JPH01224187A - 圧延用ロール表面のダル加工方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はレーザを用いた圧延用ロール表面のダル加工方
法および装置に関する。

［従来の技術］ 自動車用外板等に用いられる冷延鋼板の塗装後の仕上り
の美しさく以下「塗装鮮映性」と称す）は、その商品価
値を高めるものとして重要視されている。従来はこの塗
装鮮映性を高める手段として、専ら塗料、塗装方法のみ
に注意が払われてきた。ところが近年において、粗度、
うねり等の下地鋼板の特性そのものが、塗装鮮映性に多
大な影響を及ぼす事が判明し、注目を集めてきている。

一般に冷延鋼板は、その製造工程において、表面に微小
な凹凸モチーフを有するロール（ダルロールと称する）
によって調圧され、その表面にある一定の粗度を付与さ
れる。鋼板のプレス加工性、塗料密着性を確保するため
には、ある一定値以上の粗度を保持しなければならない
が、それと同時に鋼板のうねりが増大し、塗装鮮映性は
かえって低下する。

したがって塗装鮮映性、プレス加工性の両方に優れた鋼
板を製造するためには、粗度とうねりの両方の値を所定
の範囲内に収める必要がある。

これらを達成する具体的方法として特開昭５４−６１０
４３号公報に示されたごとく、制御性に優れたレーザを
エネルギー源としてロールのダル加工を行う“レーザダ
ル加工法”が注目を集めるに至っている。

従来のレーザダル加工装置の概略を第２図に示す。以下
同図を用いて従来のレーザダル加工法について説明する
。

パルスレーザ発振器１は一定の周波数Ｆの繰返しパルス
レーザ光りを発振する。レーザ光りは複数のミラー８を
介して集光レンズ６に入射され、ロール９の表面上にて
微小スポットに集光される。この時集光位置でのレーザ
光のエネルギー密度、パルス照射時間を適当に選ぶ事に
より、ロール表面に第３図に示したようなりレータ状の
モチーフ１０が形成される。ロール９を一定の回転速度
Ｎで回転させなから、ミラー８等を用いてレーザ光りを
ロール軸方向に走査させる事により、ロール表面に微小
モチーフｌＯを規則正しく一定の間隔で形成する事が可
能となる。

［発明が解決しようとする課題］ ところか従来のレーザダル加工法では以下のような問題
が生じる。即ち第４ａ図に示したごとく、微小モチーフ
１０はロール円周方向に一列に並んで形成される。これ
に対してロール軸方向には一定間隔であっても、−直線
上に並んで形成される事はない。

したがってこのような鋼板に塗装を施した後に目視にて
観察すると、特に塗膜が薄い場合にロール円周方向に一
種の“筋模様“が認められ、塗装鋼板の美観を著しく損
ねる。

そこで本発明は、レーザによって形成される微小モチー
フがロール円周方向に一列に並ぶ事を防止し、塗装鋼板
に筋模様が発生しない事を目的としてなされたものであ
る。

［課題を解決するための手段］ 本発明は上記の目的を達成するため、 パルスレーザを用いて圧延ロール表面をダル加工する方
法において、レーザパルス光と同期したＲＦ倍信号音響
光学素子に印加し、レーザ光のロール表面での入射位置
をずらせることを特徴とする圧延ロール表面のダル加工
方法及び、 パルスレーザ発振器と集光レンズを用いた圧延用ロール
表面をダル加工する装置において、該パルスレーザ発振
器の出口と集光レンズとの間にあって、パルスレーザ発
振器からのレーザパルス光と同期して印加されるＩＮＦ
信号に応じて、周期的にレーザパルス光を回折するため
の音響光学素子を備えた事を特徴とする、圧延ロール表
面のダル加工装置 とを要旨とするものである。

［作用コ 以下、第１図を用いて本発明の詳細な説明する。パルス
レーザ発振器１はＱスイッチパルスレーザ発振器であり
、共振器内にパルス変調のためのＱスイッチ素子３を、
有する。Ｑスイッチとしては、ＡＯ素子を用いるのが一
般的である。パルスレーザ発振器１の出力光りは発振器
出口に置かれた走査用ＡＯ素子２に入射される。

Ｑスイッチ素子３、走査用ＡＯ素子２はそれぞれＲＦ信
号発生器１１．１２の出力が印加される。ＲＦ信号発生
器１１．１２の出力信号は、それぞれゲート信号発生装
置４、及びその二分の１分周器５の出力信号により互い
に同期して周波数変調される。

パルスレーザ発振器１はＲＦ信号発生器１１の出力信号
に同期して繰返し周波数Ｆのパルスレーザ光りを発振す
る。一方走査用ＡＯ素子２へは、　ｌ／２　Ｆの周波数
でＯＮ、ＯＦＦを繰返すＲＦ信号発生器１２の出力信号
が印加される。走査用ＡＯ素子２へＲＦ倍信号印加され
ると、素子中を透過したレーザ光りは角度θだけ回折し
たレーザ光Ｌ２となり、またＲＦ倍信号取り除かれると
レーザ光しは素子中を直進し、レーザ光Ｌｌとなる。第
５図にこれらのＲＦ出力信号、パルスレーザ光のタイミ
ングチャートをまとめて示す。

以上の作用により、走査用ＡＯ素子２とロール表面７の
間に配置した集光レンズ６へはレーザ光ＬｌとＬ２がそ
れぞれ１７２　Ｆの周波数で交互に入射する事となり、
レーザ光入射角は、周波数Ｆでθだけ周期的な変化を繰
返す。この結果、角度θの方向をロール軸方向にとれば
、集光レンズ６の焦点距離がＦしの場合、約ＦＬθだけ
ロール表面６での微小モチーフＩＯの形成位置を周期的
に変化させる事が出来る。

以上の作用の結果、ロール表面７での微小モチーフｌＯ
の形成パターンを、第４ｂ図に示したごとく、ロール円
周方向に微小モチーフ１０が一直線に並んでいない状態
で形成する事が可能となる。

［実施例］ 以下に本発明の実施例について説明する。第１図、２図
に示した装置を用いて、実際に第４ａ図。

４ｂ図に示したような２種類のレーザダル鋼板を製造し
た。次に主な加工条件を示す。

・レーザ発垢器：ＱスイッチＹＡＧレーザ（定格出力１
００ｗ） ・レーザ周波数：　２０　ｋＨｚ ・パルスピーク値：２に＊ ・パルス幅：　５００　ｎ５ｅｃ ・ＡＯ素子２の回折角：　３　ｍｒａｄ・ＡＯ素子２の
回折周波数：　１０　ｋＨｚ・レンズ焦点距Ｉｌｌ：　
３０　ａｖ＋以上の加工条件で、ＡＯ素子２を用いた場
合と用いない場合の二通りのレーザダル加工を実施し、
それぞれの条件で加工したロールを用い二種類のレーザ
ダル鋼板を圧延した。その結果、第４図において ｄ、　＝ｄ、　＝２００　ｕｔｎ φＤ　＝　１００μｍ ６６２２０９ｍ　・・・第４ａ図 ８０μｍ　・・・第４ｂ図 となるレーザダル鋼板を製造出来た。

次にこれら２種類の鋼板に同じ塗装を施し、目視による
美観検査を行った結果を第１表に示す。

塗装条件は、第２表に示すような２コート、２へ−りの
薄手塗装とした。検査は１０人の５点評価で行い、評価
項目は塗装鮮映性と筋模様の目立ち難さの二項目とした
。なお、個人差等による目視テストの評価のバラツキの
程度を確認するために、特定の人間について時期を変え
て複数の予備テストを行ったが、各人の評価はかなり高
い再現性を有することがわかった。そこで先の二つの評
価項目について、最も好ましいものを５、好ましいもの
を４、普通を３、やや好ましくないものを２、好ましく
ないものを１として５点評価を行ったが、時期を変えた
同一サンプルの評価で２ランク評価が異なる事は殆どな
かった。

第１表に示したように、塗装鮮映性の点では二種類の鋼
板に大きな差異は認められないが、本発明は筋模様の目
立ち難さの点で、従来の鋼板に比へ明らかに優れており
、はっきりとした有意差が認められる。

第　　１　　表 第　　２　　表 塗装条件 ［発明の効果］ 以上説明した本発明のダル加工方法により得た圧延用ロ
ールを用いて得たレーザダル鋼板は、従来のレーザダル
鋼板の欠点であった、ロール円周方向の筋模様の発生を
防止する事が可能となり、塗装鋼板の美観を大幅に向上
せしめた。この事は嗜好の多様化した時代にふされしい
価値を作りだすものであり、その工業的利益は大きいも
のがある。

また、本発明のダル加工装置は、上記の加工方法を最も
効果的に実施せしめることを可能とし、同様に工業的価
値を高めるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の構成図、第２図は従来のレーザダ
ル加工装置の構成図、第３図はレーザによってロール表
面に形成される微小モチーフの平面図及び断面図、第４
ａ図は従来法によるレーザダル鋼板パターン、第４ｂ図
は本発明によるレーザダル鋼板パターン、第５図はＲＦ
信号とレーザパルスのタイミングチャートである。 １・・・パルスレーザ発振器、２・・・走査用へ〇素子
、３・・・Ｑスイッチ素子、４・・・ゲート信号発生回
路、５・・弓／２分周器、６・・・集光レンズ、７・・
・ロール表面、８・・・ミラー、９・・・ロール、１０
・・・微小モチーフ、１１．１２・・・ＲＦ信号発生器
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、パルスレーザを用いて圧延ロール表面をダル加工す
   る方法において、レーザパルス光と同期したＲＦ信号を
   音響光学素子に印加し、レーザ光のロール表面での入射
   位置をずらせることを特徴とする圧延ロール表面のダル
   加工方法。 ２、パルスレーザ発振器と集光レンズを用いた圧延用ロ
   ール表面をダル加工する装置において、該パルスレーザ
   発振器の出口と集光レンズとの間にあって、パルスレー
   ザ発振器からのレーザパルス光と同期して印加されるＲ
   Ｆ信号に応じて、周期的にレーザパルス光を回折するた
   めの音響光学素子を備えた事を特徴とする圧延ロール表
   面のダル加工装置。