JPH01207215A - レトロウイルス用抑制剤 - Google Patents

レトロウイルス用抑制剤

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JPH01207215A
JPH01207215A JP30169287A JP30169287A JPH01207215A JP H01207215 A JPH01207215 A JP H01207215A JP 30169287 A JP30169287 A JP 30169287A JP 30169287 A JP30169287 A JP 30169287A JP H01207215 A JPH01207215 A JP H01207215A
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JP
Japan
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sulfate
polysaccharide
agent according
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virus
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Application number
JP30169287A
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English (en)
Inventor
Ryuzo Ueno
隆三 上野
Takashi Ueno
隆司 上野
Yuko Kuno
祐子 久能
Osamu Yoshida
修 吉田
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Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK
Original Assignee
Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分腎コ この発明はレトロウィルス感染の予防に有用な消毒・洗
浄剤に関するものである。
[要約コ この発明は、糖摺成炭素原子上に低分子量の連結基を介
して少なくとも1個のS−オキソ酸基が結合している天
然もしくは合成少糖類もしくは多糖類またはそれらの塩
類を有効成分として含有するレトロウィルス用消毒・洗
浄剤を提供するものである。上記剤は、レトロウィルス
、特にエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)、A
RC(エイズ関連コンプレックス)、PGL(進行性一
般リンパ腺症)、LAS(リンフォアデノパシー症候群
)の原因ウィルスに対して有効である。
[背景技術および発明の経緯] レトロウィルスは、RNAと逆転写酵素(rtNA依存
性DNAポリメラーゼ)をもち、逆転写酵素のはたらき
によりRNAを鋳型としてDNAを合成することを自己
複製の第一段階とするウィルスである。レトロウィルス
には、とり白血病ウィルス(avian  leuke
mia  virus)、とり肉腫ウィルス(avia
n  sarcoma  virus)、とり細網肉皮
腫症ウィルス(avian  reticuloend
otheliosis  virus)、マウス乳がん
ウィルス(murine  mammary  can
cer  virus)、マウス白血病ウィルス(mu
rine  leukemia  virus)、マウ
ス肉腫ウィルス(murine  sarcoma  
virus)、モルモットタイプCウィルス(guin
ea  pig  type  Cvirus)、ハム
スタータイプCウィルス(hamsLer  type
  Cvirus)q ラット白血病ウィルス(rat
  leukemia  virus)、ねこ白血病ウ
ィルス(reline  leukemia  vir
us)、ねこ肉腫ウィルス(1’eline  5ar
coIIla  virus)、ねこタイプCウィルス
(refine  type  Cvirus)、ひつ
じ白血病ウィルス(ovine  leukemia 
 virus)、うし白血病ウィルス(bovine 
 leukemia  virus)、ぶたタイプCウ
ィルス(swine  type  Cvirus)、
さる白血病ウィルス(simian  Ieuken+
ia  virus)、メイソンーフィツァーウイルス
(M ason −P r 1zervirus)、さ
る肉腫ウィルス(SiHial  sarcomavi
rus)、さるTリンパ球し好性ウィルス(simia
nT−1ymphotropic  virus)、ひ
ひタイプCウィルス(baboon  type  C
virus)、等のような多種類のかんまたは肉腫の原
因となるウィルスが含まれ、ひとでは重要なのは成人T
リンパ球し好性ウィルス(A’rLV)またはひとTリ
ンパ球し好性ウィルスI型(HTLV−1)および■型
(HTLV−11)が知られる。成人T細胞白血病は、
日本、特に西日本に多く、発病後の治療法は確立されて
いない。 一方、レトロウィルスで腫瘍性をらたないも
のとして、ひつじの脱髄性神経炎ウィルス(visna
  virus)、ひつじ進行性間質肺炎ウィルス(o
vine  progressive  pneuII
lonia  virus)、ひつじマエデイウイルス
(ovine  maedi  virus)、さるT
リンパ球し好性ウィルス■型(STLV−III)、う
ま伝染性貧血症ウィルス(equine  infec
tiousanemia  virus)などが知られ
、ひとでは、エイズ、ARCSPGL、LASの病因ウ
ィルス(HTLV−I[1、LAV 1、LAV2、A
RVなどのいわゆるエイズウィルス)がこれに属する。
最近では、エイズ原因ウィルスHI V類(ひと免疫不
全ウィルス)と呼ばれている。また、第3の亜科として
さるフォーミングウィルス(simian  roam
ing  virus)の属するスブマウイルス亜科が
知られる。また川崎病の原因ウィルスとしてレトロウィ
ルスが単離された。
エイズは、予後不良の免疫不全症として注目を集めてい
る疾病であって、カリニ肺炎、カボシ肉腫などの臨床像
を特徴とし、免疫応答能が破壊されることにより90%
以上の高死亡率を招くことが知られている。また、ヘル
パーT細胞が特異的に感染破壊されることも知られてい
る。さらに、エイズウィルスに関連する状態には無症状
のキャリアー状態、進行性一般リンパ腺症(PC;L)
、リンフォアデノパシー症候群(LAS)及びエイズ関
連コンプレックス(ARC)がある。
この発明者は、エイズ、ARC,PGL、LAS1エイ
ズウィルス保有症等の原因となるエイズウィルスの消母
・洗浄・除去に有効な物質を見出すため、成人T細胞白
血病患者のT細胞から樹立された株化細胞M’r−4に
エイズウィルスであるII ’I” L V −[を感
染させ、その際種々の物質を存在させて、効果を調べた
。上記MT−4細胞株は、HT L V −IIIによ
り100%感染が成立し、感染後に細胞破壊が起ること
が知られている。ところが、種々の物質を用いて実験し
てみると、スルホネート基を有する多糖類またはムコ多
糖類もしくはその硫酸化物を上記実験的HT L V 
−II[感染系に加えると、細胞障害を招くことなしに
MT−4細胞に対するH T L V −IIIの感染
とウィルスの増殖が強く抑制されることを見出した。さ
らに、上記多糖が、エイズウィルスを含めたレトロウィ
ルスの感染及び増殖に必要な逆転写酵素活性を阻害し、
それによってウィルスの増殖を抑制することを見出した
[先行技術] 多糖類の硫酸エステルのうち、低分子量のデキストラン
硫酸は、抗高脂血剤または抗動脈硬化剤として市販され
ている。また、比較的高分子量のデキストラン硫酸はヘ
ルペスウィルスに対して抑制作用を有することが知られ
ている(ヨーロッパ特許公開第0066379号)。し
かし、ヘルペスウィルスはDNAウィルスであるから、
DNAの合成を全面的に逆転写酵素に頼るレトロウィル
スとは増殖機序が全く異なっている。したがって、ヘル
ペスウィルスに対して効果かあることはレトロウィルス
に対しても有効であることを意味するものではない。さ
らに、低分子量のデキストラン硫酸(分子量toooo
以下)はヘルペスウィルスにほとんど無効であることが
知られている。
ムコ多糖類もしくはその硫酸化物のうち、コンドロイチ
ン硫酸は、感音性難聴、神経痛、腰痛、慢性腎炎などに
対する治療及び点眼薬として市販されている。また、ケ
ラタン硫酸は軟骨から、ティクロン酸はバチルス・ズブ
チリス(llgcillussubtilis)の細胞
壁から、ヒアルロン酸はさめの皮、くじらの軟骨または
ひとの血清から、ヘパラン硫酸はうしの肝臓また(よ肺
臓から、キチンは節足動物または真菌、酵母からそれぞ
れ得られることが知られ、コンドロイチン硫酸の硫酸化
物の製造法は特公昭46−9570号に記載されている
ヘパリンは、インビトロで種々の酵素、例えばフィトヘ
マグルチニン刺激ひとリンパ球のDNAポリメラーゼお
よびさる肉腫ウィルス(simian  sarcom
a  virus)の逆転写酵素を阻害することが知ら
れている[カンサー・リサーチ(Cancer  nc
search) 38巻2401−2407頁]が、細
胞レベルでレトロウィルス感染を阻害するか否かは知ら
れていない。
[発明の構成] この発明は、糖構成炭素原子上に低分子量の連結基を介
して少なくとも1個のS−オキソ酸基が結合している天
然もしくは合成少糖類もしくは多糖類またはそれらの塩
類を有効成分とする、レトロウィルス用抑制剤である。
ここにいう抑制には、消毒・洗浄をはじめとして、ウィ
ルスの不活化、除去、細胞間伝達阻止、殺滅を含めたあ
らゆる感染防止が含まれる。
レトロウィルスとしては、萌に例示したものを含めて、
RNAと逆転写酵素とを基本成分とするすべてのウィル
スが含まれる。
この発明にいう消毒・洗浄は、器物を対象とするもので
あって、ひとまたは動物の身体に対する薬剤の適用以外
を目的として行なうものである。
ここにいう器物には、繊維性衛生材料(例えば脱脂綿、
ガーゼ、包帯、繊維製生理用品、マスク、眼帯、三角き
ん、綿棒等)、医療・衛生用ゴl〜製品(手術用ゴム手
袋、コンドーム、ゴム製乳首等)、食品加工機械、事務
用具、医科用・歯科用または動物用機械器具(例えば手
術台、麻酔器具、人工心肺、指圧器、針、検眼用具、歯
科用治療台、家畜用人工l受精用具、動物専用保定具等
)、家具・建具・屋内および屋外装置品(ベツド、机、
いす、たんす、障子、ふすま、ドア、マット、カーペッ
ト、カーテン、たたみ、流し、洗面台、便器、浴槽、陳
列箱、本箱、げた箱、かさ立て等)、装身具、化粧用具
(例えばコンパクト、マニキュア用具、歯ぶらし)、喫
煙具、がん具、腕時計、めがね、補聴器、はき物、被服
(例えばねまき、パジャマ、作業衣、白衣、学童服、男
子服、婦人服等)、寝具(例えばふとん、ふとんカバー
、まくら、まくらカバー、シーツ、毛布、マツトレス等
)、理容用具(例えばバリカン、はさみ、かみそり、く
し等)、運輸機械(例えば船舶、航空機、鉄道車輌、自
動車等)の内部、建造物(例えば病院、映画館、飲食店
等)の内部、 排泄物、」ユ・下水、ト、(し、畜舎(111舎、豚舎
、牛舎等)の内部、飼育器具(養鶏用ケージ(育ずう用
、産卵鶏用、ブロイラー用)、養豚用ケージ、餌とゆ、
給餌器、給水器、ふ卵器等)、酪農賎器(搾乳用のミル
カー、ティトカップ、ミルクジャー、搾乳用バケツ等)
、作業衣(作業服、帽子、長靴、ゴム手袋等)、および
糞仮、汚水路、排水溝等が含まれる。
この発明で用いろ少糖類は、糖(R成炭素原子上に低分
子量の連結基を介して少なくとも1個のS−オキソ酸基
が結合しているものである。これには、天然品と合成品
が含まれる。天然の語は、少糖類または多糖類が、植物
、微生物または動物のような天然資源から抽出等の手段
により得られることを意味する。合成の語は少糖類また
は多糖類が、例えばS−オキソ酸基を有するかまたは有
しない天然もしくは非天然(合成)少糖類または多糖類
にS−オキソ酸基を導入することにより合成的に得られ
ることを意味する。
少糖類の語は、互いに結合する2〜約9個の単糖類を含
む炭水化物を意味する。例えば少糖類が3個の単糖類か
らなる場合、そのうちl、2または3(1!itが少な
くとも1個のS−オキソ酸基を存し得る。
多糖類の語は、互いに結合する約l0p1以上の単糖類
を含む炭水化物を意味する。構成単糖類の少なくとも1
個、小部分、大部分または全部が、少なくと61個で通
常4個以下のS−オキソ酸基を有し得る。
S−オキソ酸基には、スルホ基(−SO,l−1)およ
びヒドロキシスルフィニル基(−So・OH)が含まれ
る。好ましいのはスルホ基である。
糖措成炭素原子の語は、少糖類または多糖類に含まれる
単糖類のテトラヒドロフラン環またはテトラヒドロビラ
ン環を構成する炭素原子を意味する。
低分子量の連結基の語は、オキシ(−0−)、イミノ(
−NH−)、チオC−9−)、メチレン(−CUt)、
エチリデン(CH(CH3)、)等を含む。
低分子量の語は、その基が約14〜約32の分子量を有
することを意味する。好ましい連結基はオキシおよびイ
ミノである。
この発明で用いる少糖類または多糖類には、植物もしく
は微生物から得られた少なくとも1個の硫酸水素エステ
ル基(−0−S O−SO3H)を有する天然多糖類、
または植物もしくは微生物から得られた多糖類を硫酸エ
ステル化して生じた少なくとも1個の硫酸水素エステル
基(−0−8O,I−I)を有する合成多糖類が含まれ
る。
そのうち好ましいものは、非アミノ単糖(酸を含む)を
くり返し単位とする多糖類の硫酸エステルであるが、微
量の窒素を含有する場合も含まれる。くり返し単位の非
アミノ糖としては、キシロース、アラビノース、ラムノ
ース、フコース、グルコース、ガラクトース、グルクロ
ン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸等が含まれる。天
然に産生される多糖類としては、カラゲニン(すぎのり
、やはずっのまた等から得られたガラクタン硫酸エステ
ル)およびフコイジン(こんぶ属の褐藻から得られるポ
リフコース硫酸エステル)が含まれる。
カラゲニンには、に−カラゲニン、λ−カラゲニン、を
−カラゲニン等硫酸基含量の異なるものが含まれる。合
成的に得られるものとしては、多糖類、例えばでんぷん
およびその部分加水分解物、ロイコノストック属(L 
euconostoc)が生産するデキストランおよび
その部分加水分解物(通常分子ff1500−200万
、普通2000−30万、好ましくは2000−1万、
最適には3000−8000)、グリコゲン、ペクチン
、セルロース、植物粘液質(アラビアゴム、トラガカン
トゴム等)、植物粘質物(おくら、アロエ、じゅんさい
等から得られるもの)、海藻および淡水産藻類の粘液質
(アルギン酸、ラミナリン等)、微生物由来多糖類(レ
ンチナン、ブルラン、マンナンなど)または合成多糖を
硫酸化して得られるものが含まれる。これらの中には公
知の乙の(デキストラン硫酸、ヨーロッパ特許公開第0
066379号参照)および新規なものがある。新規な
ものは、公知のものと同(、ηにして製造される。製造
法の一例を示すと次の通りである。
クロルスルホン酸を8−10倍8の乾燥ピリジンに冷却
しながら滴下する。これに少量のホルムアミドとデキス
トラン(クロルスルホン酸の約4分の1重量)を加え、
撹拌しなから55−65℃に加熱する。数時間撹拌後、
溶媒を留去し、残留物を例えば再沈殿、透析等により精
製する。合成多糖中、硫酸エステル基を有する多糖類を
さらに硫酸化して得られたものは、ポリ硫酸の語で表わ
す。
また、この発明で用いる少糖類または多糖類には、動物
から得られた少なくとも1個のスルホ基(−So、I(
)を有する天然多糖類、または動物から得られた多糖類
を硫酸エステル化して生じた少なくとも1個のスルホ基
(−So、H)を有する合成多糖類が含まれる。
そのうち好ましいものは、アミノ単糖(N−アシル化さ
れたものおよび硫酸化物(−0−So、H又は−NHS
O−SO3H)を含む)を基本的くり返し単位とするム
コ多糖類であって、さらに単糖類またはそれから誘導さ
れる酸を別の基本的くり返し単位として含有し得るもの
である。くり返し単位のアミノ糖またはそのN−アシル
化物(好ましくはN−アセチル化物)としては、グルコ
サミン、ガラクトサミン、これらのN−アセチル化物お
よび上記化合物の硫酸化物または部分加水分解物が含ま
れる。また、単糖類または酸(好ましくはヘキスロン酸
)としては、グルコース、ガラクトース、グルクロン酸
、イズロン酸等が含まれる。このようなくり返し単位を
含むムコ多糖類には、ヘパリン、ケラタン硫酸、コンド
ロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−〇−硫酸、デル
マタン硫酸、ティクロン酸、ヒアルロン酸、ヘパリチン
硫酸、キチン、およびこれらの部分加水分解物、修飾(
例えば部分アシル化)物、並びに上記のようなくり返し
単位を含む合成多糖類が含まれる。
また、ムコ多糖類ポリ硫酸は、上記ムコ多糖類をさらに
硫酸化したものである。硫酸化は、例えば特公昭46−
9570号公報記載の方法によって行うことができるが
、一般的にはムコ多糖類に濃硫酸またはクロルスルホン
酸のような反応性誘導体を反応させることによって行な
われる。
この反応は、通常無溶媒下または溶媒中、低温で行なわ
れる。反応生成物は、常法、例えば中和、濃縮、沈殿、
再沈殿、クロマトグラフィー等によって単離される。
この発明で用いるムコ多糖類もしくはその硫酸化物の塩
としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
等の無機塩基との塩、およびジェタノールアミン塩、シ
クロヘキシルアミン塩、アミノ酸塩等の有機塩基との塩
が含まれる。これらの塩は、常法により対応する遊離酸
から製造される。これらのムコ多糖類もしくはその硫酸
化物およびその塩は、単独で使用されるほか、亜鉛、ア
ルミニウム、鉄などの金属塩との混合物としても使用で
きる。
上記少糖類または多糖類またはその塩の使用量は、目的
とする消毒・洗浄効果を生ずるに充分なmである。この
ような量は、一般に2.5−50000 ppmまたは
それ以上、好ましくは5−30000 ppmである。
適用方法は、噴霧、浸漬、塗布、含有等、任意の方法を
とり得る。
適用に際しては、有効成分を上記の適用方法に適した有
機または無機の固体または液体は形削のような消毒・洗
浄用薬用担体と混合して、常用の製剤の形で適用するこ
とができる。このような製剤には、液剤、乳剤、懸澗剤
等の液体やクリーム、軟膏が含まれる。上記担体として
は、水、アルコール、アラビアゴム等が含まれる。また
必要に応じて、補佐薬、安定剤、乳化剤、滑沢剤、結合
剤、叶1m節剤展着剤および他の常用添加剤を加えるこ
とができる。
また、他の消毒・洗浄剤と併用することができ、例えば
エタノール、イソプロパツール、ホルマリン、フェノー
ル、クレゾール、オキジドール、過マンガン酸カリウム
、ホウ酸、次亜塩素酸ナトリウム、ヨウ素、ヨードチン
キ、ヨードホルム、ポビドンヨード、塩化ペントドニウ
ム、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジ
ン、塩酸アルキルボリアミノエヂルグリシン、ポリへキ
ザメチレンビグアナイド塩酸塩などがあげられろ。
また、本発明の適用方法として、医療・衛生用ゴム製品
、樹脂製品の表面に付着、吸着あるいは、材料となるゴ
ム、樹脂自体に含有させる形で適用することができる。
この発明で用いる少糖類または多糖類の毒性は極めて低
い。例えば、デキストラン硫酸ナトリウム(分子徂70
00〜8000、S含量+7〜20%)の急性毒性(L
Dso)は、マウスに経口投与した場合2100019
7に9、静脈注射した場合4500 mg/ kgであ
る。コンドロイヂン硫酸ナトリウムの急性毒性(LDs
o)は、マウスに経口投与した場合7500 mg/k
g、腹腔内投与した場合4000xg/kg以上で中毒
例および致死例がみられない。ヘパリンナトリウムおよ
びヘパリンカルシウムの急性毒性(LDSO)は、マウ
スに静脈注射した場合、いずれも1500〜2000肩
9/に9である。
この発明のレトロウィルス用消毒・洗浄剤は、例えば次
のような目的で用いることができる。
(1)ウィルスの不活化(アルコール、クレゾール等の
消毒剤との併用も可能) 排泄物の消毒、公衆衛生用消毒薬として、家屋、家具、
トイレ、上・下水、庭、道路、空地、作業場等の消毒、
病院または研究施設(例えば手術室、検査室、病室、実
験室、実験器具、クリーンベンチ等)の消毒、医療用器
具(例えば手術用器具、検査用器具、歯科用器具、眼科
用器具、産婦人科用器具、内視鏡、胃カメラ、コンタク
トレンズ、めがね等)の消毒、医療補助品(例えばガー
ゼ、マスク、包帯、哺乳用乳首等)の消毒、理容・美容
用具(例えばバリカン、かみそり、くし等)の消毒、輸
送機械(例えば船舶、航空機、鉄道車輌、自動車等)の
内部の消毒。
(2)ウィルスの除去 上記病院または研究用施設、医療用器具、理容・美容用
具、家屋および屋内設置物品(例えば家具、便器、便座
等)、輸送機械、衣服(例えば白衣、作業衣、下着、寝
間着等)の洗浄。
樹脂等の表面に吸着あるいは樹脂自体に含有(例えば、
これらの樹脂を装着した体外循環装置等に血液・体液を
循環させることにより、血液・体液中に存在するウィル
スの吸着除去、あるいはこれら樹脂からなる眼帯を用い
ることにより涙中に存在するウィルスの吸着除去)。手
術着、手術用帽子、手術用マスク、手術用手袋などの手
術時着用具への付着あるいはこれら着用具の材料自体に
含有(手術中の不意の血液あるいは、体液の暴露、飛散
によるウィルス産生細胞に対する消毒)。
(3)細胞間伝達阻止 保存血液または血液製品への添加、避妊具への付着、あ
るいは避妊具材料自体に含有(精液または膣液中のウィ
ルス産生細胞に対する消毒)。
[実施例コ 以下、実施例によりこの発明をさらに詳細に説明し、試
験例によりこの発明の効果を明1らかにする。
製造例1 コンドロイチン硫酸の硫酸化物(コンドロイチンポリ硫
酸)の製造。
コンドロイチン硫酸(59)を−25℃以下に冷却した
95%濃硫酸」0村に撹拌しながら加える。
反応混合物を同温度で90分撹拌後、氷(+20g)上
に反応液を撹拌しながら注ぎ炭酸力ルンウムと混和する
。減圧濾過し、沈澱を洗い、この濾液と洗液に20%(
v/ V)になるようにエタノールを加え、−夜5℃に
放置し生成した硫酸カルシウムを除く。このI液に炭酸
ナトリウムを撹拌しながら加えて叶(10にする。次い
で酢酸で微酸性にしたのち20m1まで濃縮し100m
1のエタノールを加えて一夜5℃に保存後、沈澱を遠心
分離して、エタノール、次いでエーテルで洗い、減圧乾
燥し、白色粉末の標記化合物を得る。
製造例2 ケラタン硫酸の硫酸化物(ケラタンポリ硫酸)の製造。
ケラタン硫酸(100m9)を出発原料とし濃硫酸ld
を使用するほかは、実施例1と同様に操作して標記化合
物を得る。
製剤例! デキストラン硫酸ナトリウム (分子ff16000〜8000.’ S含fn17〜
20%)6g 水    fi量加えて全10’001cとする。
製剤例2 デキストラン硫酸ナトリウム (分子量5000、S含fil13〜14%)6g フェノール            20g水    
適量加えて全1000xCとする。
製剤例3 キトサン              1gl0%酢酸
溶液          15*Cギトザンに10%酢
酸溶液を加えて溶解さけたあと水適量を加えて全10Q
Odとする。
製剤例4 キチン硫酸(キチンの硫酸化物)     5gのナト
リウム塩 水   適量を加えて全IQOOxQとする。
製剤例5 コンドロイヂンボリ硫酸(コンドロイヂン硫酸の硫酸化
物)のナトリウム塩   300R970%エク/−ル
l0xQ 水   適量加えて全1000xQとする。
製剤例6 ヘパリンナトリウム     25000単位水   
適■1加えて全1000zQとする。
りl剤例7 デキストラン硫酸すトリウム      log(分子
量6000〜8000、S含ぢt17〜20−)グリセ
リン             50g精製水    
           40g上記を常法により撹拌混
合して液剤(粘度20C!プ)とする。この液剤をコン
ドームの全面に塗布し、被覆する。
製剤例8 デキストラン硫酸ナト嘗ノウ!−30g(分子ff15
000、S含ff113〜14へ)マルヂトール   
          30g精製水         
       40m1上記を常法により撹拌混合して
液剤(粘度200C1))とず/S、この液剤をコンド
ームの全面に塗布し、被覆ずろ。
製剤例9 デキストラン硫酸すトリウム       3g(分子
量50000、S含量15〜16−)111り2水  
              7I111シリコーンオ
イル            90g」二足デキストラ
ン硫酸t酸す!・リウムを11キ製水に溶解し、この溶
液を少量ずつシリコーンオイルに加え、9000 rp
mでホモジナイズし乳剤(粘度150CP)とする、こ
の乳剤はソニック処理においてらほとんど変化U・ず、
楓めて安定である。この乳剤を常法により形成し、固状
に巻き込んだコンドームの縁8Sの内部に点滴する。こ
の乳剤は順次浸透してコンドームの全面に一様に広がり
、被覆する。
試験例I(逆転写酵素阻害活性) とリミエロブラストシス・ウィルス(ΔvianMye
loblastosis V 1rus、略号AMV、
レトロウィルスの1 種であるとり骨髄芽腫ウィルス)
から得られた逆転写酵素(標品)の酵素活性に対する試
験物質の効果を調べた。
(7A)n(il)型1’1NA)5 ttQ、 (d
T)II  16(ブライマーDNA)4μQ1水lμ
Qに、0.5M+・リスtlcff(pl−18,4)
+0.1%l−’J )7x −100混合物5uQ、
l+nM−MgCf2t 5μ(!、20mM−DTT
5μL水5μQおよび[’1ll−TTP()リヂウム
標識デミジン3燐酸)を混合し、種々の用量の試験物質
溶液(最終濃度!、0.1および0゜01μ9/[12
)または緩衝液(対照)5μQを加えた。
上記ウィルス(AMV)から得た逆転写酵素の標品5μ
((1単位)を加え、37℃で30分間インキュベート
した。トリクロロ酢酸を加えて反応を停止さU゛、濾過
後、フィルター上に残った[’H−’1’]nの放射活
性を液体シンチレーションカウンターで計数定量した。
試験物質としては、デキストラン硫酸ナトリウム(分子
fi5000)、同(分子量8000)、同(分子量5
00000)、フコイジン、に−カラゲニン、λ−カラ
ゲニン、l−カラゲニンを用いた。結果を第1−7図に
示す。
第1−7図から、上記試験物質の用量が増すにしたがっ
てAMV由来逆転写酵素を阻害する効果が上昇すること
がわかる。
試験例2(逆転写酵素阻害活性) [(T L V −III (エイズウィルス)のウィ
ルス粒子破砕物を逆転写酵素粗製品として用い、試験例
1と同様にしてデキストラン硫酸(DS、分子G700
0〜8000、S含量17〜20%)の逆転写酵素阻害
効果を調べた。結果を第8図に示す。
第8図から、DSはHT L V −IIIより得た逆
転写酵素に対しても阻害効果をもつことが明らかになっ
た。
試験例3(抗エイズウイルス活性) 10%うし胎仔血清を含むRPMI−1640培地で培
養したMT−4細胞(30XIO’/肩Q)にIITL
V−111のウィルス粒子を加え、37℃で1時間イン
キュベートして吸着させた。この時の比率は、細胞:ウ
ィルスが約500:lになるようにした。吸着後細胞を
洗浄し、種々の用量の試験物質(試験例1と同じ)を加
えて37℃、5%CO2の条件下に3日間培養し、細胞
の増殖、生存率および感染細胞率を調べた。感染細胞率
は、間接蛍光抗体法により測定した。すなわち、細胞を
スライドグラス上に固定し、ウィルス抗原に対する抗体
を反応させ、さらにこの抗体に対する2次抗体(蛍光標
識したもの)を加えて反応させた。結果を第9−29図
に示す。図中、、△および口は非感染対照、マ、ムおよ
び冒は感染試験を示す。増イ1は細胞数、生存率は生存
細胞数x100/全細胞数、感染細胞率は蛍光陽性細胞
数x l 00/全細胞数である。
第9−22図から、試験物質を加えない場合には細胞が
増殖せず、また元の細胞も死滅するが、試験物質の用量
が増すにしたがって、非感染対照の値に近づくことがわ
かる。また第23−29図から、試験物質を加えない場
合にはほぼ全細胞が感染するが、試験物質の用量が増す
にしたがって感染しなくなることがわかる。すなわち、
これらの試験物質は、エイズウィルスの細胞への感染及
びウィルスの増殖を阻止する物質であることがわかる。
試験例4(細胞毒性) 抗ウィルス剤は宿主細胞にも毒性を示すことが多いので
、試験物質(試験例1参照)がこのような毒性を示すか
否かを調べた。
ウィルスを用いないで、M’I”−4細胞を試験例3と
同様に培養し、増殖および生存率を調べた。
結果は下表の通りである。
物質(μ9/肩Q)  増殖(X 10’細胞)生存率
(%)デキストラン硫酸ナトリウム(分子j15000
、S含量13%) to       +27    92デキストラン硫
酸ナトリウム(分子ff17,000〜g、ooo、S
含ff117〜20%) デキストラン硫酸ナトリウム(分子fi500000.
 S含fi16%) 1       124    .88フコイジン too        71    93に一カラゲニ
ン80%十λ−カラゲニン20%too       
lII     92λ−カラゲニン +       147    89 を一カラゲニン 上記の結果から、試験物質がほとんど細胞毒性を示さな
いことがわかる。
試験例5(逆転写酵素阻害活性) 試験例1と同様の方法によりAMVの逆転写酵素活性に
対する試験物質の効果を調べた。試験物質としては、コ
ンドロイチン硫酸(S含f16.2−6.9%)、コン
ドロイチンポリ硫酸(S含Bz。
6−12.1%)、ケラタン硫酸(S含fi7.0−8
゜0%)、およびケラタンポリ硫酸(S含m9.7%)
を用いた。結果を第30−33図に示す。
第30−33図から、上記試験物質の用量が増すにした
がって酵素阻害率が上昇することがわかる。また、上記
試験物質の逆転写酵素阻害活性は、分子内に存在する硫
酸基の数に密接に関係し、合成的に多硫酸化した試験物
質(コンドロイチンポリ硫酸、ケラタンポリ硫酸)の方
が天然物質(コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸)より
強い活性を示すことがわかる。
試験例6(抗エイズウイルス活性) 試験例3と同様の方法により培養細胞を用いて試験物質
の抗エイズウイルス活性を調べた。試験物質は試験例5
と同じである。結果を第34−45図に示す。図中、、
△および口は非感染対照、マ、ムおよび■は感染試験を
示す。増殖は細胞数、生存率は生存細胞数X100/全
細胞数、感染細胞率は蛍光陽性細胞数X 100/全細
胞数である。
第34−41図から、試験物質を加えない場合には細胞
が増殖せず、また元の細胞も死滅するが、試験物質の用
量が増すにしたがって、非感染対照の値に近づくことが
わかる。また第42−45図から、試験物質を加えない
場合にはほぼ全細胞が感染するが、試験物質の用mが増
すにしたがって感染しなくなることがわかる。
なお、上記各結果から、合成的硫酸化によりS含有mを
増加させたものの方が天然のものより抗エイズウイルス
活性が強いことがわかる。
試験例7(抗エイズウイルス活性) 試験例3と同様の方法によりヘパリンの抗エイ番 ズウイルス活性を調べた。結果を第46.−48図に示
ず。図中、、Δおよび口は非感染対照、マ、ムおよび箇
は感染試験を示す。増殖は細胞数、生存率は生存細胞数
x S OO/全細胞数、感染細胞率は蛍光陽性細胞数
xlOO/全細胞数である。
第46および47図から、ヘパリンを加えない場合には
細胞が増殖せず、また元の細胞も死滅するが、ヘパリン
の用量か増すにしたがって、非感染対照の値に近づくこ
とがわかる。また第48図から、ヘパリンを加えない場
合にはほぼ全細胞が感染するが、ヘパリンの用爪が増ず
にしたがって感染しなくなることがわかる。
試験例8(細胞毒性) 抗ウィルス剤は宿主細胞にも毒性を示すことが多いので
、ヘパリンがこのような毒性を示すか否かを調べた。
ウィルスを用いないで、M’l’−4細胞を試験例7と
同様に培養し、増殖率および生存率を調べた。
結果は、下表の通りである。
ヘパリン(μ9/HQ)増殖(X IQ’細胞)・存率
(%)100       133   .9/1to
        142    89上記の結果から、
ヘパリンがほとんど細胞毒性を示さないことがわかる。
試験例9(抗エイズウイルス活性) 試験例1〜7に示した種々の試験物質の抗エイズウイル
ス活性発現と分子構造(特に分子■及びS含量)との相
関を調べるために、天然に存在する多種多糖類、多糖類
の硫酸エステル、ムコ多糖類、およびそれらの硫酸化物
の抗エイズウイルス活性を調べた。さらに、合成的に得
られる種々の硫酸化物についても、同様に検査した。方
法は上記試験例と同じく培iMT−4細胞にHT L、
 V −■を感染させ、6日後の感染細胞率(%)に対
する各種試験物質の抑制効果を調べた。結果を下表に示
す。(感染細胞率は前述の試験例と同じく蛍光陽性細胞
数X I OO/全細胞数である。)2)海藻由来多糖
類及びその硫酸化物 3)キチン及びキトサン類及びその硫酸化物4)動物由
来ムコ多糖類及びその硫酸化物他の多糖類 ペクチン、コロミン酸、イヌリン、ラフィノース、メチ
ルセルロースはいずれら抗エイズウイルス活性を示さな
かった。
以上の結果から、抗エイズウイルス活性の発現は、S含
量(硫酸基またはスルホン酸基)と密接な関係があり、
S原子を含まないものはすべて活性を示さなかった。さ
らにS含量が増すに従って抗エイズウイルス活性が強く
なった。分子量との関係は、単糖類では全く効果がない
が、例えばデキストラン硫酸において分子量5000以
上では、分子量の増加は抗エイズウイルス活性に影響し
なかった。これは、これまで知られた硫酸多糖類のヘル
ペス等に対する抗ウィルス活性の発現の仕方と大きく異
なる。高分子量特に50,0.00以上の多糖類、多糖
類の硫酸エステルはひと及び動物に対し母性が高いこと
が知られており、今回低分子量のデキストラン硫酸が十
分抗エイズウイルス活性を示したことは、医薬として開
発する上で極めて重要である。上記試験物質の中で特に
抗エイズウイルス活性の強いのは、S含fnlO%以上
のデキストラン硫酸、λ−カラゲニン、アルギン酸の硫
酸化物、キトサンの硫酸化物、コンドロイチンポリ硫酸
、コンドロイチン−4−硫酸および−6−硫酸の硫酸化
物、ヘパリンなどであった。
試験例!0(抗フレンド白血病ウィルス(F−MuLV
)活性) マウスフレンド白血病ウィルス(F−MuLV)に対す
る下記試験物質の抗ウィルス活性をXC−プラーク法に
より調べた。
(方法1) I3ALB3T3細胞を、直径35IIII11のペト
リ皿に5X10’個/皿(2jIf2)の割合で入れ、
所定a3rxの薬剤を含む培地または含まない培地(対
照)及びウィルス希釈液0 、2 mQを加えて一夜培
養した。翌日、各々の培地で培地交換を行ない、更に3
日間培養し、ウィルス感染及び増殖を進行させた。その
後、培地を取り除き、UV照射してBALB3T3細胞
及びウィルスの増殖を停止させた。ここにXC細胞懸濁
液(2ml)を加え3日間培養し、l3ALB3T3に
感染し増殖したウィルスによってxC細胞が融合するこ
とにより生ずるプラークの数を測定した。
(方法2) 方法1において、ウィルス吸着後未吸若ウィルスを除き
所定畠度の薬剤を含むかまたは含まない培地2mQを入
れて培養を行なった。翌日の培地交換をせずに、以下方
法1と同様にして、プラーク数を計数した。
薬剤としては、方法1方法2共にデキストラン硫酸(分
子量7000〜8000、S含fi17%〜20%、D
S略記)を用いた。2つの方法の結果を下表に示す。
上記の表から、DSは1〜100μ9IRQでウィルス
の感染、増殖を反映するプラーク形成を90%以上抑制
し、1000μg/xQでは完全に阻止することがわか
る。また1〜100μg/mlのDSはBALB3T3
細胞に対し、全く細胞毒性を示さなかった。
方法2による抗フレンド白血病ウィルス活性上記の表か
ら、方法2においてもDSは1μ9/IIQで約60%
、500μ9/スσでほぼ完全にウィルスの感染、増殖
を抑制することがわかる。
以上の結果から、デキストラン硫酸はエイズウィルスな
どの細胞破壊型(レンチウィルス亜科)のみならず、腫
瘍形成型(オンコウイルス亜科)のレトロウィルスの感
染及び増殖も抑制することが明らかになった。
試験例1O (方法) 1、ウィルス不活性化作用 1−■TI、V−I[[)’/イルス粒子をI 00 
u9/xQの試験物質を含む培養液に加え、37℃で6
0分間保温した。このウィルス液を1000倍に希釈し
たのち、MT−4細胞に添加し、感染を開始させた。こ
の時、細胞:ウィルス比は500:1であった。37℃
、5%CO1の条件下に3日間培養したのち、ウィルス
抗原に対する抗体を反応させ、間接蛍光抗体法で感染細
胞出現率(%)を測定し、効力を比較した。感染細胞出
現率は、蛍光陽性細胞数X100/全細胞数である。
2、ウィルス除去作用 HT L V −III ノウイルス粒子をI O71
g/ 1(1(1)試験物質を含む培養液に加え、直ち
に、MT−4細胞に添加した。37℃、60分間、保温
したのち、遠心し、上清を除いた。更に、リン酸生食緩
衝液で2回洗浄し、細胞に未吸着のウィルスを除いたの
ち、新たに培養液を加え、3日間37℃。
5%co、の条件下に培養した。3日目に間接蛍光抗体
法で感染細胞出現率(%)を測定し、効力を比較した。
3、細胞間伝播阻止作用 HT L V −IIIの感染細胞であり、かつエイズ
ウィルス産生細胞であるI−rTLV−III/Mo1
t−4とエイズウィルスに感染していない細胞Mo1L
−4をl :9(7)割合で混合し、37℃、5%co
、の条件下で4日間培養した。この時、培地中にはlO
μ97M(lの試験物質が含まれるように調製した。
4日目に間接蛍光抗体法で感染細胞出現率(%)を測定
し、効力を比較した。
(結果) *ここでいうS含mは糖鎖に結合した硫酸基またはスル
ホン酸基に起因するものである。
**感染細胞と非感染細胞を1=9に混合したことを示
す。
結果 表に示すように、これらの試験物質は、りウイルス不活
性化作用 2)ウィルス除去作用3)細胞間伝播阻止作
用のいずれにおいても、エイズウィルスの感染を防御す
る効力を有することが判った。
特に、感染の第一段階であるウィルス粒子の宿主細胞へ
の吸着や、感染細胞から非感染細胞へのウィルスの伝播
を強く阻害した。
【図面の簡単な説明】
第i7図は、試験例1における、試験物質の逆転写酵素
阻害活性を示すグラフである。 第8図は、試験例2における、試験物質の逆転写酵素阻
害活性を示すグラフである。 第9−15図、16−22.23−29図は、それぞれ
、試験例3における、I−f T L V −In感染
MT−4細胞の増殖、生存率および感染細胞率に対する
試験物質の効果を示すグラフである。 第30−33図は、試験例5における、試験物質の逆転
写酵素阻害活性を示すグラフである。 第34−37.38−41.42−45図は、それぞれ
、試験例6における、HTLV−III感染MT−4細
胞の増殖、生存率および感染細胞率に対する試験物質の
効果を示すグラフである。 第46−48図は、それぞれ試験例7における、1−1
’rLV−[/LAVウィルス感染MT−4細胞の増殖
、生存率および感染細胞率に対するヘパリンの効果を示
すグラフである。 特許出願人 株式会社 上野製薬応用研究所代理人 弁
理士 前出 葆 はか1名 jl’J 8図 0 0.0+  0.+  1 10 デ゛キストヲン石仏@Na

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)糖構成炭素原子上に低分子量の連結基を介して少
    なくとも1個のS−オキソ酸基が結合している天然もし
    くは合成少糖類もしくは多糖類またはそれらの塩類を有
    効成分とする、レトロウイルス用抑制剤。
  2. (2)S−オキソ酸基がスルホ基(−SO_3H)であ
    る、特許請求の範囲第1項記載の処置剤。
  3. (3)連結基がオキソ基(−O−)またはイミノ基(−
    NH−)である、特許請求の範囲第1項記載の剤。
  4. (4)抑制がPGL、LAS、ARC、エイズ、成人T
    細胞白血病または川崎病の感染予防を目的とする消毒、
    洗浄である、特許請求の範囲第1項記載の剤。
  5. (5)レトロウイルスがひとレトロウイルスである、特
    許請求の範囲第1項記載の剤。
  6. (6)ひとレトロウイルスがHTLV−III、LAVお
    よびARV等のHIV類から選ばれるものである、特許
    請求の範囲第5項記載の剤。
  7. (7)ひとレトロウイルスがHTLV− I 、HTLV
    −IIまたは川崎病原因ウィルスである、特許請求の範囲
    第5項記載の剤。
  8. (8)レトロウイルスが動物レトロウイルスである、特
    許請求の範囲第1項記載の剤。
  9. (9)レトロウイルスがとりミエロブラストシスウイル
    スまたはフレンド白血病ウィルスである、特許請求の範
    囲第1項記載の剤。
  10. (10)抑制がレトロウイルスの感染予防を目的とする
    消毒・洗浄である、特許請求の範囲第1項記載の剤。
  11. (11)レトロウイルスがHIV類である、特許請求の
    範囲第10項記載の剤。
  12. (12)少糖類または多糖類がレトロウイルスの逆転写
    酵素阻害活性を有するものである、特許請求の範囲第1
    項記載の剤。
  13. (13)少糖類または多糖類が天然または合成少糖類も
    しくは多糖類硫酸エステルまたはその塩類である、特許
    請求の範囲第1項記載の剤。
  14. (14)天然または合成少糖類もしくは多糖類が、植物
    もしくは微生物から得られた少なくとも1個の硫酸水素
    エステル基(−O−SO_3H)を有する天然少糖類も
    しくは多糖類、または植物もしくは微生物から得られた
    少糖類もしくは多糖類を硫酸エステル化して生じた少な
    くとも1個の硫酸水素エステル基(−O−SO_3H)
    を有する合成少糖類もしくは多糖類、またはそれらの塩
    類である、特許請求の範囲第13項記載の剤。
  15. (15)合成多糖類が、デキストラン硫酸、アルギン酸
    硫酸、レンチナン硫酸またはブルラン硫酸である、特許
    請求の範囲第14項記載の剤。
  16. (16)デキストラン硫酸が、分子量500〜200万
    、通常2000〜30万、好ましくは2000〜1万、
    最適には3000〜8000のものである、特許請求の
    範囲第15項記載の剤。
  17. (17)デキストラン硫酸が、S含量5〜22%、好ま
    しくは10〜20%、最適には15〜20%のものであ
    る、特許請求の範囲第15項記載の剤。
  18. (18)天然多糖類が、カラゲニンまたはフコイジンで
    ある、特許請求の範囲第14項記載の剤。
  19. (19)天然または合成少糖類もしくは多糖類が、動物
    から得られた少なくとも1個のスルホ基(−SO_3H
    )を有する天然少糖類もしくは多糖類、または動物から
    得られた少糖類もしくは多糖類を硫酸エステル化して生
    じた少なくとも1個のスルホ基(−SO_3H)を有す
    る合成少糖類もしくは多糖類、またはそれらの塩類であ
    る、特許請求の範囲第13項記載の剤。
  20. (20)多糖類が、ムコ多糖類から選ばれた天然多糖類
    、または天然ムコ多糖類を硫酸エステル化して生じたム
    コ多糖類硫酸エステルから選ばれた合成多糖類である、
    特許請求の範囲第19項記載の剤。
  21. (21)多糖類がヘパリンまたはその塩である、特許請
    求の範囲第19項記載の剤。
  22. (22)多糖類が、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫
    酸、ヘパリチン硫酸、ケラタン硫酸、ヒアルロン酸、テ
    イクロン酸、キチンおよびキトサンから選ばれた天然多
    糖類、またはコンドロイチンポリ硫酸、デルマタンポリ
    硫酸、ヘパリチンポリ硫酸、ケラタンポリ硫酸、ヒアル
    ロン酸硫酸エステル、テイクロン酸硫酸エステル、キチ
    ン硫酸エステルおよびキトサン硫酸エステルから選ばれ
    た合成多糖類、またはそれらの塩類である、特許請求の
    範囲第19項記載の剤。
  23. (23)対象が繊維製衛生材料、医療・衛生用ゴム製品
    、食料品加工機械、事務用具、医科用・歯科用または動
    物用機械器具、家具・建具・屋内および屋外装置品、装
    身具、化粧用具、喫煙用具、がん具、時計、めがね、は
    き物、被服、寝具、理容用具、運輸機械、建造物の内部
    、または排泄物である、特許請求の範囲第1項記載の剤
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02289523A (ja) * 1989-02-10 1990-11-29 Kibun Kk 逆転写酵素阻害剤
JPH08151328A (ja) * 1994-11-28 1996-06-11 Fuji Ratetsukusu Kk エイズ感染防止潤滑剤

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JPH02289523A (ja) * 1989-02-10 1990-11-29 Kibun Kk 逆転写酵素阻害剤
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