JPH0115942B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、レコードプレーヤー、特に遊び車を
用いてターンテーブルを駆動するレコーコードプ
レーヤーに関する。

レコードプレーヤーにおいて、ターンテーブル
を駆動する機構として、ベルトを用いてモータの
回転力をターンテーブルに伝達するベルト駆動機
構、遊び車を用いてモータの回転力をターンテー
ブルに伝達するアイドラ駆動機構、モータによつ
て直接ターンテーブルを駆動するダイレクトドラ
イブ機構等が知られている。

アイドラ駆動機構によれば、モータの回転軸と
ターンテーブルのリムとの間に遊び車を押し込
み、この遊び車によりモータの回転力をターンテ
ーブルに伝達するように構成されている。また、
遊び車がモータの回転軸およびターンテーブルの
リムに長時間接触している場合、遊び車が変形
し、その結果、ターンテーブルを正確な回転速度
で駆動できなくなつてしまう恐れがある。そこ
で、一般に、遊び車切換え機構を用いることによ
り、レコードプレーヤーの作動時に、遊び車をモ
ータの駆動軸およびターンテーブルと係合する位
置へ切換えるようにしている。従来、この切換え
機構は、遊び車に連結されたソレノイドおよびプ
ランジヤーと、ソレノイドに通電する電源と、ソ
レノイドへの通電を制御するスイツチ等の制御装
置とを備えている。しかしながら、このような構
成を有する切換え機構の場合、構造が複雑で高価
であるとともに、動作の信頼性に欠ける。

この発明は以上の点に鑑み成されたもので、そ
の目的は、簡単な構成で確実に遊び車を切換える
ことのできるレコードプレーヤーを提供すること
にある。

上記目的を達成するため、この発明のレコード
プレーヤーは、回転する際に磁界を発生するモー
タと、レコードを支持するターンテーブルと、上
記ターンテーブルを駆動可能な遊び車と、を備
え、上記遊び車をモータによつて回転させるとと
もに上記磁界により上記ターンテーブルと係合す
る位置へ吸引するように構成されている。

また、他の発明に係るレコードプレーヤーによ
れば、遊び車に接続されているとともにモータに
より発生された磁界によつて吸引可能に設けられ
たアームと、遊び車を上記モータおよびターンテ
ーブルから離間する方向に付勢した付勢部材と、
を備えている。そして、モータを回転することに
より発生する磁界の磁気吸引力により、上記アー
ムを付勢部材に抗して吸引し、遊び車をモータお
よびターンテーブルとに係合させ、モータへの通
電を停止すると上記磁界が消滅し、上記付勢部材
により遊び車をモータおよびターンテーブルとの
係合から解除する。

上記のように構成された本発明のレコードプレ
ーヤーによれば、従来のようなソレノイド、スイ
ツチ、配線等を設けることなく、簡単な構成で確
実にターンテーブルの駆動制御を行うことができ
る。

以下図面を参照して、本発明の一実施例につい
て説明する。

第１図中、符号２０はレコード・プレーヤーの
ターンテーブルおよびトーンアーム２１（第２
図）の動作を調整するためのいくつかの機構を支
持する主板を示す。これらの機構はターンテーブ
ル駆動モータ構体２２、トーンアーム制御カム・
ギヤ構造２３、トーンアーム引上げ・降下構体２
４、レコード交換・速度制御ノブ構体２５および
レコード押出し構体２６から成る。説明を簡略化
し且つ容易にするように、レコード交換構造全体
の理解を容易にするためこれらのシステムの副構
体の各々を独立して別個に説明する。

ターンテーブル駆動モータ構体 第１図に示すように、ターンテーブル駆動モー
タ２７として、3/8インチ（0.95cm）圧の積層ス
チール界磁石３０を備えた２極モータが使用され
ている。モータ２７は、複数のボルトおよびゴム
製グロメツト３１を介して主板２０の底に固定さ
れている。また、モータ２７は、通電されると、
モータ駆動シヤフト３２を回転させるとともに、
界磁石３０を介して磁界を発生する。駆動シヤフ
ト３２は、ターンテーブル８５を所定の速度で回
転させるための拡径された部分３３と、ターンテ
ーブルを比較的低速で回転させるための直径の小
さい部分３４とを有している。なお、部分３３
は、駆動シヤフト３２にスリーブを装着すること
によつて形成されている。

遊び車３５が水平に設けられており、この遊び
車は、駆動シヤフト３２の拡径された部分３３あ
るいは径の小さい部分３４と、ターンテーブル８
５に形成され垂直方向を向いた円筒形状のフラン
ジ３６の内周面との間に係合可能に配置されてい
る。

第７図から良く分るように、遊び車３５は遊び
リンク３７上に回転自在に取付けられている。遊
びリング３７は、大きな頭のリベツト４０によつ
てリンク部材４１に取付けられ、水平面内で自由
に回動可能となつている。また、リンク部材４１
は垂直方向に沿つて移動自在に支柱４２に取付け
られ、この支柱の下端は主板２０に固定されてい
る。このように、遊びリンク３７およびリンク部
材４１は、遊び車３５の外周面が駆動シヤフト３
２の部分３３あるいは３４と係合とするように、
遊び車と共に垂直方向に沿つて移動可能に設けら
れている。

第７図に示すように、可撓性を有するスチール
ロツド４３が設けられ、このロツドの一端は約
180゜折返され支柱４２に部分的に巻付けられてい
る。更に、折返し部分の先端には、略垂直に曲げ
られた折曲げ部４４が形成されている。第１図に
示すように、ロツド４３の他端は、主板２０の下
方において、３位置スイツチ、つまり、ノブ４５
の周縁に連結されている。

したがつて、ノブ４５の回転に応答して、ロツ
ド４３はリンク部材４１に向つてかつ軸方向に沿
つて移動される。そして、ロツド４３がリンク部
材４１に向つて移動することにより、折曲げ部４
４（第７図）はリンク部材４１と主板２０との間
を摺動し、その結果、リング部材を支柱４２に沿
つて上昇させる。このリンク部材４１の上昇動作
により、遊びリンク３７および遊び車３５は所定
距離上昇し、遊び車３５はモータ駆動シヤフト３
２の所定の部分３４（第１図）に接触する。ま
た、ノブ４５を再度回転させることにより、ロツ
ド４３はリンク部材４１から離間する方向にかつ
軸方向に沿つて移動する。これに応じて、折曲げ
部４４はリンク部材４１と主板２０表面との間の
隙間から引出され、リンク部材の外側に突出す
る。それにより、リンク部材４１、遊びリング３
７、遊び車３５は主板２０に向つて下降し、遊び
車３５はモータ駆動シヤフト３２の拡径された部
分３３に接触可能となる。このように、簡単で安
価な構造によりターンテーブルの回転速度を切換
えることができる。

上述したように、遊び車３５を支持した遊びリ
ンク３７はリベツト４０によつてリンク部材４１
に接続され水平面内で回動可能となつている。つ
まり、遊び車３５は、駆動シヤフト３２の所望の
部分とターンテーブル８５のフランジ３６との間
に押込まれ、ターンテーブルを所定の速度で回転
させる。このような動作を生じさせるための本発
明の特徴を説明するため第２図に注目する。第２
図は、ボルト止めされたグロメツト３１により主
板２０に固定されているターンテーブル駆動モー
タ構体２２を示している。図示されているよう
に、Ｔ字状のアーム４６が主板２０に対して逆さ
に向いた位置に取付けられている。このアーム４
６は、駆動モータ２７の界磁石３０と対向して設
けられているとともに、一端を中心として回動自
在に支持されている。また、アーム４６は、Ｔ字
の柄の端に形成された孔４７を有し、この孔には
リンク構体のばね（第２図には示されていない）
が接続されている。リンク構体は、上記のばねと
遊びリンク３７とを有し、これらは互いに協同し
て遊び車３５をターンテーブルと係合する位置に
引込む。第１図には示されていないが、アーム４
６の孔４７に一端が接続されたばねの他端は遊び
リンク３７に接続されている。通常、このばね
は、アーム４６の自由端が第２図の紙面から観察
者に向つて外方に回動するようにアーム４６を付
勢する。つまり、アーム４６は、孔４７に接続さ
れたばねの付勢力により、ターンテーブル駆動モ
ータ構体２２の積層スチール界磁石３０から離間
する方向に回動されている。そして、ターンテー
ブル駆動モータ構体２２に通電されると、界磁石
３０により磁界が形成され、この磁界はアーム４
６の自由端５１を界磁石３０に向つて磁気的に吸
引する。上述したようにばねの他端は遊び車３７
に接続されていることから、アーム４６が界磁石
３０に向つて回動すると、遊びリンク３７および
遊び車３５はばねによつて引付けられリベツト４
０の回りでアーム４６に向つて回動する。それに
より、遊び車３５は、第１図に破線で示された位
置３５ａから位置３５ｂを経て、実線で示すよう
にターンテーブル８５のフランジ３６内面および
モータ駆動シヤフト３２に接触する位置３５ｃま
で移動し、その結果、駆動シヤフトとターンテー
ブルとの間に押込まれる。したがつて、遊び車３
５はモータ駆動シヤフト３２によつて回転駆動さ
れるとともに、その回転力をターンテーブル８５
に伝達しターンテーブルを所定の速度で回転させ
る。

以上のように構成されたターンテーブル駆動モ
ータ構体によれば、安価な構造によりレコードの
回転速度を切換えることができるとともに、従来
のようにソレノイド、切換えスイツチ、駆動電源
等、多数の特別な部品を用いることなく、簡単で
信頼性の高い構造により遊び車をモータ駆動シヤ
フトとターンテーブルとの間に適切に係合させる
ことができる。また、モータが駆動されていない
間、ばねの付勢力により遊び車をモータ駆動シヤ
フトおよびターンテーブルから離間させ、それに
より、遊び車の軸や外周面の変形を防止すること
ができる。

なお、第８図は、上述した構造に使用される典
型的なアーム４６を示している。アーム４６は、
Ｔ字のリンバの一端に設けられた減音パツド４
６′を有し、この減音パツドはレコードプレーヤ
ー作動時における雑音を減衰する。第９図はアー
ムの他の実施例を示している。

トーンアームカム・ギヤ構造 次にトーンアームのカム・ギヤ構造２３に注目
する。第１図に図示されているように、ターンテ
ーブル用中心スピンドル５２はターンテーブルの
下面にギヤ５３を備えている。カム・ギヤ５４は
主板２０上にスピンドル５２に対して偏心的に取
付けられている。ギヤの歯の凹部からなるセクタ
５５がカム・ギヤ５４から取外されていることに
注意せよ。カム・ギヤ５４の歯５６は後により詳
細に説明するように中心スピンドル５２のギヤの
歯５３とかみ合い且つこれにより駆動される。

Ｖ字形の部材５７がカム・ギヤ５４の下に重ね
られ且つピボツト６０により主板２０に取付けら
れている。従つて第１図に示されているように、
Ｖ字形部材５７の頂点はＶ字形部材５７の分岐し
た側面を形成するアーム６１および６２とは対照
的にスピンドル５２に隣接している。これらのア
ームは概してカム・ギヤ５４の下に位置してい
る。アーム６１および６２の内縁部はさらに、カ
ム・ギヤ５４上の垂直に向いた植込ボルト６５と
係合する各々垂直に向いたフランジ６３，６４を
各々有している。

シヨルダー・リベツト６６はピアノ線リンク６
７の一端を部材５７に取付けるために部材５７の
アーム６１に固着されている。第５図に最も良く
示されているように、ピアノ線リンク６７はワイ
ヤ引上げ支え７０内に支持されている。ピアノ線
リンク６７のＶ字形部材５７（第５図には示され
ていない）に取付けられていない端部は垂直に配
置されたトーンアーム引上げロツド７３内に形成
されている垂直スロツト７２の中に受容される内
向き屈曲部７１を有する。

トーンアーム引上げロツド７３（第１図）はロ
ツド軸に対して上下動するように主板２０内に取
付けられている。トーンアーム引上げロツド７３
はさらに水平に配設された三日月形部材７４を備
えている。このような状況において植込ボルト６
５がカム・ギヤ５４と共に回転するにつれて、植
込ボルトはＶ字形部材のアーム６１上のフランジ
６３に当接して図面の第１図に見られるようにピ
アノ線リンク６７を右へ押付ける。リンク６７の
この運動によりトーンアーム引上げロツト７３は
主板２０から垂直に持上げられ、そのためこれと
共にトーンアームが同じ方向に引上げられる。ト
ーンアームはトーンアーム引上げロツド７３の垂
直伸張の限界においてこのロツドの制御を受けて
持上げられた位置にとどまる。

しかしながら植込ボルト６５がカム・ギヤ５４
と共に回転し続けると、植込ボルトはＶ字形部材
のアーム６２のフランジ６４に当接し且つこの部
材を第１図において向かつて左側へピボツト回転
させる。従つて、そこでピアノ線リンク６７はＶ
字形部材５７が水平面内を左回りにピボツト回転
するにつれて図面の第１図に見られるように左へ
引かれる。この運動によりトーンアーム引上げロ
ツド７３は必然的に主板２０の下面内へ引き降ろ
される。

トーンアーム引上げシステムがＶ字形の外形を
有するためにトーンアームがレコードを離れると
すぐにより迅速にレコードから持上げられ且つよ
りゆつくりと且つやさしくレコード上へ降下する
という事実は本発明の重要且つ興味を引く特徴で
ある。さらにこの点に関して、トーンアーム引上
げロツド７３が垂直に持上げられた位置にあるべ
きときに不注意により動かなくなる場合には、ピ
アノ線リンク７６の弾性的な性質がこの力と運動
を吸収し、そのためトーンアーム引上げロツド機
構が永久的に動かなくなつてしまうのを防ぐ。

トーンアームの側方運動制御 第１図に最も良く示されているように、トーン
アームの側方並行運動は概してトーンアーム作動
アーム７５により制御される。水平面において、
トーンアーム作動アーム７５は概して疑問符の形
状を有する。疑問符の直線部分は本質的にその中
間点に、トーンアーム作動アーム７５が水平面内
で側方に回転し且つ直線部分の軸の方向にいくら
か自由に運動することができるようにするピボツ
トピン７６を収容する細長い取付け穴を有する。
この取付け穴はトーンアーム作動アームの過度の
移動を規制し、後述する摩擦パツドの長期の使用
による変形および摩耗を防止する。また、トーン
アーム作動アームの垂直移動は、プレーモード時
におけるトーンアームの以後の自由な移動を可能
にする。トーンアーム作動アーム７５の概して半
円形の部分はＶ字形部材５７と主板２０との間に
配設されている。トーンアーム作動アーム７５は
実際にアーム６１および６２の平面とカム・ギヤ
５４との間にある。さらに、きついばねの圧力が
アーム７５の概して半円形の部分を軸８２の平坦
な部分に押付けている。このように、通常の状態
ではカム・ギヤ５４の押圧する歯のセクタ５５は
中心スピンドル５２のギヤ５３と正しく重なり合
つている。

更に、トーンアーム作動アーム７５は垂直に伸
びたフランジ７７を有し、カム・ギヤ５４上の植
込みボルト６５がカム・ギアの回転によりフラン
ジ７７に当接する際、フランジ７７は植込みボル
トの担持面として作用する。

トーンアーム作動アーム７５のまつすぐな部分
の端は弓形担持表面８０で終わつている。コルク
等から成る摩擦パツド８１が担持表面８０の露出
端に固定されている。トーンアーム作動アーム７
５のこの端はさらにばねにより荷重を与えられ
（図面の第１図には示されていない）トーンアー
ム作動アーム７５をカム・ギヤ５４の軸８２の方
へ押付けている。

植込ボルト６５が左回りに回転されるにつれ
て、このボルトはトーンアーム作動アーム７５を
カム・ギヤ５４の軸８２から離れるように押すた
めに最終的にはトーンアーム作動アーム７５上の
フランジ７７に当接する。トーンアーム作動アー
ム７５の担持表面８０に取付けられたばね（図面
の第１図には示されていない）の力に反するこの
圧力により摩擦パツド８１はトーンアーム・ハブ
８３（第３図に図示）に押付けられる。

トーンアーム作動アーム７５の摩擦パツド８１
が第３図の紙面から突出する方向に、かつ、観察
者に向つて回動すると、摩擦パツド８１はトーン
アーム・ハブ８３を回動させ、主板２０の反対側
に設けられたトーンアーム２１を中心スピンドル
５２から離間する方向へ移動させる。

このような状況において、トーンアーム２１は
ターンテーブル８５の周囲の上方に配置されてい
るトーンアーム休止領域に向かつて動く。トーン
アーム作動アーム７５が観察者の方向に向かう担
持表面８０の図面の平面外への運動を完了した後
は担持表面８０が同一方向へ何らかの付加的運動
を行なつてもトーンアームがさらに動くことはな
い。このようにして機構は広範囲にわたる製造許
容差に合わせて自動的に調節される。

カム・ギヤ５４（第１図）がさらに回転すると
植込ボルト６５（第１図）がトーンアーム作動ア
ーム７５のフランジ付部分の弓形端に当接する。
この新たな係合によりトーンアーム作動アーム７
５は逆方向にピボツト回転する。すなわち担持表
面８０およびこれに関連する摩擦パツド８１が観
察者から遠ざかる方向に図面の第３図の平面の外
へピボツト回転する。

摩擦パツド８１はこのような状況において再度
トーンアーム・ハブ８３の表面と係合する。しか
しながらこの場合、トーンアーム・ハブ８３はト
ーンアーム２１がスピンドル５２から離れるよう
に移動したのと反対の方向に回転する。従つて、
この状態ではトーンアーム２１はスピンドル５２
に向かつて戻るように移動する。

トーンアーム作動アーム７５がカム・ギヤ５４
と植込ボルト６５の組合せ運動によりピボツト回
転されていないときに担持表面８０および摩擦パ
ツド８１をトーンアーム・ハブ８３と接触してい
ないトーンアーム作動アーム７５の端において位
置決めするためにトーンアーム作動アーム７５が
複合された方向にばねで付勢されていることが思
い起こされるであろう。この付勢機構によれば、
ハブ８３と摩擦パツド８１とが接触している限
り、ハブの回転中、ハブと摩擦パツドとの間の確
実な係合を保証する。カム・ギア５４が非作動位
置にある状態において（第１図）、歯を除去する
ことにより形成されたセクタ５５は中心スピンド
ル５２上のギア歯５３と対向している。この特別
な組合せはおそらく第６図に最も良く図示されて
いると思われ、この図はトーンアーム作動アーム
７５に対するカム・ギヤ５４と関連する植込ボル
ト６５を示している。

細長い取付け穴８４はトーンアーム作動アーム
７５が複合ばね８６により加えられる力に反して
ピボツト回転できるようにする。ばねの一端は担
持表面８０に取付けられ、ばねの他端は主板２０
に取付けられている（第６図には示されていな
い）。この構造の組合わせにより先に説明したよ
うに、摩擦パツド８１は植込ボルト６５がトーン
アーム作動アーム７５の弓形部分と係合している
ときにのみトーンアーム・ハブ８３（第３図に示
してある）に当接することができる。

本発明の１つの特徴によれば、トーンアーム作
動アームの取付け穴８４（第６図）が細長く、こ
の細長い形の主軸がトーンアーム作動アーム７５
の直線部分の軸と平行であることが思い出される
であろう。このように取付け穴８４が細長いた
め、複合ばね８６はトーンアーム作動アーム７５
を観察者から遠ざかる方向に図面の第３図の平面
の外へ押すことができる。細長い取付け穴８４は
また担持表面８０および摩擦パツド８１を同時に
トーンアーム・ハブ円板８３の方へ押す。このよ
うにして、トーンアームのクラツチ運動の効率を
改善するように摩擦パツド８１とトーンアーム・
ハブ円板８３との間に堅く臨界のない係合が確保
される。

自動トーンアーム引上げ・降下構体 次に、トーンアーム引上げ・降下構体２４を示
す第１図に注目する。第１２図に略図で図示され
ているように、トーンアーム降下アーム８７は概
して中央に配設されたピボツト開口９０を備えて
いる。開口９０は主板２０（第１図）上のアーム
８７にあり、且つアーム８７が水平面内でピボツ
ト回転できるようにしている。アーム８７は主板
２０の下面の下に突出する３位置ノブ４５の部分
の周囲に当接している。ノブ４５はレコードプレ
ーヤーの速度選択を制御する。示されているよう
に、ノブ４５は水平に且つピボツト回転自在に取
付けられたトーンアーム降下アーム８７の一方の
側に押付けられる平坦にされたカム表面９１を有
する。このように、ノブ４５はトーンアーム降下
アーム８７の隣接部分とノブの弓形部分または平
坦にされたカム表面９１との間の接触に従つてア
ーム８７が水平面内で数度ピボツト回転できるよ
うにしている。

アーム８７（第１図）の反対側の端はトーンア
ーム・ハブ８３（第１２図）の上方で終わつてい
る。トーンアーム降下アーム８７はトーンアーム
作動アーム７５の上方に実際に間隔をおいて配置
されている。この垂直方向の分離によりトーンア
ーム作動アーム７５上に垂直に支えられた植込ボ
ルト（第１図には示されていない）がアーム７５
と共にトーンアーム降下アーム８７の下へ動くこ
とができる。このように垂直植込ボルトは次によ
り詳細に説明するようにアーム８７をトーンアー
ム・ハブ８３の上方へ持上げる。

再び第１２図に戻ると、トーンアーム・ハブ８
３の上方に配置されている降下アーム８７の部分
は弓形下向きの屈曲９２を有するように示されて
いる。屈曲９２を越えてアーム８７の端に向かう
方向に、トーンアーム・ハブ８３の上方に間隔を
おいて配置されたアームの部分は一対の切欠き９
３，９４を有し、これらの切欠きは垂直に向いた
トーンアーム・シヤフト９５に隣接するアーム８
７の側面に形成されている。

後により詳細に説明するように、切欠き９３は
直径が12インチのレコードに対するトーンアーム
の降下機能を制御する。これに対し、切欠き９４
は直径７インチのレコードに対するトーンアーム
２１（第１２図には示されていない）の降下運動
を制御する。

細長いスリーブ９６がトーンアーム・ハブ８３
の表面に固定されている。細長いスリーブ９６は
概して切欠き９３および９４と垂直に重なり合
い、またトーンアーム降下アーム８７に隣接して
いる。さらにスリーブ９６の内部にはこれより小
さい降下制御装置９７があり、これはスリーブ９
６の上方へアーム８７に向かう方向に突出してい
る。降下制御装置９７はさらにスリーブ９６内の
細長いスロツトの中で無限の範囲にわたる微調整
を備え、制御装置９７の適切な位置は所定場所に
最終的に固定される前に最初に決定しておく。

動作中は、第１１図に最も良く示されているよ
うに、レコード速度選択ノブ４５のカム表面９１
がトーンアーム降下アーム８７の側面に押付けら
れて切欠き９３（第１０図）をピボツト回転さ
せ、トーンアーム・ハブ円板８３上で降下制御装
置９７と重なり合うようにする。第１０図はトー
ンアーム・ハブ円板８３およびトーンアーム作動
アーム７５に対するトーンアーム降下アームの屈
曲部分９２の相対的な向きを示す。このように、
動作中は３位置ノブ４５（第１１図）のカム表面
９１により成立するトーンアーム降下アーム８７
の側方への運動の方向に従つて、第１０図に示さ
れているように切欠き９３（12インチのレコード
用）または（直径７インチのレコードを収容する
ための）切欠き９４が押されてトーンアーム・ハ
ブ８３上の降下制御装置９７と係合する。

このような状況において、摩擦パツド８１（第
１０図）がトーンアーム・ハブ８３を駆動する
と、トーンアーム・ハブ８３上のスリーブ９６
（第１２図）はレコードの直径に適切な場所でト
ーンアーム２１（第３図）の側方運動を停止する
ために所定の切欠き９３または９４と係合する。
トーンアームの横向き運動を制動すると、12イン
チまたは７インチの直径のレコードに適合するト
ーンアーム２１の適切な降下が行なわれる結果と
なる。屈曲部分９２はトーンアーム・ハブ８３に
向かう降下アーム８７の一定の下降運動を確実に
保証する。この配置によりまた、適切な切欠き９
３または９４が降下制御装置９７の進路と一線に
並ぶ。

トーンアーム降下アーム８７は横向き、すなわ
ち側方向へ動くばかりでなく、垂直運動も行なう
（第１図、第１０図および第１２図）、アーム８７
の垂直運動により、トーンアームがプレーモード
で動作できるようにするために前述の降下機能が
達成された後に切欠き９３および９４が上昇す
る。この点に関して、この装置の場合、適切なト
ーンアーム降下がトーンアームのシヤフト９５を
粘性の高いシリコーン制動流体でコートすること
により達成されることに注意せよ。降下アーム８
７のこの垂直運動は前述のようにアーム８７の内
側に屈曲した部分９２により得られる。

予め選択された切欠き９３または９４（レコー
ド直径に従つて）は下方の低い位置にあるとき、
トーンアーム・ハブ８３上の降下制御装置９７の
進路と一線に並んでいる。従つて、予め選択した
切欠きをハブ円板スリーブ９６の進路内へ設定す
ると、その結果生じる係合によりトーンアームが
降下する。

その後、トーンアーム降下アーム８７内の切欠
きはスリーブ９６および降下制御装置９７の上方
へ垂直に持上げられてアームは自由に動くことが
できるようになる。アーム８７のこの垂直引上げ
は、思い出されるようにトーンアーム作動アーム
７５（第１図）の頂上部分に垂直に支えられた小
さい植込ボルトにより達成される。トーンアーム
作動アーム７５上の植込ボルトは降下アーム８７
の屈曲部分９２の下面と係合し且つアーム８７を
スリーブ８６および降下制御装置９７の上方へ引
上げるためにアーム７５と共に水平面内を運動す
る。

このように、降下アーム８７は、トーンアーム
作動アーム７５上の小さな植込ボルトが後により
詳細に説明するようにレコード交換装置が手動
で、または自動的に動作サイクルに入るまでレコ
ード演奏の間は降下アーム８７を垂直上方へ押し
ているために降下制御装置９７の上方に垂直に間
隔をおいて配置されたままである。従つて、レコ
ード演奏行程の開始時にはトーンアーム作動アー
ム７５は前述のようにトーンアーム・ハブ８３を
回転させるように動作する。この状態において、
トーンアーム作動アーム７５上の小さな植込ボル
トは降下アーム８７との係合から解除され、その
ため所定の切欠き９３または９４がハブ円板の降
下制御装置９７の進路内に入ることができる。こ
のような状況では、トーンアーム２１は急に、あ
ざやかに且つ迅速にレコード表面から持上げら
れ、トーンアームのカム・ギヤ構造構体２３（第
１図）に関して説明したように半径方向外向き
に、トーンアーム休止領域まで移動される。

改良したトーンアーム降下アーム８７Ａが第１
７図に示されている。図示されているように、ア
ーム８７Ａは第１０図および第１２図に関連して
説明した切欠き９３および９４と同じ機能を果た
す切欠き９３Ａおよび９４Ａを有する。しかしな
がら、トーンアーム降下アーム８７Ａのちようど
末端に尾部９８が付加されており、尾部９８はア
ーム８７Ａの傾斜表面を幾分拡張するためにトー
ンアーム・ハブ（第１２図に示されている）８３
に向かつて弓形に曲がつている。

尾部９８により付加された改良点は、可動部分
の間により広い機械的間隙が提供されること、お
よびこれが提供する調節のフレキシビリテイがよ
り大きいことである。さらにトーンアームのクラ
ツチ運動がより臨界的でなく、また後により詳細
に説明するように蓄音機の自動遮断において電力
スイツチの動作が遅延する結果が得られる。

レコード押出し構体 第３図に最も良く示されており且つ本発明の特
徴と一致する中心スピンドル５２は、保守が複雑
で高価且つ困難であるレコード押出し機構を内蔵
していない。その代わり、中心スピンドル５２は
ターンテーブルのベアリング１００の中に受容さ
れている中実シヤフトを具備する。スピンドル５
２の垂直に最も上の1/3は15゜の角度を有する片寄
りクランクを形成する。片寄りクランク部分１０
１はレコード落下構造１０５に向いている。

次に第４図を見ると、レコード１０３およびタ
ーンテーブル８５上に静止している積み重ねた山
１０４の１枚以上のレコードの取外しを安価にか
つ簡単にするために上方スピンドルつめがスピン
ドルに連結されているように示されている。レコ
ード落下構造１０５はレコード１０３の周囲部分
と係合する。レコード１０３の周囲の部分は中心
スピンドル５２の片寄りクランク部分より幾分低
い棚１０６の上に載つている。従つて（この場合
は直径12インチのレコードを収容するように図示
されている）レコード棚１０６は管１０７の頂上
付近に形成されている。

第４Ａ図に破線で示されているように、みぞ１
１０がレコード棚１０６の上面に形成されてい
る。みぞ１１０はさらにレコード１０３（第４
図）と半径方向に一線に並び且つスピンドル５２
の中心に向いている。このみぞは今度はプツシ
ユ・フインガ１１１（第４Ｃ図）のための案内部
を提供する。プツシユ・フインガはみぞ１１０の
中に受容されるまつすぐな柄を有する。しかしな
がら、管１０７の中空の中心の中へ突出するプツ
シユ・フインガ１１１の端はアイ１１２を有す
る。アイ１１２の中央開口は、ピボツトによりそ
の垂直中間点において管１０７の中空中心部分の
中に取付けられている垂直に向いたプツシユ・ア
ーム１１３の最上端を受容する。

第４Ａ図に示されているように、プツシユ・ア
ーム１１３の垂直にみて最も下の部分は管１０７
の下端の中空中心から突出するプツシユ・アーム
の部分である開口１１４を備えている。開口１１
４はアーム７５のための水平ピボツト７６（第１
図）の付近でトーンアーム作動アーム７５に連結
されているワイヤ・リンクを介してプツシユ・ア
ーム１１３をトーンアーム作動アーム７５に結合
する。

このカツプリングは、トーンアーム作動アーム
７５が動いてトーンアームをトーンアーム休止台
の外へ且つその上方へ移動させるとき、同時にレ
コードプツシユ・アーム１１３（第４Ａ図）も作
動してレコード１０３（第４図）を押して中心ス
ピンドル５２上の肩１１５からはずし、レコード
１０３が中心スピンドル・シヤフト５２に沿つて
レコードの山１０４の頂上またはターンテーブル
８５−場合によつては−まで降下できるようにす
る。この特殊な配置により、レコード交換装置の
総体的な外観は他の製品で観察される形とは全く
異なつたものとなる。まず第一に、レコードは中
心スピンドル５２に積み重ねられたとき水平に対
して鋭角を成して静止する。レコードの実際のタ
ーンテーブル８５または重ねられたレコード１０
４上への落下もさらに、押出しを達成するために
必要とされる力が少ないために非常に静かに行な
われる。さらにこの点に関して、レコードの軽
量、スピンドル・シヤフト５２の屈曲の減速効果
および下降運動しているレコードの下に成立する
エアクツシヨンの全てが組合わされて、殆ど雑音
のないレコード交換を提供する。

次にレコードプレーヤーにより直径の小さいレ
コードを収容するために管１０７の頂上に取付け
るための７インチレコード用アダプタ付属装置１
１６を示す第４Ｂ図および第１６図に注目する。
従つて、開口１１７が概して三日月形の付属装置
１１６の一端に形成されている。開口１１７の直
径は管１０７の頂上に形成されている延長部１２
０の外径に適合している。第４Ａ図に図示されて
いるように、延長部１２０はまたプツシユ・アー
ム１１３の垂直先端を収容するための中空の内部
を有している。細長いレコードプツシユ・フイン
ガ１２１は付属装置１１６の上面に形成されたみ
ぞ１２２の中に受容される。細長いプツシユ・フ
インガ１２１はさらに開口１１７の中へ突出し且
つ三日月形アダプタ付属装置１１６の反対側の末
端に形成されているくぼんだレコード棚１２３ま
で伸びている。

開口１１７の内部においてプツシユ・フインガ
１２１はストツパ１２４と開口１１７の内側との
間で圧縮ばね１２５に係合するストツパ１２４を
有する。プツシユ・アーム１１３はストツパ１２
４に当接して圧縮ばね１２５の力を克服する。こ
れによりプツシユ・フインガ１２１はみぞ１２２
内部を、レコード棚１２３上に支持されている７
インチのレコードの中心に対して半径方向に進行
する。このように、７インチレコード用アダプタ
付属装置１１６の機能および動作は動作の点では
第４Ａ図に図示されている12インチのレコード用
押出し構造に関して説明したものに類似してい
る。

第１４図は機能の点で第４Ｂ図に関して示し且
つ説明したアダプタ１１６と類似している７イン
チレコード用アダプタ１１６′を示す。

自動遮断システム レコードプレーヤーの自動遮断システムは２つ
の重要な機能を果たす。まず第一に、本発明のこ
の自動システムはターンテーブル用モータ構体２
２（第１図）への電力供給を停止するために主板
上のドグルスイツチを作動する。第２に、この自
動遮断システムはトーンアーム２１をレコード演
奏サイクルの終了時まで、またレコードプレーヤ
ーが自動的に遮断するまでトーンアーム休止台の
上方に保持する。

第１３図に最も良く示されているように、Ｕ字
形のレコード・センサ１２６がレコード交換シス
テムの構造の主要部分を含む管１０７上にピボツ
ト回転自在に取付けられている。レコード・セン
サ１２６はピボツト回転して、管１０７の外部表
面に対して、上下に揺動する。センサ１２６はさ
らに、その中央部分においてレコードまたは中心
スピンドル５２（第１３図には示されていない）
上のレコードの中心に向かつて半径方向内側へ揺
動するためにレコード棚１０６を越えて伸びてい
る。従つて、レコード・センサ１２６は後により
詳細に説明するように棚１０６上に支持されてい
る直径12インチのレコードを安定化するという二
重の目的を提供するばかりでなく、ターンテーブ
ル上へ降下する最後のレコードの演奏を感知する
構造を提供する。垂直に向いたロツド１２７（第
１図および第４図）が管１０７と軸方向に一線に
並ぶように取付けられている。ロツド１２７の上
端は第４図に示されている最後のレコード１０３
の上面のわずかに下方に配置されている。最後の
レコード１０３が重ねられたレコード１０４の頂
上に降下すると、レコード・センサ１２６は下方
へ、レコード棚１０６の高さ以下までピボツト回
転する。レコード・センサのリムは下方へ揺動す
るにつれてロツド１２７と係合し且つロツド１２
７を垂直方向下方へ押して自動レコードプレーヤ
ー遮断を開始する。

ロツド１２７のこの下降運動は水平面内で運動
するように第１０図に最も良く示されている通り
主板２０の下方に取付けられているトーンアーム
降下支持アーム１３０の側方運動を阻止する。

前述のように支持アーム１３０の側方運動を停
止すると、トーンアーム降下アーム８７はレコー
ド交換装置の各サイクルについて適切な降下位置
に保持される。しかしながら、支持アーム１３０
がアーム８７を支持するためにトーンアーム降下
アーム８７の下方を運動するように制限される
と、降下アーム８７は強制的にアーム８７を大き
く細長いスリーブ９６（第１２図）と係合させる
レベルまで押される。トーンアーム８７とスリー
ブ９６との間のこの係合によりトーンアーム２１
はトーンアーム休止部の上方に保持され且つ電力
スイツチの位置が「オフ」位置へ移動する。

電力トグルスイツチ１３１（第１１図）の動作
に加えられるような自動遮断はワイヤ・リンク機
構１３２が取付けられている小さなタブ１３３を
有するトーンアーム切欠き９３，９４（第１２
図）の領域まで広がるワイヤ・リンク機構１３２
の運動の機能である。小さなタブはトーンアーム
の表面に対して垂直であり、これが取付け穴を通
過した後にワイヤ・リンク機構１３２を受容し且
つ案内する開口を備えている。遮断トグル１３４
は遮断ワイヤ・リンク機構１３２の運動に応答し
て、最後のレコード演奏がレコード・センサ１２
６により記録された後にトーンアーム作動アーム
８７（第１０図）の進路内に動く。このような状
況において、ワイヤ・リンク機構（第１０図およ
び第１１図）は電力トグルスイツチ１３１に当接
し且つこのスイツチがその位置へ移動するように
し、ターンテーブル駆動モータ構体２２（第２
図）に電力を供給する回路を開く。このようにし
てレコードプレーヤーの活動が停止される。

直径が12インチより小さいレコードの演奏終わ
り特徴を提供するために、２位置キー（図示せ
ず）がロツド１２７の露出端に取付けられてい
る。従つて、直径７インチのレコードについて演
奏を終了するには、キーを押下げ且つこれをねじ
つて最下位置へロツクしさえすれば良い。このよ
うにロツクされるとキーはロツド１２７を押下
げ、ロツドは前述のようにレコードプレーヤーを
遮断する演奏終わり機能が動作し始める。

トーンアームへの指示提供 本発明の別の特徴に従えば、トーンアームに指
示（キユー）を与える２つの技術が提供されてい
る。さらに、これらの技術は双方共に製造が安価
であり且つ動作および保守の点で比較的トラブル
がない。

粘性の高いシリコーン制動流体がトーンアーム
のシヤフト９５（第３図）に塗布されていること
が思い出されるであろう。シヤフト９５に近接し
たトーンアーム２１の部分の近くに、かぎ状の部
分（第３図には示されていない）を有するピアノ
線ばねループが設けられている。このかぎ状部分
は三日月形部材７４（第１図）の下へ伸び且つそ
のフツクと隣接する三日月７４との間に約3/32イ
ンチ（2.4mm）の間隙を提供する。

第１図には三日月形部材７４と係合しているフ
ツク１３５が略図で示されている。この間隙は、
システムがレコード演奏動作モードにある間にト
ーンアーム（第１図には示されていない）が自由
に動けるようにするものである。しかしながら、
トーンアームが一旦手動で持上げられると、フツ
クと係合した三日月形引上げ部材７４も規準引上
げ点まで持上げられる。三日月形引上げ部材は次
に、トーンアームが手動で解放されるとただちに
シリコーン制動流体の粘性減速効果によりトーン
アームを静かにやさしくレコード表面上に降下さ
せる。

第２トーンアーム指示提供システムは第１５図
に最も良く図示されている。このキユー提供シス
テムはレコードプレーヤーにピボツト回転自在に
取付けられているトグルレバー１３６（第２図）
により制御される。第２図および第１５図に図示
されているように、トグルレバーは水平に可動で
ある傾斜面路１３７の下方の平坦な部分に連結さ
れている。

傾斜面路１３７は、水平すべり運動のために傾
斜面路１３７を支えるアーム１４１を有する支持
ブラケツト１４０により主板２０の下方に支持さ
れている。支持ブラケツト１４０はさらに主板２
０の下方表面にリベツト止め、ハンダ溶接または
その他の方法で適切に固着されている。

トーンアーム引上げロツド７３の最下端は傾斜
面路１３７の角度を成して傾斜する部分１４２上
に載つている。従つて、傾斜面路１３７が水平に
矢印１４３の方向に動かされるにつれて、トーン
アーム引上げロツド７３は垂直方向に上下動す
る。この特定の構造配置はすぐれた制御「感触」
を有し且つトーンアーム（第１５図には示されて
いない）をトグル装置１３６（第２図）のピボツ
ト回転運動を介して適切な高さに持上げる。

このように、トーンアームを任意の所望の長さ
の時間だけさらに操作を加えることなく持上げら
れた位置に移動させることができる。この第２の
技術はトーンアーム引上げ部材７４（第２図には
示されていない）の表面のシリコーン制動流体に
よりトーンアームをレコードの表面からスムース
に持上げ且つトーンアームをレコードの表面にや
さしく落とすものである。

自動レコード交換装置速度掛けはずしおよび手動
拒否 また、トーンアームをトーンアーム休止領域へ
移動し且つ別のレコードがレコード演奏終了時に
ターンテーブル上へ降下できるようにするための
手段も設けられている。またはその代わりに、こ
れらの手段は最後のレコードがターンテーブルに
落下し、その演奏が完了した後に先に説明したよ
うにレコードプレーヤーに動作を終了させること
もできる。

第１図に最も良く示されているように、堅いワ
イヤがトーンアーム・ハブ８３から下方掛けはず
し板１４４へ伸びている。下方掛けはずし板１４
４はカム・ギヤ５４の周囲ギヤ歯１４６の付近に
配置されている垂直タブ１４５を有する。

さらに、中心スピンドル５２の歯５３に隣接し
て、下方掛けはずし板１４４の上方に取付けられ
た上方掛けはずし板１４６がある。双方の掛けは
ずし板１４４および１４６は２枚の板１４４およ
び１４６を主板２０の底に接合する共通ピボツト
１４７を共有している。上方掛けはずし板１４６
はまた、直立し垂直に向いたタブ１５０も有す
る。さらに、１つのギヤーの歯が中心スピンドル
上の歯５３とターンテーブルとの間に設けられて
いる。

動作中、弾性ワイヤのロツドにより加えられる
力を受けて上方掛けはずし板１４６はターンテー
ブルのギヤ５３に向かつて押され且つ垂直に向い
たタブ１５０を介してこのギヤ５３と係合する。
ターンテーブルと歯５３との間に挿入される歯は
後に注意するような場合を除いて接近する頂上板
１４６の頂上板タブ１５０をスピンドル５２の各
回転ごとに後方へ、またはその逆の方向へ押しや
る。従つて、ターンテーブルのギヤが回転するた
びに頂上板が後方へわずかに押しやられて、レコ
ード交換機構がカム・ギヤ５４の回転開始により
制御されるサイクルに入るのを防ぐ。

しかしながら、一旦トーンアームのレコードの
トリツプみぞに向かう動きが起こると、頂上板タ
ブ１５０はスピンドル５２の歯により進路外へ押
しやられず、ターンテーブルのギヤ部分５３と係
合して、それによりカム・ギヤの歯５４が中心ス
ピンドル５２上の歯５３とかみ合うようにする。
このように、カム・ギヤの歯が回転しているスピ
ンドルのギヤの歯５３とかみ合うと、植込ボルト
６６はＶ字形部材５７およびトーンアーム作動ア
ーム７５に対して回転し始める。この運動はシス
テムをトーンアーム引上げ、レコード交換および
トーンアーム降下動作を通じて循環させるかまた
はその代わりにレコード・センサ１２６（第４
図）がレコード棚１０６の高さより下に落下して
いれば、レコードプレーヤー全体の給電停止を開
始する。

手動拒否 レコードを手動で拒否するには、ターンテーブ
ル機構をサイクルに乗せるだけで良い。これを達
成するために、ピアノ線またはその他の適切な堅
い弾性のロツド１５１が上方掛けはずし板１４６
のタブ１５０に当接するようにレコード交換・速
度制御ノブ２５から連結されている。この堅いが
弾性のワイヤ１５１はターンテーブルの下方へ伸
び且つターンテーブルのくぼみ（第１図には示さ
れていない）の側面に設けられた開口を通過す
る。

レコード拒否ワイヤ１５１の向き決定は、ワイ
ヤが正の方向に上方掛けはずし板１４６上の拒否
タブ１５０に向かつて自由に進行できるようにす
る案内部（これも第１図には示されていない）に
より成立する。第１図に最も良く示されているよ
うに、拒否ワイヤ１５１の規準不作動位置におい
てワイヤはタブ１５０の隣接する表面から短い距
離をおいた位置にある。しかしながら、レコード
交換・速度制御ノブ２５がその軸を中心として右
回りに回転されると、レコード拒否ワイヤ１５１
はタブ１５０の隣接する表面に押付けられる。ノ
ブ２５のこの右回りの回転によりレコード拒否ワ
イヤ１５１が押されてタブ１５０と係合し、その
ため上方掛けはずし板１４６がカム・ギヤ５４の
進路内へ動く。このようにしてギヤ５３および５
４が共にかみ合つて手動拒否機能を果たす。

従つて、本発明に従つていくつかの重要な改良
が提供される。典型的には、動かなくなるような
ことがないようにしたレコード交換機構は安価で
且つ容易に製造される部品を使用している。さら
に、トーンアームの運動によりトーンアームを駆
動する摩擦パツドの形をとる交換に対する自動補
償が許容される。多数の機能が安価で且つ容易に
製造される堅いワイヤ・ロツドにより実行され
る。本発明のその特徴の中には、ターンテーブル
を駆動するモータの磁界が遊びギヤをも引付けて
ターンテーブルと駆動接触するようにした構造も
ある。その結果として本発明は現在ある装置より
有効で、より安価であり且つより保守が容易であ
るレコードプレーヤーを作り出している。

【図面の簡単な説明】

第１図は概略的に示され且つターンテーブル、
レコードおよびトーンアーム等のいくつかの構成
要素をより明瞭にするために省略したレコード・
プレーヤーの平面図；第２図は第１図のＡ−Ａ線
に沿つて切断して示す断面図；第３図は第１図の
Ｂ−Ｂ線に沿つて切断して示す断面図；第４図は
第１図のＣ−Ｃ線に沿つて切断して示す断面図；
第４Ａ図はレコード交換機構の一部の正面図；第
４Ｂ図はレコード交換機構付属装置を示す図；第
４Ｃ図はレコード交換機構に関連して使用するプ
ツシユ・フインガの平面図；第５図は第１図に示
されている本発明の実施例において使用するため
のトーンアーム引上げリンク連結部を示す図；第
６図は第１図に示されている本発明の実施例にお
いて使用するためのトーンアーム作動装置を示す
斜視図；第７図は第１図に示されている本発明の
実施例において使用するためのターンテーブル駆
動速度変化機構の斜視図；第８図はターンテーブ
ルの遊び車と選択的に係合するリンク機構の斜視
図；第９図はターンテーブル駆動遊び車と係合す
る別のリンク機構の斜視図；第１０図はトーンア
ーム・シヤフト作動機構の下面図；第１１図は第
１図に示されている本発明の実施例に関連して使
用するためのレコード速度変化・トーンアーム降
下制御ノブの下面図；第１２図はトーンアーム降
下制御リンク機構の斜視図；第１３図はレコード
安定器および自動ターンテーブル遮断システムの
斜視図；第１４図は直径７インチのレコードを収
容するための取外し自在の延長アームの平面図；
第１５図は第１図に示されている本発明の実施例
のための手動キユー提供リンク機構の略斜視図；
第１６図は直径７インチのレコードに適合する第
１図に示された本発明の実施例の側面図；および
第１７図は改良したトーンアーム降下アームの斜
視図である。 図中符号、２０……主板、２１，８４……トー
ンアーム、２２……ターンテーブル駆動モータ構
体、２３……トーンアーム制御カム・ギヤ機構、
２４……トーンアーム引上げ・降下構体、２５…
…レコード交換・速度制御ノブ構体、２６……レ
コード押出し構体、２７……ターンテーブル駆動
モータ、３０……界磁石、３２……駆動シヤフ
ト、３３……直径の大きな部分、３４……直径の
小さな部分、３５……遊び車、３７……遊びリン
ク、５２……中心スピンドル、７３……トーンア
ーム引上げロツド、７５……トーンアーム作動ア
ラーム、８３……トーンアーム・ハブ円板、８５
……ターンテーブル、８７，８７Ａ……トーンア
ーム降下アーム、９０……ピボツト開口、９３，
９３Ａ，９４，９４Ａ，……切欠き、９５……ト
ーンアームのシヤフト、９６……スリーブ、９７
……降下制御装置、１０３……レコード、１０４
……重ねられたレコード、１０５……レコード落
下構造、１０６，１２３……レコード棚、１１
１，１２１……プツシユ・フインガ、１１３……
プツシユ・アーム、１２６……レコード・セン
サ、１３……トーン降下支持アーム、１３５……
フツク、１３６……トグルレバー、１３７……傾
斜面路、１４１……アーム、１４４……下方掛け
はずし板、１４６……上方掛けはずし板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転する際に磁界を発生するモータと、レコ
   ードを支持するターンテーブルと、上記ターンテ
   ーブルを駆動可能な遊び車と、を備え、上記遊び
   車を上記磁界により上記ターンテーブルおよびモ
   ータと係合する位置へ吸引するするとともに上記
   モータによつて回転させるレコードプレーヤー。 ２ 上記遊び車は、軸の回りで回動自在なアーム
   と協同し、上記アームは上記モータによつて発生
   された磁界に吸引されて上記軸の回りで回動し、
   遊び車を上記ターンテーブルと係合する位置に移
   動させることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載のレコードプレーヤー。 ３ 上記遊び車は上記アームと協同するリンクを
   有し、上記リンクは上記アームが回動した際、上
   記遊び車をターンテーブルと係合する位置へ引付
   けることを特徴とする特許請求の範囲第２項に記
   載のレコードプレーヤー。 ４ 回転する際に磁界を発生するモータと、レコ
   ードを支持するターンテーブルと、上記ターンテ
   ーブルを駆動可能な遊び車と、上記遊び車に接続
   されているとともに上記磁界により吸引可能に設
   けられ、上記磁界に吸引された際、上記遊び車を
   上記ターンテーブルおよびモータと係合する位置
   へ移動させるアーム部材と、上記遊び車を上記タ
   ーンテーブルおよびモータとの係合を解除する方
   向に付勢した付勢部材と、を備えたレコードプレ
   ーヤー。