JPH0119956Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は貯溜容器を有する輸液セツトまたは輸
血セツト（以下輸液輸血セツトと称する）の吊り
具に関する。さらに詳しくは、貯溜容器の重量が
瓶針に加わるのを防ぐために用いられる吊り具に
関する。

正確な輸液または輸血を行うために、従来より
貯溜容器の設けられた輸液輸血セツトが用いられ
ている。すなわち、瓶針を有する貯溜容器を主容
器口部のゴム栓に刺通して連結し、主容器から一
且貯溜容器内に一定量の輸液あるいは血液を貯
め、これを輸液または輸血するようになつてい
る。ところがこのままでは貯溜容器以降の器具の
総重量は瓶針とゴム栓との間に生じる摩擦力によ
つて支えられているにすぎないので、使用中に抜
け落ちる危険性がある。そのため従来は貯溜容器
以降の重量を支えるために、一端を瓶針または貯
溜容器に固定し、他端にハンガに通すための掛止
孔を設けた吊りバンドが用いられていた。しかし
ながら、ハンガと瓶針または貯溜容器との距離は
主容器の形状、大きさ等によつて異なるため、例
え吊りバンドに複数の掛止孔を設けたとしても、
あらゆる場合に完全に対応することはむずかし
い。

本考案は、かかる従来技術の有する問題点を解
決せんがためになされたものであり、掛止点を自
由に変更することのできる吊り具を提供すること
を目的とするものである。

本考案の吊り具は一端が貯溜容器に固定された
可撓性を有する２本の紐状体から構成されており
且つ該紐状体は移動自在のリングで緊密に束ねら
れている。以下本考案を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案の吊り具を有する輸液輸血セツ
トの一実施例である。図において、１はハンガ２
に吊持される主容器であり、輸血瓶あるいは血液
バツグ等からなる。主容器１は吊持した際ゴム栓
３が下方に位置するような構成になつている。主
容器のゴム栓には瓶針４が刺通されて、その下方
に貯溜容器５、点滴筒６およびタコ管付注射針７
が、この順序で連結されている。瓶針４、貯溜容
器５、点滴筒６およびタコ管付注射針７の間は可
撓性チユーブ８，９，１０によつて連結されてい
る。可撓性チユーブ８，１０の途中にはクランプ
１１，１２が取り付けられている。そして貯溜容
器５には吊り具１３が取り付けられ、貯溜容器以
降の器具の重量を支えているので、瓶針に過大な
重量が負荷されて瓶針が外れることはない。

第２図に示すように、吊り具１３は可撓性を有
する２本の紐状体１４，１５とリング１６より構
成されている。リング１６は紐状体１４，１５を
緊密に束ね且つ適度の力で自在に移動できるよう
に取り付けられており、リング１６で束ねられた
部分のすぐ下をハンガに掛けて使用する。リング
１６は紐状体１４，１５を緊密に束ねているの
で、貯溜容器以降の重量がリングにかかつても、
リングが移動することはない。しかしながら、リ
ングの移動は紐状体を揃えて軽く力を加えるだけ
で可能であるので、リングの位置を移動させて、
ハンガと貯溜容器との距離を最適な状態に保つこ
とができる。このように本考案の吊り具は、吊り
下げ荷重に対してはリングが移動しにくく、手で
操作すると容易に移動できるという予想外の効果
を奏するものである。このような現象の起こる理
由は明確ではないが、ハンガで紐状体の間隔が押
し広げられて摩擦が増大しリングが移動しにくく
なるためではないかと推定される。

本考案の吊り具を構成する紐状体は使用目的に
応じて素材、太さ、長さ等を任意に選ぶことがで
きるが、軟質プラスチツクのように適度の弾性と
可撓性を有するものが、効果の発現が顕著であり
好ましい。さらに最も好ましいのは軟質プラスチ
ツクからなるチユーブである。また、紐状体を束
ねるリングはプラスチツク、金属など任意の材料
で形成することはできるが、軟質プラスチツクや
ゴムなどの弾性材料が好ましい。なお、紐状体の
貯溜容器に結合されていない方の端部は互いに結
合されていてもよく、１本の紐状体を中央で折り
曲げたものであつてもよい。

以上述べたように、本考案の吊り具はハンガへ
の掛止点を自由に変えることができ、貯溜容器を
最適な位置に固定できるものである。また、貯溜
容器の吊り下げだけでなく、他の器具の吊り下げ
にも用いることができる。さらに輸液輸血器具以
外の用途にも使用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の吊り具を有する輸液輸血セツ
トの一実施例についての斜視図であり、第２図は
吊り具の正面図である。 １……主容器、２……ハンガ、４……瓶針、５
……貯溜容器、１３……吊り具、１４，１５……
紐状体、１６……リング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 瓶針を有する貯溜容器を主容器に連結するに
   際し、貯溜容器の重量が瓶針に加わるのを防ぐ
   ための貯溜容器吊り具において、前記吊り具は
   一端が貯溜容器に固定された可撓性を有する２
   本の紐状体から構成されており、且つ該紐状体
   は移動自在のリングで緊密に束ねられているこ
   とを特徴とする輸液輸血セツトの貯溜容器吊り
   具。 (2) リングが弾性材料で形成されてなる実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の吊り具。 (3) ２本の紐状体の他端部が結合されている実用
   新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   吊り具。