JPH0122796B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、高精細表示カラーブラウン管表示装
置における色ずれを補正するためのダイナミツク
コンバーゼンス装置に係り、特に色ずれ補正デー
タが地域別に可変としてデイジタル的に外部より
設定可とされたダイナミツクコンバーゼンス装置
に関するものである。

〔発明の背景〕 モニタ装置としてのカラーブラウン管表示装置
は一般に赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）に対応した
３つの電子銃やこれら電子銃からの電子ビームを
水平・垂直方向に走査するためのラスタスキヤン
回路、Ｒ，Ｇ，Ｂ各々の電子ビームに対応してこ
れを光に変換するためのシヤドウマスク、蛍光表
示面などより基本的に構成されるが、色ずれのな
い画像を得るためにはコンバース調整が必要とな
つている。蛍光表示面においては各電子ビームは
全ラスタスキヤン範囲に亘つて１点に集合する必
要があり、各電子ビームの強度が同一の場合には
白色の点として表示されることが望ましいわけで
ある。しかしながら、現実には機械的な寸法誤差
や偏向磁界の歪などによつて発光点は一致せず数
mmの色ずれが生じるものとなつている。

このため従来より第１図ａ〜ｄに示す如く永久
マグネツトを組合せ、これによりＲ，Ｇ，Ｂ電子
ビームを相対的に修正偏向させて色ずれを補正す
るといつたスタテイツクコンバーゼンス補正が行
なわれている。しかしながら、永久マグネツトに
よる場合は静コンバーゼンス調整は可能であるに
してもブラウン管の構造上蛍光表示面全体に亘つ
て微細な色ずれを補正することは困難となつてい
る。したがつて、１mm以下の色ずれを補正する必
要がある場合には第１図ａ〜ｄに示すような磁界
をコイルによる電磁マグネツトで発生させ、ラス
タスキヤン位置に対応してコイルへの電流を可変
するようにしたダイナミツクコンバーゼンス補正
が行なわれるようになつている。ところで、従来
にあつてはスタテイツクコンバーゼンス補正を行
なう際永久マグネツトの代りに電磁マグネツトを
用い、電磁マグネツトへの補正電流発生手段とし
て可変抵抗器などを組合せたアナログ方式のもの
が専ら用いられていたが、デイジタル技術の進歩
に伴い近年では補正電流をラスタスキヤン位置対
応にデイジタル的に記憶しておくデイジタルダイ
ナミツクコンバーゼンス装置が提案されるように
なつている。

第２図はデイジタルダイナミツクコンバーゼン
ス装置の概要構成を示したものである。デイジタ
ルダイナミツクコンバーゼンス装置６においては
色ずれ補正データは補正データメモリ６２に記憶
されるようになつており、補正データメモリ６２
より所定に読出された色ずれ補正データはＤ／Ａ
変換器６３を介しカラーブラウン管５のネツク部
に取付された色ずれ補正コイル３を駆動するよう
にされる。補正データメモリ６２は第３図ａに示
すように表示面５１としての全ラスタスキヤン範
囲を水平、垂直方向に分割することによつて得ら
れるゾーン５２各々に対応して色ずれ補正データ
を記憶するものとなつている。しかして、ゾーン
５２各々に割付された水平アドレス（HA）、垂
直アドレス（VA）をゾーンアドレスジエネレー
タ６１が偏向回路２からの同期信号にもとづいて
発生するようにすれば、現にスキヤンされている
ゾーン対応の色ずれ補正データが補正データメモ
リ６２より読み出されたうえ色ずれ補正コイル３
に与えられることになり、色ずれ補正はゾーン５
２毎に微調整され得るわけである。

ところで補正データメモリ６２への色ずれ補正
データの設定であるが、これは補正データ入力回
路６４によつて行なわれるようになつている。表
示画面５１上に表示される色ずれは目視または光
学的手段あるいは電気的手段によつてゾーン５２
毎に検知されるが、色ずれが検知された場合には
その色ずれ量に応じた色ずれ補正データを補正デ
ータ入力回路６４を介し補正データメモリ６２に
ゾーン５２毎に設定すればよいものである。例え
ば第３図ａに示す如く中央垂直方向に色ずれ（斜
線表示）が検知された場合には、第３図ｂに示す
如くにして色ずれ補正データを記憶せしめるよう
にすれば、全ラスタスキヤン範囲において色ずれ
補正が可能となるものである。したがつて、一般
的にはゾーン分割数が大なる程に、また、色ずれ
補正データのビツト数が大なる程により精密にし
て色ずれを補正することが可能となるわけであ
る。なお、第２図における符号１，４は映像増幅
回路、偏向コイルをそれぞれ示す。

このように色ずれはブラウン管の機械的な寸法
誤差や偏向磁界の歪などによつて決定されること
から、同一仕様のカラーブラウン管表示装置であ
つても色ずれ補正データは装置毎に異なつている
のが通常であり、装置毎に色ずれ補正データを補
正データ入力回路より設定することが必要となつ
ている。しかしながら、一旦色ずれ補正データを
設定してしまえば、機械的寸法誤差や偏向磁界の
歪の経時的変動は色ずれ仕様に対して無視し得る
ことから、色ずれ補正データの再設定操作は不要
とされる。即ち、補正データ入力回路は装置製造
の際での調整用のものであつてユーザ側では不要
とされることから、ダイナミツクコンバーゼンス
装置は経済的に構成され得ることになる。

ところで、カラーブラウン管の仕様が高精細に
なるに伴れ地磁気の影響が無視し得ないものとな
つているのが実状である。例えば日本国内で色ず
れ補正データを設定した後に米国にカラーブラウ
ン管表示装置を出荷した場合を想定すれば、日本
国内では色ずれが発生しなかつたにも拘わらず米
国では0.1〜0.3mmの色ずれが発生するというもの
である。これは、地磁気の強さが世界各地で同一
ではなく異なつており世界各地や方位による地磁
気の強さの差が色ずれに影響してくるからであ
る。地磁気の強さは例えば東京の320ガウスに対
しニユーヨークでは510ガウスといつた具合に異
なつていることから、再度色ずれ補正データの設
定が必要になるというものである。特に最近では
例えば日本で生産されたOEM製品が米国の法人
によつて世界各地に出荷されるといつた流通形態
をとることも珍しくもないことから、このような
事情を考慮すればダイナミツクコンバーゼンス装
置には補正データ入力回路を固定的に含ませてお
くことが考えられる。

ここで遅ればせながら色ずれ補正データの補正
データメモリへの設定方法を第４図によつて一般
的に説明すれば以下のようである。

即ち、第４図はマイクロプロセツサ６４１，プ
ログラムメモリ６４２およびコンソール装置６４
３よりなるマイクロコンピユータとしての補正デ
ータ入力回路６４を含むダイナミツクコンバーゼ
ンス装置を示したものであり、色ずれ補正データ
設定の際にはマイクロプロセツサ６４１より被補
正ゾーンが順次指定されるようになつている。被
補正ゾーンが指定される度にそのゾーンの色ずれ
は目視によつて検知され、検知された色ずれに対
する色ずれ補正データはコンソール装置６４３に
よつて入力されるが、入力された色ずれ補正デー
タをマイクロプロセツサ６４１が補正データメモ
リ６２におけるそのゾーン対応のアドレスに書込
するようになつているものである。

したがつて、色ずれ補正データを補正データメ
モリに再設定する場合も上記の如くにして行なう
ことが容易に考えられる。しかしながら、このよ
うにして再設定する場合は頻瑣な設定操作が要求
されることになる。また、他の再設定方法として
は地域別地磁気補正データにもとづき既設定済の
補正データを補正することが考えられる。地磁気
の影響は地球上の一定地域内では不変であつて地
域別地磁気補正データも予め知られていることか
ら、第５図に示す如くプログラムメモリ６４２内
に複数の地域別地磁気補正データ６４５を記憶せ
しめておきカラーブラウン管表示装置が実際に設
置される地域対応の地磁気補正データをスイツチ
６４４により選択させようというものである。地
域対応の地磁気補正データが選択されればマイク
ロプロセツサ６４１はその補正データを既設定補
正データ各々に加えることによつて、結果的に補
正データの再設定を行なわんとするものである。
したがつて、この方法による場合は再設定操作は
簡単化されるも、前者同様マイクロプロセツサな
どよりなる補正データ入力回路が必然的に要求さ
れることになる。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、構成、設定操作簡単にして外
部より任意にその地域に応じた色ずれ補正用のデ
ータが設定され得るダイナミツクコンバーゼンス
装置を供するにある。

〔発明の概要〕

この目的のため本発明は、基準色ずれ補正デー
タを格納するメモリの他に、外部より任意に地域
別色ずれ補正データが選択可とされた地域別色ず
れ補正データ格納用メモリを設けるようになした
ものである。基準色ずれ補正データを選択された
地域別色ずれ補正データによつて補正する場合
は、その地域に適合した色ずれ補正データが容易
に得られるものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明を第６図により説明する。

第６図は本発明によるダイナミツクコンバーゼ
ンス装置の一例での構成をカラーブラウン管など
とともに示したものである。図示の如く基準色ず
れ補正データはゾーン対応に補正データメモリ６
２に予め格納されているが、この他地域別の地磁
気に関した色ずれ補正データが予め格納されてい
る地域別色ずれ補正データメモリ６６が設けられ
るものとなつている。地域別色ずれ補正データメ
モリ６６における地域別色ずれ補正データの選択
はカラーブラウン管表示装置が設置される地域に
応じスイツチ６７を切換選択設定することによつ
て行なわれるようになつている。しかして、スイ
ツチ６７を適当に設定する場合は、補正データメ
モリ６２より読み出されたゾーン対応の基準色ず
れ補正データは加算器６５で選択された地域別色
ずれ補正データのゾーン対応のものと加算された
うえＤ／Ａ変換器６３を介し色ずれ補正コイル３
に与えられるものである。これによりカラーブラ
ウン管表示装置が如何なる地域に設置されようと
も色ずれがない高精細表示が可能となるわけであ
る。尤も基準色ずれ補正データが設定された地域
と同一地域内にカラーブラウン管表示装置が設置
される場合や、その地域と地磁気の強さが同一の
地域に設置される場合は地域別色ずれ補正データ
メモリ６６や加算器６５は不要であることは勿論
である。ただ、如何なる地域に設置されるかが事
前に知れなく、また、地磁気の強さが同一ではな
い地域に設置される可能性がある場合は、地域別
の色ずれ補正データが格納された地域別色ずれ補
正データメモリ６６が必要であるというものであ
る。この場合地磁気に関した地域別色ずれ補正デ
ータはその地域内では不変であり、しかも予め知
れていることから、地域毎に一旦設定した後はそ
の変更は不要である。本例では選択された地域別
色ずれ補正データはゾーン対応に読み出されるよ
うになつていることから、地域別色ずれ補正デー
タメモリ６６は不揮発性の半導体メモリとして構
成されることになろうが、地域別色ずれ補正デー
タをゾーン共通として設定する場合はそのビツト
数も少なくて済まされることから、メカニカルに
構成することも考えられる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、予め設定されて
いる地域別色ずれ補正データを外部より地域に応
じて選択可として、選択された地域別色ずれ補正
データによつて基準色ずれ補正データを補正する
ようになしたものである。したがつて、本発明に
よる場合は、構成、設定操作簡単にして外部より
任意にその地域に応じた色ずれ補正用データが設
定され得るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｄは、永久マグネツトの組合せによ
るスタテイツクコンバーゼンス補正を説明するた
めの図、第２図は、従来技術に係るデイジタルダ
イナミツクコンバーゼンス装置の概要構成を中心
として示す図、第３図ａ，ｂは、その構成におけ
る補正データメモリとそれに格納される補正デー
タを説明するための図、第４図は、同じくその構
成における補正データ入力回路の構成を示す図、
第５図は、地域別色ずれ補正データを考慮した色
ずれ補正データの再設定方法を説明するための
図、第６図は、本発明によるダイナミツクコンバ
ーゼンス装置の一例での構成を示す図である。 ６２…補正データメモリ、６３…Ｄ／Ａ変換
器、６５…加算器、６６…地域別色ずれ補正デー
タメモリ、６７…スイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カラーブラウン管表示画面を複数のゾーンに
   分割し、現にラスタスキヤンされているゾーンに
   同期せしめて該ゾーン対応の色ずれ補正データを
   補正データメモリより読み出しＤ／Ａ変換したう
   えカラーブラウン管ネツク部に取付された色ずれ
   補正コイルを駆動するようにしてなるダイナミツ
   クコンバーゼンス装置にして、基準色ずれ補正デ
   ータが予め格納されている補正データメモリの他
   に、地磁気に関しての地域別色ずれ補正データが
   予め格納されている地域別色ずれ補正データメモ
   リを上記地域別色ずれ補正データが外部より任意
   に選択読出可として設け、地域別色ずれ補正デー
   タメモリより選択的に読み出された地域別色ずれ
   補正データによつて補正データメモリからの基準
   色ずれデータを補正する構成を特徴とするダイナ
   ミツクコンバーゼンス装置。