JPH0116215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、硬貨処理機における選別通路の調整
に関するものであるが、特に損貨を動落下させる
ために選別通路巾を規制する装置に関するもので
ある。

従来、多角形カムを用いて軸受けを固定する方
法の選別通路の巾規制を行なう装置においては、
選別通路内でもつて損貨等が詰つた場合に選別通
路巾を広げることができないので、いちいち硬貨
送出ベルトを持ち上げて損貨等を取出したり、ま
たカム軸の保持具を移動できるようにして、カム
軸全体を移動することによつて選別通路巾を広
げ、損貨等を選別シユートの方へ落下排除ならし
めていた。この方法では、カム軸の位置が一定し
ないために選別通路よりも径の大きい硬貨などの
損貨が入つた場合には選別通路巾が拡張されてし
まいあとから順次送り込まれてくる正常な硬貨
が、選別通路から落下してしまうという欠点があ
つた。また、これ以外にも種々の方法があるが、
いずれも機構が複雑化されているために製作加工
がコスト高になり、その実用化が困難とされてい
た。

本考案は、上記の如き欠点や不都合さを解消す
るために案出されたものであつて、従来の回転円
盤上の硬貨を遠心力により円縁に移動せしめると
共に、硬貨案内片にて硬貨の厚み方向の規制を行
なつて、硬貨を選別通路へ送り込む硬貨処理機に
おいて、前記選別通路を形成する規制片および可
動片と、該可動片を作動する多角形カムおよび偏
心カムの二段型カムと、該二段型カムをカム軸に
取付けかつスプリングを巻着した調整ボルトと、
該調整ボルトを固着するカム軸保持具とから成
り、前記下段の多角形カムの回動によつて可動片
を選別通路へ作動して通路巾を規制し、更に選別
通路に損貨が詰つた時に調整ボルトを押し込み、
上段の偏心カムによつて規制される巾まで可動片
を作動せしめて、選別通路を通過する損貨を自動
落下させることによつて、選別通路での硬貨の移
送を良好ならしめるこを目的とした硬貨処理機に
おける選別通路巾規制装置を提供するものであ
る。

以下、本考案の実施例を図面によつて詳しく説
明する。

まず、第１図および第２図によつて従来公知に
よる本案装置に関する技術内容について説明すれ
ば、第１図に示す機構のように回転円盤１の周縁
部に硬貨巾規制片２と選別通路可動片３とを取付
け、この両間に選別通路８を設けると共に、そこ
にプーリを介して軸受管に連動されている硬貨選
出ベルト４を内設して硬貨を移送せしめていた。
その際選別通路８内に損貨（正常でない硬貨）等
が詰つた場合は、いちいち硬貨送出ベルト４をは
ずして詰つている損貨を除去するか、あるいはカ
ム軸保持具９を移動できるようにして、カム軸１
３全体を移動させ選別通路巾を拡張させて、選別
シユート（図示せず）の方に落下するようにして
損貨を排除させていた。これは多角形カム１０を
用いているために、選別通路可動片３に多角形カ
ム１０が接触する場合、突出部１１と平面部１２
が交互（カチ．カチ運動）に接するからその突出
部１１が平面部１２よりカム軸１３の軸心距離が
長いので、カム軸１３を回転することができない
ことによるものである。なお、７は硬貨の計数用
の星歯車である。次に第２図は、カムを安定させ
る方法であるが、このカムには偏心カム１６が用
いてあり、選別通路可動片３にその突出部１１を
接し、更に溝１７を圧接棒１８にて圧接して、偏
心カム１６を安定させる方法である。これは性能
的には優れてはいるが偏心カム１６の形成加工や
別に圧接装置を設なければないので、非常に構造
が複雑になるばかりか、コスト高となつて実用的
ではないとされている。

そこで、前記従来装置の欠点を排除すると共
に、両装置の利点を取入れたのが第３図に示した
本案装置である。まず、第２図イに示すように、
カム軸１３にスプリング１５を巻着した調整ボル
ト１４をカム軸保持具９に固着すると云う点では
同じであるが、使用するカムが第１図に示すよう
な多角形カム１０である点が異つている。すなわ
ち、スプリング式の調整ボルト１４に多角形カム
を取付け、しかもこれをカム軸保持具９に固着せ
しめたところに特徴がある。その結果、選別通路
８に損貨２０が通過中に詰つた場合には、調整ボ
ルト１４を上から押せば詰つている損貨２０は自
動的に落下する。すなわち、多角形カム１０が選
別通路可動片３に接している状態で損貨２０が詰
つているから、この多角形カム１０を一段下に下
げて次の偏心カム１０′に連接させると、選別通
路８の巾が広がつていままで詰つていた損貨は自
然に落下するのである。多角形カム１０は選別通
路巾を規制しない面で偏心カム１０′と同一高さ
に形成されているので、この位置まで調整ボルト
１４を回動すれば、バネの力で下段の多角形カム
１０が作動する位置まで復帰する。つまり、調整
ボルト１４のワンタツチ作動によつて、いかなる
損貨でも自在に排除することができる効果があ
る。なお、１９は機台である。

本考案は、以上のように構成してあるから、簡
単な操作でいかなる形状の損貨でも排除すること
ができるので、常に正常な硬貨のみを選別通路に
移送でき、しかもこの作業能率に加え、低コスト
で量産加工が可能となるので、性能性、経済性、
実用性等のあらゆる面から見ても優れており、斬
進でユニークな硬貨処理機における選別通路巾規
制装置と云える。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本案装置に関する従来装
置の機構を示した概要説明図、第３図は本案装置
の機構を従来機構と対比させた機構概要図であ
る。 １……回転円盤、２……硬貨巾規制片、３……
選別通路可動片、４……硬貨送出ベルト、５……
プーリ、６……軸受管、７……星歯車、８……選
別通路、９……カム軸保持具、１０……多角形カ
ム、１０′……偏心カム、１１……突出部、１２
……平面部、１３……カム軸、１４……調整ボル
ト、１５……スプリング、１６……偏心カム、１
７……溝、１８……圧接棒、１９……機台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転円盤上の硬貨を遠心力により円縁に移動せ
   しめると共に、硬貨案内片にて硬貨の厚み方向の
   規制を行なつて、硬貨を選別通路へ送り込む硬貨
   処理機において、前記選別通路を形成する規制片
   および可動片と、該可動片を作動する多角形カム
   および偏心カムの二段型カムと、該二段型カムを
   カム軸に取付けかつスプリングを巻着した調整ボ
   ルトと、該調整ボルトを固着するカム軸保持具と
   から成り、前記下段の多角形カムの回動によつて
   可動片を選別通路へ作動して通路巾を規制し、更
   に選別通路に損貨が詰つた時に調整ボルトを押し
   込み、上段の偏心カムによつて規制される巾まで
   可動片を作動せしめて、選別通路を通過する損貨
   を自動落下させることを特徴とする硬貨処理機に
   おける選別通路巾規制装置。