JPH0124565B2 - - Google Patents

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JPH0124565B2
JPH0124565B2 JP9663081A JP9663081A JPH0124565B2 JP H0124565 B2 JPH0124565 B2 JP H0124565B2 JP 9663081 A JP9663081 A JP 9663081A JP 9663081 A JP9663081 A JP 9663081A JP H0124565 B2 JPH0124565 B2 JP H0124565B2
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JP
Japan
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rolling
roll
plate material
changed
setting
Prior art date
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Application number
JP9663081A
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English (en)
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JPS58304A (ja
Inventor
Hiromi Matsumoto
Sadao Yasunaga
Toshihiro Fukuzaki
Yasunobu Hayama
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP9663081A priority Critical patent/JPS58304A/ja
Publication of JPS58304A publication Critical patent/JPS58304A/ja
Publication of JPH0124565B2 publication Critical patent/JPH0124565B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B13/00Metal-rolling stands, i.e. an assembly composed of a stand frame, rolls, and accessories
    • B21B13/02Metal-rolling stands, i.e. an assembly composed of a stand frame, rolls, and accessories with axes of rolls arranged horizontally
    • B21B13/023Metal-rolling stands, i.e. an assembly composed of a stand frame, rolls, and accessories with axes of rolls arranged horizontally the axis of the rolls being other than perpendicular to the direction of movement of the product, e.g. cross-rolling

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、ロールクロス方式の圧延機を用い
て板材を圧延する方法に関する。 近年、圧延製品の板幅方向の厚み精度に対する
要求は益々厳しくなつており、これに対し現状で
は圧延荷重によるロールの撓みをキヤンセルする
ために、イニシアルクラウンをロールにつけるこ
とにより、対処しているが、板材の板幅、厚さな
どの圧延条件が変化する場合には、別のクラウン
のロールに交換する必要があるので、多種類のイ
ニシアルクラウンを有するロールを保有しておく
必要があり、またロール交換のために圧延機の稼
動率の低下を招き、さらに圧延作業の進行に伴う
ロール摩耗と熱膨張のためロールのクラウンが著
しく変化するので、従来からロールを交換するこ
となしに板材の板幅方向の厚み分布を制御する手
段が業界で要望されていた。 この制御方法として、周知の如くワークロール
のベンデイング法が開発され、ある程度の効果を
挙げているが、この方法ではワークロールのロー
ルネツクの強度上、ワークロールに加えうるベン
デイング力に限界があるため、十分な板幅方向の
厚み分布修正能力を得る事ができなかつた。 これに対して、ロールの軸心を水平面内でわず
かに交叉させて圧延する事によつて板幅方向の厚
み分布を修正する技術が公知である。すなわち例
えば特開昭53−76150には第1図a及び第1図b
に示すように、板厚形状を検出すると共に、この
検出値に応じて上下ワークロール1,2の軸心を
水平面内で反対方向に角度θだけ傾けて厚み分布
を制御する方法が開示されている。また特開昭55
−64908には第2図a及び第2図bに示すように、
上のワークロール1と上のバツクアツプロール3
及び下のワークロール2と下のバツクアツプロー
ル4の軸心を平行に保つた状態にして夫々上ペア
ロール及び下ペアロールを構成し、上下ペアロー
ルの軸心を水平面内で交叉させて板材を圧延する
技術が開示されている。 このような上記先行技術に例示する如く、上下
ワークロール1,2の軸心を水平面内でわずかに
交叉させて板材を圧延するいわゆるロールクロス
圧延方法は、板幅方向の厚み分布を修正するとい
う本来の目的には有効である事が公知であるが、
この方法には次のような欠点があつた。 すなわち、上下ワークロールの軸心を水平面内
でわずかに傾けて圧延を行なうと、ロール軸に平
行な方向の力(以後これをスラスト力と呼ぶ)が
発生し、このスラスト力を支える軸受等の機構が
大きなものになり、圧延条件によつては上記スラ
スト受け機構が破損して重大な設備事故になる可
能性があつた。ロールクロス圧延法において大き
なスラスト力が発生する事は従来から知られてい
たのであるが、圧延条件とスラスト力との定量的
な関係が十分把握されておらず、このため従来は
単にスラスト受け機構を強大なものにするという
設計上の考慮がされたのみであり、圧延機の製造
コスト上不利であるばかりでなく、スラスト軸受
での発熱のため高速圧延を行なう事が困難な場合
もあつた。 これに対して本発明者等はロールクロス圧延法
におけるスラスト力の生じる原因及び圧延条件と
スラスト力との関係について詳細な研究を行な
い、本発明をなしたものであり、その目的とする
所は上記したロールクロス圧延法における過大な
スラスト力の発生を防止し、もつてスラスト受け
機構の構造を簡素にできる技術を提供する事にあ
り、その要旨とする所は、上下ワークロールの軸
を水平面内でわずかに交叉させて板材を圧延する
方法において、板材を圧延していない空転状態に
おいては、上下ロールの押し付け力が零かあるい
は十分小さくなる程度にロール開度を設定してお
き、板材を噛み込んだ後に所定のロール開度にま
で設定を変更して板材を圧延し、さらに板材が抜
けて空転状態になる前に、空転状態における上下
ロールの押し付け力が零かあるいは十分小さくな
る程度にロール開度を再設定する事を特徴とする
ロールクロス圧延方法にある。 以下本発明の要旨を理解するために本発明者等
の研究結果にもとづいて詳細に説明する。 第3図は板材を圧延中に生じるスラスト力を実
験で求めた結果を示した図である。実験は第2図
a,bに示したロールクロス圧延によつて鋼板の
熱間圧延を行なつたもので、クロス角θ(定義は
第1図a参照)及び圧下率rを種々変えて行なつ
た。第3図はスラスト力FTと圧下率rとの関係
をθ=0.5゜及び1.0゜の場合を示したものであるが、
同図より圧下率が上昇してもスラスト力はあまり
大きくならない事がわかる。圧下率rを大きくし
てゆくと圧延荷重Pは大きくなるが、スラスト力
FTはほとんど変わらないという事は、スラスト
力FTの圧延荷重Pに対する比μT(これをスラスト
係数と呼ぶ)が第4図に示したように圧下率rの
増大に伴なつて減少する事を意味している。この
ように圧下率rが増大してもスラスト係数μTが減
少するため、スラスト力FTがあまり大きくなら
ない理由はここでの議論には特に重要ではないの
で詳細は省略するが、スラスト力の発生する圧延
ロールと板材との接触域において、板材が塑性変
形しているためであるとして説明する事ができ
る。 上記のように板材を圧延している間は、スラス
ト力FTはあまり大きくはならず、圧延機の強度
と比較研究した結果、従来公知の技術を用いて簡
素な設計のスラスト受け機構を採用することが可
能な事がわかつた。 さらに本発明者等は、ロールクロス圧延方法に
おいては、板材を圧延している時だけでなく、板
材を圧延していない空転時においても、上下ロー
ルの押し付け力が大きい、いわゆるキスロール状
態でロールを空転する場合があり、このようなキ
スロール状態でもスラスト力が発生する事に着目
して実験を行なつた。 第5図は、ロールクロス圧延法で鋼板の熱間圧
延を行なう場合のキスロール時のスラスト係数を
実験した結果を示す図である。同図より、潤滑を
ほどこさない場合、キスロール時のスラスト係数
μTは30%以上にも達する事がわかる。同図にはま
たキスロール時のスラスト力を軽減するために潤
滑をほどこす事も有効である事もあわせて示され
ているが、潤滑によつてスラスト力を低減するた
めには潤滑油の供給装置を必要とし、また板材の
噛み込み性のため適用できない場合があるのに対
して、本発明は、潤滑の有無にかかわらず有効で
かつ特別な潤滑装置を必要とせずに、スラスト力
を軽減する方法を提供するものである。 このようにキスロール時のスラスト係数が、板
材を圧延中のスラスト係数と異なる理由は、キス
ロール時にはスラスト力の発生する場所が、互の
軸線が第1図aに示した如く、交叉角2θを持つて
水平面内で交叉している上下ワークロール1,2
の接触している領域であり、ここでは上下ワーク
ロール1,2がたかだか弾性変形しかしておら
ず、板材を圧延中の板材Sと上下ロール1,2の
いずれかとの接触域では板材Sが塑性変形をして
いる状態と本質的に異なつた状態にあるためであ
る。 以上述べたように、ロールクロス圧延方法にお
いて大きなスラスト力の発生するのは、キスロー
ル時であつて、板材を圧延している間はあまり大
きなスラスト力が発生しない事が明らかになつ
た。本発明者等は上記の発見にもとづいて種々研
究を行なつた結果、キスロール時の上下ロールの
押し付け力が小さく、したがつてスラスト力(こ
れはスラスト係数×押し付け力に等しい)が十分
小さくなる程度にロール開度を設定しておき、板
材を噛み込んで後に所定のロール開度にまで設定
変更し、さらに板材が抜ける前に再度ロール開度
を変更して、板材が抜けた後のキスロール時にお
ける上下ロールの押し付け力が十分小さくなるよ
うにする事が合理的な解決策であるとの結論に達
し、本発明をなしたものである。 上下ワークロールが平行である通常の圧延にお
いては、上下ロールがある程度大きい押し付け力
のもとで接触回転しても、上下ロールの軸方向相
対すべりがないため軸方向のスラスト力は小さ
く、本発明で解決すべき技術課題は生じない。た
だし、特に板材の尾端が抜ける尻抜け時に、上下
ロールが衝撃的に接触することによつてロールに
疵が生じることが問題になるような場合は、板材
の尾端が抜ける前に上下ロール間隙を完全に開放
して板材の尾端部分を圧延しないという、一見本
発明の方法と類似の従来技術は用いられている。
ロールクロス圧延においても、このような上下ロ
ールの衝撃的接触を防止する目的に対しては同様
の手法が適用できることはもちろんである。 しかしながら、ロールクロス圧延における大き
なスラスト力は、軸線が互に交叉する如き上下ワ
ークロールがある一定時間(1〜数秒)以上接触
回転している時に生じ、これは尻抜け時だけでな
く先端の噛み込み時にも問題になる。したがつて
本発明の方法では圧下設定の変更を尻抜け直前に
行なうだけでなく、先端の噛み込み直後にも行な
つている。この際さらに歩留の低下の防止、なら
びに噛み込みの安定性のため、この圧下設定変更
は所定の設定と完全開放設定との間で行なうので
はなく、単に所定設定と軽圧下設定との間で行な
うものであり、軽圧下設定といえども最先端部お
よび最尾端部を圧延しており、上に述べたロール
疵防止のため尻抜け直前に上下ロールを完全に開
放する従来技術とは全く異なるものである。 なお、通常の圧延において本発明における尾端
部の方法を適用すれば、歩留低下の少ないロール
疵の防止方法が可能であることはもちろんであ
る。 以下本発明の作用効果を明らかにするために実
施例に従がつてさらに詳細に説明する。 実施例 1 単パス圧延の場合の例 3.0mm厚×1600mm幅の鋼板をワークロール径600
mmφの4段圧延機を用いて、ロールクロス圧延方
法によつて2.0mm厚にまで1パスで熱間圧延する
場合を例にとつて具体的な数値例を用いて説明す
る。この時鋼板の温度は850℃であり、圧延荷重
Pを3000Tonとする。ロール開度設定Sと出側板
厚hとの関係は周知のようにミル剛性をKとして h=S+P/K ……(1) で表わされる。ミル剛性Kを600Ton/mmとする
と、この場合h=2.0を得るためにはロール開度
Sは(1)式より S=h−P/K=−3.0 となる。すなわち、ロール開度が零の状態からさ
らに3mmだけ余分に締め込んだ設定をする必要が
あり、本発明を適用せずに、板材を噛む前あるい
は板材の抜けた後の空転時のロール開度設定を板
材を圧延中と同じにしたままにしておくと、空転
時の上下ロールの押し付け力は1800Tonという大
きな値になり、クロス角θが0.3度以上の場合キ
スロールのスラスト係数を30%として570Tonも
の大きなスラスト力が生じてスラスト受け機構が
急速に損傷してしまう事になる。 これに対して本発明の方法では空転時のロール
開度の設定を例えばS=−1mmとしておき、板材
を圧延中のみS=−3mmとすればよく、空転時の
上下ロールの押し付け力は1/3に軽減し、従がつ
てスラスト力も180Tonという小さな値におさめ
る事ができる。また板材を圧延中は圧下率が33%
であるから、クロス角θを1度までとつても第4
図の実験結果よりスラスト係数μTは5%程度であ
り、スラスト力FTは0.05×3000=150Tonにしか
ならず、十分支持する事ができる程度におさまつ
ている。 この時のロール開度Sが時間あるいは対応する
板材の場所によつて変化する様子を第6図に例示
する。同図には又、上下ロールの押し付け力また
は圧延荷重P、スラスト力FT、および板材の圧
延後の板厚hをもあわせて示す。 まず板材の圧延が始まる前の空転時のロール開
度はS=−1.0mmとしている。Aの時点で上下ロ
ールの押し付け力Pの変化がロードセルで検出さ
れ、ロール開度設定変更を指令する信号が油圧圧
下系統に送られる。実際には油圧圧下系統の電気
的および機械的な応答遅れのため、Aの時点より
わずかに遅れたBの時点にロール開度Sの設定変
更が始まり、−1mmから−3mmにまでロール開度
Sが締め込まれ、Cの時点以降Dの時点まで定常
的な圧延が行なわれる。 Dの時点から板材が抜けた後のロール開度設定
を目標に設定変更を開始し、Eの時点で完了し、
Fの時点で板材の後端が抜ける。Dの時点を決定
するためには、板材の長さからあらかじめ計算で
決めておくか、圧延機の入側の適当な場所で板材
後端が通過した事を検出する装置を設け、この検
出信号と同期あるいは一定の時間遅れをとつてD
の時点を決める等の方法を用い、Eの時点ができ
るだけ板材後端に近くなるようにすればよい。 上下ロールの押し付け力または圧延荷重Pは図
示したように、空転中は600Tonであり、板材圧
延中はロール開度変更に対応して2000Tonから
3000Tonまで変化している。スラスト力FTは板材
の噛み込み時点Aの直後および、後端の抜けた時
点Fの直後に若干の遷移期間が見られるが、既に
述べたように180Ton以下の小さな値におさまつ
ている事がわかる。 この時圧延後の板材の厚さhは目標板厚2mmに
対して、先端部AB間、および後端部のEF間では
2.3mmになり、ロール開度変更を行なつているBC
間及びDE間では対応して2.0〜2.3mmの間で変化し
ている。このように先端の非定常部AC間及び後
端の非定常部DF間ではオフゲージになるが、油
圧圧下装置を備えた圧延機ではこの時間は通常1
〜2秒程度であり、板材の長さにすると圧延速度
が100m/minの場合1.7〜3.3mのオフゲージにし
かならず、切り捨てても大きな歩留低下にはなら
ない。 実施例 2 多パス圧延の場合の実施例 上記実施例においては、板材の先端及び後端近
くのロール開度の設定変更を行なつている非定常
部に生じるオフゲージについては切捨ててスクラ
ツプにしていた。しかしながら、圧延速度が大き
くなると、このオフゲージ長は相当長くなり、こ
のため歩留の低下が問題になる。このような場合
は、通常圧延が多パスで行なわれる事を利用し
て、空転時の過大なスラスト力を避けるためにロ
ール開度変更を行なうロールクロスパスの前段あ
るいは後段のパスで上記ロール開度変更に伴なう
板厚変化を相殺するようなロール開度変更を行な
えばよい。 以下ミル剛性600Ton/mmの圧延機を用いて、
厚さ12mm、幅1550mmの鋼板を3パスで2.5mm厚さ
まで圧延する場合を例に具体的な数値例を上げて
説明する。 本実施例の場合、望ましい圧下スケジユール
は、板厚を12→7.5(1パス目)→4.2(2パス目)
→2.5mm(3パス目)となるように圧延してゆく
ものであり、各パスの圧延荷重およびロール開度
設定は第1表に示す通りである。
【表】
【表】 本発明の方法を用いずに、空転時のロール開度
設定を圧延中と同じにしておくと、特に3パス目
には1000Tonの上下ロールの押し付け力が生じ、
クロス角θを0.3度以上にとると300Tonのスラス
ト力が発生する事がわかる。 このため本実施例においては、3パス目のロー
ル開度を第7図に示した如く、板材先端部及び後
端部近くでは−1mmにして空転時の上下押し付け
力を600Ton程度にしておき、定常部分(CD間)
ではロール開度を−1.68mmまで締め込むという方
法をとる。この時1パス目及び2パス目のロール
開度を第1表で示した一定の値にしたままで圧延
を行なうと第7図の荷重P及び3パス後板厚hで
示したようになる事は既に実施例1で説明した通
りである。 このため本実施例においては、2パス目のロー
ル開度を、前述した3パス目のロール開度変更の
タイミングに対応させて第8図に示すように板材
先端及び後端の非定常部では定常部の設定(+
0.03mm)よりも余計に締め込んで圧延を行なう。
このようにする事によつて、3パス目入側すなわ
ち2パス目出側の板厚が一様ではなく、先後端部
が定常部より薄くなつている。本実施例において
はこの厚さの不均一さが適正になるように2パス
目のロール開度変更量を選んであるため、3パス
目で前記したのと同様にロール開度変更をした
時、3パス圧延後の板材すなわち成品の板厚が均
一にする事ができるわけである。 2パス目の適正なロール開度変更量を決定する
ためには厚さが変わつた時に圧延荷重を推定する
式と、ミル剛性式(既述した(1)式)とを用いて、
あらかじめ計算で求める事ができる。さらに2パ
ス目と3パス目のロール開度変更のタイミングの
対応は板材を噛み込んだ時点を基準にした時間と
圧延速度とを用いて、A、B、…等の対応する点
が同じ板材の部分になるようにする必要がある
が、公知の方法を応用して容易に行なう事ができ
る。 本実施例に見る如く、キスロール時の過大なス
ラスト力の発生を避けるべく、ロール開度の変更
を行なうロールクロスパス(ここでは3パス目)
の前段のパス(ここでは2パス目)において、適
正な過圧下設定を行なうことによつて、板材先後
端部のオフゲージをなくする事が可能である。こ
のような過圧下設定は必ずしも直前のパスで行な
う必要はなく、より上流のパス、あるいは前段の
複数パス、さらには場合によつては後段のパスに
よつても可能な事は容易に理解されるであろう。 実施例 3 次にホツトストリツプミルの6スタンド連続式
仕上圧延機で全スタンドにロールクロス圧延を実
施する場合の設定値の例を示す。圧延する材料は
1.6mm厚×1550mm幅の硬質材で仕上入口バー厚は
32mmである。 この実施例の場合は、長尺のストリツプがいく
つかのスタンドで同時に圧延されているため、圧
下位置の変更を行なうにあたつて、各スタンドの
速度も同時に変更しなくてはならない。本実施例
における各スタンドの出口板厚、圧下位置、速度
が各タイミングによつてどのように変わつている
かを第2表に示す。ここで圧下位置はキス荷重を
1500Tonになる状態をロール開度0mmとし、この
状態を基準に示したものである。 ロールクロスを行なわず、従つてスラスト力が
問題にならない場合の望ましい負荷配分は第2表
のBに示したものであり、圧延上の種々の条件を
勘案して経験的に求めたものであるが、特に前段
スタンドのロール肌荒れ防止に対する配慮が大き
く、この為後段の負荷を相対的に重くしている。
これに対して、ロールクロス行なう場合は、既に
述べたように板材を圧延していない空転時に過大
なキス荷重をかける事はできず、このため、第3
表に示した圧下位置以上に締め込む事は許されな
い。 第2表のスケジユールBはF4とF5の圧下位置
が許容下限値を下廻つている。そこでこれをそれ
ぞれの下限値である126、177まで引き上げる様に
負荷配分を変更して求めたスケジユールが第2表
のAスケジユールであり、これによつて材料噛込
前の設定を行う。この時のキスロール荷重がいず
れのスタンドでも制限値以下となることは云うま
でもない。そして、材料が噛込んだスタンドから
逐次Bスケジユールに走間変更を行う。通板完了
後圧延機の速度はズームアツプされるし、材料の
入側温度が下ること、AGCが作動することなど
の為各スタンドの圧下、速度が変化する。しかし
負荷配分はほゞ一定に保持される。そして、材料
が尻抜ける直前には、Cスケジユールになつてい
る。このまゝ材料が尻抜けすると、F4、F5の圧
下位置26、18がそれぞれ許容下限値を下廻つてい
るため、キスロール荷重が制限値を越えてしま
う。この為、この実積データを用いて再度負荷配
分を修正してF4、F5の圧下位置を許容下限まで
引き上げるスケジユールDを求めて材料尻抜け完
了前に走間変更を完了する。この結果材料尻抜け
後のキスロール荷重はいずれのスタンドでも許容
下限内におさめる事ができる。 なお圧下スケジユール変更はできるだけ大幅に
行なわない事が望ましく、このため、キスロール
荷重は上限ぎりぎりを狙うようなスケジユールを
採用することも考えられ、この為には各スタンド
毎に、圧下位置の零調を行つた時初期値にし、そ
の後、圧延中のロール膨張分を学習等によつて逐
次修正していく等の技術も応用できる事はもちろ
んである。 本実施例の場合は、圧延中の圧下変更に伴なつ
てロール速度をも同時に変える必要があり、第2
表にはその時のロール速度もあわせて示した。 走間セツト替に際しては既に公知となつている
走間板厚変更とほゞ同じテクニツクを利用するこ
とにより、スタンド間の張力の変動を発生させる
ことなく、スムースに材料の同一点に対し、上流
側スタンドから逐次セツト替を行つていくことが
出来る。但しこの場合、負荷配分変更であつて板
厚変更ではないので最終出口板厚は同一値に保た
れ、最終スタンドの速度も変化しない。 なお、定常圧延中にスケジユールAまたはDで
圧延しないでスケジユールBに変更する理由は、
前段の負荷を相対的に重くしたスケジユールA、
Dではロール肌荒れ等の問題があるので、この様
な負荷配分はあくまで空転時の過大キスロール荷
重防止対策にとどめ、材料の先端、尾端を除く大
部分の圧延においては圧延に適した負荷配分すな
わちスケジユールBにて圧延することが重要であ
るためである。 以上本実施例に見る如く、タンデム圧延でロー
ルクロス圧延を行なうにあたり、材料の先端部分
で1回目の負荷配分変更を行うべく、圧下速度比
の走間セツト替を行つてキスロール荷重対策を施
した負荷配分から圧延に適した負荷配分へ移行さ
せ、次に材料の尾端よりセツト替に必要な時間を
確保するだけ若干内側に入つた部分に対して2回
目の負荷配分変更を行うべく圧下、速度比の走間
セツト替を行つて、圧延に適した負荷配分からキ
スロール荷重対策を施した負荷配分へ移行させる
事によつて、板厚精度、歩留を確保しながらロー
ルキス時の過大なスラスト力の発生を防止し、か
つロールの負荷も望ましい状態でロールクロス圧
延を行なう事が可能である。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図a,bは公知のロールクロス圧延方法を
示す平面図と側面図、第2図a,bは別の公知の
ロールクロス圧延方法を示す正面図と側面図、第
3図は板材の圧延中に生ずるスラスト力を示す図
表、第4図は板材圧延中のスラスト係数を示す図
表、第5図はロールクロス圧延におけるキスロー
ル時のスラスト係数を示す図表、第6図は本発明
の実施例1のロール開度を例示する図、第7図は
本発明の実施例2の最終パスのみロール開度を変
更した時を例示する図、第8図は実施例2の2パ
ス目及び3パス目のロール開度を変更した時を例
示する図である。
【特許請求の範囲】
1 板圧延機の横剛性可変制御方法において、圧
延力を検出し、該圧延力に、横剛性係数と、板幅
により定まる関数を掛けてベンデイング設定力を
算出し、該ベンデイング設定力により作業ロール
ベンデイング量を修正することを特徴とする横剛
性可変制御方法。 2 板圧延機の横剛性可変制御方法において、内
部油圧室の油圧を調節して表面プロフイルを変え
得るようにした控ロールの内部油圧を制御する工
程と、圧延力を検出し、該圧延力に、横剛性係数
と、板幅により定まる関数を掛けてベンデイング
設定力を算出し、該ベンデイング設定力により作
業ロールベンデイング量を修正する工程とから成
ることを特徴とする横剛性可変制御方法。 3 作業ロールと控ロールを有する板圧延機の横
剛性可変制御装置において、デクリーズベンダー
と、インクリーズベンダーと、ロールベンデイン
グ力の設定信号が入力し該信号に基づき前記両ベ
ンダーを制御するベンダー制御装置と、該ベンダ
ー制御装置にロールベンデイング力を設定するロ
ールベンデイング力設定装置とを備え、該ロール
ベンデイング力設定装置は、圧延力検出装置と、
圧延機の横剛性係数を設定する横剛性係数設定器
と、板幅により定まる関数を有する関数器と、該
関数器に板幅値の信号を送る板幅設定器を備えて
成り、前記圧延力検出装置により検出した圧延力

Claims (1)

  1. けて空転状態になる前に、空転状態における上下
    ロールの押し付け力が零かあるいは十分小さくな
    る程度にロール開度を再設定して板材の尾端まで
    圧延する如き、少なくとも1つのロールクロスパ
    スを含み、さらに前記ロールクロスパスによつて
    板材の先端及び後端部に生じるゲージの非定常部
    を消去すべく、予め前記非定常部を相殺するに必
    要な過圧下設定をする前段パス、或は前記非定常
    部を消去する圧下設定をする後段パスを含む事を
    特徴とするロールクロス圧延方法。 3 板材を圧延中に、板材が複数個のスタンドで
    同時に圧延され、かつ複数個のスタンドでロール
    開度の変更を行なうと共に、前記ロール開度の変
    更量に対応して上記複数個のスタンドの相対速度
    を設定変更する事を特徴とする特許請求の範囲第
    2項記載の圧延方法。 4 ロールクロス圧延を行なうスタンドを1ケ以
    上含んだ板材のタンデム圧延機において、材料が
    各スタンドに噛込むまではロールクロス圧延を行
    なういずれのスタンドにおいても、キスロール荷
    重が制限値を越える様な締込状態が発生しない様
    な負荷配分を用いて求めた圧下位置、速度で圧延
    機を暫定的に設定し、材料が各スタンドに噛込ん
    だ時、すみやかに、圧延に適した負荷配分となる
    様な圧下位置、速度比に走間セツト替をすると共
    に、材料が各スタンドを尻抜けする直前に、負荷
    配分を再変更して、圧下位置、速度比の走間セツ
    ト替を行ない、ロールクロス圧延を行なういずれ
    のスタンドにおいても、材料尻抜后に、キスロー
    ル荷重が制限値を越える様な締込状態が発生しな
    い様にすることを特徴としたロールクロス圧延方
    法。
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