JPH0122488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、スポーツシユーズ特にゴルフシユ
ーズ等の硬度の高い外底に設定されるスパイクの
ゆるみ防止構造に関するものである。

〔従来の技術〕

近時、スポーツシユーズ外底を高硬度のプラス
チツク材料にて成形し、間底にクツシヨン材を併
用する傾向にあり、従つて、スパイクを、外底に
埋設された嵌合金具に強力に締め付けて固定する
従来の方法では、使用中には、往々にして、プラ
スチツク表面との間においてゆるみを生起するも
のであつた。また、２〜３箇所に突起を形成して
も、各方向の外力とクツシヨン作動によつてゆる
みを生起するものとなり、スパイクの安定構造と
しては不充分なものであつた。

すなわち、スパイクは金属であり、外底に高い
硬度のプラスチツク系の材料が使用されると、ス
パイクと高い硬度のプラスチツクとの間の摩擦抵
抗が小さく、運動時には、両者の間に容易なスリ
ツプ性が生起され、容易にゆるみが発生する傾向
を有するものである。また、スパイクの圧接面に
突起を形成しても、上下、左右の激しい作動をな
すスポーツシユーズではスリツプを有効に防止出
来ないのが従来技術の現状である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来技術のスパイクの作動状態を勘案し、
高い硬度のプラスチツクと、より剛性の高い金属
との接触面の固定性を探究の結果、プラスチツク
面と金属面間の微動性による影響が波及しないよ
うな一体性が必要であり、接着剤の単独使用やね
じの様な嵌まり込み等の固定では不充分である。
因つて、プラスチツク面と金属面間の一体性につ
いて試行錯誤の結果次のような結論を得たもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点であるプラスチツク面と金属面間
の一体的な固定手段は、両面間において各方向の
応力に対する固定性をうるため、スパイクのつば
部の内面側の圧接面と、外底に埋設される嵌合金
具埋設部の外部の外底材被覆面からなる外底材当
接面との両者の接面に放射状の細かいぎざ目を形
成するものである。たとえば、10゜の放射角度で
36等分に山形状（深さ0.2〜0.3mm）の細かいぎざ
目を形成し、強力に締め付けて、スパイクの圧接
面のぎざ目に、外底材当接面のぎざ目が充填する
状態に一体的に嵌合固定することである。また、
この一体的固定に接着剤を併用してもよい。

〔作用〕

上記のとおり、この考案のスパイクゆるみ防止
構造は、スパイクのつば部の内面側の圧接面に形
成された放射状の細かいぎざ目に、外底の硬度の
高いプラスチツクの放射状ぎざ目が充填して放射
状に一体化されるため、高周波的振動から大きな
波動的応力において、スパイクと外底間のスリツ
プ性は完全に防止され、安定的固定が得られ、長
期にゆるみ防止作用が保持されるものである。

次に、実施の一例を示す図面に基づいて、この
考案の態様を詳述する。

〔実施例〕

第１図は、スポーツシユーズの外底の一例を示
す外底裏面図、第２図は、この考案のスパイクの
一例を示す拡大平面図、第３図は、この考案のス
パイクと嵌合金具との嵌合並びにスパイクの放射
状ぎざ目と外底材当接面のぎざ目との嵌合関係を
一部断面にて示した拡大正面図である。

第１図において、１は外底で、裏面の状態を平
面図にて示したものであり、本例はポリウレタン
材料を使用、JISスプリング式ゴム硬度計（Ａ型）
にて95゜以上程度の硬度に成型したものであるが、
このスポーツシユーズには、適宜に、ナイロン等
各種のプラスチツク系の材料が使用されうるもの
である。

この例示の外底は、踵部に４個、踏面部に６個
のスパイクが当接される。

２は、外底の接地面側の所要位置に埋設される
スパイクを嵌合する嵌合金具埋設部、３は、嵌合
金具埋設部の外部の外底材被覆面からなる、スパ
イクの圧接面に当接される外底材当接面、RN
（OS）は、外底材当接面３に形成されるもので、
該当接面３の中心から等角度に放射状に分割形成
した細かい放射状ぎざ目であり、本実施例では、
外底材当接面３の中心から10゜の角度で36等分に
放射状に分割形成した山形状（深さ0.2〜0.3mm）
の細かい放射状ぎざ目を形成したものである。

第２図の平面図において、SPはスパイクで、
スパイクの尖頭部４、スパイクのつば部５、スパ
イクのねじ部６とからなる一体構造のスパイク
で、嵌合金具のねじ部に嵌合される。RN（SP）
は、つば部の内面側の圧接面中心から等角度に放
射状に分割形成した細かい放射状ぎざ目であり、
本実施例では、前記の外底材当接面３と同様な36
等分の放射状ぎざ目を形成するものである。

図において、点線はつば部の圧接面に形成され
るぎざ目の放射状の分割線の一部を示したもの
で、圧接面の全周に形成されるものである。

第３図において、７はフランジ管形状の嵌合金
具で、７ａは嵌合ねじ部である。図に示すよう
に、スパイクSPのねじ部６を嵌合金具７のねじ
部７ａに嵌合して締め付け、スパイクの圧接面に
形成する放射状ぎざ目RN（SP）と外底材当接面
３に形成する放射状ぎざ目RN（OS）とが嵌合一
体化するまで強力に圧接固定するものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案のスポーツシユ
ーズのスパイクは、スパイクのつば部の圧接面と
外底材当接面とに細かい放射状ぎざ目を形成し、
スパイクの圧接面の放射状ぎざ目を強力に圧接し
て、スパイクの圧接面のぎざ目に外底の硬度の高
い材質のぎざ目を充填して一体的な固定状態に形
成したため、スパイクと外底との接面間には完全
にスリツプ性が停止され、長期に嵌合ねじ部のゆ
るみが防止され且つスパイクが外底と一体的な安
定性を有し、好適なスポーツ機能を発揮するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に使用される一例の外底裏
面図、第２図は、この考案のスパイクの一例の拡
大平面図、第３図は、この考案のスパイクの放射
状ぎざ目と外底材当接面のぎざ目との嵌合関係を
一部断面にて示した拡大正面図である。 １……外底、２……嵌合金具埋設部、３……外
底材当接面、５……スパイクのつば部、７……嵌
合金具、SP……スパイク、RN（SP）……スパイ
クの圧接面に形成される放射状ぎざ目、RN
（OS）……外底材当接面に形成される放射状ぎざ
目。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スポーツシユーズのプラスチツク系等の硬度の
   高い外底材からなる外底の所要箇所に設定される
   一体構造のスパイクにおいて、スパイクのつば部
   の内面側の圧接面と外底に埋設される嵌合金具の
   接地面側の外底材当接面との両接面に形成され
   た、等角度に分割した細かい放射状ぎざ目の相互
   を強力に圧接嵌合固定したスポーツシユーズのス
   パイクゆるみ防止構造。