JPH0117047Y2 - - Google Patents
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- JPH0117047Y2 JPH0117047Y2 JP1981168969U JP16896981U JPH0117047Y2 JP H0117047 Y2 JPH0117047 Y2 JP H0117047Y2 JP 1981168969 U JP1981168969 U JP 1981168969U JP 16896981 U JP16896981 U JP 16896981U JP H0117047 Y2 JPH0117047 Y2 JP H0117047Y2
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- Non-Insulated Conductors (AREA)
Description
本考案は、降雨時に送電線の導体表面に雨滴が
付着し、この雨滴が原因となり発生する送電線の
コロナ放電を防止する架空送電線に関するもので
ある。 従来、鋼心入アルミニウム撚線等の架空送電線
の導体表面には、電線製造工程中、特に素線伸線
時あるいは素線撚合せ時の潤滑油が残留してい
る。このような油類が導体表面に残留している
と、降雨時架空送電線の導体表面に雨滴が残りこ
の雨滴が原因となつて架空送電線にコロナ放電が
生じ、電波障害やコロナ騒音を起こすことにな
る。 そこで上記雨滴から起因するコロナ放電を防止
するため、架空送電線の撚線導体表面を界面活性
剤等により脱脂したもの、ベーマイトあるいはア
ルマイト処理したもの、その他Zn,Mg粉末を焼
成したもの等が種々提案されている。 しかし上記の提案された方法中、脱脂処理、ベ
ーマイトあるいはアルマイト処理等の化学処理を
施したものはコロナ騒音防止効果が今一つ満足し
得るものでなく、製造にも長時間を要する。又
Zn,Mg粉末を導体表面に焼成したものは電線の
架線作業中又は長年月の架線中において粉末が脱
落し、コロナ騒音防止効果を低減させる懸念があ
る。 本考案は、上記難点のないコロナ騒音防止効果
の良好な架空送電線を提供せんとするものであ
り、その要旨とするところは本願実用新案登録請
求の範囲記載の通りである。 以下、本考案の架空送電線につき、図面を参照
し説明する。 第1図は本考案の架空送電線の一実施例を示す
断面図で、鋼線1を7コ撚りした外周にアルミ線
2が撚り合わされており、少なくとも撚線導体の
最外層表面3には酸化性雰囲気下での火炎温度
900〜1000゜C、火炎移動速度3〜20m/分の加熱
条件からなる火炎吹き付け加熱処理が施され、加
熱処理層4が形成されている。 本考案における上記加熱処理は例えばJIS C
3110,JIS C 3108,JIS C 3109あるいはJEC
で規定されている架空送電線用導体としての必要
な機械強度を低下させることのない加熱処理であ
つてかつ空気中等の酸化性雰囲気下でなされる処
理である。 具体的な処理法としては撚線導体表面を空気中
で、プロパンガス等の火炎により上記JIS及び
JEC規定の導体強度を低下させない所定の処理時
間、例えば火炎移動速度(相対的な火炎移動速
度)3m/分の吹き付け加熱処理を施すものであ
る。この火炎吹き付け処理には、上記のプロパン
ガス等の火炎部分(いわゆるバーナー部分)を炉
内に設けて炉内温度を900゜C程度としたガス加熱
高温炉を用いてもよく、この場合、撚線導体は高
温炉中を通過させることにより加熱処理が施され
る。 本考案における上記加熱処理層は、後述する撚
線最外層表面の粉末層が脱落したとしても、電線
のコロナ騒音防止効果が著しく低減するのを防止
する。 図中5は上記加熱処理層4上に形成された金属
酸化物、金属水酸化物は金属炭酸塩より選ばれた
少なくとも1種の粉末層である。 本考案における上記金属酸化物、金属水酸化物
又は金属炭酸塩としては、金属元素、Zn,Mg,
Fe,Al,Ca,Cr,Si,Pbの酸化物、水酸化物又
は炭酸塩が例示し得る。就中上記金属元素のうち
Zn,Mg,Fe,Alの酸化物、水酸化物又は炭酸
塩は架空送電線のアルミ撚線導体最外層表面にそ
の粉末層を形成した場合、コロナ騒音防止効果と
共に耐食性効果をも有する点で好ましい。 上記本考案の金属酸化物、金属水酸化物、金属
炭酸塩の粉末としては、粒子径約0.1〜20μm程度
のものが選択され、上記加熱処理層4上への形成
に際しては、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭
酸塩のそれぞれ一種からなる粉末を形成してもよ
いし、それら2種以上の複合粉末を形成してもよ
い。上記粉末層5の加熱処理層4上への具体的な
形成方法としては、例えば該加熱処理層4上に、
上記粉末と水との混合液を塗布し、加熱炉中で、
又は炎をあて焼き固めて形成させる方法がとられ
る。 本考案の架空送電線は上述の如くの構成より成
るものであるが、特に、撚線導体最外層表面3上
に加熱処理層4を形成する前に、撚線導体最外層
表面3に例えば50乃至150メツシユのサンドブラ
スト処理を施こしておけば架空送電線のコロナ騒
音防止効果が一層向上するため好ましい。 次いで本考案の架空送電線のコロナ騒音防止効
果につき、実施例に基づき説明する。 実施例: 通常の撚線機にて、素線径3.2mmφの鋼線を7
コ撚した後、該鋼撚線の外周に素線径4.8mmφ45本
のアルミニウム線を撚り合せ810mm2のACSRを製
造した。 次いで、上記のACSRに対し、第1表に示す処
理を施したものを供試々料とした。
付着し、この雨滴が原因となり発生する送電線の
コロナ放電を防止する架空送電線に関するもので
ある。 従来、鋼心入アルミニウム撚線等の架空送電線
の導体表面には、電線製造工程中、特に素線伸線
時あるいは素線撚合せ時の潤滑油が残留してい
る。このような油類が導体表面に残留している
と、降雨時架空送電線の導体表面に雨滴が残りこ
の雨滴が原因となつて架空送電線にコロナ放電が
生じ、電波障害やコロナ騒音を起こすことにな
る。 そこで上記雨滴から起因するコロナ放電を防止
するため、架空送電線の撚線導体表面を界面活性
剤等により脱脂したもの、ベーマイトあるいはア
ルマイト処理したもの、その他Zn,Mg粉末を焼
成したもの等が種々提案されている。 しかし上記の提案された方法中、脱脂処理、ベ
ーマイトあるいはアルマイト処理等の化学処理を
施したものはコロナ騒音防止効果が今一つ満足し
得るものでなく、製造にも長時間を要する。又
Zn,Mg粉末を導体表面に焼成したものは電線の
架線作業中又は長年月の架線中において粉末が脱
落し、コロナ騒音防止効果を低減させる懸念があ
る。 本考案は、上記難点のないコロナ騒音防止効果
の良好な架空送電線を提供せんとするものであ
り、その要旨とするところは本願実用新案登録請
求の範囲記載の通りである。 以下、本考案の架空送電線につき、図面を参照
し説明する。 第1図は本考案の架空送電線の一実施例を示す
断面図で、鋼線1を7コ撚りした外周にアルミ線
2が撚り合わされており、少なくとも撚線導体の
最外層表面3には酸化性雰囲気下での火炎温度
900〜1000゜C、火炎移動速度3〜20m/分の加熱
条件からなる火炎吹き付け加熱処理が施され、加
熱処理層4が形成されている。 本考案における上記加熱処理は例えばJIS C
3110,JIS C 3108,JIS C 3109あるいはJEC
で規定されている架空送電線用導体としての必要
な機械強度を低下させることのない加熱処理であ
つてかつ空気中等の酸化性雰囲気下でなされる処
理である。 具体的な処理法としては撚線導体表面を空気中
で、プロパンガス等の火炎により上記JIS及び
JEC規定の導体強度を低下させない所定の処理時
間、例えば火炎移動速度(相対的な火炎移動速
度)3m/分の吹き付け加熱処理を施すものであ
る。この火炎吹き付け処理には、上記のプロパン
ガス等の火炎部分(いわゆるバーナー部分)を炉
内に設けて炉内温度を900゜C程度としたガス加熱
高温炉を用いてもよく、この場合、撚線導体は高
温炉中を通過させることにより加熱処理が施され
る。 本考案における上記加熱処理層は、後述する撚
線最外層表面の粉末層が脱落したとしても、電線
のコロナ騒音防止効果が著しく低減するのを防止
する。 図中5は上記加熱処理層4上に形成された金属
酸化物、金属水酸化物は金属炭酸塩より選ばれた
少なくとも1種の粉末層である。 本考案における上記金属酸化物、金属水酸化物
又は金属炭酸塩としては、金属元素、Zn,Mg,
Fe,Al,Ca,Cr,Si,Pbの酸化物、水酸化物又
は炭酸塩が例示し得る。就中上記金属元素のうち
Zn,Mg,Fe,Alの酸化物、水酸化物又は炭酸
塩は架空送電線のアルミ撚線導体最外層表面にそ
の粉末層を形成した場合、コロナ騒音防止効果と
共に耐食性効果をも有する点で好ましい。 上記本考案の金属酸化物、金属水酸化物、金属
炭酸塩の粉末としては、粒子径約0.1〜20μm程度
のものが選択され、上記加熱処理層4上への形成
に際しては、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭
酸塩のそれぞれ一種からなる粉末を形成してもよ
いし、それら2種以上の複合粉末を形成してもよ
い。上記粉末層5の加熱処理層4上への具体的な
形成方法としては、例えば該加熱処理層4上に、
上記粉末と水との混合液を塗布し、加熱炉中で、
又は炎をあて焼き固めて形成させる方法がとられ
る。 本考案の架空送電線は上述の如くの構成より成
るものであるが、特に、撚線導体最外層表面3上
に加熱処理層4を形成する前に、撚線導体最外層
表面3に例えば50乃至150メツシユのサンドブラ
スト処理を施こしておけば架空送電線のコロナ騒
音防止効果が一層向上するため好ましい。 次いで本考案の架空送電線のコロナ騒音防止効
果につき、実施例に基づき説明する。 実施例: 通常の撚線機にて、素線径3.2mmφの鋼線を7
コ撚した後、該鋼撚線の外周に素線径4.8mmφ45本
のアルミニウム線を撚り合せ810mm2のACSRを製
造した。 次いで、上記のACSRに対し、第1表に示す処
理を施したものを供試々料とした。
【表】
上記試料を2.7mにとり、外径1mの金網ケー
ジ中央に直線状態で架設し、上記金網ケージの上
方から試料に、シヤワーを降水量100mm/hで5
分間降水すると共に、各試料に8,10,12,
14kv/cmの電位を負荷した。降水停止後、1分、
1分30秒及び2分経過した時点でそれぞれの電位
に対し、各試料のコロナ騒音を測定した。降水停
止後、1分、1分30秒及び2分経過後のそれぞれ
のコロナ騒音の平均値を求めた結果を第2図に示
す。 第2図より明らかな通り、本考案の架空送電線
は、通常の製造のまゝのACSR(比較例1)はも
とより、界面活性剤でACSRの表面残留油分を脱
脂したACSR(比較例2)に比べ著しくコロナ騒
音レベルが低いことが伴る。尚、実施例中、実施
例3及び4のものも実施例2とほゞ同等の騒音レ
ベルであつた。又、比較例3は実施例1とほゞ同
等の騒音レベルを示したが、比較例3と実施例1
の表面に形成した粉末層をブラシにより強制的に
除去したものを夫々比較例3′及び実施例1′とし両
試料につき上記と同様のコロナ騒音を測定した結
果は第3図に示す通りである。 第3図より明らかな通り、本考案に係わる実施
例1′の試料は、ACSR表面のZnO粉末層が脱落し
ても、コロナ騒音レベルは比較例3′に比べ、ZnO
粉末層を除去しない前の値(実施例1)より、増
加が極めて少ない。よつて本考案の架空送電線は
電線の架線作業中又は長年月の架線において、
ACSR表面の粉末層の脱落があつたにせよ、コロ
ナ騒音防止効果はさほど低下せず良好な性能を有
していることが伴る。 尚、上記実施例1及び2におけるACSR製造時
及び加熱処理後の引張強さは第2表に示す通り
で、加熱処理後においても、引張強さは低下せず
JIS規格を満足している。
ジ中央に直線状態で架設し、上記金網ケージの上
方から試料に、シヤワーを降水量100mm/hで5
分間降水すると共に、各試料に8,10,12,
14kv/cmの電位を負荷した。降水停止後、1分、
1分30秒及び2分経過した時点でそれぞれの電位
に対し、各試料のコロナ騒音を測定した。降水停
止後、1分、1分30秒及び2分経過後のそれぞれ
のコロナ騒音の平均値を求めた結果を第2図に示
す。 第2図より明らかな通り、本考案の架空送電線
は、通常の製造のまゝのACSR(比較例1)はも
とより、界面活性剤でACSRの表面残留油分を脱
脂したACSR(比較例2)に比べ著しくコロナ騒
音レベルが低いことが伴る。尚、実施例中、実施
例3及び4のものも実施例2とほゞ同等の騒音レ
ベルであつた。又、比較例3は実施例1とほゞ同
等の騒音レベルを示したが、比較例3と実施例1
の表面に形成した粉末層をブラシにより強制的に
除去したものを夫々比較例3′及び実施例1′とし両
試料につき上記と同様のコロナ騒音を測定した結
果は第3図に示す通りである。 第3図より明らかな通り、本考案に係わる実施
例1′の試料は、ACSR表面のZnO粉末層が脱落し
ても、コロナ騒音レベルは比較例3′に比べ、ZnO
粉末層を除去しない前の値(実施例1)より、増
加が極めて少ない。よつて本考案の架空送電線は
電線の架線作業中又は長年月の架線において、
ACSR表面の粉末層の脱落があつたにせよ、コロ
ナ騒音防止効果はさほど低下せず良好な性能を有
していることが伴る。 尚、上記実施例1及び2におけるACSR製造時
及び加熱処理後の引張強さは第2表に示す通り
で、加熱処理後においても、引張強さは低下せず
JIS規格を満足している。
第1図は本考案に係わる架空送電線の一実施例
の断面図であり、1は鋼線、2はアルミニウム
線、4は撚線導体の最外層表面に酸化性雰囲気下
で加熱処理された加熱処理層、5は金属酸化物、
金属水酸化物又は金属炭酸塩の少なくとも1種か
らなる粉末層である。 第2図及び第3図は本考案の架空送電線のコロ
ナ騒音防止効果を示す図である。
の断面図であり、1は鋼線、2はアルミニウム
線、4は撚線導体の最外層表面に酸化性雰囲気下
で加熱処理された加熱処理層、5は金属酸化物、
金属水酸化物又は金属炭酸塩の少なくとも1種か
らなる粉末層である。 第2図及び第3図は本考案の架空送電線のコロ
ナ騒音防止効果を示す図である。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 1 撚線導体の少なくとも最外層表面を、酸化性
雰囲気下で火炎温度900〜1000゜C、火炎移動速
度3〜20m/分の加熱条件からなる火炎吹き付
け加熱処理し、加熱処理層を形成すると共に、
該加熱処理層上に、金属酸化物、金属水酸化物
又は金属炭酸塩より選ばれた少なくとも1種の
粉末を焼付固着してなることを特徴とする架空
送電線。 2 前記金属酸化物、金属水酸化物又は金属炭酸
塩を構成する金属元素は、Zn,Fe,Mg,Al
の少なくとも1種である実用新案登録請求の範
囲第1項記載の架空送電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16896981U JPS5873512U (ja) | 1981-11-12 | 1981-11-12 | 架空送電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16896981U JPS5873512U (ja) | 1981-11-12 | 1981-11-12 | 架空送電線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5873512U JPS5873512U (ja) | 1983-05-18 |
JPH0117047Y2 true JPH0117047Y2 (ja) | 1989-05-18 |
Family
ID=29960976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16896981U Granted JPS5873512U (ja) | 1981-11-12 | 1981-11-12 | 架空送電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5873512U (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9859038B2 (en) | 2012-08-10 | 2018-01-02 | General Cable Technologies Corporation | Surface modified overhead conductor |
US10957468B2 (en) | 2013-02-26 | 2021-03-23 | General Cable Technologies Corporation | Coated overhead conductors and methods |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5635311A (en) * | 1979-08-31 | 1981-04-08 | Furukawa Electric Co Ltd | Method of surface treating aluminum twisted conductor |
-
1981
- 1981-11-12 JP JP16896981U patent/JPS5873512U/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5635311A (en) * | 1979-08-31 | 1981-04-08 | Furukawa Electric Co Ltd | Method of surface treating aluminum twisted conductor |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5873512U (ja) | 1983-05-18 |
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