JPH01176995A

JPH01176995A - 原子炉炉内機器の肉盛方法

Info

Publication number: JPH01176995A
Application number: JP63000289A
Authority: JP
Inventors: Takatsugu Okada; 岡田　孝継; Motoji Tsubota; 基司坪田
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1988-01-06
Filing date: 1988-01-06
Publication date: 1989-07-13
Anticipated expiration: 2012-05-14
Also published as: JP2609651B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）本発明は原子炉炉内機器、特に摺動部材を有する炉内機
器の改良に係る。

（従来の技術）摺動部材を有し、この摺動部材が原子炉内に設置されて
いる原子炉炉内機器としては１例えば中性子／中間領域
モニタ用の中性子束モニタ（以下単に中性子束モニタと
呼ぶ）がある。

第３図はこの中性子束モニタの原子炉内への配置状態を
示している。この図において、１は原子炉圧力容器を示
し、２はその内部に同心的に配置された炉心シュラウド
を示している。また、炉心シュラウド２には炉心支持板
３および上部格子板４が設けられ、それ等によって画成
されたシュラウド２内の空間には炉心５が設置されてい
る。また、中性子モニタ６は前記炉心５内に挿入配置さ
れている。この中性子束モニタ６は、その上端を前記上
部格子板４の下面に形成された凹陥部７によって支持さ
れている。前記中性子束モニタ６は、炉心支持板３下方
に設けた中性子束モニタ案内管８およびこれに連接し圧
力容器１の底面を貫通する中性子束モニタハウジング９
を貫通して垂下し、その下端は中性子束モニタハウジン
グ９の下端にボルト１０ａによって取り付けた中性子束
モニタ用フランジ１０に固定支持されている。

第３図と同一部分には同一符号を付した第４図は中性子
束モニタおよびその周辺の詳細構造を示す縦断面図であ
る。この図において、パイプ状の本体１１内部は水密と
され、中空部１１ａ内は大気雰囲気とされている。この
中空部１１ａ内には。

炉心各部における低レベルの中性子束を監視する中性子
検出器（図示せず）が上下動可能に収容されている。ま
た、前記本体１１の案内管８内にある部分には軸方向に
間隔をおいて、それ等の外周で前記案内管８内周に密接
する上部ガイドリング１２ａおよび下部ガイドリング１
２ｂが形成されており、本体１１はそれ等のガイドリン
グ１２ａ、１２ｂにより案内管８に支持されている。さ
らに。

本体１１の中性子モニタ用フランジ１０内にある部分に
は、下面にテーパシール面１３ａを有するシールリング
１３が形成され、前記テーパシール面１３ａは中性子束
モニタ用フランジ１０に設けたテーパシール面１０ａと
協働して炉水のシールを行うものとする。また、本体１
１の下端部には雄螺糸部１４が設けられ、第３図に示す
ようにナツト１５が螺合され、これにより中性子束モニ
タ６は中性子束モニタ用フランジ１０に固定されている
。

一方、本体１１の上端部には円周方向に分布した通水孔
１６ａを有するパイプ状のスプリングカバー１６が取り
付けられている。また、スプリングカバー１６の上端に
は、内径をそれよりも小としたガイドスリーブ１７が取
り付けてあり、このガイドスリーブ１７にはプランジャ
１８が可摺動に係合されている。さらに、前記プランジ
ャ１８の前記ガイドスリーブ１７内径より大径の下端頭
部（ストッパ）１８ａには、ばね１９によりプランジャ
突出方向のばね力が印加されている。なお、プランジャ
１８の上端部には、凹陥部７に係合するヘッド２０ａを
具え、下端に前記ガイドスリーブ１７内径より大きな外
径のリング（ストッパ）２０ｂを有するアダプタ２０が
装着されている。

上記構成の従来の中性子束モニタは次のようにして原子
炉に装着される。先ず、炉心５の上方から中性子束モニ
タ６を吊り下ろし、この中性子束モニタの下部を中性子
束モニタ案内管８および中性子束モニタハウジング９を
通じて中性子束モニタ用フランジ１０の位置まで導き、
前記各テーパシール面１３ａ、ｌｏｂを当接させる。次
いで、アダプタ２０のリング２０ｂを治具等により下方
に押圧し、ばね１９のばね力に抗してプランジャ１８を
スプリングカバー１６内に押し込み、アダプタ２０のヘ
ッド２０ａを上部格子板４の凹陥部７の下方に導き、こ
こでスプリング１９を開放しヘッド２０ａを凹陥部７に
進入させる。その後、雄螺糸部１４にナツト１５を螺合
させ、これを緊締して中性子束モニタ６を中性子束モニ
タ用フランジ１０に固定する。

なお、中性子束モニタ６の取り外しは前記と逆の手順で
行われる。

なお、前記スプリングカバー１６．ガイドスリーブ１７
．プランジャ１８は、一般にオーステナイト系ステンレ
ス鋼で製作される。また、プランジャ１８の表面には、
窒化処理を施して軸方向の摺動が円滑になされるように
しである。

而して、中性子束モニタ６においては、前記各部材は炉
水に曝されるだけでなくクレビス条件下にあるため、各
部材には腐食が生じるおそれがある。

（発明が解決しようとする問題点）前記のような腐食が前記部材の中のガイドスリーブ１７
とプランジャ１８とのクレビス（隙間）に生じると、腐
食生成物がプランジャ１８の摺動を妨げることとなり、
例えば定期点検時等に中性子束モニタ６の離脱のため、
プランジャ１８を炉心５上方からの遠隔操作により摺動
させようとしてもプランジャ１８が動かない場合がある
。このような場合には、炉心５の上方から切断装置を挿
入して、中性子束モニタ６の本体１１を切断し、中性子
束モニタを取り出すようにしなければならない。しかし
ながら、本体１１を切断して中性子束モニタ６を離脱さ
せるには、通常の離脱作業に比し格段に長い時間を必要
とし、定期点検に要する時間をながびかせ、従って原子
炉の可動率は低下させられ１作業員の放射線被曝を増大
させるおそれがある。

本発明は上記の事情に基づきなされたもので。

炉水中にある摺動部分に腐食を生じるおそれのない原子
炉炉内機器を提供することを目的としている。

［発明の構成］（問題点を解決するための手段）本発明の原子炉炉内機器は、部材の摺動面に金属炭化物
、金属窒化物の粒子の堆積層を形成し、レーザビームの
照射により部材を構成する母材を溶融し前記堆積層と一
体化した溶着層を形成したことを特徴とする。

（作用）上記構成の本発明原子炉炉内機器においては、溶着層が
部材の厚さに比し著しく薄いため、レーザビームの照射
を停止すると溶融部は急冷され、結晶粒界における炭化
クロムの析出はないので、高温水中での耐食性は著しく
向上される。

（実施例）第１図は本発明の一実施例要部の断面図であるにの実施
例は本発明を第４図に示したプランジャ１８に適用し゛
た例であって、プランジャ１８の表面には金属炭化物お
よび金属窒化物の粒子２１を母材２２中に分散させた溶
着層２３が設けられている。

以下、第２図につき前記溶着層の形成法を説明する。先
ず、プランジャ１８の表面に例えばＣｖＤ　（Ｃｈｅｍ
ｉｃａｌ　　Ｖａｐｏｒ　　Ｄｅｐｏｓｉｔｉｏｎ）法
、ＰＶＤ法またはプラズマ溶射法等により、金属炭化物
または窒化物の堆積層２４を堆積させる。次いで、レー
ザビーム（図示せず）をプランジャ１８の表面に照射し
、プランジャ１８の表面下２０μｍ〜１００μｍまでを
溶融することにより、前記堆積した金属炭化物または窒
化物の層２４を母材中に溶は込ませて、溶着層２３を形
成するものである。

以下に本発明により表面処理を施したプランジャと従来
のそれとの耐食性を比較して説明する。

本発明の炉内機器はオーステナイト系ステンレス８＋Ｒ
（ＳＵＳ３０４）からなるプランジャ１８の表面に、プ
ラズマ溶射によりタングステンカーバイド（ＷＣ）の堆
積層を形成し、レーザビーム照射により溶着層としたも
のであり、従来のプランジャは前記と同様のステンレス
鋼表面に窒素雰囲気中で５００℃〜６００℃で熱処理を
加え１表面から約１００μｍの範囲の窒化処理を施した
ものとする。

前記の熱処理によりオーステナイト系ステンレス鋼では
、結晶粒界にクロム炭化物（ｃｒｚｉｃｓ）が形成され
、これが高温水中での耐食性を低下させることは周知で
ある。

これに対し１本発明を適用したプランジャ１８において
は、溶着層２３はレーザビームによる母材表面を溶融、
固化させて形成されるが、溶融部さが母材表面から０．
５μｍ〜１００μｍと母材厚さに比し非常に小さいため
、加熱停止後溶融部は急冷されクロム炭化物の析出は避
けられる。そのため、本発明によるプランジャの耐食性
は非常に優れたものとなる。

第１表は従来の窒化処理を施したプランジャと本発明を
適用したプランジャの腐食試験の結果を比較して示すも
のである。

なお、この表中試験■・・・ＪＩＳ　　ＧＯ７１ステンレス鋼の１０％シュウ酸エッチ試験試験■・・・ＪＩＳ　　ＧＯ５７５ステンレス鋼の硫酸、硫酸銅腐食試験試験■・・・高温純水中腐食試験２８８℃、８ＰｐｍＤＯ２０００ｈｒ浸漬第１表この表から本発明を適用したプランジャは従来のそれに
比し、極めて優れた耐食性を示すことが分かる。

第２表は本発明によるプランジャと従来のそれとの耐摩
耗性試験の結果を示す。耐摩耗性の試験は本発明により
形成した３０ψ画の丸棒と従来の窒化処理を施した同様
の丸棒とを使用して、これ等を平板上に載置し、約１５
−の荷重が平板に作用するようにして、前記各供試材を
回転させ、１０００回転後の摩耗量を測定することによ
りなされた。

なお、この表中試験■・・・室温水中での摩耗量試験■・・・高温水中での摩耗量なお、摩耗量は試験開始前、開始後の供試材の径の差による。

第２表この表から本発明を適用したプランジャは高温水中、す
なわち腐食環境において著しく耐摩耗性に優れているこ
とが分かる。

その上、本発明の表面処理を行った部材においては、溶
着層２３は母材がオーステナイト系ステンレス鋼である
から、窒化層に比し靭性に優れている。

上記から明らかなように本発明により構成した中性子束
モニタ６のプランジャ１８は、母材表面に金属窒化物ま
たは炭化物の溶着層２３が形成されているので、クレビ
ス条件下におかれたスプリングカバー１６、ガイドスリ
ーブ１７、プランジャ１８の耐食性の向上が図られてお
り、定期点検時等に中性子束モニタ６の離脱が困難とな
るおそれはない。

［発明の効果］本発明によれば、摺動部材を炉内に有する原子−炉炉内
機器において、摺動面への金属炭化物または窒化物の溶
着層を形成しであるため、溶着層の優れた耐食性と耐摩
耗性とによりクレビス条件下にある部材間の摺動不能を
生じることはなく、定期点検時に例えば中性子束モニタ
のような機器の引き抜き不能を生じることはない。従っ
て、定期点検に要する時間は短縮され、原子炉の稼働率
の向上と作業員の放射線被曝の低減とを図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の要部を拡大して示す断面図、
第２図は溶着層の形成を説明する図、第３図は原子炉炉
内機器の１例としての中性子束モニタと原子炉との関係
を示す概略断面図、第４図は中性子束モニタおよびその
周辺の詳細を示す断面図である。１・・・・・・原子炉圧力容器　２・・・・・・シュラ
ウド　３・・・・・・炉心支持板　４・・・・・・上部
格子板　５・・・・・・炉心６・・・・・・中性子束モ
ニタ　７・・・・・・凹陥部　８・・・・・・中性子束
モニタ案内管　９・・・・・・中性子束モニタハウジン
グ　１０・・・・・・中性子束モニタ用フランジ１０ａ
・・・・・・ボルト　１０ｂ、１３ａ・・・・・・テー
パシール面　１１・・・・・・本体　１１ａ・・・・・
・中空部　１２ａ、１２ｂ・・・・・・ガイドリング　
１３・・・・・・シールリング　１４・・・・・・雄螺
糸部　１５・・・・・・ナツト　１６・・・・・・スプ
リングカバー　１６ａ・・・・・・通水孔　１７・・・
・・・ガイドスリーブ　１８・・・・・・プランジャ　
１９・・・・・・ばね　２０・・・・・・アダプタ　２
０ａ・・・・・・ヘッド２０ｂ・・・・・・リング　２
１・・・・・・金属炭化物または窒化物粒子　２２・・
・・・・母材　２３・・・・・・溶着層　２４・・・・
・・堆積層

Claims

【特許請求の範囲】

部材の摺動面に金属炭化物、金属窒化物の粒子の堆積層
を形成し、レーザビームの照射により部材を構成する母
材を溶融し前記堆積層と一体化した溶着層を形成したこ
とを特徴とする原子炉炉内機器。