JPH0113969B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、シヤーにおける端材引出装置、さ
らに詳しくは、とくに加工材料から切断される製
品の前後長さが短い場合に加工材料の端材をバツ
クゲージストツパに当るまで下刃の前方に引出す
ために使用される装置に関する。

なお、この明細書において、前後左右は加工材
料の移動方向についていうものとする。

従来の技術 第５図は従来のシヤーの切断部を示し、１はベ
ツド、２は下刃台、３は下刃、４はスライド、５
は上刃である。６は下刃３の後方に適当数配置さ
れた加工材料搬入装置であり、加工材料を電磁力
で上面に吸着して前方に送る電磁ベルトコンベア
から構成されている。７は加工材料搬入装置６に
対応して下刃３の前方に適当数配置された加工材
料引出装置であり、加工材料を電磁力で下面に吸
着して前方に送る電磁ベルトコンベアから構成さ
れている。８は加工材料引出装置７の下方に前後
移動自在に配置されたバツクゲージトツパ支持体
であり、ねじ送り式の移動機構（図示略）により
前後の位置調整ができるようになつている。９は
バツクゲージストツパ支持体８の後端に取付けら
れたバツクゲージストツパであり、加工材料引出
装置７に対応する部分が切欠かれている。

上記のシヤーにおいて加工材料を切断する場
合、製品の前後長さが長いときには、バツクゲー
ジストツパ９は第５図に鎖線で示すように加工材
料引出装置７の後端より前方に移動させられる。
そして、加工材料は搬入装置６により引出装置７
の下方に達するまで前方に送られたのち、引出装
置７に吸着されてバツクゲージストツパ９に当る
まで前方に引出されて停止し、このような状態で
切断加工が行なわれる。また、製品の前後長さが
短いときには、バツクゲージストツパ９は同図に
実線で示すように加工材料引出装置７より後方に
移動させられる。そして、引出装置７を使用する
ことなく、加工材料は搬入装置６のみによりバツ
クゲージストツパ９に当るまで前方に送られて停
止し、このような状態で切断加工が行なわれる。

発明が解決しようとする問題点 ところが、上記のような従来のシヤーでは、製
品の前後長さが短い場合に、加工材料の長さや製
品の前後長さによつては、第５図に示すように、
加工材料の最終部分すなわち端材Ｓの前後長さ(a)
が製品の前後長さ(b)より長いにもかかわらず、端
材Ｓが搬入装置６から外れてバツクゲージストツ
パ９に達しないことがある。このような場合は、
端材Ｓから製品を切断することは不可能であるの
で、製品より大きい端材Ｓを製品とはせずに捨て
ており、その分だけ材料ロスが多く発生する。

この発明は、上記の問題を解決し、端材をバツ
クゲージまで引出して切断することを可能にする
経済的な装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 この発明による端材引出装置は、 下刃の前方に、加工材料を電磁力で下面に吸着
して前方に送る電磁ベルトコンベヤからなる加工
材料引出装置が配置されるとともに、後端にバツ
クゲージストツパが取付けられたバツクゲージス
トツパ支持体が前後移動自在に配置されているシ
ヤーにおいて、 バツクゲージストツパ支持体の下側にコンベヤ
支持体がバツクゲージストツパおよびバツクゲー
ジストツパ支持体の後部の切欠き部分を通つて前
後および上下に移動しうるように取付けられ、下
刃の上から前方に突出して停止している加工材料
の端材を磁力により上面に吸着してバツクゲージ
ストツパに当るまで前方に送るための端材引出用
ベルトコンベヤがコンベヤ支持体に取付けられて
おり、コンベヤ支持体が上方に移動したときに端
材引出用ベルトコンベヤの前部が加工材料引出装
置の下面に圧接するようになされていることを特
徴とするものである。

作 用 加工材料から切断される製品の前後長さが長い
場合、端材引出装置は使用されない。

製品の前後長さが短くて、端材の前後長さが製
品の前後長さより長いにもかかわらず端材がバツ
クストツパゲージに達しないような場合には、ま
ず、端材引出用ベルトコンベヤの後端が下刃のす
ぐ前にくるまでコンベヤ支持体が後方に移動した
のち、コンベヤ支持体が上方に移動し、端材引出
用ベルトコンベヤの前部が加工材料引出装置の下
面に圧接する。これにより、加工材料引出装置か
ら端材引出用ベルトコンベヤに動力が伝えられ、
端材はベルトコンベヤの上面に吸着されて前方に
送られ、バツクゲージストツパに当つて停止す
る。そして、コンベヤ支持体が下方に移動したの
ち前方に移動し、このような状態で切断加工が行
なわれる。

実施例 第１図および第２図は、シヤーの切断部と端材
引出装置１０を示す。

シヤーの構成すなわちベツド１１、下刃台１
２、下刃１３、スライド１４、上刃１５、加工材
料搬入装置１６、加工材料引出装置１７、バツク
ゲージストツパ支持体１８およびバツクゲージス
トツパ１９の構成、配置などは従来のものと同様
である。なお、バツクゲージストツパ１９および
その支持体１８の後部において、加工材料引出装
置１７に対応する部分が切欠かれている。

端材引出装置１０は、加工材料引出装置１７の
真下に１つず配置され、次のようにバツクゲージ
ストツパ支持体１８の下面に取付けられている。

すなわち、バツクゲージストツパ支持体１８の
下面には前後方向に伸びる横断面略Ｌ形のガイド
レール２０が固定され、移動体２１の左右の側板
２２の上端に固定された摺動ブロツク２３がこれ
らのレール２０により支持体１８の下面に前後摺
動自在に支持されている。移動体２１の左右の側
板２２は、図示は省略したが、適宜な部材により
互いに連結されており、各側板２２の下部の外側
の面には水平なばね支持板２４が固定されてい
る。移動体２１の下方にはこれより左右方向外側
に張出した水平基板２５が配置され、基板２５の
左右側部上面に垂直に固定されたガイドピン２６
が移動体２１のばね支持板２４を上下移動自在に
貫いている。そして、ガイドピン２６の上端とば
ね支持板２４の間に基板２５を上向きに付勢する
圧縮コイルばね２７が取付けられ、基板２５は、
通常、移動体２１の側板２２の下端面に圧接させ
られている。

基板２５の上面には左右一対のガイドピン２８
が垂直に固定され、これらのピン２８にコンベヤ
支持体２９が上下移動自在に取付けられている。
コンベヤ支持体２９は、左右１対の側板３０と、
側板３０の後端部下端同志を連結する連結部材３
１と、側板３０の前端部同志を連結する連結部材
３２と、側板３０の前部下端同志を連結する水平
連結板３３と、連結板３３の左右両側部下面に固
定されたガイド部材３４とからなり、ガイドピン
２８がコンベヤ支持体２９のガイド部材３４およ
び連結板３３を上下摺動自在に貫いている。基板
２５の中央部上面にはコンベヤ支持体上下移動用
空気シリンダ３５が上向きに固定され、そのピス
トンロツド３６の上端にコンベヤ支持体２９の連
結板３３が固定されている。なお、コンベヤ支持
体２９の上部は、バツクゲージストツパ１９およ
びその支持体１８の後部の切欠き部分に位置して
いる。

下刃１３の上から前方に突出して停止している
加工材料の端材Ｓを磁力により上面に吸着してバ
ツクゲージストツパ１９に当たるまで前方に送る
ための端材引出用ベルトコンベヤ３７がコンベヤ
支持体２９に取付けられている。このコンベヤ３
７は、側板３０の後端部相互間に回転自在に支持
された電磁ローラ３８と、側板３０の前部相互間
に回転自在に支持された駆動力伝達ローラ３９
と、これらのローラ３８，３９に掛けられたベル
ト４０と、側板３０の下部に上下位置調節可能に
取付けられたテンシヨンローラ４１とからなり、
電磁ローラ３８および駆動力伝達ローラ３９は側
板３０の上端より少し上に出ている。なお、コン
ベヤ３７は電磁力のかわりに永久磁石により端材
Ｓを吸着するものであつてもよい。また、側板３
０の後端部の連結部材３１の後面には緩衝材４２
が固定され、この緩衝材４２はコンベヤ３７の後
端よりわずかに後方に突出している。

バツクゲージストツパ支持体１８の前部下面に
ブラケツト４３が固定され、後向きに配置された
コンベヤ支持体前後移動用空気シリンダ４４の後
端部が水平ピン４５によりこのブラケツト４３に
回転自在に取付けられている。そして、このシリ
ンダ４４のピストンロツド４６の後端と、コンベ
ヤ支持体２９の前側の連結部材３２および連結板
３３の前面の左右方向中央部に固定されたブラケ
ツト４７とが水平ピン４８により回転自在に連結
されている。

第２図はコンベヤ支持体２９が下端位置の前端
位置すなわち非作動位置にある状態を示し、この
とき、２つのシリンダ３５，４４のロツド３６，
４６は最も退入した位置にあり、コンベヤ３７の
上面は加工材料引出装置１７の下面より少し下方
に離れ、緩衝材４２の後面はバツクゲージストツ
パ１９の後面より少し前方にある。

第１図に実線で示すように、前後移動用空気シ
リンダ４４のロツド４６が進出すると、コンベヤ
支持体２９は後方に移動し、ベルトコンベヤ３７
はバツクゲージストツパ１９の後面より後方に突
出す。そして、同図に鎖線で示すように、上下移
動用空気シリンダ３５のロツド３６が進出する
と、コンベヤ支持体２９は上方に移動し、駆動力
伝達ローラ３９がベルト４０を介して加工材料引
出装置１７の下面に圧接する。なお、駆動力伝達
ローラ３９が加工材料引出装置１７に圧接したの
ちは、ロツド３６が進出しても、基板２５がばね
２７に抗して移動体２１から離れて下方に移動
し、ローラ３９はばね２７の力により加工材料引
出装置１７の下面に押付けられる。そして、これ
により、駆動力伝達ローラ３９が矢印方向に回転
して、ベルト４０が矢印方向に駆動され、電磁ロ
ーラ３８も矢印方向に回転する。したがつて、コ
ンベヤ３７を駆動するための動力源を端材引出装
置１０に設ける必要がない。

加工材料から切断される製品の前後長さが長い
場合は、バツクゲージストツパ１９は第２図に鎖
線で示すように加工材料引出装置１７の後端より
前方に移動させられ、コンベヤ支持体２９は非作
動位置に停止したままである。そして、このよう
な状態で、従来と同様にして切断加工が行なわれ
る。このとき、コンベヤ支持体２９は常に非作動
位置にあり、しかも端材引出装置１０はバツクゲ
ージストツパ支持体１８とともに移動するから、
他の作業を妨げることがない。

製品の前後長さが短い場合は、バツクゲージス
トツパ１９は第２図に実線で示すように加工材料
引出装置１７より後方に移動させられ、加工材料
が搬入装置１６によりバツクゲージストツパ１９
まで送られる間は、コンベヤ支持体２９は非作動
位置に停止したままであり、従来と同様にして切
断加工が行なわれる。そして、加工材料の端材Ｓ
の前後長さ(a)が製品の前後長さ(b)より長いにもか
かわらず端材Ｓがバツクゲージストツパ１９まで
達しないような場合には、次のように端材引出装
置１０が作動する。

まず、第１図に実線で示すように、コンベヤ支
持体２９が後方に移動し、緩衝材４２が下刃１３
の前面に圧接した状態で停止する。このとき、コ
ンベヤ３７の後端は下刃１３の前面よりわずかに
前方にある。次に、同図に鎖線で示すように、コ
ンベヤ支持体２９が上方に移動し、前述のように
コンベヤ３７が加工材料引出装置１７に圧接して
駆動される。そして、端材Ｓはコンベヤ３７の上
面に吸着されて前方に送られ、バツクゲージスト
ツパ１９に当つて停止する。端材Ｓがバツクゲー
ジストツパ１９に達して停止したならば、コンベ
ヤ支持体２９は下方に移動したのち前方に移動し
て非作動位置に戻り、これと同時に端材Ｓの切断
加工が行なわれる。

発明の効果 この発明の端材引出装置によれば、上述のよう
に、バツクゲージストツパ支持体に取付けられた
コンベヤ支持体に端材引出用ベルトコンベヤが取
付けられているので、加工材料から切断される製
品の前後長さが短い場合であつても、端材引出用
ベルトコンベヤにより加工材料の端材を確実にバ
ツクゲージストツパまで引出して切断することが
できる。したがつて、従来のように材料ロスを多
く生じることがなく、経済的である。また、コン
ベヤ支持体が前後および上下に移動しうるもので
あるから、端材引出装置を使用しないときに他の
作業が妨げられることもない。さらに、コンベヤ
支持体が上方に移動したときに、端材引出用ベル
トコンベヤの前部が加工材料引出装置の下面に圧
接するので、加工材料引出装置から端材引出用ベ
ルトコンベヤに動力が伝えられ、端材引出用ベル
トコンベヤに駆動装置を設ける必要がない。した
がつて、端材引出装置を小形で簡単なものにする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例を示すシヤーの切断
部と非作動状態の端材引出装置の部分切欠き側面
図、第２図はシヤーの切断部と作動状態の端材引
出装置を示す第１図相当の図面、第３図は端材引
出装置の主要部の部分切欠き背面図、第４図は同
主要部の平面図、第５図は従来例を示すシヤーの
切断部の側面図である。 １０……端材引出装置、１３……下刃、１７…
…加工材料引出装置、１８……バツクゲージスト
ツパ支持体、１９……バツクゲージストツパ、２
９……コンベヤ支持体、３７……端材引出用ベル
トコンベヤ、Ｓ……端材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下刃１３の前方に、加工材料を電磁力で下面
   に吸着して前方に送る電磁ベルトコンベアからな
   る加工材料引出装置１７が配置されるとともに、
   後端にバツクゲージストツパ１９が取付けられた
   バツクゲージストツパ支持体１８が前後移動自在
   に配置されているシヤーにおいて、 バツクゲージストツパ支持体１８の下側にコン
   ベヤ支持体２９がバツクゲージストツパ１９およ
   びバツクゲージストツパ支持体１８の後部の切欠
   き部分を通つて前後および上下に移動しうるよう
   に取付けられ、下刃１３の上から前方に突出して
   停止している加工材料の端材Ｓを磁力により上面
   に吸着してバツクゲージストツパ１９に当るまで
   前方に送るための端材引出用ベルトコンベヤ３７
   がコンベヤ支持体２９に取付けられており、コン
   ベヤ支持体２９が上方に移動したときに端材引出
   用ベルトコンベヤ３７の前部が加工材料引出装置
   １７の下面に圧接するようになされていることを
   特徴とするシヤーにおける端材引出装置。