JPH01147051A - 薄肉円筒体の内面溶射方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は金属製の薄肉円筒体の内周面にセラミックス等
を連続的に溶射するためめにの薄肉円筒体の内面溶射方
法および装置に関する。

（従来の技術） 溶射は溶融状態に加熱した溶射材粉末または粒子を素材
表面に高速度で吹付けて層をつくる被膜形成用の表面処
理手段である。この溶射処理は、金属材料をはじめ、セ
ラミックス、有機材料など、殆どの材料を対象とするこ
とができること、溶射材料の種類が広範囲で、異種材料
の混合被膜も容易に形成できることなどの特徴から、近
年各種分野で利用されつつある。

例えば高温流体を流通させる金属円筒体の内面に耐熱性
の金属やセラミックスなどを溶射する場合には、まず被
溶射物である円筒体の内面を脱脂、洗浄後、ブラスト処
理を滴して粗面化し、溶射材としての金属やセラミック
スとのアンカー効果による被膜密着性を高める前処理を
施す。

その後、円筒体を軸心回りに回転させながら、その内周
側に配置した溶射ノズルを相対的にその円筒体の軸方向
に移動して連続的に内面溶射を施すようになっている。

ところが、ガスタービン燃焼器ライナのように、被溶射
物が肉厚が２ｍ以下の薄肉１ｒＪ筒体であって、その内
面に溶射を行なう場合には、ブラスト処理による歪の発
生、溶射熱による母材の変形や焼損、あるいは未付着粒
子の被膜中への巻込み等が生じ、健全な状態の溶射被膜
を得ることが困難である。

（発明が解決しようとする問題点） 従来、薄肉円筒体に内面溶射を施す場合、溶射熱によっ
てｆｎｌＪに変形が生じたり、未付着粒子が被膜中に巻
込まれたりして、健全な状態の被膜形成を得ることが困
難であった。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、薄肉
円筒体に熱変形や焼損を生じさせることがなく、しかも
未付着粒子を被膜中に巻込むこともなく、健全な状態で
溶射被膜を形成することができる薄肉円筒体の内面溶射
方法および装置を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明に係る薄肉円筒体の内面溶射方法は、薄肉円筒体
を軸心回りに回転させながら、その内周側に配置した溶
射ノズルを相対的にその薄肉円筒体の軸方向に移動して
連続的に内面溶射を施す方法において、薄肉円筒体の外
周面の溶射ノズルが配置する軸方向部位に冷却用の圧縮
気体を連続的に噴射するとともに、薄肉円筒体の内周面
の溶射ノズルの相対移動方向の前方位置に洗浄用の圧縮
気体を溶射部へ向けて連続的に噴射することを特徴とす
る。

また、本発明に係る薄肉円筒体の内面溶射装置は、薄肉
円筒体を軸心回りに回転させる回転装置と、前記薄肉円
筒体の内周面に向かう溶射ノズルを有する溶射ガンと、
この溶射ガンまたは前記薄肉円筒体の一方を他方に対し
軸方向に相対的に移動させる移動装置と、前記薄肉円筒
体の外周面側の前記溶射ノズル配置部位に設けられ、そ
の先端が薄肉円筒体外周面に向けられた冷却気体噴射用
の冷却用ノズルと、前記薄肉円筒体の内周面側の舶記溶
射ノズルの相対移動方向前方位置に設けられ、その先端
が溶射ノズル近傍に配置された洗浄気体噴射用の洗浄用
ノズルと、これら冷却用ノズルおよび洗浄用ノズルに冷
却用圧縮気体および洗浄用圧縮気体をそれぞれ供給する
圧縮気体供給装置とを具備してなることを特徴とする。

（作用） 被溶射物である薄肉円筒体の外周側を溶射位置に対応し
て気体冷却することにより、溶射部の過熱が防止され、
熱変形や焼損のおそれがない。

また、薄肉円筒体内では溶射部近傍で気体噴射がなされ
ることにより、未付着粒子の溶射被膜への巻込みが防止
され、良好な被膜形成が行なわれる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

まず、溶射装置について説明する。

この実施例では自走式円筒体回転移動装置１が備えられ
、被溶射物である薄肉円筒体２を軸心回りに回転させな
がら、軸方向に移動させるようになってる。即ち、自走
式円筒体回転移動装置１は、駆動線溝を内装し車輪３に
よって床４上を水平方向ａに前進または侵退し得る移動
！ａ置基本体と、この移動装置本体５の上部に設けられ
た回転装置６とを有する。回転装置６は、本体移動方向
ａと軸心が平行な左右一対の回転軸７を有し、この回転
軸７が本体内の駆ｖＪ機構によって回転するようになっ
ている。各回転軸７には鍔８付き筒状の支持部材９が間
隔的に、かつ回転軸７と一体回転可能に一対取付けられ
、各鍔８は各支持部材９の互いに相反する端部側に配置
されている。

被溶射物としての円筒体２は、その外周側に嵌合した一
対のベークライトリング１０を介して、前記回転軸７の
支持部材９上に転接状態で載置されている。即ち、各ベ
ークライトリング１０は外端側の面を支持部材９の鍔８
に当接し、これにより円筒体２を軸方向に拘束するよう
になっている。

そして、回転軸７の回転により、円筒体２は軸心す回り
（矢印Ｃ方向）に回転するとともに、移動装置本体５と
ともに軸方向ａに移動可能となっている。

円筒体２の内側には、上向きの溶射ノズル１１を有する
溶射ガン１２が円筒体２に対して軸方向に相対移動可能
に設（プられている。即ち、この溶射ガン１２は図示し
ない支持装置で円筒体２内方に固定配置したもので、移
動装置本体５の移動により、円筒体２に対する軸方向位
置を相対的に変化し得る。なお、溶射ガン１２は例えば
プラズマ溶射式のもので、溶射材供給管１３を介して溶
射ノズル１１に送られる粉末材料を大電流に基づくプラ
ズマによって溶融し、円筒体２の内面に溶射させる。

また、円筒体２の外周側には冷却用ノズル１４が配設さ
れる。この冷却用ノズル１４は溶１）Ｊノズル１１と同
一軸方向位置に固定配置され、その先端が円筒体２の外
周面に向けられ、圧縮気体供給装置としての図示しない
圧縮空気供給装置から給気配管１４ａを介して冷却用圧
縮空気を導入し、その圧縮空気を円筒体２の外周面の溶
用位置に噴出するようになっている。

さらに、円筒体２の内周側の溶射ノズル１１の相対移動
方向前方位置く図の左側）には、洗浄用ノズル１５が設
けられている。この洗浄用ノズル１５は先端が溶射ノズ
ル１１近傍に配置され、給気配管１５ａを介して図示し
ない圧縮空気供給装置から圧縮空気を供給され、溶射ノ
ズル１１からの溶射材料未付着粒子を溶射位置直前の溶
射面から排出するものである。

次に、溶射方法について説明する。

薄肉円筒体２はガスタービン燃焼器ライナを構成するも
ので、ニッケル基耐熱合金製である。この薄肉円筒体２
は例えば肉厚が１．５＃、直径が３０Ｃ）ｓ、長さが９
８０ｍに設定しである。

まず、この円筒体２の内面に溶射準備工程としてブラス
ト処理を施す。ブラスト処理は例えば４゜５　Ｋ９　／
　ｃｔｉの空気圧のもとで、＃３０の研掃材を用い、内
径用ノズルにより距離１３０Ｉｎｍで行なう。

これにより、表面粗度４５μｍの粗面化が施された。

このようにして内周面が粗面化された円筒体２に図示の
如くベークライトリング１０を装着し、回転装置６上に
設置する。

そして、回転装置６により円筒体２を軸心回り回転させ
るとともに、移ａ装置１を軸方向に移動させ、かつれく
ようノズル１４および洗浄用ノズル１５から円筒体２の
外面および内面圧縮空気を噴射した状態で、溶射ガン１
２即ちプラズマ溶射装置を作動させ、溶射ノズル１１か
らの円筒体２内面への溶射処理を行なう。

溶射処理は、例えば１回当りの膜厚さが１５〜２０μｍ
となるよう材料供給量を制御して行ない、移動装置を所
要回数往復移動させながら、目標厚さの被膜を得るよう
にする。例えば、前述した寸法円筒体２に対し、これを
２０ｒ、ｐ、ｍで回転させるとともに５０ｍ／分で軸方
向に移動させ、溶射距離５０＃、電流５００Ａ、電圧７
０Ｖの条件でＺｒｏ　−８％Ｙ２ｏ３の粉末を溶射し、
２０パスの処理を行なったところ、３８０μｍの厚みの
被膜が得られた。

この場合、溶射後の円筒体２の変形は発生せず、また被
膜の密着強度も６５０に９／ｃｉと極めて優れたちのと
なり、しかも被膜の表面状態も未ｆｊ着粒子の巻込みが
ない良好なものとなった。

なお、前述したブラスト処理について種々の試験を行な
った結果、ニッケル基耐熱合金製で肉厚が２＃１以下の
薄肉円筒体の場合、表面粗度を５０μｍ以下とすること
が密着性の高い溶射被膜を得るうえで好ましいことが認
められた。このためのブラスト条件としては、４．５に
９／ｃｄの空気圧のもので＃３０の研掃材を用いて１０
０〜１５０ＩＭＲの距離で処理することが有効である。

なお、前記実施例では、溶射ノズル１１、冷却用ノズル
１４および洗浄用ノズル１５を固定配置とし、円筒体２
を移動させるようにしたが、これは最も容易に実施でき
る例であって、必ずしもそのような手段に限られない。

即ち、溶射ノズル１１、冷却用ノズル１４および洗浄用
ノズル１５等と円筒体２を相対的に移動させ、溶射部位
の冷却と洗浄が連続的におこなわなれればよい。

また、前記実施例では、冷却用および洗浄用の気体とし
て圧縮空気を使用したが、炭酸ガス、窒素ガス、アルゴ
ンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用してもよい
。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明によれば、被溶射物である薄肉円
筒体の外周面側を気体冷却するとともに、内周面側を気
体洗浄することにより、熱変形や焼損を生じさせること
なく、また未付着粒子の被膜への巻込みを生じることも
なく、健全かつ強固な被膜形成が行なえるようになる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係る溶射装置の一実施例を示す構成図であ
る。 １・・・移動装置、２・・・円筒体、６・・・回転装置
、１１・・・溶射ノズル、１２・・・溶射ガン、１４・
・・冷却用ノズル、１５・・・洗浄用ノズル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、薄肉円筒体を軸心回りに回転させながら、その内周
   側に配置した溶射ノズルを相対的にその薄肉円筒体の軸
   方向に移動して連続的に内面溶射を施す方法において、
   薄肉円筒体の外周面の溶射ノズルが配置する軸方向部位
   に冷却用の圧縮気体を連続的に噴射するとともに、薄肉
   円筒体の内周面の溶射ノズルの相対移動方向の前方位置
   に洗浄用の圧縮気体を溶射部へ向けて連続的に噴射する
   ことを特徴とする薄肉円筒体の内面溶射方法。 ２、薄肉円筒体を軸心回りに回転させる回転装置と、前
   記薄肉円筒体の内周面に向かう溶射ノズルを有する溶射
   ガンと、この溶射ガンまたは前記薄肉円筒体の一方を他
   方に対し軸方向に相対的に移動させる移動装置と、前記
   薄肉円筒体の外周面側の前記溶射ノズル配置部位に設け
   られ、その先端が薄肉円筒体外周面に向けられた冷却気
   体噴射用の冷却用ノズルと、前記薄肉円筒体の内周面側
   の前記溶射ノズルの相対移動方向前方位置に設けられ、
   その先端が溶射ノズル近傍に配置された洗浄気体噴射用
   の洗浄用ノズルと、これら冷却用ノズルおよび洗浄用ノ
   ズルに冷却用圧縮気体および洗浄用圧縮気体をそれぞれ
   供給する圧縮気体供給装置とを具備してなることを特徴
   とする薄肉円筒体の内面溶射装置。