JPH0122395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案はスイツチングレギユレータに関し、特
に負荷がシヨートされている場合に於ける出力ト
ランジスタの保護が行なえるスイツチングレギユ
レータに関するものである。

背景技術 スイツチングレギユレータは、直流電源をスイ
ツチングすることにより脈流とし、この脈流をト
ランスに供給して変圧した後に整流することによ
つて所望の直流電圧に変換するものであつて、テ
レビジヨン受像機等の各種電子回路装置に多用さ
れている。

第１図はテレビジヨン受像機に用いられるスイ
ツチングレギユレータの一例を示す回路図であ
る。同図に於いて１は電源投入時にスイツチング
レギユレータを自動的に起動させる起動用トラン
ジスタであつて、電源入力端２ａ，２ｂ間に例え
ばDC24Vの電源が供給されると、コンデンサ３
と抵抗４の値によつて決まる所定時間にわたつて
オンとなることにより、抵抗５および逆流防止用
のダイオード６を介してパルス幅可変出力回路７
に電源を供給する。パルス幅可変出力回路７はト
ランジスタ８，９とコンデンサ１０，１１および
抵抗１２〜１５とによつてマルチバイブレータ回
路を構成しており、コンデンサ１０，１１と抵抗
１３，１４の値によつて定まる一定周期の短形波
信号が出力される。そして、このマルチバイブレ
ータ回路の短形波出力信号は、ダイオード１６お
よび抵抗１７を介して電源を積分する抵抗１８と
コンデンサ１９の接続点に供給される。このた
め、積分回路はトランジスタ８がオフとなる期間
に於いて積分を行ない、トランジスタ８がオンに
なると抵抗１７、ダイオード１６およびトランジ
スタ８を介してコンデンサ１９の充電電荷が急速
に放電されることになる。従つて、抵抗１８とコ
ンデンサ１９による積分回路からは、トランジス
タ８のオフ期間に於いて徐々にレベルが上昇し、
トランジスタ８がオンになると急減するマルチバ
イブレータの発振周期に同期した鋸歯状の積分信
号が発生されることになる。この積分信号は抵抗
２０を介してトランジスタ２１に供給されること
により、設定レベル以下の積分信号が供給される
期間に於いてのみオンとなることによりパルス信
号Ａを発生する。そして、このパルス信号Ａのパ
ルス幅は後述するスイツチングレギユレータの出
力レベルに応じて、積分回路を構成する抵抗１８
とコンデンサ１９の接続点Ｐの電位に応じて可変
されることになり、接続点Ｐの電位が高い場合に
は積分出力の立ち上りが急峻となることからトラ
ンジスタ２１のオン期間が長くなるとパルス信号
Ａのパルス幅が広いものとなる。また、接続点Ｐ
の電位が低い場合には、積分出力の立ち上りが緩
やかとなることから、トランジスタ２１のオン期
間が短かくなつてパルス信号Ａのパルス幅が狭い
ものとなる。ただし、起動開始時に於いてはスイ
ツチングレギユレータの出力は零であることか
ら、パルス幅可変出力回路７からは予め定められ
た幅のパルス信号Ａが発生されることになり、こ
のパルス信号Ａによつてトランジスタ２２がオ
ン・オフ動作を行なう。この様にしてトランジス
タ２２がパルス信号Ａによつて駆動されると、起
動用トランジスタ１から供給される起動電源が抵
抗２３を介してパルストランス２４の１次側にパ
ルス信号Ａに応じて流されることになり、その２
次側出力によつて出力トランジスタ２５がオン・
オフ駆動される。出力トランジスタ２５がオン・
オフ動作を行なうと、電源入力端２ａに供給され
る電源が出力トランス２６の１次側に断続電流と
して流れることになり、その２次側の両端間には
１次電流のオン期間、つまりパルス幅可変出力回
路７から発生されるパルス出力信号Ａのデユーテ
イーに対応したレベルの交流が出力されることに
なり、この交流出力はダイオード２７，２８に於
いて整流された後にコンデンサ２９によつて平滑
されることにより、出力端３０ａ，３０ｃ間に例
えばDC22Vの電源として出力されることになる。
また、出力トランスの２次側に於ける中間タツプ
の出力は、ダイオード３１によつて整流されるこ
とによりDC12Vの電源として出力される。

ここで、ダイオード３１を介して出力される
12Vの出力電源は、ダイオード３２を介してパル
ス幅可変出力回路７およびパルストランス２４に
電源として供給されることになる。従つて、起動
用トランジスタ１は、スイツチングレギユレータ
の出力が電源としてパルス幅可変出力回路７およ
びパルストランス２４に供給されるまでの短時間
にわたつてのみこれらの回路に起動時の電源を供
給すれば良いことになり、そのオン期間の設定は
コンデンサ３と抵抗４の値によつて決定される。

一方、スイツチングレギユレータの＋22V出力
は、抵抗３３、可変抵抗器３４および抵抗３５に
よつて分圧され、その分圧出力は可変抵抗器３４
の摺動片からエラーアンプを構成するトランジス
タ３６に供給されることにより、このトランジス
タ３６の出力が抵抗３７を介して接続点Ｐに供給
される。そして、この接続点Ｐの電位はトランジ
スタ３６により出力電圧に反比例して制御される
ことにより、フイードバツク制御されて出力電圧
が一定化される。

次に負荷が増大すると、電源入力端２ａ−出力
トランス２６の１次側−出力トランス２５−微少
抵抗３８−電源入力端２ｂを介して過電流が流れ
ることから、微少抵抗３８の両端電位をベース入
力とするリミツター用のトランジスタ３９がオン
となる。ここで、トランジスタ３９がオンになる
と、接続点Ｐがアースに落されることから、トラ
ンジスタ２１がオン状態を続けることになり、こ
れに伴なつてパルス信号Ａは“Ｈ”状態を保持し
続けることになる。この結果、パルストランス２
４にはパルス信号が流れなくなることから、出力
トランジスタ２５のオン・オフ動作が中止されて
出力の発生が阻止されることから、過負荷に対す
る保護が行なわれることになる。

しかしながら、上記構成によるスイツチングレ
ギユレータに於いて、負荷が点線で示す様にシヨ
ートされている状態で電源入力端２ａ，２ｂ間に
直流電源が供給されると過電流が出力トランジス
タ２５に流れることになり、リミツターを構成す
るトランジスタ３９の出力によつて接続点Ｐの電
位が下げられても、マルチバイブレータ回路の発
振周期および抵抗１８とコンデンサ１９による積
分動作の関係から、パルス幅可変出力回路７の出
力によつて出力トランジスタ２５をそく断にする
ことが出来ず、これに伴なつて出力トランジスタ
２５が破損してしまう問題を有している。

考案の開示 従つて、本考案による目的は、電源出力がシヨ
ート状態にある時に電源スイツチが投入されて直
流電源が供給された場合に於ける出力トランジス
タの破損が確実に防止されるスイツチングレギユ
レータを提供することである。

この様な目的を達成するために本考案は、電源
の供給時に所定時間にわたつてオンとなることに
よりパルス幅可変制御回路に電源を供給する起動
トランジスタの出力側を抵抗と逆流防止用のダイ
オードを介して電源出力端に接続することによ
り、電源出力のシヨート時に起動用トランジスタ
が作動した場合には、この起動用トランジスタの
出力を電源出力端に接続された負荷のシヨート部
分を介してアースに落すことにより、パルス幅可
変出力回路を不動作として出力トランジスタのオ
ン動作を阻止することによつて保護するものであ
る。

よつて、本考案によるスイツチングレギユレー
タに於いては、極めて簡単な回路を付加するのみ
で、出力側がシヨートしている場合に於ける起動
時の出力トランジスタに対する保護が確実に行な
える優れた効果を有する。

考案を実施するための最良な形態 第２図は本考案によるスイツチングレギユレー
タの一実施例を示す回路図であつて、第１図と同
一部分は同一記号を用いて示してある。同図に於
いて４０は一端がダイオード６のカソード側に接
続された抵抗、４１は抵抗４０の他端と電源出力
端３０ａとの間に接続された逆流防止用のダイオ
ード、４２は抵抗４０とダイオード４１の接続点
とアース間に接続されたコンデンサである。

この様に構成されたスイツチングレギユレータ
に於いて、電源出力端３０ａに接続された負荷の
一部が点線で示す様にアースにシヨートされてい
る場合に電源入力端２ａ，２ｂ間に直流電源が供
給されると、コンデンサ３に対する充電電流が起
動用トランジスタ１のベースに供給されることか
ら、この起動用トランジスタ１が予め定められた
一定期間にわたつてオンとなる。起動用トランジ
スタ１がオンになると、電源入力端２ａ，２ｂ間
に供給される直流電源が抵抗５およびダイオード
６を介してパルス幅可変出力回路７に供給される
ことになる。しかし、この場合に於いては、電源
出力端３０ａに接続された負荷の一部がアースに
シヨートされていることから、起動用トランジス
タ１の出力は抵抗５−ダイオード６−抵抗４０−
ダイオード４１−電源出力端３０ａ−アースの経
路を介して流れることになる。この結果、パルス
幅可変出力回路７の電源となる接続点Ｑの電位
は、直流入力電源を抵抗５と抵抗４０とによつて
分圧した極めて低い電圧となることから、パルス
幅可変出力回路７が不動作となつて出力トランジ
スタ２５をオフ状態に保持し続けるためにこの出
力トランジスタ２５の破損が確実に防止されるこ
とになる。この場合、負荷として接続される電子
機器の電源ラインに接続された容量が比較的大き
な場合等に於いては、電源ラインがシヨートされ
ていなくとも比較的大きな突入電流が流れること
になるが、これらによる誤動作はコンデンサ４２
によつて防止することが出来る。

以上説明した様に、この考案によるスイツチン
グレギユレータは、電源出力のシヨート時に起動
がかけられると、起動トランジスタの出力を電源
出力側のシヨート部分を介してアースに落す様に
構成されているために、スイツチングレギユレー
タの起動が阻止されて出力トランジスタの破損を
確実に防止することが出来る優れた効果を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスイツチングレギユレータの一
例を示す回路図、第２図は本考案によるスイツチ
ングレギユレータの一実施例を示す回路図であ
る。 １……起動トランジスタ、３，１０，１１，１
９，２９，４２……コンデンサ、４，５，１２，
１３，１４，１５，１７，１８，２０，２３，３
３，３５，３７……抵抗、６，１６，２７，２
８，３１，３２，４１……ダイオード、８，９，
２１，２２，２５，３６，３９……トランジス
タ、２４……パルストランス、２６……出力トラ
ンス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電源の供給時に予定時間にわたつてオンとなる
   ことにより起動用の電源を出力する起動トランジ
   スタと、この起動トランジスタの出力を電源とし
   て作動することによりパルス信号を発生するパル
   ス幅可変出力回路と、このパルス幅可変出力回路
   から発生されるパルス信号に応じて作動すること
   により出力トランスに断続電流を流す出力トラン
   スと、この出力トランスの出力を整流して目的と
   する電圧の直流電源を出力する整流回路と、この
   直流電源出力の一部を前記パルス幅可変出力回路
   に供給するダイオードとを有するスイツチングレ
   ギユレータに於いて、前記起動トランジスタの出
   力側と電源出力端との間に抵抗と回り込み防止用
   のダイオードとの直列体を設けたことを特徴とす
   るスイツチングレギユレータ。