JPH0120672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燈油、軽油又は重油等の石油製品の
温度低下による流動性の低下特性を測定する流動
点計に関するものである。

例えばデイーゼルエンジンの燃料として用いら
れる軽油又は重油等は、温度低下に応じて流動性
が失われ、温度低下が著しい場合にはデイーゼル
エンジンへの燃料供給が円滑に行われ得なくなる
おそれがあり、このため燃料としての軽油又は重
油等の温度低下に伴う流動性の低下特性を測定す
る必要がある。

第１図は、このような目的で従来用いられてい
る流動点計の一例を示す断面概略図で、１は測定
槽で、比較的内径の小なる下部筒体部分とこの下
部筒体部分と一体に形成された比較的内径の大な
る上部偏平部分とより成り、少くとも上部偏平部
分の側壁は非磁性体を以て形成してある。２は被
測定油の注入管、３は被測定油の排出管で、それ
ぞれに開閉弁（図示していない）を設けてある。
４は被測定油、５は温度センサで、熱電対、抵抗
温度計又はサーミスタ温度計等より成る。６は冷
却槽、７は冷却水の流入流出管で、図には示して
いないが開閉弁を取付けてある。８は回転軸で、
下端に羽根車等の回転抵抗体９を取付け、上部を
膨大部１０に形成し、この膨大部１０の中間に切
込み１１を設け、この切込みの上壁をピボツト軸
受１２に形成すると共に膨大部１０の頂部に可動
杆１３を取付けてある。１４は支持体で、その上
面にピボツト１５を突設してある。１６は可動杆
１３の一端に取付けた永久磁石、１７は電磁石
で、永久磁石１６との対向磁極が同極性となるよ
うに形成してある。１８は回転検出器で、可動杆
１３の一端と対向する個所に取付けられ、光源及
びこの光源を発して可動杆１３の下面で反射した
光を受ける光電変換器の組合せより成る。

測定槽１の下部筒体部分に適量の被測定油４を
入れて電磁石１７を励磁すると、この電磁石１７
と永久磁石１６間の反発力によつて可動杆１３が
ピボツト１５の周りに回転し、その際の回転検出
器１８における光電変換器の変換出力の変化から
可動杆１３の回転を知ることが出来る。

被測定油４の温度を低下せしめてゆくと、つい
には電磁石１７を励磁しても可動杆１３が回転す
ることなく、回転検出器１８の検出出力が変化し
ない状態に到る。即ちこのときは温度低下によつ
て被測定油の流動性が失われた状態であるから温
度センサ５によつてこのときの温度を測定するこ
とにより被測定油の流動性の失われる温度を知る
ことが出来る。

然しながらこの流動点計においては、回転軸８
をピボツト１５及びピボツト軸受１２によつて支
持しているため、その磨耗又はごみの付着等によ
つて支持部の負荷抵抗が変化し、可動杆１３の回
転が円滑に行われなくなつて測定誤差を生ずるお
それがあると共に機械的振動に弱く、ピボツト１
５とピボツト軸受１２の結合が破れるおそれが多
い。

本考案は、磨耗又はごみの付着等による負荷変
動によつて測定誤差を生ずるおそれなく、機械的
振動に強い流動点計を実現することを目的とす
る。

第２図は、本考案の一実施例を示す断面概略
図、第３図は、第２図のＡ−Ａ部分の断面概略図
で、両図において、１は測定槽、２及び３は被測
定油の注入管及び排出管、４は被測定油、５は温
度センサ、６は冷却槽、７は冷却水の流入流出
管、１６は永久磁石、１７は電磁石、１８は回転
検出器で、これらは第１図示のものと同様であ
る。１９は回転軸で、中空管より成り、その上部
を適宜軸長に亘つて肉厚部に形成し、この肉厚部
に可動杆２０を取付けてある。２１は羽根車等よ
り成る回転抵抗体で、その中心部に回転軸１９の
中空内径に等しい孔を穿ち、この中心孔の周りに
回転軸１９の下端を固着してある。２２は細いト
ーシヨンバーで、回転軸１９の中空内部に挿通し
てある。２３は下部支持体で、被測定油４の排出
を妨げることのないように例えば測定槽１の中心
部を通つて対向内壁間に橋渡しにした棒状体又は
測定槽１の中心部から内壁に向つて放射状に設け
た複数本の棒状体等を以て形成してある。２４は
測定槽１の上部偏平部分の側壁から槽内へ突設し
た上部支持体で、トーシヨンバー２２の下端及び
上端をそれぞれ下部支持体２３及び上部支持体２
４に固定してトーシヨンバー２２を下部支持体２
３及び上部支持体２４の間に垂直に緊張して支持
する。２５は支持ねじで、回転軸１９の肉厚部に
半径方向にねじ込み、その内端によつてトーシヨ
ンバー２２を押圧することにより回転軸１９をト
ーシヨンバー２２の周りに支持する。

本案流動点計においても電磁石１７を励磁した
際の回転検出器１８の検出出力の変化の有無から
被測定油の流動性の失われる温度を測定すること
第１図示の流動点計と全く同様であるが、本案流
動点計においては回転軸１９をトーシヨンバー２
２に固着支持せしめてあるので機械的振動に強
く、回転抵抗体２１の回転抵抗はトーシヨンバー
２２の材質、形状により定まる固有一定の大きさ
となり、第１図示のもののように軸受部の負荷変
動のような変動を生ずるおそれなく常に正確な測
定を行うことが出来る。

尚、回転検出器１８として前記のような反射形
検出器を用いる代りに、測定槽１の上部偏平部分
の上壁と下壁の一部を透明体を以て形成するか、
この部分に孔隙を穿つて光路を形成し、可動杆２
０を介して光源及び光電変換器を対向せしめて成
る回転検出器を用いてもよく、又、電磁石１７を
測定槽１の外部に設ける代りに槽内において永久
磁石１６と対向するように設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の流動点計の一例を示す断面概
略図、第２図及び第３図は、本考案の一実施例を
示す断面概略図で、１：測定槽、２：被測定油の
注入管、３：被測定油の排出管、４：被測定油、
５：温度センサ、６：冷却槽、７：冷却水の流入
流出管、８及び１９：回転軸、９及び２１：回転
抵抗体、１０：膨大部、１１：切込み、１２：ピ
ボツト軸受、１３及び２０：可動杆、１４，２３
及び２４：支持体、１５：ピボツト、１６：永久
磁石、１７：電磁石、１８：回転検出器、２２：
トーシヨンバー、２５：支持ねじである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被測定油の注入管及び排出管を設けた測定槽内
   において上端及び下端を各固定して垂直方向に設
   けたトーシヨンバーと、このトーシヨンバーの周
   りに支持せしめた中空管より成る回転軸と、この
   回転軸の下端に取付けた回転抵抗体と、前記回転
   軸の上部に取付けた可動杆と、この可動杆の一端
   に取付けた永久磁石と、この永久磁石と対向して
   設けた固定電磁石と、前記可動杆の回転を検出す
   る回転検出器と、前記測定槽内における被測定油
   の温度を検出する温度センサと、前記測定槽内の
   被測定油を冷却する冷却槽とより成ることを特徴
   とする流動点計。