、原動機構８を通過する空気
は暖められ、この空気と熱交換コイル９ｂで冷却
された空気が混ざつて吹出口４から出るので、室
内の温度を略一定のまま保持して除湿のみを行う
ことができる。

第４図は、空気調和装置の他の実施例であり、
可変仕切体１１，１２を複数の可動フイン１１ａ
…１２ａ…としたものである。

この場合には、可動フイン１１ａ…１２ａ…を
作動せしめて、通路を開閉することにより上記と
同様に作用せしめることができる。

また、このような可動フインを採用することに
よりダンパー方式に回動させて通路を変更させる
第１，３図ものに比べてスペース、すなわち仕切
体の先端が回動するときに通る円弧状の部分のス
ペース、を省略でき、空気調和装置のコンパクト
化に供することができる。

また、この可動フインにより空気の流れの方向
を変えながらの空気調和制御が可能である。

〈効果〉 本考案は以上の構成からなり、前述の目的達成
可能であり、特に次のような効果を有している。

夏期のように温室内の冷房を行う際には、温
室内の空気が蒸発器を通過して循環せしめ、外
気により原動機構および凝縮器を冷却せしめる
とともに、ここにおいて暖められた導入外気を
外に排出せしめる構成であるので、従来のよう
に水冷式原動機を採用した空気調和装置のよう
にそこから排出される熱を処理するために、配
管やクーリングタワー等を配設する必要がな
く、空気調和装置の外部に配設した配管に付着
する水アカ等の処理は一切必要としない。

温室の暖房時には、原動機から排出される高
温の熱と凝縮器との両者の熱を利用でき、暖房
効率を高めることができるので、従来の水冷式
原動機の冷却水を循環せしめる際に配設する配
管、フアンコイル等を設ける必要がなく、水ア
カ等の処理も不要であると共に、原動機構の稼
動による摩擦熱、エンジンオイルの熱等を無駄
無く活用できる。

温室内空気および外気の流路を変更するため
の可変仕切体、冷媒配管の流路切変え弁を制御
することにより、冷房・暖房装置として利用で
き、また、除湿装置としても活用でき、また、
冷・暖房・除湿の空気調和を行う際に可変仕切
体を調節することにより外気を導入し、新鮮な
空気を取入れながら行うこと、特に除湿の際に
加温・冷却気味にすることも可能である。

上記の効果を有し、電気的な設備を要しない
で済み本考案の空気調和装置は、温室用空気調
和装置として簡素な構成で製作が容易であり、
製造費用やランニングコスト等を低減できる等
の実用的価値を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を暖房・除湿装置としての一実
施例を示す概略断面図、第２図は冷媒配管の概略
構成図、第３図は冷房装置としての実施例を示す
概略断面図、第４図は他の実施例を示す概略断面
図、である。 １……筐体、２，５……吸入口、３，４……吹
出口、７ａ，７ｂ，７ｃ……ダクト、８……原動
機構、９ａ，９ｂ……熱交換コイル、１０……切
換弁、１１，１２……可変仕切体、１３，１４…
…送風フアン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ヒートポンプ型の温室用空気調和装置におい
   て、 室内空気導入の室内側吸入口、室内へ吐出する
   ための室内側吹出口、外気導入の室外側吸入口、
   室外へ吐出するための室外側吹出口、および内部
   において仕切により区分された少なくとも３つの
   ダクトを有する筐体と、 上記ダクトのうちの一部に収容されたヒートポ
   ンプの原動機構と、 上記ダクトのうち他部のダクトにおいて別個に
   配設された第一・第二の熱交換コイルと、 該原動機構を収容したダクトに外気・室内空気
   を選択して通過せしめるための第一の可変仕切体
   と、 該原動機構を収容したダクトを通過した空気を
   室内側・室外側の吹出口に誘導するための第二の
   可変仕切体と、 外気取入れ用第一の送風フアンと、 室内空気取入れ用第二の送風フアンと、 上記第一および第二の熱交換コイルを相互に蒸
   発器と凝縮器に切変えるために冷媒配管中に配設
   された流路切換弁と、 からなる温室用空気調和装置。